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診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で深掘りする|長期収載品の今後の在り方② 薬価・収益性はどう変わる?G1の見直しと製品への影響

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※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。

令和8年度診療報酬改定では、医薬品メーカー・卸にも関わる見直しとして、長期収載品の選定療養における患者負担の水準が変更されました。さらに、令和8年度薬価制度改革では、長期収載品の薬価引き下げルールも見直されています。

患者負担と薬価の両面で見直しが行われたことで、長期収載品の需要だけでなく、薬価・収益性、製品ライフサイクル、販売・供給管理への影響も確認する必要があります。そこで、「長期収載品の今後の在り方」を、患者の選択、薬価・収益性、製品ライフサイクル、実務・データ管理の4つの側面から取り上げます。

前回の記事では、令和8年度診療報酬改定による選定療養の見直しを取り上げ、患者負担の変化が患者の選択や長期収載品の需要に与える影響を解説しました。

第2回となる本記事では、令和8年度薬価制度改革における「G1」の見直し内容と、薬価・収益性や医薬品メーカー・卸の実務への影響を解説します。G1とは、後発医薬品の加重平均薬価を基準として、長期収載品の薬価を段階的に引き下げるルールです。

今回の見直しにより、医薬品メーカーには、従来より早い段階から薬価や収益性の変化を見込み、販売、生産、在庫、情報提供などの計画へ反映することが求められます。医薬品卸にとっても、薬価改定に伴う価格マスタの更新や、在庫、仕入れ・販売条件、粗利への影響を品目ごとに確認する必要があります。

令和8年度薬価制度改革でG1はどう変わったか


薬価は、保険診療で使用される医薬品の公定価格です。薬価制度改革では、国民負担の軽減と創薬イノベーションの両立、医薬品の安定供給などの観点から、新薬の薬価算定や既収載品の薬価改定に用いるルールを見直します。見直されたルールは、薬価改定を通じて個別の医薬品の薬価に反映されます。

令和8年度薬価制度改革では、新薬の評価、長期収載品の薬価の適正化、後発医薬品を中心とした安定供給の確保など、複数の項目が見直されました。

このうち長期収載品については、後発医薬品の上市からG1が適用されるまでの期間や、後発医薬品への置換率に応じた区分、G1の対象となる品目の範囲などが変更されました。

G1・G2などの見直し前後のルール

見直し前の制度では、原則として後発医薬品の上市(市場での販売開始)から10年を経過した長期収載品について、後発医薬品への置換率に応じてG1またはG2を適用していました。

G1は、後発医薬品への置換率が80%以上の品目について、後発医薬品の加重平均薬価を基準に、長期収載品の薬価を6年間で段階的に引き下げる区分です。

G2は、置換率が80%未満の品目について、G1よりも緩やかに10年間で薬価を引き下げる区分でした。

令和8年度薬価制度改革では、後発医薬品の上市から5年を経過した長期収載品に、置換率にかかわらずG1を適用する仕組みへ変更されました。

長期収載品の薬価引き下げルールの変更

確認項目 見直し前 令和8年度薬価制度改革後
原則的な適用開始時期 後発医薬品の上市から10年後 後発医薬品の上市から5年後
適用区分の決め方 後発医薬品への置換率に応じてG1またはG2を適用 置換率にかかわらずG1を適用
薬価引き下げの期間 G1は6年間、G2は10年間 G1に一本化し、6年間で段階的に引き下げ

 
また、令和8年度薬価制度改革では、G1・G2だけでなく、長期収載品の薬価引き下げに用いられていたZ2やCの扱いも見直されました。

各区分の見直し前後の扱い

区分 見直し前の役割 令和8年度薬価制度改革後
G1 後発医薬品への置換率が80%以上の長期収載品について、6年間で段階的に薬価を引き下げる 置換率にかかわらず、後発医薬品の上市から5年を経過した長期収載品に原則として適用
G2 置換率が80%未満の長期収載品について、G1よりも緩やかに10年間で薬価を引き下げる 廃止し、G1へ一本化
Z2 G1・G2の適用前に、後発医薬品への置換率に応じて薬価を補完的に引き下げる 廃止
C G1・G2の対象とならない長期収載品などについて、薬価を補完的に引き下げる 廃止

 
この見直しでは、後発医薬品の上市後5年間を置換え期間と位置づけ、その後は実際の置換率にかかわらず、G1による薬価引き下げを開始する仕組みとなりました。

対象となる品目の範囲も見直されています。従来、バイオ先行品へのG1の適用は、原則としてバイオAGが収載されている場合に限られていました。令和8年度薬価制度改革後は、バイオシミラーが収載されているバイオ先行品にもG1が適用されます。

見直し後のルールに基づく薬価は、令和8年度薬価改定として令和8年4月1日から適用されています。

適用時期の前倒しにより59成分・145品目が新たにG1の対象となった

厚生労働省の「令和8年度薬価基準改定の概要」によると、令和8年度薬価改定でG1の対象となった長期収載品は、356成分・812品目です。

このうち、G1の適用時期が後発医薬品の上市後10年から5年へ前倒しされたことで、新たに対象に加わったものは59成分・145品目でした。

これらの品目では、従来の制度であればG1の原則的な適用時期を迎えていなかった段階から、G1による薬価引き下げが始まっています。

G1では長期収載品の薬価がどのように引き下げられるか

G1では、後発医薬品の加重平均薬価を基準として、長期収載品の薬価を段階的に引き下げます。

後発医薬品の加重平均薬価とは、同一成分・規格・剤形の複数の後発医薬品の薬価を、一定の方法で加重平均して算出した価格です。

G1が初めて適用される際は、長期収載品の薬価を後発医薬品の加重平均薬価の2.5倍の水準まで引き下げます。その後は原則として2年ごとに2倍、1.5倍、1倍へと段階的に近づけ、G1の適用から6年後には、後発医薬品の加重平均薬価と同じ水準になります。

例えば、後発医薬品の加重平均薬価が40円の場合、長期収載品の薬価の基準は次のように変化します。

G1の適用段階 加重平均薬価に対する水準 40円の場合の計算 長期収載品の薬価の基準
初回適用 2.5倍 40円×2.5 100円
初回適用から2年後 2倍 40円×2 80円
初回適用から4年後 1.5倍 40円×1.5 60円
初回適用から6年後 1倍 40円×1 40円

 
※G1による段階的な引き下げのみを示した単純化した例です。実際の薬価には、市場実勢価格に基づく通常の薬価改定や補完的な措置なども反映されます。

この例では、長期収載品の薬価の基準が100円、80円、60円、40円と段階的に下がります。販売数量が変わらない場合でも、薬価の引き下げに伴って、薬価を基準とした販売金額や収益性に影響が生じる可能性があります。

ただし、薬価は保険診療で用いられる公定価格であり、医薬品メーカーと卸、卸と医療機関・薬局との間で設定される実際の取引価格と同一ではありません。メーカー・卸への影響を確認する際は、薬価の変化だけでなく、実際の仕入価格、販売価格、販売数量、取引条件をあわせて確認する必要があります。

実際の薬価には補完的な措置も反映される

令和8年度薬価制度改革では、G1によって算出した薬価と、改定前の薬価を2.0%引き下げた金額を比較し、低い方を適用する補完的な仕組みも設けられました。これにより、現在の薬価がG1の段階別の基準額をすでに下回っている品目などについても、薬価の適正化が行われます。

また、すでに後発医薬品の加重平均薬価と同じ水準まで引き下げられている長期収載品には、G1による段階的な引き下げは適用されません。これは、G1が目標とする水準にすでに到達しているためです。G1の適用外となった後も、市場実勢価格に基づく通常の薬価改定などによって、薬価が変わる場合があります。

従来設けられていた、G1による初回の最大引き下げ率を50%とする措置や、企業への影響を緩和する円滑実施措置は制度上廃止されました。ただし、大きな制度変更に伴う経過的な対応として、令和8年度薬価改定に限って適用されています。

そのため、個別品目の実際の薬価は、2.5倍、2倍、1.5倍、1倍という段階だけで一律に決まるものではありません。品目ごとの改定結果や今後の適用段階については、厚生労働省が公表する対象品目リストや薬価基準を確認することが重要です。

G1の適用時期が前倒しされた背景と安定供給への配慮


厚生労働省の「令和8年度薬価制度改革について」では、長期収載品の薬価のさらなる適正化を、「国民負担の軽減と創薬イノベーションを両立する薬価上の適切な評価」の一つに位置づけています。

今回の見直しには、長期収載品に依存するビジネスモデルからの転換を促し、製薬企業の経営資源を創薬へ向ける考え方があります。あわせて、長期収載品から後発医薬品への移行に伴う需要の変化に対応できるよう、安定供給にも配慮する方針が示されています。
同資料では、後発医薬品の上市後5年間を「後発医薬品への置換え期間」としています。また、G1に該当する長期収載品については、後発医薬品の上市から5年後の6月末に先発医薬品メーカーが撤退の可否を判断し、後発医薬品メーカーによる増産後に撤退する流れが示されています。

これは、長期収載品の供給を縮小・終了する場合に、対応する後発医薬品の生産能力や在庫、出荷体制を準備し、需要の移行に対応できる供給体制を整えるための考え方です。

このように、G1の適用時期の前倒しは、長期収載品の薬価引き下げを早めるだけでなく、先発医薬品と後発医薬品の双方が、今後の需要と供給体制を検討する時期を明確にする見直しといえます。

製品の継続、製造販売承認の承継、販売移管、供給終了などの具体的な判断については、次回の記事で詳しく取り上げます。

医薬品メーカーへの影響

こうした見直しにより、医薬品メーカーには、G1の適用開始を見据えて、薬価や収益性の変化を早い段階から予測し、販売、生産、在庫などの製品計画へ反映することが求められます。

薬価・実売単価・販売数量を分けて確認する

長期収載品の販売金額は、実際の販売単価と販売数量の組み合わせによって変化します。
G1による薬価の引き下げは、取引条件の見直しを通じて実売単価に反映されます。その反映幅は、値引き、リベート、契約条件などによって品目や取引先ごとに異なるため、薬価、実売単価、販売数量を分けて確認することが重要です。

確認項目 確認する内容
薬価 改定前薬価、改定後薬価、引き下げ率
実売単価 実際の販売価格、値引き・リベートなどを反映した単価
販売数量 品目別、取引先別、地域別の数量推移
販売金額 実売単価と販売数量を反映した売上の推移
収益性 製造原価、物流費、販売管理費、粗利額、粗利率

 
例えば、販売数量がおおむね維持され、販売金額が減少している場合は、主に実売単価の変化が影響しています。

実売単価と販売数量の双方が低下している場合は、薬価改定に伴う価格面の変化と、後発医薬品への需要移行が重なっていると考えられます。

このように要因を分けることで、販売金額の減少が薬価・価格によるものか、数量によるものかを把握しやすくなります。

後発医薬品の上市後5年間を基準に計画を立てる

G1の適用開始が前倒しされたことで、後発医薬品の上市から薬価の段階的な引き下げが始まるまでの期間は、原則として5年間となりました。

先発医薬品メーカーは、後発医薬品の上市日を起点として、次の情報を時系列で管理することが重要です。

  • 後発医薬品の上市日
  • G1の適用開始時期
  • 現在のG1適用段階
  • 次回のG1適用段階と想定薬価
  • 販売数量と販売金額
  • 製造原価、物流費、販売管理費
  • 在庫数量と在庫日数
  • 情報提供や問い合わせ対応の体制

後発医薬品の上市前後から複数の薬価・数量シナリオを作成しておくことで、生産、在庫、販売活動、情報提供体制の計画へ早期に反映できます。

また、G1の初回適用だけでなく、その後の2倍、1.5倍、1倍への段階的な引き下げも含めて、複数年の計画を作成することが重要です。

品目ごとの収益性を複数の条件で確認する

長期収載品の収益性は、薬価や実売単価だけでなく、販売数量、製造原価、品質管理費、物流費、販売管理費などの組み合わせによって変化します。

そのため、現在の収益性に加えて、次回以降のG1適用後を想定したシミュレーションを行います。

想定条件 主な確認内容
現在の状態 現在の薬価、実売単価、数量、原価、利益
次回のG1適用後 想定薬価と実売単価を反映した収益性
販売数量が減少した場合 後発医薬品への需要移行を反映した収益性
原価・物流費が上昇した場合 薬価低下と費用上昇を反映した採算
供給体制を変更した場合 生産拠点、包装、物流、情報提供体制の変更による影響

 
この比較により、例えば次のように品目を分類できます。

  • 薬価引き下げによる影響が大きい品目
  • 販売数量の減少による影響が大きい品目
  • 原価や物流費の影響が大きい品目
  • 一定の需要と収益性を維持している品目

品目ごとの要因を明確にすることで、販売活動や生産・在庫計画を見直す優先順位を設定しやすくなります。

製品の継続、製造販売承認の承継、販売移管、供給終了などの判断については、次回の記事で詳しく取り上げます。

後発医薬品メーカーは需要移行に備えて供給能力を確認する

選定療養における患者負担の見直しや、先発医薬品メーカーによる製品方針の変更は、長期収載品から後発医薬品への需要移行に関係します。

後発医薬品メーカーには、長期収載品と自社製品の販売数量を品目・地域・取引先別に確認し、需要の変化を生産能力、原材料の調達、在庫、出荷体制へ反映することが求められます。

特に、長期収載品の供給縮小や終了が検討される品目では、対応する後発医薬品について、次の項目を早期に確認することが重要です。

  • 生産可能数量
  • 原材料や包装資材の調達状況
  • 在庫数量と在庫日数
  • 製造・出荷に必要な期間
  • 地域・取引先別の需要見込み
  • 増産後の供給開始時期

先発医薬品メーカーの製品方針と、後発医薬品側の供給計画をあわせて確認することで、需要の移行に対応できる供給体制を準備できます。

医薬品卸への影響


医薬品卸では、薬価改定に伴い、商品・薬価マスタ、仕入れ・販売条件、在庫、粗利などを品目ごとに確認し、販売管理や在庫配置へ反映する必要があります。

薬価と実際の取引価格を分けて確認する

薬価の変更は、メーカーとの仕入条件や医療機関・薬局への販売条件の見直しを通じて、実際の取引価格に反映されます。

反映方法は、値引き、リベート、価格補償、契約条件などによって品目や取引先ごとに異なります。そのため、卸では次の価格情報を分けて確認します。

価格情報 確認する内容
薬価 公定価格の変更額・変更率
仕入価格 メーカーからの仕入価格と仕入条件
販売価格 医療機関・薬局への実際の納入価格
粗利 販売価格と仕入価格との差額、粗利率
価格調整 値引き、リベート、価格補償などの条件

 
薬価マスタの更新とあわせて、仕入価格、販売価格、値引条件、請求設定を連動して更新することで、改定後の粗利を正確に把握できます。

また、改定前後の粗利額と粗利率を品目・取引先別に比較すると、薬価改定の影響が大きい取引を特定しやすくなります。

改定日前後の在庫と取引条件を確認する

薬価が引き下げられる品目では、改定日時点の在庫数量、仕入時期、仕入価格、使用期限などが、改定後の収益性に関係します。

特に、改定前の条件で仕入れた在庫について、改定後に適用される販売価格や価格補償の条件を確認することが重要です。

卸では、品目・拠点別に次の情報を確認します。

  • 改定日時点の在庫数量
  • 在庫金額
  • 在庫日数
  • 仕入時期と仕入価格
  • 改定後の販売価格
  • メーカーによる価格補償の有無と条件
  • 返品や拠点間移動の条件
  • 使用期限

これらの情報を組み合わせることで、改定後の販売による粗利、在庫保有期間、在庫移動の必要性を判断できます。

例えば、在庫日数が長く、価格補償の対象外となる品目は、改定日までの仕入量や拠点間の在庫配分を重点的に確認する対象となります。

販売金額を単価要因と数量要因に分けて確認する

販売金額は、販売単価と販売数量の双方によって変化します。

そのため、薬価改定後の実績を確認する際は、販売金額だけでなく、販売数量、実際の販売単価、粗利額、粗利率を並べて比較します。

販売金額 販売数量 確認したい主な要因
減少 おおむね維持 販売単価や取引条件の変化
減少 減少 単価の変化と後発医薬品への需要移行
維持・増加 増加 数量増加が単価低下の影響を上回っている
維持 減少 製品構成や高単価品の比率、販売条件の変化

 
長期収載品と対応する後発医薬品の実績を同一の期間・取引先単位で比較することで、需要がどの製品へ移っているかを把握できます。

また、販売金額の変化を単価要因と数量要因に分けることで、価格交渉、在庫調整、後発医薬品の供給案内など、必要な対応を具体化できます。

取引先・地域別に在庫配置を見直す

長期収載品から後発医薬品への切り替え状況は、医療機関や薬局、診療科、地域によって異なります。

卸は、取引先ごとに長期収載品と後発医薬品の注文数量を比較し、次のように分類します。

  • 長期収載品の注文が継続している取引先
  • 後発医薬品への切り替えが進んでいる取引先
  • 長期収載品と後発医薬品の双方を一定量注文している取引先
  • 供給状況に応じて注文する製品が変化している取引先
  • 注文数量の増加により在庫補充の頻度が高まっている取引先

この分類を地域、営業所、担当者別に確認することで、次の対応につなげられます。

  • 長期収載品と後発医薬品の在庫配分の変更
  • 営業所間の在庫移動
  • 発注点や安全在庫の見直し
  • 医療機関・薬局への供給情報の案内
  • メーカーへの需要予測や増産要望の共有

品目別の販売実績だけでなく、取引先の所在地、施設種別、診療科などの情報と組み合わせることで、需要の変化が生じている施設や地域を具体的に把握できます。

薬価・収益性への影響を判断するための情報の組み合わせ

G1による薬価・収益性への影響を把握するには、品目ごとに薬価、実売単価、販売数量、原価、在庫などの情報を組み合わせて確認する必要があります。

医薬品メーカー・卸が確認したい主な組み合わせは、次のとおりです。

確認したい内容 組み合わせる主な情報 確認できること
薬価改定による販売への影響 改定前後の薬価、実売単価、販売数量、販売金額 販売金額の変化が、単価と数量のどちらによるものか
品目ごとの収益性 実売単価、販売数量、製造原価・仕入価格、物流費、販売管理費 現在および次回のG1適用後の粗利額・粗利率
在庫への影響 販売数量、在庫数量、在庫日数、使用期限、価格補償 在庫の過不足や薬価改定前後の在庫リスク
後発医薬品への需要移行 長期収載品と後発医薬品の販売数量、取引先、地域、供給状況 需要が移行している品目・取引先・地域
今後の供給体制 需要予測、生産能力、原材料、在庫、出荷状況 増産や在庫配置、供給体制の見直しが必要な品目

 
これらの情報を品目単位で紐づけ、改定前後やG1の適用段階ごとに比較することで、薬価引き下げによる影響、需要移行による影響、原価や在庫による影響を分けて把握できます。

また、現在の実績だけでなく、次回のG1適用段階における想定薬価や販売数量を加えることで、将来の販売、生産、在庫、収益性への影響を見通しやすくなります。

CRM・SFA・BIツールを用いた品目・取引先・地域別の管理方法や、対応状況の可視化については、製品・販売・移行管理とデータ活用を扱う記事で詳しく解説します。

まとめ

令和8年度薬価制度改革では、後発医薬品の上市後5年間を置換え期間とし、その後は後発医薬品への置換率にかかわらず、長期収載品にG1を適用する仕組みへ変更されました。これに伴い、G2、Z2、Cは廃止され、長期収載品の薬価引き下げルールはG1へ一本化されています。

G1では、長期収載品の薬価を、後発医薬品の加重平均薬価の2.5倍、2倍、1.5倍、1倍へと段階的に近づけます。適用時期が後発医薬品の上市後10年から5年へ前倒しされたことで、従来より早い段階から薬価や収益性への影響を見込む必要があります。

先発医薬品メーカーには、薬価と実際の販売単価を区別したうえで、販売数量、原価、在庫などを組み合わせ、G1の各適用段階における収益性を確認することが求められます。後発医薬品メーカーには、長期収載品からの需要移行を把握し、生産能力、原材料、在庫、出荷体制へ反映することが重要です。

医薬品卸では、薬価マスタの更新に加え、仕入価格、販売価格、取引条件、在庫、粗利への影響を品目・取引先・地域別に確認する必要があります。販売金額の変化を単価要因と数量要因に分けることで、薬価改定と後発医薬品への需要移行による影響を把握しやすくなります。

今回の見直しは、長期収載品の薬価や収益性だけでなく、製品の位置づけや、安定供給に配慮した生産・供給体制を検討する時期にも関係します。

次の記事では、選定療養による需要の変化と、G1による薬価・収益性への影響を踏まえ、長期収載品の継続、製造販売承認の承継、販売移管、供給終了をどのような観点で検討するかを取り上げます。

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参考資料・URL

厚生労働省「令和8年度薬価制度改革について」
厚生労働省「令和8年度薬価基準改定の概要」
中央社会保険医療協議会「令和8年度薬価制度改革の骨子」

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