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診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で深掘りする|令和8年度診療報酬改定で進む医薬品供給不足対応とデータ活用

#オープンデータ #診療報酬改定 #医薬品供給不足対応

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※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。

医療用医薬品では、製造販売業者による個別品目の出荷の制限、いわゆる限定出荷や、出荷の停止である供給停止が継続的な課題になっています。厚生労働省は、医薬品医療機器等法第18条の4に基づき、製造販売業者から限定出荷や供給停止といった供給不足の発生について届出を受け、医療用医薬品供給状況報告として公表しています。

供給不足が発生すると、医療機関や薬局では、処方内容の見直し、代替薬の確認、患者への説明、在庫状況を踏まえた調剤などが必要になります。これは医療機関・薬局だけの問題ではありません。医薬品メーカーには、自社品や同一成分・同種同効薬の供給状況、代替候補、今後の出荷見込みなどを分かりやすく提供することが求められます。卸には、医療機関・薬局ごとの納入状況や在庫状況を踏まえ、影響先を把握し、問い合わせ対応や情報共有を行う役割があります。

診療報酬改定でも、医療機関・薬局が医薬品の供給不足時に適切に対応できるよう、体制整備、患者説明、院内掲示、情報共有などが評価上の論点になってきました。

令和6年度診療報酬改定では、医薬品の供給不足時に処方内容や治療計画の見直しへ対応できる体制、患者への説明、院内掲示などが、後発医薬品使用体制加算、外来後発医薬品使用体制加算、一般名処方加算の要件として整理されました。

令和8年度診療報酬改定では、この流れがさらに進み、後発医薬品の使用割合だけでなく、医薬品の安定供給に資する体制そのものを評価する方向へ再編されています。 具体的には、医療機関向けに「地域支援・医薬品供給対応体制加算」や「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」が新設され、後発医薬品使用体制加算および外来後発医薬品使用体制加算は廃止されています。

本記事では、令和6年度改定で整理された供給不足時の対応を確認したうえで、令和8年度改定で強化された医薬品供給対応体制の考え方を、医薬品メーカー・卸の取引先支援やデータ活用の視点から解説します。

医薬品供給不足は、診療報酬上の「体制評価」に関係するテーマへ


医薬品の供給不足は、単に「特定の品目が入荷しにくい」という問題にとどまりません。

医療機関では、治療計画の見直し、処方薬の変更、院内採用品目の再検討が必要になります。薬局では、処方箋に記載された医薬品の在庫確認、代替薬の提案、疑義照会、患者説明などが発生します。

診療報酬改定では、供給不足そのものを直接解消するのではなく、医療機関・薬局が供給不足時に適切に対応できる体制を評価する方向で見直しが進んでいます。令和8年度改定では、主に後発医薬品において不安定な供給が発生し、医療機関・薬局に追加的な業務が生じている状況を踏まえ、医薬品の安定供給に資する体制について新たな評価を行うとされています。

医薬品メーカー・卸は、医療機関や薬局が行う処方変更や患者説明そのものを担う立場ではありません。しかし、供給状況、代替候補、同一成分・同種同効薬、納入実績、問い合わせ窓口などの情報を整理して提供することで、取引先の対応を支援できます。

観点 医療機関・薬局で必要になる対応 メーカー・卸が支援できる情報
限定出荷・供給停止の把握 供給不足品目の確認、処方・調剤への影響確認 供給状況報告、自社出荷情報、入荷見込み
処方内容・治療計画の見直し 薬剤変更の可否、治療継続への影響確認 同一成分、同種同効薬、代替候補
患者説明 薬剤変更の可能性、変更理由、一般名処方の趣旨説明 患者向け説明資料、FAQ、製品情報
薬局との連携 在庫状況を踏まえた調剤、疑義照会、代替薬確認 納入状況、在庫情報、問い合わせ窓口
地域での安定供給 過剰発注の抑制、分譲、情報共有 取引先別納入データ、地域別供給データ

 

令和6年度改定では、供給不足時の対応が後発医薬品関連の加算に組み込まれた

令和6年度改定では、医療用医薬品の供給不足を踏まえ、医療機関が供給不安に適切に対応できるよう、後発医薬品使用体制加算、外来後発医薬品使用体制加算、一般名処方加算で見直しが行われました。

後発医薬品使用体制加算と外来後発医薬品使用体制加算では、従来の後発医薬品の使用割合に加えて、医薬品の供給が不足した場合に、処方内容や治療計画の見直し等に適切に対応できる体制が求められるようになりました。また、医薬品の供給状況によって投与する薬剤を変更する可能性があること、変更する場合には患者へ十分に説明すること、こうした事項を保険医療機関の見やすい場所に掲示することも要件として整理されました。

一般名処方加算でも、医薬品の供給状況等を踏まえつつ、一般名処方の趣旨を患者に十分説明することについて、保険医療機関の見やすい場所に掲示することが施設基準として示されています。

医薬品メーカー・卸にとって重要なのは、この段階で、医療機関や薬局の情報ニーズが「後発医薬品の使用割合」だけでなく、「供給不足時にどう説明し、どう薬剤変更へ対応するか」に広がったことです。

令和6年度改定の論点 医療機関・薬局側の対応 メーカー・卸が準備したい情報
後発医薬品使用体制加算 入院での後発品使用、供給不足時の治療計画見直し 採用品目、納入実績、代替候補
外来後発医薬品使用体制加算 外来での処方変更対応、患者説明 診療所別採用状況、問い合わせ傾向
一般名処方加算 一般名処方の趣旨説明、掲示 対象品目、同一成分、薬局在庫情報
患者説明・掲示 薬剤変更の可能性や変更理由の説明 FAQ、患者向け説明資料、製品情報
相談対応 疑義照会、処方変更、調剤可否判断 問い合わせ窓口、供給見込み、代替薬情報

 
令和6年度改定は、供給不足への対応を診療報酬上の要件として明確に位置づけた点で重要でした。一方で、令和8年度改定では、この考え方がさらに進み、医薬品の安定供給に資する体制そのものを評価する方向へ再編されています。

令和8年度改定では「医薬品供給対応体制」へ再編

令和8年度改定で特に重要なのは、供給不足対応が、後発医薬品の使用割合だけでなく、医薬品の安定供給に資する体制として再整理された点です。
病院・有床診療所向けには、後発医薬品使用体制加算が廃止され、「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設されています。同加算では、後発医薬品の使用促進体制に加え、供給不足時に治療計画等の見直しへ対応できる体制、患者への説明、掲示、原則ウェブサイト掲載、地域における安定供給体制が施設基準として示されています。

診療所向けには、外来後発医薬品使用体制加算が廃止され、「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」が新設されています。こちらも、後発医薬品の使用促進体制、供給不足時の処方変更等への対応体制、患者説明、掲示、地域における安定供給体制が論点になります。

薬局側でも、後発医薬品調剤体制加算が廃止され、地域支援体制加算の枠組みで「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設されています。薬局については、計画的な調達・在庫管理、他薬局への分譲実績、入手困難時の他薬局案内や処方医への処方変更可否の照会、重要供給確保医薬品の備蓄努力などが施設基準通知で示されています。

この見直しは、医薬品メーカー・卸にとっても大きな意味があります。取引先である医療機関・薬局は、単に後発医薬品を一定割合使うだけでなく、供給不足時にどう対応するか、地域でどう安定供給を確保するか、患者へどう説明するかまで問われるようになります。

令和8年度改定の項目 主な対象 医薬品メーカー・卸が注目したい点
地域支援・医薬品供給対応体制加算 病院・有床診療所 入院での採用品目、供給不足時の治療計画見直し、掲示・ウェブ掲載
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算 診療所 外来処方、患者説明、薬剤変更時の対応
薬局の地域支援・医薬品供給対応体制加算 保険薬局 調達・在庫管理、分譲、処方医照会、他薬局案内
地域連携 医療機関・薬局・医療関係団体 供給情報の共有、事前合意、地域単位の影響把握
情報提供体制 メーカー・卸 供給状況、代替候補、問い合わせ窓口、納入実績の整理

 
令和8年度改定では、供給不足対応が「後発医薬品をどの程度使っているか」だけではなく、「供給が不安定になったときに医療提供体制をどう支えるか」という視点へ広がっています。医薬品メーカー・卸の情報提供も、製品単位の案内から、取引先の体制整備を支える情報提供へ広げる必要があります。

流通改善ガイドラインとの接続が強まる


令和8年度改定では、医薬品の安定供給体制が、流通改善の論点とも強く結びついています。

医療機関向けの施設基準通知では、個々の医薬品の価値や流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと、原則として全ての品目について単品単価交渉とすること、卸売販売業者への頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼を慎むこと、厳格な温度管理を要する医薬品や在庫調整を目的とした医薬品等の返品を慎むことが示されています。

薬局向けの施設基準通知でも、計画的な調達・在庫管理、適正な在庫量の維持、頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼の抑制、返品の抑制、地域の保険医療機関・保険薬局・医療関係団体との情報共有などが示されています。

また、厚生労働省の流通改善ガイドラインでは、令和7年の薬機法改正により、製造販売業者における出荷停止等の届出義務や、供給不足を未然に防止するための措置に関する規定が整備されたこと、物価上昇等により医療用医薬品の安定供給に必要な流通コストが上昇していることが背景として示されています。

ここは、医薬品卸にとって特に重要な論点です。令和8年度改定は、医療機関・薬局側の施設基準として書かれているものの、実務上は卸の配送、在庫、返品、価格交渉、地域内の供給調整にも関係します。

流通改善の論点 メーカー・卸が管理したいデータ 実務上の活用例
単品単価交渉 品目別価格、取引条件、地域差 取引先別の交渉資料、採算性確認
頻回配送・急配 配送回数、急配依頼、配送コスト 過度な依頼の可視化、契約・運用見直し
返品 返品理由、返品数量、温度管理品の有無 不動在庫・廃棄リスクの把握
適正在庫 取引先別購入量、過去実績、需要変動 過剰発注の抑制、必要量の提案
地域連携 地域別供給状況、薬局分布、納入先 地域単位の影響把握、優先連絡先抽出

 
メーカーにとっても、卸の現場でどのような供給負荷が生じているかを把握することは重要です。単に出荷量を見るだけでは、頻回配送、急配、返品、地域偏在、問い合わせ集中といった現場負荷は見えにくくなります。供給不足対応を考える際には、販売実績だけでなく、流通コストや配送データも含めて確認することが必要です。

一般名処方とバイオ後続品は、供給不足時の薬剤選択にどう関係するか

一般名処方とバイオ後続品は、医薬品供給対応体制とは別の切り口から、供給不足時の薬剤選択に関係します。

一般名処方とは、医師が特定の銘柄名ではなく、一般的名称に剤形・含量を付加して処方する方法です。特定の銘柄に限定した処方では、薬局で該当品目を確保できない場合に調剤が難しくなることがあります。一方、一般名処方では、薬局が在庫状況や供給状況を踏まえて、同一成分の医薬品を選択しやすくなります。

令和8年度改定では、一般名処方加算の評価が見直されるとともに、バイオ後続品の使用促進の観点から、バイオ後続品のあるバイオ医薬品の一般名処方も評価対象に加えられています。

バイオ後続品については、医療機関におけるバイオ後続品使用体制加算だけでなく、薬局における調剤体制整備も重要になります。令和8年度改定では、薬局におけるバイオ後続品の調剤体制の整備および患者への説明を評価する「バイオ後続品調剤体制加算」が新設されています。

バイオ後続品は、一般的な低分子医薬品の後発医薬品とは異なり、対象疾患、投与経路、院内採用、保管条件、患者説明、医師の治療方針が大きく関係します。医薬品メーカー・卸が情報提供を行う際には、単に価格や供給状況を示すだけでなく、対象施設、診療科、投与実績、採用品目、患者説明に使える情報を整理することが重要です。

関連項目 供給不足との関係 メーカー・卸が確認したいこと
一般名処方 薬局での薬剤選択肢を広げやすい 対象品目、同一成分、薬局在庫、代替候補
バイオ後続品使用体制加算 医療機関での導入・患者説明体制に関係 対象成分、使用実績、採用施設
バイオ後続品調剤体制加算 薬局での調剤体制・患者説明に関係 保管条件、調剤実績、説明資料
患者説明 薬剤変更やバイオ後続品使用時に必要 品質、有効性、安全性に関する説明資料
供給不足時の薬剤変更 銘柄変更・代替薬確認が必要 代替候補、供給見込み、問い合わせ窓口

 
一般名処方やバイオ後続品は、供給不足対策そのものではありません。しかし、供給が不安定な状況で、医療機関・薬局がどのように薬剤選択の幅を確保するかという点では、メーカー・卸にとっても重要な確認項目です。

供給状況報告と医薬品安定供給・流通確認システムをどう読むか

供給不足への対応を考える際には、厚生労働省が公表する「医療用医薬品供給状況報告」の確認が欠かせません。

医療用医薬品供給状況報告では、医薬品医療機器等法第18条の4に基づき、医薬品の製造販売業者から、個別品目の限定出荷や供給停止といった供給不足の発生について届出を受け、一覧表として整理・公開されています。

また、令和8年3月31日からは、供給状況報告の内容を医療現場や国民により迅速かつ簡便に届けるとともに、製造販売業者における報告事務負担を軽減するため、「医薬品安定供給・流通確認システム」の稼働が開始されています。従来のExcelファイルの公表に加え、システムからも供給状況に係る情報を確認できるようになっています。

供給状況報告では、品目ごとに「出荷対応」と「出荷量」の状況を確認できます。出荷対応では、通常出荷、限定出荷、供給停止などの区分を確認できます。出荷量では、出荷量増加、通常、減少、出荷停止、薬価削除予定などの区分を確認できます。また、最新ファイルで情報更新があった品目には「New」と記載されています。

確認項目 確認目的 メーカー・卸での活用例
出荷対応の状況 通常出荷、限定出荷、供給停止の把握 取引先説明、問い合わせ対応
限定出荷の理由 自社事情、他社品影響、その他の確認 影響範囲の整理、社内共有
出荷量の状況 増加、通常、減少、停止の把握 供給変化の確認、在庫調整
品目名・成分名 影響品目の特定 自社品・競合品・代替品の確認
更新有無 新たに更新された品目の把握 優先確認、営業担当への通知
薬価削除予定 供給継続性の確認 採用品目見直し、切替対応

 
メーカー・卸は、供給状況報告に加えて、自社の出荷情報、在庫状況、納入実績、代替候補、問い合わせ窓口を組み合わせて確認することが重要です。
例えば、同一成分や同一薬効の他社品が限定出荷となっている場合、自社品への問い合わせや需要集中が起こる可能性があります。一方で、自社品が限定出荷や供給停止の対象になる場合には、医療機関・薬局・卸への説明内容を早めに整理する必要があります。

医薬品メーカー・卸は、供給不足情報をどう営業・支援活動に落とし込むか

ここまで確認してきた制度上の見直しは、医薬品メーカー・卸にとって、取引先支援の設計にも関係します。

医療機関では、地域支援・医薬品供給対応体制加算や地域支援・外来医薬品供給対応体制加算に対応するため、供給不足時の処方変更体制、患者説明、掲示、ウェブ掲載、地域連携が必要になります。薬局では、地域支援・医薬品供給対応体制加算に対応するため、計画的な調達・在庫管理、他薬局への分譲、入手困難時の他薬局案内、処方医への照会、重要供給確保医薬品の備蓄努力などが関係します。

メーカー・卸側の実務では、次のような活動に落とし込むことができます。

支援内容 必要なデータ 活用例
影響先の抽出 販売実績、納入先、採用品目 限定出荷品目の納入先リスト作成
優先連絡先の整理 施設種別、処方量、地域、在庫状況 重点説明先の抽出
供給不足情報の提供 供給状況報告、自社出荷情報 取引先向け案内、FAQ
代替候補の整理 成分、薬効、剤形、規格 問い合わせ対応、提案資料
患者説明支援 製品情報、切替時の注意点 患者向け説明資料、院内掲示支援
対応履歴の管理 CRM/SFA、問い合わせ履歴 対応漏れ防止、進捗管理
地域別の可視化 納入実績、所在地、供給状況 BIツールでの影響分析

 
供給不足情報を実務に活用するには、品目情報だけでなく、取引先情報や販売実績と組み合わせる必要があります。

SalesforceなどのCRM/SFAを利用している場合、供給不足品目と取引先を紐づけ、営業担当者に説明タスクを割り当てることができます。TableauやPower BIなどのBIツールを利用すれば、地域別、製品別、取引先別に影響状況を可視化できます。

例えば、限定出荷品目を過去に納入した医療機関・薬局を抽出し、説明済み、未対応、問い合わせあり、代替候補提示済みといったステータスを管理できます。これにより、供給不足時の情報提供を、属人的な対応ではなく、組織的な営業・支援活動として管理しやすくなります。

医療機関マスタ・薬局マスタを使った対象先の具体化


供給不足への対応を営業・マーケティング活動に落とし込むには、医療機関・薬局の情報と、品目情報、販売実績、供給状況を組み合わせることが重要です。

この章では、CRM/SFAやBIツールの一般論ではなく、医療機関マスタ・薬局マスタを使って、どのように対象先を具体化するかに絞って整理します。

病院・有床診療所では、地域支援・医薬品供給対応体制加算に関連して、後発医薬品の使用状況、供給不足時の対応体制、院内採用品目、患者説明、ウェブ掲載が重要になります。診療所では、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算に関連して、外来処方、一般名処方、薬局との連携、患者説明が重要になります。

薬局では、地域支援・医薬品供給対応体制加算に関連して、後発医薬品調剤割合、調達・在庫管理、分譲実績、他薬局案内、処方医照会が重要になります。特に薬局の施設基準通知では、重要供給確保医薬品のうち内用薬・外用薬について1か月分程度は備蓄するよう努めること、ただし卸売販売業者が代わりに在庫を確保していることのみでは備蓄に該当しないことが示されています。

医療機関マスタや薬局マスタを活用することで、供給不足対応を次のように具体化できます。

活用目的 確認内容 活用例z
影響先の抽出 納入先、所在地、施設種別 限定出荷品目の対象施設リスト
病院・有床診療所の把握 病床数、診療科、採用品目 入院関連品目の重点説明先抽出
診療所の把握 診療科、外来処方傾向、周辺薬局 一般名処方・外来処方支援
薬局の把握 所在地、処方箋応需、納入実績 在庫・分譲・代替薬確認支援
バイオ後続品対応 診療科、対象疾患、採用品目 対象施設・薬局の抽出
営業活動管理 担当者、対応履歴、問い合わせ履歴 CRM/SFAでの進捗管理

 
例えば、供給不足品目について、過去の販売実績や納入先情報と医療機関・薬局データを組み合わせることで、どの施設・薬局に影響がありそうかを抽出できます。さらに、施設種別、診療科、所在地、病床数、処方箋応需の傾向などを加えることで、優先的に情報提供すべき取引先を具体化しやすくなります。

バイオ後続品では、対象疾患や診療科との関係が大きいため、単純な納入実績だけでなく、診療科、病床規模、採用品目、周辺薬局の状況を組み合わせて見ることが重要です。これにより、医療機関向けの情報提供、薬局向けの調剤体制支援、患者説明資料の提供などを、より実務に近い形で設計できます。

まとめ

医薬品の供給不足は、限定出荷や供給停止といった供給情報の問題にとどまらず、診療報酬上の体制評価とも関係するテーマです。

令和6年度改定では、後発医薬品使用体制加算、外来後発医薬品使用体制加算、一般名処方加算において、供給不足時の処方内容・治療計画の見直し、患者説明、院内掲示に関する要件が整理されました。

令和8年度改定では、その流れがさらに進み、後発医薬品の使用割合だけでなく、医薬品の安定供給に資する体制そのものを評価する方向へ再編されています。医療機関向けには地域支援・医薬品供給対応体制加算、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算が新設され、薬局向けにも地域支援・医薬品供給対応体制加算が設けられています。

医薬品メーカー・卸にとっては、医療機関・薬局が必要とする情報を理解し、供給状況、代替候補、患者説明に使える資料、採用品目、納入実績、在庫、配送、返品、流通コストなどを組み合わせて情報提供することが重要です。

供給状況報告、医薬品安定供給・流通確認システム、販売実績、医療機関マスタ、薬局マスタ、CRM/SFA、BIツールを組み合わせることで、どの品目について、どの取引先に、どのような説明や支援が必要かを具体化できます。
診療報酬改定を制度解説だけで終わらせず、取引先支援や営業・マーケティング活動に活用する視点が、医薬品メーカー・卸にはますます重要になっています。

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● 2026年度診療報酬改定の全体像|薬局・メーカー・卸が押さえておきたいポイント
 https://frogwell.co.jp/blogs/medicalfeerevision2026/
● 診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で読む|薬価・安定供給への影響とデータ活用術
 https://frogwell.co.jp/blogs/medicalfeerevision/
● 診療報酬改定を医療機器メーカー・販売業の視点で読む|材料価格・保険適用・データ活用のポイント
 https://frogwell.co.jp/blogs/salesbusiness/

参考資料・URL

● 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
● 厚生労働省「個別改定項目について(令和8年2月13日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
● 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要 個別改定事項(Ⅱ)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238900.pdf
● 厚生労働省「医薬品等の供給不安への対応について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/index_00004.html
● 厚生労働省「医療用医薬品供給状況報告」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/04_00003.html
● 厚生労働省「処方箋に記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について(令和8年6月12日適用)」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_260401.html
● 厚生労働省「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001665718.pdf
● 厚生労働省「診療報酬における加算等の算定対象等となるバイオ後続品について」
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260309S0050.pdf

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