診療報酬改定を医療機器メーカー・販売業の視点で読む|材料価格・保険適用・データ活用のポイント
#オープンデータ #診療報酬改定 #医療機器メーカー #販売業
目次
- 1. はじめに:医療機器メーカー・販売業が診療報酬改定を見るべき理由
- 2. 医療機器メーカー・販売業が注目したい4つのポイント
- 2.1 保険医療材料制度改革・材料価格は収益性に関係する
- 2.2 イノベーション評価とプログラム医療機器の動向
- 2.3 保険適用手続き・機能区分を正しく把握する
- 2.4 公開データを使うと、提案先の優先順位が見えやすくなる
- 3. 実務で確認したい具体的な指標と公開資料
- 4. 医療機器メーカーにおける具体的なデータ活用術
- 4.1 BIツールによる製品ポートフォリオの可視化
- 4.2 CRM/SFAを活用した施設別の情報提供
- 5. 医療機器販売業における具体的なデータ活用術・マスタ連携
- 5.1 施設機能に応じた在庫・提案管理
- 5.2 医療系オープンデータと医療機関マスタの活用
- 6. 今後も継続して確認したい情報
- 7. まとめ
※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。
はじめに:医療機器メーカー・販売業が診療報酬改定を見るべき理由

前回までの記事では、2026年度診療報酬改定の全体像と、医薬品メーカー・卸の視点から見た薬価・安定供給・後発医薬品への影響を整理しました。
前回記事:
フロッグウェル株式会社「2026年度診療報酬改定の全体像|薬局・メーカー・卸が押さえておきたいポイント」
第2回記事:
フロッグウェル株式会社「診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で読む|薬価・安定供給への影響とデータ活用術」
今回取り上げるのは、医療機器メーカー・販売業の視点です。
「診療報酬改定」と聞くと、医療機関や薬局の点数変更を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、医療機器メーカー・販売業にとっても、診療報酬改定や保険医療材料制度改革は、事業環境を読み解くための重要な情報源です。
特に医療機器の場合、診療報酬本体だけでなく、特定保険医療材料の材料価格や機能区分、医療機器の保険適用手続き、プログラム医療機器の評価なども事業に関係します。また、在宅医療や地域医療の方向性は、どの医療機関・診療科に提案するかを考えるうえで重要な手がかりになります。
本記事では、医療機器メーカー・販売業が2026年度診療報酬改定および保険医療材料制度改革をどのように読み解くべきか、公開データを使ってどのような分析・営業活動に活用できるかを整理します。
医療機器メーカー・販売業が注目したい4つのポイント
医療機器メーカー・販売業の視点では、診療報酬改定の基本方針に加えて、保険医療材料制度改革、医療機器の保険適用手続き、公開データによる医療機関分析をあわせて確認することが重要です。
本記事では、特に次の4つのポイントを中心に見ていきます。
| 注目ポイント | 医療機器メーカー・販売業に関係する理由 |
| 保険医療材料制度改革・材料価格 | 特定保険医療材料の償還価格、機能区分、収益性に関係する |
| イノベーション評価・プログラム医療機器 | 新規医療機器やSaMDの評価、上市後データ、採用拡大に関係する |
| 保険適用手続き・機能区分 | A1、A2、B1、C1、C2などの保険適用区分や必要資料に関係する |
| 公開データによる提案先分析 | 病床機能、診療科、手術実績、地域医療体制を踏まえた営業活動に関係する |
保険医療材料制度改革・材料価格は収益性に関係する
医療機器メーカー・販売業が2026年度診療報酬改定や関連資料を確認する際に、特に注目したいのが「保険医療材料制度改革」です。
保険医療材料制度改革は、医療機関で使用される医療材料や医療機器のうち、保険診療の中で価格が設定されるものについて、材料価格や評価の仕組みを見直すものです。たとえば、カテーテル、人工関節、ペースメーカーなどのように、診療報酬上の技術料とは別に、特定保険医療材料として価格が設定されるものがあります。
医療機器メーカー・販売業にとっては、診療報酬本体の点数だけでなく、自社製品や取扱製品がどの機能区分に該当し、材料価格や評価がどのように見直されるのかを確認することが重要です。
機能区分とは、特定保険医療材料を機能や用途などに応じて分類した区分です。 材料価格は、個別製品ごとではなく、原則としてこの機能区分ごとに設定されます。そのため、自社製品や取扱製品がどの機能区分に属しているかを確認することが、価格改定の影響を把握するうえで重要になります。
2026年度の保険医療材料制度改革では、材料価格は全体として▲0.01%と示されています。これは材料価格全体で見ると小幅なマイナス改定であることを示しますが、個別の機能区分や製品ごとの影響は一律ではありません。
一方で、厚生労働省の資料では、近年の医療機器および体外診断用医薬品を取り巻く状況として、物価上昇による原材料費の高騰などが指摘されています。また、特定保険医療材料について、実勢価格が償還価格を上回る機能区分数が増加傾向にあることも報告されています。
償還価格は、保険診療で特定保険医療材料を使用した際に、保険制度上評価される材料価格を指します。 一方、実勢価格は市場で実際に取引される価格です。実勢価格が償還価格を上回る場合、医療機関が実際に購入する価格が、保険制度上評価される価格を超えることになります。
この状態が続くと、医療機関にとっては材料を使用するほど採算面の負担が生じやすくなります。メーカー・販売業にとっても、価格交渉、供給継続、製品提案、在庫管理に影響する可能性があります。
そのため、材料価格全体の改定率だけを見るのではなく、自社製品や取扱製品が属する機能区分、償還価格、実勢価格との関係、競合製品との違いを確認することが重要です。
なお、材料価格や保険医療材料制度改革の詳細は、厚生労働省の「令和8年度保険医療材料制度改革の概要」「令和8年度保険医療材料制度改革の骨子案」で確認できます。
イノベーション評価とプログラム医療機器の動向
保険医療材料制度改革では、「イノベーション評価」も重要な論点です。これは、新しい機能や医療上の有用性を持つ医療機器について、材料価格や診療報酬上の扱いにどのように反映するかを検討するものです。
厚生労働省の「令和8年度保険医療材料制度改革の骨子案」では、革新性の高い医療機器等の適切な評価、プログラム医療機器の評価、チャレンジ申請などが整理されています。
医療機器メーカーにとって、これは新製品開発だけでなく、承認・保険適用後にどのような使用実績や有用性のデータを収集するかにも関係します。特に、プログラム医療機器やAIを活用した医療機器では、承認取得後も、導入施設での使用状況や診断・治療支援への効果、医療従事者の業務負担軽減などを継続的に示していくことが重要になります。
チャレンジ申請は、医療機器の使用実績などを踏まえ、保険適用後に再評価を求める仕組みです。厚生労働省の骨子案では、再評価に向けた研究計画について、原則として比較試験を求めることや、ランダム化比較試験が難しい場合には、結果の偏りをできるだけ抑える方法を検討することが示されています。
そのため、メーカーにとっては、販売開始後のデータ収集や臨床現場との連携がより重要になります。販売業にとっても、新しい医療機器がどのような施設で導入されやすいか、既存設備や診療体制と合うかを把握することが、提案活動に関係します。
保険適用手続き・機能区分を正しく把握する
新たな医療機器や体外診断用医薬品を保険診療で使用するためには、保険適用手続きが必要です。厚生労働省の「医療機器・体外診断用医薬品の保険適用について」では、保険適用希望書の提出方法、決定区分、必要書類、ガイドブックなどが公表されています。
保険適用関連情報では、2026年度診療報酬改定後の保険適用希望書様式や、A1、A2、B1、E1などの区分に関する提出方法が示されています。また、2025年4月1日から一部の保険適用希望書についてe-Gov電子申請サービスでの受付が開始され、2026年6月1日からは原則としてe-Gov電子申請サービスでの受付とされています。
保険適用区分は、製品が保険診療上どのように評価されるかを把握するうえで重要です。たとえば、既存の診療報酬項目で評価されるもの、既存の機能区分で評価される特定保険医療材料、新たな機能区分や技術料が必要となるものなどがあります。
以下は、保険適用区分を確認する際の大まかな整理です。詳細は厚生労働省のガイドブックや通知をご確認ください。
保険適用区分の確認イメージ
| 区分 | 意味 | 確認目的 |
| A1 | 既存の診療報酬項目で評価されるもの | 既存技術料での使用可否 |
| A2 | 既存の診療報酬項目で評価されるが、個別の判断が必要なもの | 保険診療上の扱い・施設説明の要点 |
| B1 | 既存の機能区分に該当する特定保険医療材料 | 該当する機能区分・材料価格 |
| C1 | 新たな機能区分が必要な特定保険医療材料 | 新規機能区分・価格設定の必要性 |
| C2 | 新たな技術料とあわせて評価が必要なもの | 新技術としての評価・診療報酬上の扱い |
| E1 | 既存の体外診断用医薬品の区分に該当するもの | 検査領域での保険適用上の扱い |
医療機器メーカーにとっては、製品の保険適用区分や提出資料を正しく把握することが、販売開始までの準備や医療機関への情報提供に関わります。販売業にとっても、保険適用区分や機能区分を理解しておくことで、医療機関からの問い合わせや採用検討に対応しやすくなります。
実務で確認したい観点は、次の通りです。
- 自社製品・取扱製品がどの保険適用区分に該当するか
- 既存機能区分で評価されるのか、新たな機能区分が必要なのか
- 特定保険医療材料として価格が設定されるのか
- 保険適用希望書や必要資料の提出が必要か
- 医療機関に説明すべき保険適用上のポイントは何か
保険適用手続きはメーカーの薬事・保険戦略部門だけでなく、営業部門や販売業の提案活動にも関係します。 医療機関から見れば、「この機器は使えるのか」「診療報酬上どのように評価されるのか」「材料費として請求できるのか」といった点は、採用を検討するうえで重要な判断材料になります。
公開データを使うと、提案先の優先順位が見えやすくなる
医療機器メーカー・販売業にとって、制度資料を確認するだけでは十分ではありません。制度の変化を、自社製品・取扱製品の提案先や導入候補施設と結びつけて考えることが重要です。
医療機器は、製品の種類によって使われる診療科や医療機関の機能が異なります。たとえば、急性期病院向けの手術関連機器、回復期・慢性期向けのリハビリ機器、在宅医療向けの医療機器、画像診断装置、検査機器、プログラム医療機器では、提案先を判断するために見るべき医療機関情報が異なります。
そのため、製品ごとに「どの医療機関で使われやすいか」「どの診療科・病床機能と関係するか」を整理し、目的に合った公開データを選ぶ必要があります。
提案先の整理に活用しやすい主な公開データは、以下の通りです。
- 医療機能情報提供制度・医療情報ネット(ナビイ)
- 病床機能報告
- DPC導入の影響評価に係る調査
- PMDAの承認情報
- 厚生労働省の医療機器・体外診断用医薬品の保険適用情報
- 厚生労働省の診療報酬改定・保険医療材料制度改革資料
医療機能情報提供制度では、診療科目、対応可能な疾患・治療内容、提供しているサービスなどを確認できます。病床機能報告では、一般病床・療養病床を有する病院・有床診療所の病床機能に関する情報を確認できます。DPC関連の公開資料は、急性期医療を担う医療機関の機能や診療実績を把握する際の参考になります。
一方、PMDAの承認情報では、承認された医療機器や関連製品の情報を確認できます。厚生労働省の保険適用情報では、医療機器や体外診断用医薬品の保険適用区分や手続きに関する情報を確認できます。また、診療報酬改定・保険医療材料制度改革資料は、材料価格、機能区分、イノベーション評価など、制度上の評価を確認するために活用できます。
医療機器メーカー・販売業にとっては、こうした制度資料と医療機関データを組み合わせることで、どの製品をどの施設に提案しやすいかを整理しやすくなります。
実務で確認したい具体的な指標と公開資料
前章では、医療機器メーカー・販売業が注目したい4つの論点として、保険医療材料制度改革、イノベーション評価、保険適用手続き、公開データによる提案先分析を整理しました。
ここからは、それぞれの論点を実務で確認するために、公開資料ごとに確認したい情報や活用目的を整理します。
表1:公開資料ごとの確認ポイント
| 論点 | 主な資料 | 確認する情報 | 活用目的 |
| 材料価格・機能区分 | 令和8年度保険医療材料制度改革の概要 | 材料価格改定率、特定保険医療材料の機能区分 | 収益性や提案価格への影響把握 |
| 材料価格・安定供給 | 令和8年度保険医療材料制度改革の骨子案 | 実勢価格と償還価格、原材料費高騰に関する記載 | 供給継続や価格戦略への影響整理 |
| イノベーション評価 | 令和8年度保険医療材料制度改革の骨子案 | チャレンジ申請、使用成績を踏まえた再評価 | 販売開始後のデータ収集・評価戦略への活用 |
| プログラム医療機器 | 令和8年度保険医療材料制度改革の骨子案 | SaMD、プログラム医療機器の評価に関する記載 | AI・ソフトウェア系医療機器の評価・採用戦略の確認 |
| 保険適用手続き | 医療機器・体外診断用医薬品の保険適用について | A1、A2、B1、E1等の区分、保険適用希望書 | 保険適用手続きや医療機関向け説明内容の整理 |
| 承認・販売動向 | PMDA「承認情報」 | 医療機器の承認情報 | 新規参入製品や競合製品の動向把握 |
| 提案先分析 | 医療機能情報提供制度、病床機能報告、DPC公開資料 | 診療科、病床機能、DPC関連情報 | 製品特性に合う医療機関の抽 |
ただし、公開資料を確認するだけでは、営業活動や在庫管理にすぐ活用できるとは限りません。実務で活かすには、公開データを自社の製品情報、販売実績、顧客情報、医療機関マスタなどと組み合わせて分析する必要があります。
次章では、医療機器メーカーの視点から、BIツールやCRM/SFAを使った具体的な活用例を紹介します。
医療機器メーカーにおける具体的なデータ活用術

医療機器メーカーでは、制度改定資料、保険適用情報、承認情報、自社の販売データ、医療機関情報を組み合わせることで、価格改定の影響を受ける製品や、重点的に提案すべき医療機関を把握しやすくなります。
BIツールによる製品ポートフォリオの可視化
TableauやPower BIなどのBIツール(複数のデータを集計・可視化し、状況を把握しやすくするツール)を活用すれば、保険医療材料制度改革の情報と自社製品データを組み合わせて確認できます。
たとえば、次のような分析が可能です。
- 自社製品ごとの機能区分・償還価格を一覧化する
- 改定による価格影響が大きい製品を抽出する
- 特定診療科・特定病床機能に関係する製品を整理する
- 競合製品の承認・保険適用状況を確認する
- 地域別・施設別の販売実績と対象医療機関数を比較する
BIツールで製品別・地域別・施設別に可視化しておくことで、価格改定や保険適用情報の変更があった際にも、影響範囲を確認しやすくなります。
CRM/SFAを活用した施設別の情報提供
SalesforceなどのCRM/SFA(顧客情報や営業活動、商談状況を管理するシステム)を活用し、医療機関情報と製品情報を紐づけることで、施設ごとの状況に応じた情報提供がしやすくなります。
表2:CRM/SFAに紐づけたい情報と活用イメージ
| 管理したい情報 | 活用目的 |
| 製品の保険適用区分 | 算定・請求に関する問い合わせ対応 |
| 特定保険医療材料の機能区分 | 償還価格や既存製品との差の説明 |
| 対象診療科・対象手技 | 提案先となる診療科や部門の整理 |
| 承認・保険適用日 | 新製品の提案タイミング管理 |
| 採用施設・未採用施設 | 重点提案先やフォロー対象の整理 |
| 競合製品情報 | 代替提案や差別化ポイントの整理 |
医療機器は、製品ごとに対象診療科、使用場面、設置環境、保守体制が異なります。CRM/SFA上でこれらの情報を管理しておくことで、施設ごとの状況に応じた提案内容を整理できます。
医療機器販売業における具体的なデータ活用術・マスタ連携

医療機器販売業にとっても、診療報酬改定や保険医療材料制度改革、公開データの活用は、提案活動や在庫管理の質を高めるための重要な手段になります。
施設機能に応じた在庫・提案管理
医療機器販売業では、医療機関の診療科や病床機能、手術・検査領域に応じて、必要とされる製品が異なります。
たとえば、急性期病院では手術関連機器、循環器・整形外科・消化器などの診療科別製品、検査機器、特定保険医療材料の需要が見込まれます。一方、回復期・慢性期・在宅領域では、リハビリ関連機器、在宅医療機器、モニタリング機器などが関係しやすくなります。
公開データと自社の販売・在庫データを組み合わせることで、次のような使い方が考えられます。
- 担当エリア内の急性期病院・回復期病院を整理する
- 特定診療科を持つ医療機関を抽出する
- 手術関連機器や検査機器の提案先をリスト化する
- 在宅医療に関連する医療機関・診療所を把握する
- 施設機能ごとに在庫・提案製品を見直す
医療系オープンデータと医療機関マスタの活用
提案先を整理する際に活用できるのが、厚生労働省が公開している医療系オープンデータです。医療機関に関する公開情報や病床機能報告を確認することで、地域内の医療機関の役割、病床機能、診療体制を把握しやすくなります。
フロッグウェルでは、厚生労働省等が公開しているオープンデータをもとに、医療機関名、所在地、診療科、病床数などの情報を、営業活動や分析で扱いやすい形に変換・加工した医療機関マスタを提供しています。
これらの情報を自社のCRM/SFAに連携させることで、以下のような分析・リストアップが可能になります。
表3:医療系オープンデータと医療機関マスタの活用例
| 活用例 | 活用内容 |
| ターゲットの絞り込み | 特定の診療科を標榜している医療機関や、対象製品に関係する施設の抽出 |
| 施設機能別の提案 | 急性期、回復期、慢性期、在宅など、病床機能に応じた提案先の整理 |
| 導入候補施設の抽出 | 既存設備や診療体制をもとにした、導入可能性の高い医療機関の把握 |
| 地域別の需要把握 | エリアごとの医療機関数、病床数、診療科をもとにした需要の把握 |
| 保守・更新提案の優先順位づけ | 導入済み施設や重点施設を踏まえた、更新提案・保守対応の優先順位づけ |
施設の機能や診療体制を把握しておくことで、製品ごとの提案内容を具体化し、優先的に提案すべき医療機関を抽出しやすくなります。
今後も継続して確認したい情報
2026年度診療報酬改定の内容は、告示や概要資料が公表されて終わりではありません。医療機器メーカー・販売業にとっては、診療報酬本体に加えて、保険医療材料制度改革、保険適用情報、中央社会保険医療協議会(中医協)での議論を継続して確認することが重要です。
また、医療機器は承認情報、保険適用情報、材料価格、機能区分、医療機関の診療体制など、確認すべき情報が複数に分かれています。制度変更と医療機関データを組み合わせて見ることで、自社製品や営業戦略への影響を整理しやすくなります。
表4:継続して確認したい情報まとめ
| 情報源・会議名 | 主に確認できること・目的 |
| 中央社会保険医療協議会(中医協)総会資料 | 医療機器、保険医療材料、費用対効果評価などの制度動向 |
| 保険医療材料専門部会資料 | 材料価格制度、機能区分、イノベーション評価、安定供給などの議論 |
| 医療機器・体外診断用医薬品の保険適用情報 | 保険適用希望書、提出方法、保険適用区分、ガイドブック |
| PMDA承認情報 | 新規承認された医療機器、体外診断用医薬品、関連製品の情報 |
| 医療機能情報提供制度・医療情報ネット | 診療科、対応可能な治療、提供サービスなどの医療機関情報 |
| 病床機能報告 | 地域内の病床機能、医療機関の役割、提案先整理 |
これらの情報を製品情報や顧客情報と組み合わせることで、材料価格や保険適用の変更が関係する製品・施設を把握しやすくなります。新製品の提案、既存製品の更新提案、重点施設の抽出にも活用できます。
まとめ
2026年度診療報酬改定は、医療機関の算定ルールの変更にとどまらず、医療機器メーカー・販売業にとっても、保険医療材料制度改革、材料価格、機能区分、保険適用手続き、イノベーション評価を確認する重要な機会になります。
特に注目したいのは、次の4つの視点です。
- 保険医療材料制度改革では、材料価格や機能区分の見直しが、自社製品・取扱製品の収益性や提案内容に影響する
- イノベーション評価やプログラム医療機器の評価は、販売開始後のデータ収集や医療機関への説明内容に関係する
- 保険適用区分や提出資料の理解は、医療機関からの問い合わせ対応や採用検討時の説明に役立つ
- 医療系オープンデータと医療機関マスタを活用することで、製品特性に合う提案先や導入候補施設を抽出しやすくなる
制度資料や公開データは、確認するだけでなく、自社の製品情報、販売実績、CRM/SFA、医療機関マスタと組み合わせることで、より実務に活かしやすくなります。たとえば、営業リストの作成、重点施設の抽出、製品別の提案先整理、保険適用情報の共有、更新提案の優先順位づけなどに活用できます。
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