2026年度診療報酬改定の全体像|薬局・メーカー・卸が押さえておきたいポイント
目次
※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。
2026年度診療報酬改定は、2026年3月5日に告示され、同年6月1日から適用されます。今回の改定では、物価高騰や賃金上昇、人材確保への対応に加え、医療DX、在宅医療、医薬品の安定供給、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進など、医療提供体制全体に関わる論点が示されています。
本記事では、病院・医師向けの詳細な算定要件ではなく、薬局、医薬品メーカー、卸、その他医療関連事業者が押さえておきたい2026年度診療報酬改定の全体像と、今後注目したいポイントを整理します。
2026年度診療報酬改定はいつから適用される?

2026年度、すなわち令和8年度診療報酬改定は、2026年3月5日に告示され、2026年6月1日から適用されます。厚生労働省告示第69号「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」では、診療報酬の算定方法を一部改正し、令和8年6月1日から適用するとされています。
参考:厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」
診療報酬改定というと、医療機関の点数変更や病院経営への影響が注目されがちです。しかし、改定の対象は医科だけではありません。歯科、調剤、訪問看護、施設基準、医療DX、医薬品の使用促進など、医療提供体制全体に関わる内容が含まれています。
厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」のページでは、改定に関する情報がまとめて公開されています。たとえば、以下のような資料を確認できます。
| 掲載内容 | 確認できること |
| 基本方針 | 改定全体の方向性、重点課題 |
| 個別改定項目 | 具体的な見直し内容 |
| 改定説明資料 | 改定内容の概要 |
| 告示・通知 | 算定方法、施設基準、届出手続き |
| 疑義解釈 | 実務上の解釈や補足 |
| 施設基準届出チェックリスト | 届出が必要な項目の確認 |
| 調剤点数表 | 薬局・調剤報酬に関する点数 |
改定内容を把握する際は、まずこの特設ページを起点に、基本方針、個別改定項目、調剤点数表、疑義解釈、施設基準の届出関係資料などを確認するとよいでしょう。
2026年度改定の大きな特徴

2026年度診療報酬改定の特徴は、単なる点数の見直しにとどまらず、医療提供体制を持続可能にするための対応が重視されている点です。
厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の基本方針」では、今回の改定にあたっての基本認識として、物価・賃金の上昇、人口構造の変化、人材確保、2040年頃を見据えた医療提供体制、医療DX、イノベーション、医療保険制度の持続可能性などが示されています。
参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の基本方針」
今回の改定で押さえておきたい視点は、大きく4つあります。
| 視点 | 主な内容 | 関連する読者 |
| 物価高・賃上げ・人材確保への対応 | 医療機関等の経営安定、医療従事者の処遇改善、人材確保 | 薬局、医療関連事業者 |
| 医療DXの推進 | 電子処方箋、医療情報連携、ICT・AI・IoTの活用 | 薬局、システム事業者、卸 |
| 在宅医療・地域医療体制の強化 | 高齢化を見据えた地域完結型医療、在宅医療、訪問看護 | 薬局、在宅支援事業者 |
| 医薬品の安定供給と適正化 | 後発医薬品・バイオ後続品、安定供給、費用対効果評価 | メーカー、卸、薬局 |
物価高・賃上げ・人材確保への対応
今回の基本方針では、物価高騰や賃金上昇、人材確保への対応が重要な論点として示されています。医療分野は、公定価格によるサービス提供が中心であるため、一般企業のように価格へ機動的に転嫁しにくい構造があります。そのため、医療機関等の経営の安定や、現場で働く幅広い職種の賃上げにつながる対応が必要とされています。
この論点は、病院だけに限られるものではありません。薬局や訪問看護、医療関連サービスを提供する事業者にとっても、人材確保や業務効率化は共通の課題です。改定内容を見る際は、「点数がどう変わるか」だけでなく、現場の人員体制や業務負担の軽減にどのような方向性が示されているかにも注目する必要があります。
医療DXの推進
医療DXも、今回の改定で重要なテーマのひとつです。基本方針では、デジタル化された医療情報の利活用、AI・ICT等の活用、医療DXの推進が、より効率的で質の高い医療の実現に重要であるとされています。
医療DXは、医療機関だけで完結する話ではありません。電子処方箋、オンライン資格確認、医療情報連携、電子薬歴、在庫管理、オンライン服薬指導など、薬局や医療関連事業者にも関わる領域です。
特に薬局では、電子処方箋や服薬情報の連携が進むことで、重複投薬の確認、患者情報の把握、医療機関との連携がより重要になります。システムやデータ連携に関わる事業者にとっても、診療報酬改定は医療現場がどのような体制整備を求められているかを読み取る手がかりになります。
在宅医療・地域医療体制の強化
基本方針では、2040年頃を見据えた医療提供体制の構築も大きな論点になっています。今後、全国的に生産年齢人口が減少する一方で、医療・介護の複合的なニーズを持つ85歳以上人口は増加していくと見込まれています。そのため、限られた医療資源を最適化・効率化しながら、地域完結型の医療提供体制を構築する必要があるとされています。
この流れの中で、在宅医療、訪問看護、入退院支援、地域連携の重要性は今後も高まると考えられます。薬局にとっては、在宅患者への薬学管理や医療機関との連携がより重要になります。メーカーや卸にとっても、在宅領域で使用される医薬品、医療材料、供給体制などをどう支えるかが注目点になります。
個別改定項目でも、在宅医療・訪問看護に関する項目や、在宅薬学総合体制加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料など、在宅領域に関連する項目が整理されています。
参考:厚生労働省「個別改定項目について」
医薬品の安定供給と後発医薬品・バイオ後続品の使用促進
薬局、医薬品メーカー、卸にとって特に注目したいのが、医薬品の安定供給、後発医薬品・バイオ後続品、医薬品の適正使用に関する論点です。
基本方針では、革新的医薬品を含め、必要な医薬品・医療機器等を安定的に供給し続けるための生産供給体制の構築が重要とされています。また、医療保険制度の持続可能性の観点から、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進、市場実勢価格を踏まえた適正な評価、費用対効果評価制度の活用なども示されています。
調剤点数表でも、調剤技術料、薬学管理料、薬剤料、特定保険医療材料料などが整理されており、地域支援・医薬品供給対応体制加算やバイオ後続品調剤体制加算など、薬局機能や医薬品供給に関係する項目も確認できます。
参考:厚生労働省「調剤点数表」
医薬品の安定供給は、薬局の在庫管理や患者対応だけでなく、メーカーの生産体制、卸の流通体制、医療機関・薬局への情報提供にも関わります。診療報酬改定を読む際は、薬価や点数だけでなく、医薬品市場や供給体制全体の方向性を把握することが重要です。
薬局が押さえておきたい視点

薬局にとって、今回の改定で注目したいのは、地域の医薬品供給拠点としての役割、在宅対応、医療DX、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進です。
薬局は、処方箋に基づいて調剤を行うだけでなく、地域医療の中で医薬品供給、服薬情報の管理、在宅患者への対応、医療機関との連携を担う存在として位置づけられています。今回の改定でも、かかりつけ薬剤師機能、在宅薬学管理、電子処方箋、医薬品供給体制などに関係する項目が含まれています。
適用開始前の段階では、まず以下を確認しておくとよいでしょう。
- 自薬局に関係する調剤報酬項目
- 施設基準や届出が必要な項目
- 電子処方箋や医療DXへの対応状況
- 在宅対応や地域連携の体制
- 後発医薬品・バイオ後続品に関する運用
詳細な算定要件や届出手続きは、調剤点数表や通知、疑義解釈を確認する必要があります。今回の記事では全体像を押さえ、薬局に関係する具体的な項目は、今後さらに詳しく確認していくことが重要です。
メーカー・卸が押さえておきたい視点
医薬品メーカーや卸にとって、診療報酬改定は医療機関や薬局の算定ルールだけの話ではありません。薬価、採用品目、後発医薬品・バイオ後続品、医薬品の安定供給、適正使用、情報提供活動にも関係します。
特に、医薬品の安定供給が政策上の重要テーマとして示されている点は、メーカー・卸にとって継続的に確認したい論点です。供給不安が生じた際の情報提供、代替薬の提案、薬局・医療機関との連携、在庫管理など、現場で求められる対応にも影響する可能性があります。
また、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進は、薬局や医療機関の採用品目、患者説明、在庫管理にも関係します。メーカー・卸は、診療報酬改定を「点数変更」としてだけでなく、医薬品市場や流通体制の変化を読む材料として確認していくことが重要です。
その他の医療関連事業者が押さえておきたい視点
医療DX、在宅医療、訪問看護、ICT連携などは、薬局、メーカー、卸以外の医療関連事業者にとっても重要なテーマです。
たとえば、以下のような領域に関わる事業者は、今回の改定内容を確認しておく意義があります。
- 電子薬歴、電子カルテ、医療情報連携システム
- 電子処方箋、オンライン資格確認関連サービス
- 在庫管理、医薬品流通支援
- オンライン服薬指導、患者コミュニケーション支援
- 訪問看護・在宅医療支援システム
- 医療機器、プログラム医療機器
- 医薬品情報提供、適正使用支援
診療報酬改定は、医療機関や薬局がどのような体制整備を求められているかを読み取る手がかりになります。医療関連サービスを提供する事業者にとっては、自社サービスの提案先が抱える課題や、今後ニーズが高まりそうな領域を把握するうえでも重要です。
今後も確認したい制度動向

診療報酬改定は、告示や点数表が公表されて終わりではありません。適用開始後も、疑義解釈、訂正通知、施設基準の届出、中央社会保険医療協議会の議論などを通じて、実務上の対応や次回改定に向けた論点が見えてきます。
特に、中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協の総会では、医薬品の新規薬価収載、費用対効果評価、最適使用推進ガイドライン、DPC、在宅自己注射、再生医療等製品の医療保険上の取扱いなど、医療制度や医薬品市場に関わる議題が継続的に扱われています。
参考:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会」
薬局、メーカー、卸、医療関連事業者が今後確認したい観点は、以下の通りです。
| 見るべき観点 | 注目する理由 |
| 薬価・医薬品収載 | メーカー・卸の市場環境に関わる |
| 後発医薬品・バイオ後続品 | 採用品目、在庫、患者説明に影響する |
| 医療DX | 薬局・医療機関の体制整備に関わる |
| 在宅医療・訪問看護 | 地域包括ケア、薬局機能に関係する |
| 費用対効果評価 | 医薬品・医療機器の評価に影響する |
| 施設基準・届出 | 現場の実務対応に直結する |
2026年度改定の内容を理解したうえで、適用開始後の通知や中医協資料を継続的に確認することで、次回以降の制度改正に向けた流れも把握しやすくなります。
まとめ
2026年度診療報酬改定は、2026年3月5日に告示され、6月1日から適用されます。今回の改定では、物価高騰や賃金上昇、人材確保への対応に加え、医療DX、在宅医療、地域医療体制、医薬品の安定供給、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進など、医療提供体制全体に関わる論点が示されています。
薬局にとっては、地域の医薬品供給拠点としての役割、在宅対応、薬剤師の対人業務、電子処方箋や医療DXへの対応が重要になります。メーカー・卸にとっては、薬価、安定供給、後発医薬品・バイオ後続品、適正使用、医療機関・薬局への情報提供活動が注目点です。
診療報酬改定は、医療機関だけの制度変更ではなく、医療を支えるさまざまな事業者にとって、今後の市場環境や現場ニーズを読み解く重要な情報源です。2026年度改定の全体像を押さえたうえで、厚生労働省の通知や中医協資料を継続的に確認していくことが、今後の制度動向を把握する第一歩となります。
参考URL
| タイトル | 概要 | URL |
| 厚生労働省 「令和8年度診療報酬改定について」 |
基本方針、個別改定項目、説明資料、告示・通知、疑義解釈、施設基準届出チェックリストなどの総合ページ | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html |
| 厚生労働省 「令和8年度診療報酬改定の基本方針」 |
改定の基本認識、重点課題、医療DX、薬局機能、医薬品安定供給などの方向性 | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001618046.pdf |
| 厚生労働省 「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」 |
2026年3月5日告示、2026年6月1日適用の確認資料 | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665291.pdf |
| 厚生労働省 「個別改定項目について」 |
改定項目の詳細。医療DX、在宅医療、薬局機能、後発医薬品・バイオ後続品などを確認できる資料 | https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf |
| 厚生労働省 「調剤点数表」 |
薬局・調剤報酬関連の点数表 | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665294.pdf |
| 厚生労働省 「中央社会保険医療協議会 総会」 |
中医協の会議資料、議事録、医薬品・薬価・費用対効果評価などの制度動向を確認できるページ | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html |
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