診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で深掘りする|長期収載品の今後の在り方① 選定療養の見直しと需要への影響
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目次
- 1. 令和6年度診療報酬改定で導入された長期収載品の選定療養
- 2. 令和8年度診療報酬改定で特別の料金はどう変わったか
- 2.1 特別の料金が引き上げられた背景
- 2.2 特別の料金の引き上げによる患者負担の変化
- 3. 患者の選択は長期収載品の需要にどう影響するか
- 3.1 患者負担額は品目や処方内容によって異なる
- 3.2 費用以外の要因も選択に関係する
- 3.3 医療上の必要性や供給状況によっても需要は変わる
- 4. 医薬品メーカーに求められる需要予測と製品対応
- 4.1 影響を受けやすい品目を整理する
- 4.2 販売予測と生産・在庫計画を見直す
- 4.3 長期収載品と後発医薬品を製品群として確認する
- 4.4 医療機関・薬局への情報提供を整える
- 5. 医薬品卸に求められる在庫・供給管理
- 5.1 長期収載品の在庫滞留を確認する
- 5.2 後発医薬品への注文集中と欠品に備える
- 5.3 取引先ごとの注文変化を把握する
- 5.4 需要動向をメーカーの供給計画へつなげる
- 6. 需要変化を把握するために確認したい情報
- 7. まとめ
- 8. 関連記事
- 9. 参考資料・URL
※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。
長期収載品を取り巻く環境は、患者負担と薬価の両面から変わりつつあります。
令和8年度診療報酬改定では、長期収載品の選定療養における患者負担の水準が見直されました。また、令和8年度薬価制度改革では、長期収載品の薬価を後発医薬品の価格へ段階的に近づける見直しも行われています。
こうした見直しが進むなか、医薬品メーカー・卸には、長期収載品の位置づけや今後の取り扱いを改めて検討することが求められます。
本シリーズでは、「長期収載品の今後の在り方」を、患者の選択、薬価・収益性、製品ライフサイクル、実務・データ管理の4つの側面から整理します。
第1回となる本記事では、令和8年度診療報酬改定における選定療養の見直しに着目し、患者の選択や長期収載品の需要がどのように変わる可能性があるのか、医薬品メーカー・卸への影響とあわせて解説します。
令和6年度診療報酬改定で導入された長期収載品の選定療養

長期収載品とは、後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品が発売された後も、引き続き薬価基準に収載されている先発医薬品です。
令和6年度診療報酬改定では、一定の要件を満たす長期収載品を対象とした選定療養が新たに設けられ、令和6年10月1日から運用が開始されました。
選定療養は、患者が選択する保険外の療養について、追加料金を負担することで保険診療との併用を認める制度です。
長期収載品の場合は、医療上の必要性ではなく、本人の希望で長期収載品を選んだ患者が、後発医薬品との価格差の一部を「特別の料金」として負担します。薬価のうち、特別の料金に相当する部分を除いた金額は保険給付の対象となり、患者はその部分について通常の一部負担金を支払います。
長期収載品を対象とする選定療養が新たに設けられた背景には、後発医薬品を選択できる場合にはその使用を促すとともに、患者の希望による先発医薬品の使用について、価格差のすべてを医療保険で負担するのではなく、長期収載品の保険給付の在り方を見直す考え方があります。
長期収載品を使用する理由によって、保険給付の範囲と患者負担は次のように異なります。
| 長期収載品を使用する理由 | 保険給付の範囲 | 患者負担 |
| 医療上の必要性ではなく、患者自身が長期収載品を希望する場合 | 長期収載品の薬価から、特別の料金に相当する部分を除いた金額が保険給付の対象 | 保険給付の対象部分に対する通常の一部負担金に加え、特別の料金とその消費税を負担 |
| 医療上の必要性があると認められる場合 | 長期収載品の薬価全体が保険給付の対象 通常の一部負担金 | 通常の一部負担金 |
| 後発医薬品を提供することが困難な場合 | 長期収載品の薬価全体が保険給付の対象 | 通常の一部負担金 |
この区分により、医療上必要な長期収載品の使用には従来どおり保険給付を維持しながら、患者の希望による使用には追加負担が生じます。こうした負担の違いは、患者が長期収載品を継続するか、後発医薬品へ切り替えるかという選択にも関係します。
令和8年度診療報酬改定で特別の料金はどう変わったか
令和8年度診療報酬改定では、長期収載品の選定療養における患者負担の水準が見直されました。
令和6年度改定で、長期収載品と後発医薬品との価格差の4分の1相当とされていた「特別の料金」は、令和8年6月1日から2分の1相当へ引き上げられました。
| 適用期間 | 特別の料金 |
| 令和6年10月1日~令和8年5月31日 | 長期収載品と後発医薬品との価格差の4分の1相当 |
| 令和8年6月1日以降 | 長期収載品と後発医薬品との価格差の2分の1相当 |
特別の料金が引き上げられた背景
令和8年度改定に向けた検討では、長期収載品の選定療養の導入により、後発医薬品の使用促進に一定の効果があったと整理されました。
特別の料金を引き上げる背景としては、医療上の必要性がない場合に長期収載品を選ぶ患者には、後発医薬品を選ぶ患者よりも多くの保険給付が行われることから、保険給付の公平性を確保する必要性が示されました。
あわせて、医療保険制度の持続可能性の確保や国民負担の軽減、長期収載品に依存するビジネスモデルからの転換、創薬イノベーションの推進や後発医薬品の使用促進も、見直しを進める観点として挙げられました。
一方、引き上げ幅を検討する際には、後発医薬品への需要が急増した場合の供給への影響や、患者の経済的負担にも配慮が必要とされました。
特別の料金の引き上げによる患者負担の変化
特別の料金の引き上げによって、保険診療部分と患者が支払う金額がどのように変わるのか、具体例で確認します。
例えば、長期収載品の薬価が1錠100円、同一成分・規格・剤形の後発医薬品のうち最も薬価が高い製品が1錠60円の場合、両者の価格差は40円です。
制度開始時の特別の料金は、価格差40円の4分の1に当たる10円でした。令和8年6月1日からは、価格差の2分の1に当たる20円へ引き上げられました。
| 区分 | 令和6年10月1日~令和8年5月31日 | 令和8年6月1日以降 |
| 長期収載品の薬価 | 100円 | 100円 |
| 後発医薬品の最高価格 | 60円 | 60円 |
| 価格差 | 40円 | 40円 |
| 特別の料金 | 10円〔40円×4分の1〕 | 20円〔40円×2分の1〕 |
| 保険診療部分 | 90円 | 80円 |
| 3割負担の場合の一部負担金 | 27円 | 24円 |
| 特別の料金と消費税 | 11円 | 22円 |
| 薬剤に関する患者負担の合計 | 38円 | 46円 |
※消費税率を10%とし、端数処理を考慮しない単純化した例です。
この例では、特別の料金が10円から20円へ増える一方、長期収載品の薬価に占める保険診療部分は90円から80円へ減少します。それに伴い、患者負担割合が3割の場合の一部負担金も、27円から24円へ減少します。
しかし、一部負担金の減少額よりも、特別の料金と消費税の増加額の方が大きいため、この薬剤に関する患者負担の合計は38円から46円へ増加します。
この例で患者が薬剤について支払う金額は、保険診療部分に対する通常の一部負担金と、患者が全額を負担する特別の料金およびその消費税の合計です。
なお、後発医薬品が複数ある場合、特別の料金は、同一成分・規格・剤形の後発医薬品のうち最も薬価が高い製品との価格差をもとに計算されます。また、実際の金額は端数処理などによって異なる場合があります。
患者の選択は長期収載品の需要にどう影響するか

令和8年度診療報酬改定による特別の料金の引き上げは、患者が長期収載品を継続するか、後発医薬品へ切り替えるかを検討する一つのきっかけになると考えられます。
患者の選択が変われば、長期収載品と後発医薬品の需要構成も変化します。ただし、その影響はすべての品目や患者で一律に生じるものではありません。
患者負担額は品目や処方内容によって異なる
患者が負担する特別の料金は、長期収載品と後発医薬品との価格差をもとに計算されます。
そのため、価格差が大きい品目や、使用量が多い品目、長期間処方される品目では、患者が支払う金額も大きくなります。こうした品目では、負担の増加をきっかけに、後発医薬品への切り替えを検討する患者が増える可能性があります。
一方、価格差や処方量が小さい品目では、特別の料金が引き上げられても、患者の選択への影響が限定的な場合があります。
費用以外の要因も選択に関係する
患者の選択は、費用だけで決まるとは限りません。
これまで使用してきた医薬品への慣れ、剤形や使用感、後発医薬品に対する理解や不安なども、長期収載品を継続するかどうかの判断に関係します。
また、医療機関や薬局で、長期収載品と後発医薬品の違いや患者負担についてどのように説明されるかも、患者の判断に影響する可能性があります。
医療上の必要性や供給状況によっても需要は変わる
医療上の必要性がある場合や、後発医薬品を提供することが困難な場合には、長期収載品を使用しても選定療養の対象とはなりません。
そのため、長期収載品の使用量が維持されている場合でも、その理由が患者自身の希望によるものなのか、医療上の必要性や後発医薬品の供給状況によるものなのかによって、今後の需要の見方は異なります。
後発医薬品への切り替えが進んでも、対象製品の供給が不安定になれば、長期収載品や別の後発医薬品へ需要が移る可能性もあります。
このように、選定療養の見直しによる需要の変化は、患者負担、処方内容、製品特性、医療上の必要性、後発医薬品の供給状況などが重なって生じます。
医薬品メーカー・卸には、長期収載品全体の販売数量だけでなく、品目別、取引先別、地域別に変化を確認することが重要になります。
医薬品メーカーに求められる需要予測と製品対応
医薬品メーカーには、患者の選択の変化が自社製品の販売数量にどの程度影響するのかを品目単位で見極め、販売、生産、在庫、情報提供の各計画へ反映することが求められます。
影響を受けやすい品目を整理する
まず、自社の長期収載品について、選定療養の見直しによる影響の大きさを整理する必要があります。
確認したい主な要素は、次のとおりです。
- 長期収載品と後発医薬品との価格差
- 使用量や処方日数
- 後発医薬品の品目数
- 後発医薬品の供給状況
- 医療上の必要性により継続使用されるケースの有無・傾向
- 改定前後の販売数量の変化
価格差が大きく、長期処方される品目では、患者負担の増加も大きくなるため、後発医薬品への切り替えが進む可能性があります。
一方、医療上の必要性により継続使用されるケースが一定数ある品目や、対応する後発医薬品の供給が不安定な品目では、長期収載品の需要が一定程度維持されることも考えられます。
こうした条件をもとに、自社製品を「需要減少の影響が大きい品目」「継続需要が見込まれる品目」「供給状況によって変動しやすい品目」などに分類すると、対応の優先順位を設定しやすくなります。
販売予測と生産・在庫計画を見直す
長期収載品の需要が減少する場合、過去の販売実績だけを基準に生産や在庫を計画すると、過剰生産や在庫の滞留につながる可能性があります。
メーカーは、改定前後の販売数量を品目別、地域別、医療機関・薬局別に比較し、需要がどの程度の速度で変化しているかを確認する必要があります。
その結果を、次の計画へ反映します。
- 生産数量
- 原材料や包装資材の調達
- 出荷計画
- 適正在庫
- 支店・物流拠点ごとの在庫配置
- 卸への供給計画
後発医薬品を製造・販売するメーカーでは、反対に需要増加への対応が課題となります。
受注の増加が一時的なものか、継続的な切り替えによるものかを見極めながら、生産能力、在庫、出荷体制に不足がないかを確認する必要があります。
長期収載品と後発医薬品を製品群として確認する
自社が長期収載品と後発医薬品の両方を取り扱っている場合は、個別製品だけでなく、同一成分・規格・剤形の製品群として販売数量を確認することも重要です。
長期収載品の販売が減少していても、自社の後発医薬品へ切り替わっていれば、製品群全体では需要が維持されている場合があります。
一方、自社の長期収載品から他社の後発医薬品へ切り替わっている場合は、製品群全体としても販売数量が減少します。
この違いを把握することで、単純な売上減少だけでなく、どの製品へ需要が移っているのかを確認できます。
医療機関・薬局への情報提供を整える
選定療養の見直し後は、医療機関や薬局から、対象品目、後発医薬品との違い、供給状況などについて問い合わせを受ける可能性があります。
メーカーは、制度に関する一般的な説明と、自社製品に関する情報提供を区別したうえで、次の情報を正確に案内できるようにします。
- 製品名、一般名、剤形、規格
- 効能・効果や用法・用量
- 後発医薬品との製剤上の違い
- 包装単位
- 供給状況
- 限定出荷・供給停止の状況、供給再開予定
また、MRや問い合わせ窓口に寄せられた内容を品目別・地域別に記録することで、販売実績だけでは分からない需要変化の兆候を把握しやすくなります。
医薬品卸に求められる在庫・供給管理

医薬品卸では、長期収載品と後発医薬品の需要構成が変化することで、仕入れ、在庫配置、受注、配送、返品など、流通の各段階に影響が生じる可能性があります。
メーカーが中長期的な生産・販売計画を検討するのに対し、卸には、医療機関・薬局ごとに変化する注文へ日々対応する役割があります。
長期収載品の在庫滞留を確認する
後発医薬品への切り替えが進むと、長期収載品の受注が減少し、支店や物流拠点に在庫が残る可能性があります。
卸は、品目ごとに次の情報を確認する必要があります。
- 販売数量の推移
- 在庫数量と在庫日数
- 最終販売日
- 使用期限
- 返品の発生状況
- 取引先別の注文頻度
販売数量の減少が続いている品目については、仕入れ数量を見直すだけでなく、他の支店や物流拠点で需要が残っていないかを確認し、拠点間での在庫移動も検討します。
後発医薬品への注文集中と欠品に備える
長期収載品から後発医薬品への切り替えが短期間に進むと、特定の後発医薬品に注文が集中する場合があります。
その結果、受注残、欠品、割当出荷、急配、代替品の照会などが増える可能性があります。
卸は、販売数量だけでなく、次の指標も確認する必要があります。
- 受注数量と出荷数量の差
- 受注残
- 欠品回数
- 急配件数
- 代替品の照会件数
- 注文キャンセル
- メーカーからの割当数量
こうした変化を早期に把握することで、注文が集中している品目を特定し、メーカーへの追加供給の相談や、医療機関・薬局への代替候補の案内につなげられます。
取引先ごとの注文変化を把握する
需要の変化は、医療機関や薬局によって異なります。
例えば、同じ長期収載品でも、ある薬局では後発医薬品への切り替えが進む一方、別の薬局では長期収載品の注文が継続する場合があります。
卸は、取引先ごとに次の点を確認します。
- 長期収載品と対応する後発医薬品の注文数量
- 注文数量が変化し始めた時期
- 採用品目の変更状況
- 後発医薬品が欠品した際の代替状況
- 制度や供給に関する問い合わせ内容
これらの情報を営業担当者と共有することで、後発医薬品への切り替えが進んでいる取引先、長期収載品の需要が継続している取引先、供給情報を重点的に案内すべき取引先を整理できます。
需要動向をメーカーの供給計画へつなげる
卸が取引先ごとに把握した受注や在庫の変化は、医療現場に近い需要動向を示す情報となります。
メーカーへ共有する際は、個々の注文内容をそのまま伝えるのではなく、品目別・地域別・期間別に集約し、次の点を明確にすることが重要です。
- 需要の増減が生じている品目と地域
- 変化が一時的なものか、継続しているものか
- 需要増加に対して供給量が不足している品目
- 在庫が滞留または地域的に偏在している品目
- 追加供給や出荷配分の見直しが必要な品目
例えば、特定地域で後発医薬品の注文増加と欠品が同時に発生している場合は、メーカーへ追加供給や出荷配分の見直しを相談します。一方、長期収載品の需要減少が複数の取引先で継続している場合は、今後の出荷量や在庫水準を見直すための情報として共有できます。
このように、卸が把握した需要動向をメーカーへ還元することで、メーカーの生産・出荷計画と、卸の仕入れ・在庫計画を連動させ、欠品と過剰在庫の双方を抑えやすくなります。
需要変化を把握するために確認したい情報
選定療養の見直しによる影響を把握するには、販売数量の増減だけでなく、制度・薬価情報、供給状況、取引先情報などを組み合わせて確認する必要があります。
販売数量が変化した場合でも、後発医薬品への切り替え、供給不足、採用品目の変更、処方量そのものの減少など、複数の要因が考えられるためです。
| 情報区分 | 確認したい項目 | 主な確認目的 |
| 製品情報 | 製品名、一般名、剤形、規格、製造販売業者 | 長期収載品と後発医薬品の対応関係を整理する |
| 制度・薬価情報 | 選定療養の対象、適用開始日、長期収載品の薬価、後発医薬品の最高価格 | 特別の料金と患者負担への影響を確認する |
| 販売情報 | 販売数量、売上、納入先、地域、時系列推移 | 長期収載品と後発医薬品の需要変化を把握する |
| 受注・在庫情報 | 受注数量、出荷数量、受注残、在庫数量、在庫日数 | 欠品や在庫滞留を確認する |
| 供給情報 | 通常出荷、限定出荷、供給停止、供給再開予定 | 需要変化と供給上の制約を区別する |
| 取引先情報 | 医療機関・薬局、所在地、施設種別、診療科 | 影響が生じている施設や地域を特定する |
| 対応情報 | 問い合わせ内容、採用品目、切り替え状況、対応履歴 | 情報提供や営業対応の状況を確認する |
これらの情報を品目、取引先、地域、期間ごとに整理することで、需要変化の要因を確認し、メーカーの販売・生産計画や、卸の仕入れ・在庫・供給対応につなげやすくなります。
CRM・SFAやBIツールを使った具体的な管理方法については、本シリーズの「製品・販売・移行管理とデータ活用」で詳しく取り上げます。
まとめ
令和8年度診療報酬改定では、長期収載品の選定療養における「特別の料金」が、後発医薬品との価格差の4分の1相当から2分の1相当へ引き上げられました。
患者自身の希望で長期収載品を選ぶ場合の負担が増えることで、後発医薬品への切り替えが進む可能性があります。ただし、その影響は、価格差や処方内容、患者の意向、医療上の必要性、後発医薬品の供給状況などによって異なります。
医薬品メーカーには、品目ごとの需要変化を、販売予測や生産・在庫計画、情報提供に反映することが求められます。医薬品卸には、取引先ごとの注文変化を把握し、在庫滞留や後発医薬品への注文集中に対応するとともに、需要動向をメーカーの供給計画へつなげる役割があります。
長期収載品の今後を検討するうえでは、販売数量だけで判断せず、制度・薬価情報、供給状況、取引先情報を組み合わせて、需要が変化した理由を確認することが重要です。
次回は、令和8年度薬価制度改革における長期収載品の薬価引き下げルールを取り上げ、薬価や収益性、製品戦略にどのような影響を与えるのかを解説します。
※本記事は公表資料をもとに制度の概要を整理したものです。個別の処方・調剤が選定療養の対象となるかについては、厚生労働省の最新の通知、疑義解釈、対象医薬品リスト等をご確認ください。
関連記事
● 2026年度診療報酬改定の全体像|薬局・メーカー・卸が押さえておきたいポイント
● 診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で読む|薬価・安定供給への影響とデータ活用術
● 診療報酬改定を医薬品メーカー・卸の視点で深掘りする|令和8年度診療報酬改定で進む医薬品供給不足対応とデータ活用
参考資料・URL
● 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
● 厚生労働省「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」
● 厚生労働省「『長期収載品の処方等又は調剤について』の一部改正について」
● 厚生労働省「長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養における費用の計算方法について」
● 厚生労働省・中央社会保険医療協議会「個別事項について(その16)(長期収載品の選定療養②)」
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