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診療報酬改定を医療機器メーカー・販売業の視点で深掘りする|医療DX・AI活用はどう変わる?令和8年度改定とSaMDの評価

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※本記事の作成・構成整理にはAIツールを使用しています。本記事は公的情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、制度対応の最終判断にあたっては、厚生労働省をはじめとする公的機関の最新情報をご確認ください。

令和8年度診療報酬改定では、医療DXやICT連携の活用が重要なテーマの一つとなっています。

厚生労働省の改定資料では、医療DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価に加え、業務効率化に資するICT、AI、IoT等の利活用を進める方向性が示されています。

医療機器メーカー・販売業にとって、この動きは単なる医療機関のシステム更新だけを意味するものではありません。

AIを活用した画像診断・内視鏡診断支援などの医療機器、ソフトウェアそのものが医療機器として機能するSaMD(Software as a Medical Device)、電子カルテや画像システムと連携する機器、クラウドを活用したサービスなどを医療現場に導入する際には、製品そのものの性能だけでなく、医療機関のデジタル環境や情報連携体制も重要になるためです。

一方、医療DXに対する診療報酬上の評価と、AIを活用した医療機器やSaMDそのものに対する保険上の評価は分けて考える必要があります。

本記事では、令和8年度診療報酬改定で医療DXの評価がどのように変わったのかを確認したうえで、AIやSaMDを含むプログラム医療機器の評価と、医療機器メーカー・販売業への影響を整理します。

令和8年度診療報酬改定で医療DXの評価はどう変わったか

令和8年度診療報酬改定では、医療DX関連施策の進捗を踏まえ、従来の医療DX関連の評価が見直され、「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されました。
この加算では、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスなど、医療情報を電子的に取得・共有・活用するための体制が評価されています。

主な方向性を整理すると、次のようになります。

項目 令和8年度改定の主な方向性 医療機器メーカー・販売業との関係
医療DXの体制 電子的診療情報連携体制整備加算を新設 情報連携を前提とした医療環境の整備が進む
マイナ保険証 医療情報の取得・活用を推進 患者情報を利用する診療フローとの連携に関係
電子処方箋 発行・情報登録などの体制を評価 医療情報システム間の接続が重要になる
電子カルテ情報共有サービス 診療情報を電子的に共有する環境を整備 電子カルテ等と接続する機器・サービスとの関係が深まる
オンライン診療 情報通信機器を用いた診療等の評価を見直し 遠隔医療を支援する機器・サービスの利用環境に関係
セキュリティ 医療DXとあわせて対策を重視 ネットワーク接続機器やクラウドサービスで重要

 
医療機器メーカー・販売業にとって重要なのは、加算の点数そのものだけではありません。
医療機関が診療情報を電子的に取得し、院内外で共有・活用する環境へ移行していくことで、医療機器についても「機器単体で動作するか」だけではなく、電子カルテやPACS(医用画像管理システム:CTやMRIなどの医用画像を保存・管理・閲覧するシステム)、部門システム、院内ネットワークなどとどのように連携するかが、導入時の重要な確認項目になります。

「機器を導入する」から「情報をつないで活用する」へ

医療DXが進むことで、医療機器に求められる機能や導入条件も変化します。

たとえば画像診断では、CTやMRIなどで取得した画像をPACSで管理し、電子カルテ等から参照する仕組みが利用されています。

そこにAIによる画像解析や診断支援を加える場合は、AI機能そのものだけでなく、「画像データをどこから取得するのか」「解析結果をどのシステムへ返すのか」「医師が診療のどの段階で確認するのか」まで含めて運用を考える必要があります。

AIやデジタル技術を利用する医療機器では、例えば次のような点が重要になります。

  • どのデータを取得・解析する製品なのか
  • 電子カルテやPACSなどの既存システムと連携できるか
  • 院内ネットワーク上でどのように利用するか
  • クラウドを利用する場合、どのデータを院外へ送信するか
  • サイバーセキュリティやアクセス管理をどのように行うか
  • ソフトウェア更新や保守をどのように実施するか

これはAI画像診断だけに限りません。

AIを活用した内視鏡診断支援や画像解析、遠隔読影、診療支援ソフトウェア、モニタリングなど、データを取得・処理し、その結果を診療に利用する製品では、医療機関のシステム構成や診療フローとの接続が重要になります。

医療DXの進展は、こうした製品を活用するための基盤整備にもつながります。
ただし、医療機関のDX環境が整備されることと、個々のAIを活用した医療機器やSaMDが診療報酬上で評価されることは同じではありません。

では、こうした製品は保険制度の中でどのように評価されるのでしょうか。

AI・プログラム医療機器はどのように評価されるのか


医療機器の保険上の評価を確認する際には、診療報酬改定とあわせて「保険医療材料制度改革」を見る必要があります。
保険医療材料制度改革では、特定保険医療材料の材料価格や機能区分だけでなく、新しい医療機器やプログラム医療機器をどのように評価するかといった仕組みについても見直しが行われます。

令和8年度も診療報酬改定とあわせて保険医療材料制度改革が行われ、革新的な医療機器等に対するイノベーション評価や、プログラム医療機器の評価などについて整理されています。

令和6年度にプログラム医療機器の評価基準を明確化

プログラム医療機器については、令和6年度保険医療材料制度改革で、診療報酬上どのように評価するかという基準が明確化されました。

例えば、既存の検査や治療、手術などを支援するプログラム医療機器について、その使用によって既存技術の臨床上の有効性が明らかに向上する場合には、関連する技術料への加算として評価する考え方が示されています。

一方、医療従事者の労働時間が短縮するという効果だけでは、原則としてそれのみを理由に加算として評価しないとされています。
ただし、プログラム医療機器を使用することで必要な医療従事者の人数を減らせる場合や、専門的な知識・経験を持つ医師以外でも同等の有効性を確保できる場合などには、施設基準を緩和する可能性が示されています。

令和8年度も「患者への臨床的な効果」を重視

令和8年度保険医療材料制度改革では、令和6年度に示された評価基準等を踏まえ、引き続き、患者の臨床アウトカム(治療成績や症状改善、予後など、患者に生じる臨床的な結果)の向上が示された場合に限り、加算による評価を検討するという考え方が示されています。

また、医療従事者の労働時間短縮や人員削減等を実現するプログラム医療機器については、引き続き施設基準の緩和等による評価を検討するとされています。
つまり、「AIを搭載している」「新しいソフトウェアを利用している」という技術的な特徴そのものが評価されるのではありません。

その製品を使うことで、患者の診断・治療にどのような効果が生じるのか、あるいは医療提供体制をどのように改善できるのかを示すことが重要になります。

プログラム医療機器の算定方法も明確化

令和8年度保険医療材料制度改革では、特定保険医療材料として評価されるプログラム医療機器の算定方法についても明確化されています。

初・再診料、プログラム医療機器等指導管理料、その他の医学管理料等、特定保険医療材料料を、製品や診療内容に応じて組み合わせて算定できることが示されました。

プログラム医療機器では、「製品そのものの価格」だけを見るのではなく、
どの診療行為で利用するのか
→ どのような臨床上の価値があるのか
→ 診療報酬上どのように評価されるのか
を一連で確認する必要があります。

AI画像診断・AI内視鏡などでは何を見るべきか

AIを活用した医療機器やプログラム医療機器と一口にいっても、利用目的や診療上の位置付けは製品によって異なります。

例えば、内視鏡分野だけでも、病変の検出を支援するもの、診断を支援するもの、手術中の画像を解析して医師を支援するものなど、製品によって役割が異なります。
そのため、医療機器メーカーが製品開発や保険戦略を検討する場合には、次の4つの観点を分けて整理することが重要です。

観点 主な確認内容
製品の機能 診断支援、画像解析、治療支援、モニタリングなど、何を行う製品か
臨床上の価値 患者の診断・治療や臨床アウトカムにどのような効果をもたらすか
保険上の評価 既存の診療報酬で評価できるのか、新しい評価が必要なのか
導入環境 電子カルテ、PACS、ネットワーク、クラウド等とどう接続するか

 
「AI医療機器」という大きなカテゴリーだけを見るのではなく、どの診療行為の、どの工程を、どのように支援する製品なのかまで整理することが重要です。

医療機器メーカー・販売業にはどのような影響があるのか


医療DX・AI活用というテーマで特に注目したいのが、AI搭載機器、SaMD、クラウド型サービスの3つです。

AI搭載機器

医療DXやICT連携の基盤が整うことで、AIを利用した診断・治療支援機器を医療現場に組み込むための環境も広がる可能性があります。

一方、メーカー側では、「AIを搭載している」という特徴だけではなく、対象となる診療行為や患者、既存の診断・治療との違い、臨床上の有用性を明確にすることが重要です。

また、AI機能を既存の画像診断装置や内視鏡装置等と組み合わせて使用する場合には、対象機器との接続方法やデータ形式、診療フローへの組み込み方まで含めた設計が必要になります。

SaMD

ソフトウェアそのものが医療機器として機能するSaMDでは、開発段階から保険上の評価方法を意識する必要があります。

特に、臨床上の有用性をどのようなデータで示すのか、保険適用後にどのような使用実績やエビデンスを収集するのかが重要です。

医療機器には、保険適用時には十分に評価できなかった有用性について、使用成績などのデータを収集したうえで、後から保険上の再評価を求める「チャレンジ申請」という仕組みがあります。

令和8年度保険医療材料制度改革では、このチャレンジ申請についても見直しが行われました。

評価方法に係る計画では原則として比較試験が求められ、比較試験が困難な場合にはバイアスのリスクを軽減する研究計画を示すことが求められます。また、再評価に提出するデータについては、客観性を担保するため、査読付き論文として公表されたデータを求めることが示されています。

そのためメーカーでは、承認・上市までだけではなく、上市後にどのようなデータを収集し、将来の評価につなげるのかまで見据えた計画が重要になります。

クラウド型サービス

AI解析やデータ共有では、医療機関内にシステムを設置する方式だけでなく、クラウドを介してデータ処理やサービスを提供する形も選択肢となります。
SaMDについても、ソフトウェアを端末へ導入して利用するだけでなく、クラウドを介して機能を提供する形態があります。

医療情報の電子的な連携が進むことで、メーカーにとっても、クラウドを利用したAI解析やソフトウェアサービスを提案できる場面が広がる可能性があります。
ただし、クラウド型で提供する場合には、機能だけでなく、

  • 医療機関からどの情報を送信するのか
  • 電子カルテやPACS等とどのように接続するのか
  • 通信障害時にどのように運用するのか
  • サイバーセキュリティをどのように確保するのか
  • ソフトウェア更新や保守をどのように行うのか

といった運用面も製品・サービスの一部として考える必要があります。
メーカーにとっては、AI搭載機器やSaMDを開発・販売するだけでなく、医療機関の既存システムと接続し、継続して利用できるサービスとしてどのように提供するかも重要な検討事項になります。

製品企画・提案時に確認したいポイント

ここまでの内容を、医療機器メーカーと医療機器販売業それぞれの実務に置き換えると、確認したいポイントは次のようになります。

確認場面 医療機器メーカー 医療機器販売業
製品・サービス 対象診療行為と臨床上の価値を整理する どの診療科・診療フローで使用する製品か把握する
保険 保険適用区分、評価方法、必要なエビデンスを確認する 医療機関へ保険上の取扱いや算定条件を説明できるよう整理する
システム連携 電子カルテ・PACS等との接続仕様を整理する 導入先の電子カルテ・PACS・ネットワーク環境を確認する
クラウド 提供方式、セキュリティ、更新・保守方法を検討する 医療機関のクラウド利用方針や通信環境を確認する
導入後 使用実績や臨床データの収集方法を検討する 設定・操作支援、障害時対応、メーカーとの連携体制を確認する

 

医療機器メーカー

メーカーでは、製品開発の段階から「どの医療現場で、誰が、どのように利用するのか」を明確にする必要があります。

AI搭載機器やSaMDでは特に、臨床上の価値をどのようなデータで示すかが重要です。
加えて、電子カルテや画像システムとの接続、クラウド利用、セキュリティ、アップデートなども含め、導入後まで見据えた製品・サービス設計が必要になります。

医療機器販売業

販売業では、製品の機能や価格だけではなく、導入先の環境を把握することが重要です。
同じ製品でも、電子カルテやPACS、ネットワーク構成、クラウド利用方針などによって導入条件は変わります。
営業・提案時には、例えば次のような内容を確認することで、導入時の課題を整理しやすくなります。

  • どの診療科・検査部門で利用するか
  • 現在どの機器・システムを利用しているか
  • 電子カルテやPACSとの接続が必要か
  • 院内ネットワークやクラウドを利用できるか
  • 医師や医療従事者の診療・業務フローがどのように変わるか
  • 導入後にどのような操作支援や保守が必要か

メーカーと医療機関の間で、システム接続や設置条件、操作方法、運用変更などを調整する場面では、販売業が担う役割も重要になります。

今後も確認したいポイント


令和8年度診療報酬改定が実施された後も、AIやSaMDを取り巻く制度は、個別製品の保険適用などを通じて動き続けます。

医療機器メーカー・販売業では、次のような情報を継続して確認することが重要です。

  • プログラム医療機器の新規保険適用
  • 個別医療機器の保険適用区分
  • 中央社会保険医療協議会(中医協)における新製品・新技術の評価
  • チャレンジ申請による再評価
  • 電子カルテ情報共有サービスなど医療DX施策の進捗
  • 医療DX関連の施設基準・運用の変更
  • AI・ICTを活用した業務効率化に対する今後の診療報酬上の評価

診療報酬改定後も、通知の訂正や疑義解釈、個別医療機器の保険適用に関する通知などは随時公表されます。

そのため、改定時の概要資料だけを確認するのではなく、自社製品・取扱製品に関係する個別の保険適用情報や、その後の通知まで継続的に確認することが重要です。

まとめ

令和8年度診療報酬改定では、医療情報を電子的に取得・共有・活用する医療機関の体制について評価の見直しが行われ、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されました。

こうした医療DXの進展は、AIを活用した医療機器やSaMD、クラウド型サービスを医療現場で活用するための環境にも関係します。

一方、AIやソフトウェアを利用していること自体が、診療報酬上の評価につながるわけではありません。

プログラム医療機器では、患者の臨床アウトカムの向上や医療提供体制への効果など、製品によってどのような臨床上の価値が生じるのかを示すことが重要です。

医療機器メーカーでは、製品そのものの機能・性能だけでなく、臨床上の有用性、保険上の評価、システム連携、クラウドでの提供方法、上市後のエビデンス収集まで一体として考える必要があります。

医療機器販売業でも、製品単体の説明だけでなく、導入先の電子カルテ・PACS・ネットワーク環境や診療フローを把握し、メーカーと医療機関の間で導入・運用を支援することが重要になります。

医療DXが進む中で、医療機器を見る際の視点も、「どのような機能を持つか」だけではなく、「どの医療情報とつながり、診療の中でどのような価値を生み出すか」へ広がっています。

メーカー・販売業では、診療報酬改定に加え、保険医療材料制度、個別製品の保険適用、医療DX関連施策の進捗を継続して確認し、自社製品・取扱製品への影響を整理していくことが重要です。

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参考資料・URL

厚生労働省
「令和8年度診療報酬改定について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

厚生労働省
「令和8年度診療報酬改定説明資料等について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

厚生労働省
「令和8年度保険医療材料制度改革の主な内容」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666622.pdf

厚生労働省
「令和6年度保険医療材料制度改革の概要」
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001533269.pdf

厚生労働省
「プログラム医療機器の特性を踏まえた適切かつ迅速な承認及び開発のためのガイダンスの公表について」
URL:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7714&dataType=1&pageNo=1

厚生労働省
「医療機器プログラムについて」
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179749_00004.html

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