【2026年6月度】医療機関マスタの最新差分データ分析〜病院の新規開院・診療所化と勤務医数の変動〜
目次
医療機関を対象に営業活動やデータ分析を行う皆様へ、最新の医療機関動向をお届けします。 皆様は、精度の高い「病院マスタ」や「病院リスト」をどのように整備されていますでしょうか。
フロッグウェルでは、厚生労働省が毎月公開しているオープンデータ「コード内容別医療機関一覧表」を元に、独自のノウハウで使いやすい形に加工・変換し、最新情報を反映・提供しています。
また、単に最新データを提供するだけでなく、前月度と比較して差分があったレコードのみを抽出し「差分データ」として提供しているのが大きな特徴です。
本記事では、2026年6月度の医療機関マスタ「医科」の差分データから、一部項目について統計・分析を行った結果をご紹介します。
医療機関コードとは?マスタ管理の落とし穴

医療機関マスタを自社で管理する際、多くの方が直面するのが「医療機関コード」の変更によるデータの分断です。
医療機関コードとは各医療機関に割り当てられる識別番号ですが、代表者(開設者・管理者)が変わった場合などに変更されることがあります。コードが変わると過去の営業履歴やデータと紐付かなくなってしまい、リストのメンテナンスに膨大な手間がかかります。
この課題を解決するため、弊社のマスタには「独自の管理用コード」を設定しています。医療機関コードが変更されても、弊社が同じ医療機関と判断した場合は独自の管理用コードで新旧データをスムーズに紐付け管理することが可能です。
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2026年6月度の変動件数と注目ニュース
2026年6月度の全体変動件数
- 新規開院:170件
- 廃止・休止:206件
- 経営体変更:110件
- 勤務医数変更:2,031施設
- 管理者変更:454件
- 病床数変更:-317床(全体差分)
- 診療科変更:367施設
今月の注目ポイント
当月は、新規開院170件、廃止・休止206件、経営体変更110件、勤務医数の変更2,031施設、管理者変更454件、診療科変更367施設など、医療機関の基本情報や診療体制に関わる幅広い変動が確認されました。
また、病床数は増加と減少を差し引くと、全国で317床の減少となっています。管理者変更は454件(病院95件、診療所359件)、勤務医数は2,031施設で変動が確認されました。
診療科では消化器内科や糖尿病内科などの追加が確認されており、営業先・既存顧客・提案候補先などのマスタ情報を見直す材料となります。新規開院は170件で、内訳は診療所169件、病院1件でした。
一方、廃止・休止は206件、経営体変更は110件となっており、施設の新設だけでなく、既存医療機関の機能再編や施設種別の変更にも注目が必要です。
病院に関する主な変化
当月の差分データでは、病院の新規開院が1件、病院から診療所への変更が2件確認されました。
病院の新設や診療所への転換は、地域の医療提供体制や法人内の役割分担の変化を把握するうえで、特に注目したい動きです。
病院の新規開院
TKGリハビリテーション病院(ルヴィーブル)
医療法人社団筑波記念会は、茨城県つくば市に「TKGリハビリテーション病院(ルヴィーブル)」を開院し、2026年6月1日に診療を開始しました。
筑波記念病院が担ってきた回復期リハビリテーション機能を分離・拡充し、回復期リハビリテーション病床120床と地域包括ケア病床32床、計152床の病院として整備されたものです。
つくば医療圏で回復期病床が不足している状況への対応を背景に、筑波記念病院は急性期医療により特化し、法人内で急性期から回復期、在宅復帰までの機能分担を強化する再編と位置づけられます。
https://tsukuba-kinen.or.jp/revivre
病院から診療所への変更
また、次の2施設では、病院から診療所への変更が確認されました。
・医療法人社団華光会 山野醫院(旧:医療法人社団華光会 山野病院)
・東京羽田渡辺クリニック(旧:医療法人社団 渡辺病院)
病院から診療所への変更では、入院機能の縮小・終了や外来機能への重点化など、医療提供体制が変化している場合があります。
営業先や納入先の情報を更新する際は、施設名称や種別の変更だけでなく、診療機能、契約名義、請求先、保守対象などの継続状況もあわせて確認することが重要です。
新規開院の動向
このグラフは、当月に新たに開院した医療機関を都道府県別に整理したものです。 都道府県ごとの件数分布を見ることで、新規開院が多かった地域と全体の構成を把握できます。病院・診療所の内訳は本文中で確認できます。
新規開院情報は、医療機器や電子カルテ、各種院内システムなどの導入・更新候補を把握するうえで有効です。
一方、新規開院の中には、今回の病院のように既存法人内での機能分担や再編に伴って新設されるケースもあります。医療機器メーカーや医療システム会社では、単に「新規開院=一式新規導入」と捉えるのではなく、既存施設から引き継がれる機能や設備・システム、新たに必要となる機能を確認することで、追加導入やシステム連携、運用変更などの提案機会を検討できます。

当月の新規開院は合計170件で、内訳は診療所が169件、病院が1件でした。 都道府県別では、東京都 32件、大阪府 21件、神奈川県 15件 が上位に入っています。 新規開院は一部の都道府県に集中しており、上位地域で件数の偏りが見られます。 また、今回は病院の新規開院が含まれており、当月の動向として注目されます。
廃止・休止の動向
このグラフは、当月に廃止または休止となった医療機関を都道府県別に整理したものです。 都道府県ごとの件数分布を見ることで、どの地域で施設の減少が多く発生しているかを把握できます。
廃止・休止情報は、営業対象リストのメンテナンスに加え、設置済み医療機器の保守契約や導入システムの利用継続状況を確認するきっかけとして活用できます。
既存顧客に廃止・休止の変動が確認された場合は、契約名義、請求先、保守対象、ライセンス状況などを確認し、不要な営業活動や継続課金の防止につなげることが重要です。件数の多い地域では、対象施設を抽出して確認作業の優先順位を付けることもできます。

当月データで廃止または休止への変更が確認された施設は、合計206件でした。 都道府県別では、東京都 37件、大阪府 21件、兵庫県 15件 が上位でした。 廃止・休止による施設の減少は特定の都道府県に集中しており、特に東京都での件数が目立つ結果となっています。 地域ごとの医療提供体制の変化が局所的に進んでいる可能性があります。
経営体の変更動向
このグラフは、当月に経営体の変更があった医療機関を都道府県別に整理したものです。 開設者の情報をもとに、個人から法人への変更や法人から個人への変更などに分類しており、地域ごとの経営主体の変化の傾向を把握できます。
経営体変更は、顧客マスタや契約情報を見直すタイミングを把握するために活用できます。個人から法人への変更などが確認された施設では、契約名義、請求先、保守契約、システム利用者情報などに変更がないかを確認し、CRM/SFA上の情報を更新することが重要です。あわせて、既存の医療機器や院内システムの利用状況を確認することで、更新・追加提案の候補施設を整理する際の参考情報としても活用できます。

当月の経営体変更は合計110件で、個人から法人への変更が103件、法人から個人への変更が4件、組織変更が3件でした。 都道府県別では、東京都 26件、埼玉県 11件、福岡県 9件 が上位でした。 経営体の変更は個人から法人への移行が中心でした。 また、変更は一部の都道府県に集中しており、地域ごとの差が見られます。
勤務医数の変動
このグラフは、医科データに基づき、勤務医数の増減を都道府県別に整理したものです。 常勤医と非常勤医に分けて表示することで、増加・減少の分布や勤務形態の違いによる変動の特徴を読み取ることができます。
※本グラフは、勤務医数の人数差分ではなく、常勤医・非常勤医それぞれで増加/減少が発生した施設数を集計しています。同一施設で常勤医・非常勤医の両方に変動がある場合は、双方にカウントされます。
勤務医数の変動は、医師の利用環境や院内運用に変化が生じている可能性がある施設を抽出するために活用できます。非常勤医が増加した施設では、複数の医師が利用しやすいクラウド型システムや情報共有環境、勤怠・シフト管理などの運用支援ニーズを確認するきっかけになります。
また、医師数の増減を既存顧客のフォロー対象や新規提案先の優先順位付けに組み込み、施設ごとの利用人数や運用状況に応じて機器・システムの提案内容を見直すことができます。
当月に勤務医数の変動があった施設は合計2,031施設でした。 常勤医が増加した施設は550施設、減少した施設は335施設でした。非常勤医が増加した施設は1,109施設、減少した施設は563施設でした。
組み合わせ別では、常勤医が「変動なし」・非常勤が「増加」 850施設、常勤医が「変動なし」・非常勤が「減少」 296施設、常勤医が「増加」・非常勤が「変動なし」 249施設 が上位でした。 都道府県別では、東京都 293施設、神奈川県 212施設、愛知県 205施設 が上位でした。
施設数ベースでは、常勤医より非常勤医側の変動が多く確認されます。 特に非常勤医のみ増加した施設が多く、勤務形態の変化を読むうえで注目されます。 また、常勤医が減少し非常勤医が増加した施設もあり、常勤・非常勤の構成変化を確認できます。
管理者変更の動向
このグラフは、当月に管理者変更があった医療機関を都道府県別に整理したものです。 病院と診療所の内訳をあわせて見ることで、地域ごとの変更件数の偏りや施設種別の違いを把握できます。
管理者変更は、既存顧客の担当者情報や導入済み医療機器・システムの利用状況を改めて確認するきっかけとして活用できます。
今月は病院でも95件の管理者変更が確認されているため、該当する既存顧客では新しい管理者情報を反映し、契約・保守・運用状況に変更がないかを確認することで、フォロー対象の優先順位付けができます。
新規営業では、管理者変更があった施設を抽出し、現行機器やシステムの利用状況を確認したうえで、更新・追加導入やリプレイス提案の候補として検討できます。

当月の管理者変更は合計454件で、病院が95件、診療所が359件でした。 都道府県別では、東京都 88件、福岡県 36件、神奈川県 33件 が上位でした。
管理者変更は比較的広い地域で発生しており、全国的に一定の動きが確認されます。 また、病院での変更も一定数確認されており、診療所中心の変動の中でも相対的に注目されます。
病床数の変動
このグラフは、当月の病床数の増加と減少を病床区分別に整理したものです。 左側に減少床数、右側に増加床数を表示しており、増加と減少を相殺する前の内訳を確認できます。都道府県別の差分は本文中で確認できます。
病床数の増減は、病院の設備構成や運用体制に変化が生じている可能性がある施設を把握するための指標として活用できます。
病床区分ごとの増減を確認し、対象施設の機能や実際の運用状況とあわせて、生体情報モニター、検査機器、リハビリ関連機器、病棟システムなどの更新・追加需要を検討することができます。全国の純増減だけで判断せず、増加・減少を個別に確認して営業候補施設の抽出や提案内容の整理に活用することが重要です。

当月の病床数差分は全体で-317床でした。 増加側の主な区分は 一般 210床, 精神 120床、減少側の主な区分は 一般 -344床, 精神 -105床, 療養 -168床 です。
都道府県別では、鹿児島県 +112床、千葉県 +59床、滋賀県 +6床 が目立っています。 病床数は全体として減少していますが、区分別では増加している領域も見られます。 病床機能の再編が進んでいる可能性があります。
診療科の変動
このグラフは、当月に追加または減少した主要診療科を、内科系・外科系・その他に分けて整理したものです。
左側に減少件数、右側に追加件数を表示しており、追加と減少は相殺していません。同一施設で追加と減少の両方がある場合は、それぞれに計上されます。都道府県別の変動施設数は本文中で確認できます。
診療科の追加・減少情報は、自社の医療機器や専門システムと関連する診療科を持つ施設を抽出し、営業リストを更新するために活用できます。
今月は消化器内科、糖尿病内科、精神科などの追加が多く確認されているため、自社製品・システムと関連する領域の提案候補施設を見直す材料になります。一方、診療科の減少が確認された施設では、現在の診療内容を確認し、案内対象や提案内容が実態と合っているかを見直すことが重要です。
当月に診療科変動があった施設は合計367施設でした。 都道府県別では、東京都 60件、大阪府 34件、神奈川県 33件 が上位でした。
追加が目立った診療科は 消化器内科 28件、糖尿病内科 28件、精神科 21件、減少が目立った診療科は 小児科 28件、外科 24件、胃腸内科 18件 です。
診療科の変動は特定の領域に偏りが見られ、診療機能の見直しが一部領域で進んでいる可能性があります。
今月の総括
2026年6月度の医療機関マスタ差分では、診療所に加えて病院の新規開院が1件確認されたほか、管理者変更454件(うち病院95件)、経営体変更110件(うち個人から法人への変更103件)、勤務医数の変動2,031施設、診療科変動367施設など、医療機関の運営体制や診療機能に関わる幅広い変動が確認されました。
今回確認された病院の新規開院では、既存法人内での機能分担や再編を背景とする事例も見られます。新規開院という差分だけでなく、その背景や医療機能の変化まで確認することで、医療機器や医療システムの新規導入、追加導入、既存設備・システムとの連携など、施設ごとに異なる提案機会を検討する材料となります。
地域別・地方別の分布に着目すると、新規開院や経営体変更は関東信越(特に東京都)や近畿(大阪府)などの都市圏で多く確認される一方、病床数の増減では九州や北海道・東北などでも一定の変動が見られ、項目によって異なる地域差が表れています。
こうした管理者変更や経営体変更、勤務医数、診療科などの差分を地域別の分布とあわせて確認することで、「どのエリアの、どの施設で、どのような変化が起きているか」を把握し、既存顧客情報の更新やフォロー対象の抽出、提案先の優先順位付けなど、営業・マーケティング活動に活用できます。
※注意事項※
本記事は、公開されている病院関連データをもとに作成した差分情報の整理・一般的な情報提供を目的としています。
内容の正確性・最新性・完全性を保証するものではありません。 医療機関の利用に関する最終判断は、各医療機関の公式情報および公的機関の情報をご確認のうえ行ってください。
また、差分分析の一部にAIツールを用いています。(一般的な推測、誤りを含む可能性があります)
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