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【実機検証】AgentforceのAgent Memoryを使ってみた|設定方法と会話をまたぐ記憶を検証

#Salesforce #設定 #Agentforce #Agent Memory

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AgentforceではWinter ’27から、過去の会話で得たユーザーの情報を、別の会話でも利用できる「Agent Memory」が一般提供されました。
本記事では、実際にAgent Memoryを有効化し、会話をまたいで情報を覚えられるか、保存したメモリの編集・削除、メモリを停止した場合の挙動まで実機で確認します。

注意:本記事は2026年10月時点の実機検証とSalesforce公式ヘルプをもとにしています。画面や仕様は今後変更される可能性があります。

 

Agent Memoryとは

Agent Memoryは、Agentforceが会話からユーザーに関する情報を保存し、後の会話で参照する機能です。通常のチャット履歴とは別に保持されるため、新しいセッションでも保存済みの内容を使えます。
なお、名前は似ていますが、Data 360の「Agentic Memory and Context」(APIで会話データをData 360へ取り込み、コンテキストとして取得する仕組み)とは別の機能です。本記事では、Agentforce Builderで有効化するAgent Memoryを扱います。
Salesforce公式では、Lightning ExperienceのEnterprise、Performance、Unlimited、Developer Editionが対象と案内されています。

今回確認できたこと

確認項目 実機結果
セッションをまたいだ記憶 履歴をクリアして新しいセッションにしても、保存済みメモリを参照した
明示指示なしの保存 「私は青色が好きです」と伝えただけでもメモリが作成された
手動編集 保存済みメモリを変更すると、変更後の内容で回答した
削除 メモリ削除後は、その情報を覚えていない状態になった
情報の更新 好みの変化を伝えると、既存メモリが新しい内容に整理された
複数メモリ 色の好みと回答形式の好みを別々に保持し、同時に回答へ反映した

 

Agent Memoryを有効化する

Agentforce Builderで対象エージェントを開き、Script viewのcontextブロックに次の設定を追加します。

context:
   memory:
    enabled: True 

Agent Scriptでmemoryを有効化

Agent Scriptでmemoryを有効化

保存後、エージェントをCommitしてActivateします。今回はAgentforce Employee Agentを使い、Lightning Experienceから検証しました。

ユーザー側でもメモリ利用を許可する

メモリを有効化したEmployee Agentを初めて開くと、会話からメモリを保存するか確認する画面が表示されます。許可後は「メモリと設定」から保存済みメモリを確認できます。
「メモリと設定」。保存前は保存済みメモリが0件

「メモリと設定」。保存前は保存済みメモリが0件

会話からメモリを保存する

今回の検証では、ユーザーの好きな色について会話し、その内容をメモリとして保存・参照できる検証用のEmployee Agent(Memory Test Agent)を使用します。ここからは、「青色が好き」という情報を使って、会話内と会話をまたいだ場合の違いを確認します。
まず、エージェントに「覚えておいてください。私は青色が好きです」と伝えました。すると、保存済みメモリに「ユーザーは青色が好きです。」が追加されました。
エージェントに好みを伝える

エージェントに好みを伝える

保存済みメモリに「ユーザーは青色が好きです。」が追加

保存済みメモリに「ユーザーは青色が好きです。」が追加

履歴をクリアしても覚えているか

次にフィード履歴をクリアし、新しいセッションを開始しました。チャット履歴は削除されていますが、「私の好きな色を覚えている?」と聞くと「青色が好きです」と回答しました。通常の会話履歴ではなく、保存済みメモリを参照していることを確認できます。
フィード履歴をクリアして新しいセッションを開始

フィード履歴をクリアして新しいセッションを開始

新しいセッションでも「青色」と回答

新しいセッションでも「青色」と回答

保存済みメモリは編集・削除できる

保存済みメモリの右端メニューから、編集と削除ができます。

メモリを編集すると回答も変わる

「ユーザーは青色が好きです。」を手動で「ユーザーはオレンジ色が好きです。」に変更しました。ブラウザ更新後に質問すると、エージェントも「オレンジ色が好きです」と回答しました。
メモリを「オレンジ色」に手動変更

メモリを「オレンジ色」に手動変更

変更後の内容を使って回答

変更後の内容を使って回答

メモリを削除すると忘れる

同じメモリを削除し、ブラウザを更新してから再度質問すると、「まだ教えていただいていません」と回答しました。
保存済みメモリを削除

保存済みメモリを削除

削除後は好みを覚えていない状態になった

削除後は好みを覚えていない状態になった

「会話からメモリを保存」を停止した場合

「メモリと設定」には「会話からメモリを保存」のチェックがあります。OFFにした状態で「私は緑色が好きです」と伝えると、同じ会話内では内容を理解しますが、保存済みメモリには追加されませんでした。新しいセッションでは緑色を覚えていませんでした。
「会話からメモリを保存」をOFF

「会話からメモリを保存」をOFF

同じ会話内では「緑色」を認識

同じ会話内では「緑色」を認識

新しいセッションでは覚えていない

新しいセッションでは覚えていない

なお、保存をOFFにした状態でも、エージェントは「今後の会話で覚えておきます!」と返答しました。エージェントが「覚えておく」と返答しても、実際にメモリとして保存されるとは限らないため、保存されたかどうかは「メモリと設定」で確認する必要があります。
また、既存メモリを残した状態で保存をOFFにしたテストでは、今回の環境では既存メモリを使った回答が返りました。OFFは既存メモリの削除操作ではありません。

エージェントごとにメモリ対象を選べる

Employee Agentでは、「エージェントアクセス」からメモリを許可するエージェントをユーザー側で個別に選べます。複数のエージェントを使う場合でも、すべてのエージェントに一律で許可する必要はありません。
エージェント単位でメモリのON/OFFを設定

エージェント単位でメモリのON/OFFを設定

「覚えて」と言わなくても保存される

「会話からメモリを保存」をONに戻したうえで、次に「覚えておいてください」を付けず、「私は青色が好きです。」とだけ伝えました。この場合も「ユーザーは青色が好きです。」というメモリが自動で作成されました。
「私は青色が好きです。」と普通に伝える

「私は青色が好きです。」と普通に伝える

明示的な記憶指示なしでもメモリが作成された

明示的な記憶指示なしでもメモリが作成された

好みが変わると既存メモリが更新される

「最近は青色よりオレンジ色の方が好きです」と伝えると、別メモリが追加されるのではなく、既存メモリが「最近オレンジ色を好んでいます(以前は青色)」に更新されました。さらに「青色も嫌いではありませんが、一番好きなのはオレンジ色です」と伝えると、その内容に合わせて整理されました。
既存メモリが「最近オレンジ色を好んでいます(以前は青色)」に更新

既存メモリが「最近オレンジ色を好んでいます(以前は青色)」に更新

追加情報を反映し、メモリがより具体的な内容に更新

追加情報を反映し、メモリがより具体的な内容に更新

今回の結果では、Agent Memoryは会話ログをそのまま保存するのではなく、同じテーマの新しい情報を受け取ると既存メモリを整理し直す挙動を確認できました。どの情報が統合・更新されるかは内容によって変わる可能性があります。

複数のメモリを同時に使える

色の好みに加えて「私は回答を箇条書きでまとめてもらうのが好きです」と伝えると、回答形式の好みは別のメモリとして保存されました。
色の好みと回答形式の好みが2件のメモリとして保存

色の好みと回答形式の好みが2件のメモリとして保存

新しいセッションで「私の好みに合わせて、好きな色について説明して」と依頼すると、内容には「オレンジ色が一番好き」「青色も嫌いではない」が反映され、回答にも箇条書きが使われました。複数の保存済みメモリを同時に参照していることが分かります。
複数のメモリを組み合わせて回答

複数のメモリを組み合わせて回答

検証時に気づいた点

  • Agentforce BuilderのPreviewでは、今回の環境ではリセット後の長期メモリ保持を確認できませんでした。Activate後、Lightning Experience上のエージェントでは保存と再利用を確認できました。
  • 保存済みメモリを編集・削除した直後は、開いているAgentforceパネルに変更が反映されないことがありました。ブラウザを更新すると、変更内容が回答に反映されました。

まとめ

Agent Memoryを使うと、Agentforceはセッションをまたいでユーザーの好みや情報を利用できます。今回の検証では、単に情報を保存するだけでなく、会話に応じて既存メモリを更新し、複数のメモリを組み合わせて回答するところまで確認できました。
また、ユーザー側にはメモリの保存許可、エージェントごとのアクセス設定、保存済みメモリの編集・削除が用意されています。業務で使う場合は、何を覚えさせるかだけでなく、ユーザーが確認・修正・停止できる運用も合わせて考える必要があります。

参考

<Salesforce>
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