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Dreamforce 2026現地速報レポート|AI活用を成功に導くガバナンスとデータ品質・メタデータの基本

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フロッグウェルのメンバーが米国サンフランシスコで開催されているDreamforce 2026に参加しています。本記事では、現地で聴講したセッション「Prepare your data for Agentforce : Governance and Quality」について、発表内容と、現地で実際にセッションを聞いて感じた率直な所感を速報でお届けします。

ガバナンスはイノベーションを加速させる「ブレーキ」

セッションの冒頭では、AI活用におけるガバナンスの重要性が語られました。「ガバナンス」と聞くと、「イノベーションの妨げになる面倒な書類作業」と捉えられがちですが、適切に構築されたプロセスは、チームが安全かつ生産的に働くためのガードレールになるとのことです。

登壇者はこれを車に例え、「100マイルで安全に走れるのは、ブレーキが機能しているからだ」と説明していました。責任あるAIガバナンスプロセスやドキュメントを完全に整備している組織はわずか18%にとどまるという調査結果も紹介され、変化の激しいAI領域において、ガバナンスは一度作って終わりの文書ではなく、常に進化する生きたプロセスであるべきだと強調されていました。

普段、長く運用されている既存のSalesforce環境の保守や改善に関わっている立場として、この「生きたプロセス」という言葉は非常に腹落ちしました。現場の業務フローが変わればシステムに求めるルールも変わるため、一度設定して終わりではなく、実際の運用に合わせて柔軟に見直していく必要があると改めて感じました。

データ品質:AIエージェントの「食事」であり「OS」

続いて、AIプロジェクトにおけるデータの役割についてです。データはAIにとっての「食事(Fuel)」であり、「Garbage in, Garbage out(ゴミを入れればゴミが出る)」の原則はAIにもそのまま当てはまるとのことでした。AIエージェントは、与えられたデータの品質にのみ依存して結果を出します。

人間であれば、古いデータや不足しているデータ、あるいは「地域」と「テリトリー」のような矛盾する項目があっても、文脈から柔軟に回避したり適応したりできますが、AIエージェントにはそれができません。質の悪いデータを与えると、間違った推測の原因になってしまいます。データはもはや単なる情報ではなく、自律型ワークフローを動かす「オペレーティングシステム」そのものになっているという表現が印象に残りました。

実際のSalesforce支援の現場でも、「とりあえず作ったが使われていない項目」や「入力ルールが統一されていないデータ」はよく見かけます。Agentforceなどを導入して自動化を進める前に、まずは現場の業務フローを整理し、入力されるデータの質をどう担保するかを見直すことが、遠回りに見えて実は一番の近道になりそうです。

メタデータ(コンテキスト)がAIのインフラになる

さらに、データそのものに加えて「コンテキスト(メタデータ)」がAIにとっての新しいインフラストラクチャになるという点も重要なトピックとして語られました。メタデータは、AIエージェントに対して「どのようにタスクを実行すべきか」を指示する重要な役割を担います。

普段の構築業務でもFlowなどを活用した自動化を行っていますが、これからのAgentforce時代では、単に機能的な実装を行うだけでなく、「AIが文脈を正しく理解できるように、Salesforceの裏側の設定をどう整理しておくか」という設計思想がより一層求められるという印象を持ちました。

現地で聞いて感じたことと、実運用に向けた視点

今回のセッションを聞いていて特に感じたのは、内容は非常にシンプルで分かりやすい反面、システムを運用する側にとっては「非常に身につまされる話」だということです。

個人的には、弊社でも提供している「環境診断ツール」やその後の改善支援の重要性を、改めて裏付けるような内容だと感じました。Salesforce側が自動で技術的な問題や不要な項目を診断してくれたとしても、それだけでは根本的な解決にはなりません。大切なのは、「その診断結果を、実際の業務に照らしてどう判断するか」「既存業務への影響を見ながら、どの課題から優先的に改善していくか」という現場目線での落とし込みです。

AI活用の大前提として、不要な項目、古いデータ、不正確なデータ、そして不要なコンテキストを掃除し、きちんと監視する体制を整えなければならないと強く実感しました。構想・設計から実装・運用まで一気通貫で伴走する我々としても、単なるシステム構築にとどまらず、業界・業務への深い理解とSalesforceの技術を掛け合わせることで、お客様と一緒にこの地道な基盤づくりに取り組んでいきたいです。

まとめ

AIやAgentforceを効果的に活用するためには、信頼できるデータとメタデータ、そしてそれらを維持するガバナンスの基盤が必要不可欠です。人間のように不完全なデータに空気を読んで対応することができないAIにとって、事前のデータクレンジングとルール整備がプロジェクト成功の鍵を握ります。

今回のDreamforceで発表されたセッションはどれも刺激的ですが、それらを単なる新しい機能として終わらせず、実際の現場の業務フローの中でどう活かすか、既存の環境とどうすり合わせていくかが今後の重要なテーマになると感じています。帰国後、実際の環境でも色々と試しながら、より実践的な支援の形を模索していきたいと思います。

※本記事はDreamforce 2026のセッションを現地で聴講した内容をもとに速報として作成しています。内容には筆者の理解や所感を含みます。また、発表された製品・サービスの仕様は今後変更される可能性があります。最新情報についてはSalesforce公式情報をご確認ください。

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