Dreamforce 2026現地速報レポート|Salesforce開発の未来!Agentforce VibesとAgent Driven Development体験記
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目次
- 1. Salesforceの開発はどう変わる?Agent & App Development Workshopの概要
- 2. 3つの開発パターンで比較するライフサイクル
- 2.1 1. Solo Development(単独開発)
- 2.2 2. Coordinated Development(チーム開発とDevOps Center)
- 2.3 3. Agent Driven Development(Agentforce Vibes)
- 3. 自然言語と画面キャプチャからLWC/Apexを自律開発
- 4. テスト・デプロイ・データ保護(Data Mask & Seed)
- 5. フロッグウェルの視点で考えるAI開発時代と現場への適用
- 6. まとめ
フロッグウェルのメンバーが米国サンフランシスコで開催されているDreamforce 2026に参加しています。本記事では、現地で参加したハンズオンワークショップ「Agent & App Development Workshop」セッションについて、発表内容とともに、普段Salesforceの構築や保守に関わっている立場から感じたリアルな所感を速報でお届けします。

▲ セッションで映し出されたSalesforce開発の進化ロードマップ(Headless 360へ至る流れ)
Salesforceの開発はどう変わる?Agent & App Development Workshopの概要
Dreamforce 2026のハンズオンワークショップ「Agent & App Development Workshop」に参加してきました。
今回のワークショップでは、Salesforce Platform上での開発について、従来の設定変更やチーム開発に加えて、最新のAgentforce Vibesを利用したAIエージェントによる開発までを一連のライフサイクルとして体験しました。
個人的に特に印象に残ったのは、「単にAIにコードを書いてもらう」ことにとどまらず、Salesforce組織のメタデータを理解したうえで、コード取得・開発・テスト作成・Sandboxへのデプロイまでをエージェントが一貫して実行できるという点です。日頃から開発や保守に携わっている身としては、この一連の作業がシームレスにつながることに大きな変化の兆しを感じました。
3つの開発パターンで比較するライフサイクル
ワークショップでは、開発アプローチを以下の3つの段階に分けて体験・比較する構成になっていました。
1. Solo Development(単独開発)
管理者や開発者が単独でクイックに変更を行うケースです。実習ではEnrollment(受講登録)のStatus項目に「Deferred」という選択肢を追加しました。設定画面での変更内容をDX Inspectorで確認し、SandboxからProductionへ反映する、コードを書かないローコード開発スタイルです。
2. Coordinated Development(チーム開発とDevOps Center)
複数人で並行開発を行うケースです。ここではDevOps Centerを活用し、変更追跡(Source Tracking)、Branchによる変更の分離、パイプライン構築、リリース管理のフローを確認しました。誰が何を変更したかを追跡し、安全に環境間を移動させる標準の仕組みとして、長く運用されている既存環境を複数人で保守する際には欠かせない機能だと再確認しました。
3. Agent Driven Development(Agentforce Vibes)
そして今回最も注目を集めたのが、Agentforce Vibesを利用したAIエージェント駆動の開発です。
Agentforce VibesはSalesforce上から起動できるAI開発環境で、Sandboxと接続されたSalesforce DXプロジェクトを操作します。ここで鍵となるのがMCP(Model Context Protocol)です。ワークショップでは、Salesforce DX、Salesforce API Context、Salesforce Metadata ExpertsといったMCP Serverを利用しました。
これにより、一般論のAI回答ではなく、接続中のSalesforce組織のオブジェクト・項目・リレーション・メタデータ構造を正確に把握した状態で開発が進められます。「Skills(作業定義)」と「Rules(ガバナンス定義)」を組み合わせることで安全性を保つ構成になっており、既存の複雑なSalesforce環境を改修する際にも、この「組織の文脈理解」が非常に活きてきそうだと感じました。
自然言語と画面キャプチャからLWC/Apexを自律開発
実際のハンズオンでは、「Top Learners Leaderboard」という新機能の実装に挑戦しました。
非常に興味深かったのは、細かい設計書やコード指示ではなく、既存ダッシュボードのスクリーンショットをAgentforce Vibesに添付し、「この場所にTop Learners Leaderboardを追加して」と自然言語で依頼した点です。
指定した要件:
- 上位5名のStudentを表示
- Enrollmentの平均Progressでランキング
- Student名とEnrollmentしているCourse数を表示
- 平均ProgressをProgress Barで視覚表示
Agentforce Vibesは、組織から既存のLWCとApexを自動取得し、メタデータと既存コードを解析したうえで、コード修正からテストクラス生成、Sandboxへのデプロイまでを連続して実行しました。
ファイル変更やデプロイ時には人間の承認ステップが入るため、勝手な書き換えを防ぐことができます。実際の運用環境でも、この「人間が最終確認を行う」というステップがあることで、現場への影響をコントロールしながら安心してAIを活用できると感じました。
テスト・デプロイ・データ保護(Data Mask & Seed)
従来の「AIでコード生成してVS Codeへコピペし、CLIでデプロイしてエラー修正する」という分断されたフローが、Agentforce Vibesによって一気通貫で自動化されています。実際に画面を更新すると、指定したリーダーボードが即座に動作しました。
また、データガバナンスの観点からData Mask & Seedの実習も組み込まれていました。Sandbox内の個人情報をマスキングした安全な環境を作ったうえでエージェントに開発を行わせるという設計思想は、コンプライアンスを重視するBtoB企業の環境構築において非常に重要なポイントだと実感します。
フロッグウェルの視点で考えるAI開発時代と現場への適用
今回のワークショップを体験して、AIによる開発効率化はもはや避けられない流れだと感じました。しかし同時に、AIやシステム側が自律的にコードを生成し、技術的な問題を診断・提示してくれるようになったとしても、「それを最終的にどう活かすか」は別の次元の話であると思い至りました。
たとえばAIが新しい機能や修正案を提示したとして、「その変更を、実際の業務フローに照らしてどう判断するか」「数ある課題のうち、どれから優先的に改善するか」、そして「長く運用されている既存業務や他システムへの影響を見ながらどう実装するか」というプロセスには、やはり現場の生きた知見と業務設計のノウハウが不可欠です。
私たちフロッグウェルは、単なるSalesforceの設定や開発にとどまらず、お客様の実際の業務フローや現場での使われ方まで踏み込んでご支援しています。新規導入だけでなく、既存のSalesforce環境の改修や保守に深く関わり、構想・設計からFlowやAgentforceなどを含めた実装・運用までを一気通貫で伴走しているからこそ、こうした強力なAI開発ツールも「技術的な実験」で終わらせず、現場に確実に定着する実用的な形で適用していけると考えています。
まとめ
今回のハンズオンは、「AIにコードを書かせる」段階から「AIエージェントと一緒にSalesforceを開発する」段階への進化を肌で感じられる素晴らしいセッションでした。MCPによる組織理解からSandboxでのテスト・デプロイまで、エコシステム全体が構築されつつあることに、これからの開発スタイルの大きな転換を実感しました。
同時に、AIがどれほど進化しても、その基盤となるSalesforce環境の整備やデータのクリーンアップ、そして業務ルールの整理といった足回りの重要性がますます高まっていることを再認識しています。フロッグウェルとしては、今後も業務理解とSalesforceの技術の両面から、お客様の環境づくりをご支援していきたいと考えています。
今回体験したAgentforce Vibesをはじめとする新機能は、実際の保守開発においても大きな可能性を秘めています。日本に戻り次第、実際の環境でもぜひ検証してみたいとワクワクする気持ちでいっぱいです。
※本記事はDreamforce 2026のセッションを現地で聴講した内容をもとに速報として作成しています。内容には筆者の理解や所感を含みます。また、発表された製品・サービスの仕様は今後変更される可能性があります。最新情報についてはSalesforce公式情報をご確認ください。

