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Dreamforce 2026現地速報レポート|Experience CloudとAgentforceが変える顧客ポータルの未来

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フロッグウェルのメンバーが米国サンフランシスコで開催されているDreamforce 2026に参加しています。本記事では、現地で参加した「Agentic Experience Cloud ハンズオン」セッションについて、ハンズオンで確認できた内容とともに、普段Salesforceの構築や保守に関わっている立場から感じたリアルな所感を速報でお届けします。

静的なポータルから「AIエージェントと会話する場」へ

セッションの冒頭では、従来の顧客向けセルフサービスポータルが抱える課題が提示されました。従来のサポートサイトでは、ユーザー自身が以下の手順で解決を図る必要がありました。

  • FAQを探す
  • ナレッジを検索する
  • 複雑なメニュー階層を辿る
  • 解決しなければ問い合わせフォームから連絡する

つまり、基本的にはユーザー自身が「どこに答えがあるか」を探しに行かなければならない構造でした。今回のハンズオンのテーマは、この静的なポータルを、ChatGPTやGeminiのような能動的な体験(Agentic Experience)へと転換させるというものです。ユーザーが「何をしたいか」を入力すれば、AIエージェントが情報検索から操作のガイドまでを能動的に支援するUIを実現します。

普段、お客様のポータル構築をご支援している中でも、「ユーザーが目的の情報にたどり着けない」という課題は頻繁に耳にします。この能動的なアプローチは、そうした長年の課題に対する明確な一つの解になると感じました。

デモで示された会話型UIと「マルチエージェント」の連携

完成形のデモ画面では、ポータル中央にプロンプト入力欄が配置され、ユーザーはメニューを検索するのではなく自然な言葉で問いかけるインターフェースになっていました。

例えば、架空の通信会社ポータルにおいて、「ホームWi-Fiを設定したい」「ゲストネットワークを設定するには?」「モデムのステータスライトの意味は?」といった質問を投入すると、AgentforceがSalesforce Knowledgeなどのデータソースを活用して即座に回答します。

特に印象的だったのが「マルチエージェント」の仕組みです。企業内に製品サポート担当、請求担当、トラブルシューティング担当など複数のエージェントが存在していても、ユーザー側からは単一のポータル窓口として機能します。裏側でAgentforce Orchestratorが自動的に適切なエージェントへ割り振るため、顧客に複雑な企業組織の都合を意識させない設計となっています。

実運用の観点で見ると、部門ごとに分かれた複雑なエスカレーションルールをシステム側がどうスムーズに吸収してくれるのか、非常に実用的な設計だと感じました。

実際に作成する:Salesforce Goから始まるポータル構築

ハンズオン環境では、実際にAgentforceを組み込んだポータル(Agent Portal)の構築手順を確認しました。

1. Salesforce Goによるガイド付きセットアップ

Agentforce、Einstein機能、Digital Experiences、チャット設定など、本来多岐にわたる設定項目をまとめて有効化できる仕組みとして「Salesforce Go」が活用されました。「Salesforce Go → Agentforce → Agent Portal」というシンプルなフローで設定を進められるため、管理画面の回遊コストが大幅に削減されています。

2. ポータルの作成とビルダーでの編集

架空の企業「Summit Ridge」のポータルを作成し、サイトビルダー上でロゴ、背景、ボタン、テーマ、プロンプト入力欄などのデザインを調整しました。編集内容はリアルタイムで画面中央のプレビューに反映され、PC表示とモバイル表示の双方を即座に確認可能です。

3. Suggestions(入力候補)による導線設計

生成AIのプロンプト欄だけを提示されてもユーザーが迷ってしまう課題に対し、最初に選択できるテーマ(「Set up home Wi-Fi」「Set up guest network」など)を設定する機能(Suggestions)が用意されていました。プロファイルごとに表示を変えることも可能なため、顧客・パートナー・社員といった属性に応じて適切な入力ガイドを提供できます。

4. Agentforceおよびグラウンディングデータの接続

あらかじめ用意されたHelp Agentなどのエージェントをポータルへ接続し、検索グラウンディング対象としてCaseやKnowledgeといったSalesforceオブジェクトを指定します。これにより、一般論ではなく自社のナレッジに基づいた高精度な回答が生成されます。

権限管理と既存Experience CloudのAI化

企業利用において懸念されるデータセキュリティや既存資産の活用についても明確な説明がなされました。

権限・アクセス制御の適用

「エージェントを経由することで本来非公開のデータが見えてしまわないか」という疑問に対し、Agentforce経由の検索においても標準のSalesforceアクセス制御やユーザー権限、API権限が厳格に適用されることが確認されました。BtoBのセキュアな環境を構築する上で、この点は非常に安心感があります。

既存Experience Cloudサイトへの展開

新規サイト構築だけでなく、既存のExperience CloudサイトへAgentforceを追加することも可能です。ブランドやデザインを維持したまま、Agentforce・オーケストレーター・検索設定を追加して再公開するだけで「Agenticなポータル」へ拡張できます。

フロッグウェルの視点で考えるポータルのAI化と現場への適用

今回のハンズオンを体験して、Experience Cloudというプロダクトの位置付けが「情報の検索や申請を行うWebサイト」から「顧客とAIエージェントが接する対話の場」へと進化していることを実感しました。

たとえば製薬業界における医療従事者(HCP)向けポータルや患者様向けサポートサイトにおいても、複雑なガイドラインや製品情報、副作用報告などのナレッジを、厳格な権限管理のもとでAIエージェントが的確に案内できるようになれば、セルフサービス体験の質は格段に向上するはずです。

しかし一方で、システムがどれほど賢く回答を提示してくれるようになっても、「その元となるナレッジが正しく整備・更新されているか」「提示されるアクションが既存の業務フローやルールと齟齬がないか」を管理するのは人間の役割です。いくら高度なAIを入れても、裏側のデータが整理されていなければ正しい案内はできません。

私たちフロッグウェルは、単なるSalesforceの設定作業にとどまらず、お客様の実際の業務フローや現場での使われ方まで踏み込んでご支援しています。新規導入だけでなく、長く運用されている既存Salesforce環境の改修や保守に深く関わり、構想・設計から実装・運用までを一気通貫で伴走しているからこそ、こうした先進的なAIポータルも「技術的な実験」で終わらせず、現場に定着する実用的な形で安全に適用していけると考えています。

まとめ

Dreamforce 2026のハンズオンセッションでは、AgentforceとExperience Cloudの統合により、短時間でAI主導型の顧客ポータルを構築・拡張できる実態が示されました。単なるチャットボットの設置にとどまらず、顧客データやナレッジと連携した安全な顧客体験の提供が、今後のセルフサービスポータルの標準になっていくと感じさせる内容でした。

同時に、こうした高度なAI体験を提供するためには、基盤となるナレッジの整理やSalesforce上の権限設定といった足回りの重要性がますます高まっていることを再認識しました。フロッグウェルとしては、今後も業務理解とSalesforceの技術の両面から、お客様の環境づくりをご支援していきたいと考えています。日本に戻り次第、実際の環境でもぜひこのAgentic Experienceを検証してみたいとワクワクしています。

※本記事はDreamforce 2026のセッションを現地で聴講した内容をもとに速報として作成しています。内容には筆者の理解や所感を含みます。また、発表された製品・サービスの仕様は今後変更される可能性があります。最新情報についてはSalesforce公式情報をご確認ください。

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