Salesforce重複ルール・一致ルール実務ガイド【後編】 潜在的な重複・レポート・マージ・権限設計まで
#レポート #Salesforce #重複ルール #一致ルール #マージ
目次
- 1. この記事で扱う範囲
- 2. マージ導線①:Lightning ページの「潜在的な重複」表示
- 3. マージ導線②:重複レコードセット
- 4. マージ機能のメリット・デメリット
- 4.1 マージ画面で選ぶ内容とマージ後に残るデータ
- 5. 重複候補の確認・レポート・マージに必要な権限
- 6. 重複レコードレポートの作成と運用
- 7. マージ後に残る重複レコードセットの整理
- 8. Lightning レコードページで [潜在的な重複] コンポーネントの表示オプション
- 9. 1 つの重複ルールで複数の一致ルールを使う場合
- 10. クロスオブジェクト判定と個人取引先の注意点
- 11. 一致ルール側、重複ルール側の条件使い分け
- 12. 実装・運用チェックリスト
- 13. FAQ
- 14. まとめ
Salesforce を運用していると、同じ顧客や同じ会社が複数レコードとして登録されてしまうことがあります。重複データは、営業活動の二重対応、古い情報による顧客対応、レポートの集計ずれなどにつながります。
本記事では、全2回に渡ってSalesforce の「重複ルール」と「一致ルール」について、基本的な設定手順だけでなく、実務でつまずきやすいデータローダ・API 経由の挙動、Lightning ページの「潜在的な重複」表示、マージ後の処理、複数一致ルール・クロスオブジェクト判定まで整理します。
本後編記事は、前編で整理した重複ルール/一致ルールの設定後の挙動を前提に、実際に検出された重複候補をどのように表示・確認・レポート化・マージするかを整理する後編です。
前編記事はこちらから「Salesforce重複ルール・一致ルール実務ガイド【前編】」
第2回である今回は下記の範囲を整理していきましょう。
この記事で扱う範囲
| 記載カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 画面表示とマージ導線 | Lightning ページの [潜在的な重複] コンポーネント、重複レコードセットの各マージ導線 |
| レポート運用 | 重複レコードセット/重複レコード項目、RecordCount を使った整理 |
| マージ運用 | マスターレコード選択、項目ごとの採用値、マージ後のデータの扱い |
| 権限設計 | マージ権限と重複レコードセット/項目アクセス権の違い |
| 応用設計 | 複数一致ルール、クロスオブジェクト判定、個人取引先の注意点 |
マージ導線①:Lightning ページの「潜在的な重複」表示
Lightning Experienceでマージ実行するには下記2つの方法があります。
①[潜在的な重複] コンポーネント経由
②重複レコードセット経由
Lightning ページからマージ運用を行う場合、[潜在的な重複] コンポーネントに重複候補が表示されることが重要です。表示されなければ、ユーザーは画面上で候補を選択してマージする導線を使えません。
まずここでは①[潜在的な重複] コンポーネント経由での流れを見ていきます。
なお、[潜在的な重複] コンポーネントは取引先、取引先責任者、リードなど標準の重複管理対象で利用します。
カスタムオブジェクトには [潜在的な重複] コンポーネントを追加できないため、カスタムオブジェクトの重複確認は重複ジョブやレポートを中心に設計します。
●[潜在的な重複]コンポーネントからマージを実行させるための前提と準備
| 条件 | 必要性 | 補足 |
|---|---|---|
| 対象オブジェクトで重複ルールが有効 | 必須 | 無効な重複ルールは候補表示に使われない。 |
| 対象の一致ルールに合致する他レコードが存在 | 必須 | 比較対象のレコードにユーザーがアクセスできるかも実務上は影響する。 |
| Lightning レコードページに [潜在的な重複] コンポーネントを配置 | 必須 | コンポーネントがないとLightningページ上で重複表示されない。 |
| レポート ON | 必須ではない | レポート ON は重複レコードセットを作成するための設定。 コンポーネント表示とは別経路。 |
●各タイミングで想定される動作
| タイミング | 重複ルールの状態 | 実行される動作 |
|---|---|---|
| レコード作成・更新時 | 有効 | 一致ルールで判定され、設定に応じて許可・ブロック・アラート・レポート作成が行われる。 |
| レコード作成・更新時 | 無効 | その重複ルールでは重複判定はされない。 |
| 既存レコードをLightningページで表示した時 | 有効 | 条件に合致する他レコードがあれば、[潜在的な重複] コンポーネントに表示される。 |
| 既存レコード作成後に重複ルールを有効化 | 有効化後 | 既存レコードもレコード表示時の候補重複判定に含まれる。ただし重複レコードセットが一括自動作成されるわけではない。 |
| 重複ルールを無効化 | 無効化後 | Lightningページでは[潜在的な重複] コンポーネントによる重複判定表示が停止する。ただし過去に作成された重複レコードセットは自動削除されない。 |
| 重複レコードセットを削除 | 有効 | レポート用の管理レコードは消えるが、現在の重複ルールで重複と判定されるならLightningページでは[潜在的な重複] コンポーネント画面上の重複判定は表示され続ける。 |
●Lightning レコードページの [潜在的な重複] コンポーネント配置
重複候補レコードをLightningページに表示するにはコンポーネント配置が必要です。
![Lightning レコードページの [潜在的な重複] コンポーネント配置](http://frogwell.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/salesforce-duplicationrule2-1.png)
重複検知した際の表示場所は[両方を表示][トーストを表示][カードを表示]の3つから指定可能です。
![Lightning レコードページの [潜在的な重複] コンポーネント配置](http://frogwell.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/salesforce-duplicationrule2-2.png)
●マージ導線:重複候補の検知と採用項目の指定
[潜在的な重複] コンポーネントから重複候補を確認することが出来ます。

マージ対象レコードを選択し、下記を指定します。
・マージ後に残すレコード(プリンシパルレコード)
・マージ後に各項目で正とする値


マージ導線②:重複レコードセット
マージ導線は「Lightning レコードページの [潜在的な重複] コンポーネント」の他にもう1つあります。
重複レコードセットの「比較およびマージ」アクションから可能です。
重複レコードセットは、重複ルールまたは重複ジョブによって重複として識別されたレコードをまとめる管理用レコードです。
重複ルールではアクションで [レポート] を有効にしておくことで、重複検出時に重複レコードセット/重複レコード項目を作成できます。
対象の重複レコードセットの「比較およびマージ」アクションより、その配下の重複レコード項目を対象にマージを進めることが可能です。

[比較およびマージ] 以降は、レコードの比較、マスターレコードの選択、項目値の選択という点では、[潜在的な重複] コンポーネント経由のマージ画面と同様の流れになります。

マージ機能のメリット・デメリット
Salesforce標準のマージ機能を使用するメリット、デメリットを整理します。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 【メリット】関連レコードの引き継ぎ | 行動、ToDo、商談など、対象オブジェクトに紐づく関連レコードをマージ後のレコードへ引き継げる。 |
| 【メリット】項目単位で正とする値を選べる | マージ時に、残すレコードや保持する項目値を選択できる。 |
| 【デメリット】一度にマージできる件数 | 標準画面のマージでは一度に選択できる件数は3件まで。大量データの一括マージには向かない。 |
| 【デメリット】強い権限が必要 | 編集権限だけでなく削除権限も必要。誰に付与するか慎重に決める必要がある。 |
| 【デメリット】マージできない組み合わせがある | 重複候補として検出できても、標準マージできるとは限らない。個人取引先と法人取引先は基本的にはマージ不可。 |
マージ画面で選ぶ内容とマージ後に残るデータ
マージでは、まずマージ後も残すベースレコード(マスターレコード)を選択します。このレコードの Salesforce ID がマージ後も生き残り、その他のレコードはごみ箱へ移動されます。
さらに、項目ごとにどのレコードの値を採用するかを選択できます。
| マージ時に選ぶ内容 | 意味 | 運用上の注意 |
|---|---|---|
| プリンシパルレコード (マスターレコード) |
マージ後も Salesforce ID として残るレコード。 | 残すべき関連履歴や共有設定を持つレコードを慎重に選ぶ。 |
| 各項目の採用値 | 電話番号・メール・住所など、項目ごとにどのレコードの値を正とするか。 | 項目ごとに最も新しい、または業務上正しい値を選ぶ。 |
| 非マスターレコード | プリンシパルレコードに指定しないレコードはマージ後にごみ箱へ移動される。 | 完全な取り消し操作可能とは考えず、実行前に確認する。 |
●実際のマージ画面
マージ対象レコード間で差異がある項目だけがこの画面に表示されます。

●各データのマージ後の扱い
マージ後に各関連レコード(子レコード)がすべてマスターレコードの子レコードに集約されるわけではありません。
Chatterなど集約されないものがあるため注意が必要です。
| データ種別 | マージ後の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| プリンシパルレコード (マスターレコード) |
Salesforce ID がそのまま残る。 | マージ後の正レコードになる。 |
| 非マスターレコード | 削除され、ごみ箱へ移動される。 | ごみ箱から復元できる場合はあるが、マージ前の状態へ完全に戻せるとは考えない。 |
| 商談・ケース・活動などの関連レコード | 基本的にマスターレコードへ付け替えられる。 | 関連レコードの所有者・共有・業務影響は事前に確認する。 |
| Chatter フィード | マスターレコード側のフィードのみ保持される。 | マージされる側の重要な投稿・コメントは事前に確認する。 |
| Salesforce Files | Chatter フィードまたは [ファイル] 関連リストに添付されたファイルは、マージ後のレコードで保持される。 | ファイルの関連付け状態はマージ前後で確認する。 |
| 共有設定 | マスターレコード側の共有設定が基準になる。 | マージ後に必要なユーザーが参照できるか確認する。 |
マージされた側のレコードはごみ箱へ移動されるため、ごみ箱に残っている間は復元できる場合があります。ただしマージ後の項目値、関連レコードの付け替え、共有設定などを含めて、マージ前の状態へ自動的に完全復元されるわけではありません。
重複候補の確認・レポート・マージに必要な権限
マージ権限と、重複レコードセット/重複レコード項目へのアクセス権は同じものではありません。
レコードページの [潜在的な重複] コンポーネントからマージする運用なのか、重複レコードセットや重複レコードレポートから重複確認する運用なのかで、確認すべき権限が変わります。
| 操作 | 重複レコードセット/項目へのアクセス | 対象レコードへの権限・前提 | 実務上の注意 |
|---|---|---|---|
| レコードページの [潜在的な重複] コンポーネントで候補を見る | 必須とは限らない | 対象レコード・候補レコードの参照権限、重複ルール、コンポーネント配置。 | レコードページ起点の表示と、重複レコードセット/レポートは分けて考える。 |
| [潜在的な重複] コンポーネントからマージする | 必須とは限らない | 対象オブジェクトの編集権限および削除権限。 | マージ自体は対象レコードの編集・削除権限が重要。 |
| 重複レコードセット/項目を表示する | 必要 | 対象の取引先・取引先責任者・リードに対する参照権限。 | 対象レコードが見えないユーザーには候補の確認も難しい。 |
| 重複レコードレポートを確認する | 必要 | レポートタイプ利用権限と、対象レコードの参照権限。 | カスタムレポートタイプを作るだけでなく、ユーザーにオブジェクトアクセスを付与する。 |
| 重複レコードセットから比較・マージする | 必要 | 対象オブジェクトの編集権限および削除権限。 | 重複レコードセットから [比較およびマージ] を使う場合は、重複レコードセット/重複レコード項目へのアクセスに加え、対象の取引先・取引先責任者・リードに対する編集権限および削除権限が必要となる。 カスタムオブジェクトでは重複ジョブを実行できる場合でも、[比較およびマージ] はサポートされない。 |
| 重複レコードセットを削除する | 必要 | 削除可能な権限設計が必要。 | 削除しても現在の重複判定そのものは解除されない。 |
| Salesforce Platform ユーザーに操作を任せる | 公式ヘルプページでは付与対象外とされる | 対象レコード権限があっても、重複レコードセット/項目へのアクセスは別途確認が必要。 | 公式ヘルプ上、アクセス権付与対象は Sales Cloud、Service Cloud、Sales & Service Cloud ライセンスのユーザーとされているため、Platform ライセンス中心の運用は事前検証する。 |
営業担当がレコードページ上で重複を確認・マージする運用と、管理担当が重複レコードレポートや重複レコードセットから確認・マージする運用では、必要な権限が異なります。誰がどの入口から操作するかを先に決めて権限設計します。
重複レコードレポートの作成と運用
重複ルールで [レポート] を ON にすると、保存された重複候補を重複レコードセット/重複レコード項目として記録できます。運用者が後から確認するには、カスタムレポートタイプを作成します。
| 目的 | 推奨レポートタイプ | 補足 |
|---|---|---|
| 対象オブジェクト単位で重複候補を見たい | 主オブジェクト:リード/取引先/取引先責任者 関連オブジェクト:重複レコード項目 |
通常の運用確認に向く。対象レコードの項目と重複情報を一緒に見やすい。 |
| 重複ジョブや重複レコードセット単位で見たい | 主オブジェクト:重複レコードセット 関連オブジェクト:重複レコード項目 |
重複ジョブ結果の共有や、重複レコードセット自体の管理に向く。 |
| 個人取引先を区別したい | レポートタイプの項目レイアウトに個人取引先関連項目を追加 | 法人取引先と個人取引先を区別して確認できるようにする。 |
例えば「対象オブジェクト単位で重複候補を見たい」場合は下記のようなレポートタイプを作成します。

マージ後に残る重複レコードセットの整理
重複レコードをマージすると、マージされた側のレコードはごみ箱へ移動され、それに伴って重複レコード項目は削除または減少します。
一方で、親である重複レコードセットは自動削除されずに残る場合があります。
その結果、重複レコードセット自体は残っているものの、紐づく重複レコード項目が 1 件だけになり、実質的には比較対象となる重複候補が残っていない状態になることがあります。
| タ状態 | 何が起きるか | 運用上の対応 |
|---|---|---|
| 重複レコード項目が複数件ある | 重複候補が複数残っている状態。 | 確認・マージ・項目修正の対象。 |
| 重複レコード項目が 1 件だけ残る | マージや削除により比較相手がなくなった可能性がある。 | 実質的に整理済みとして、レポートから除外または重複レコードセットを削除する候補。 |
| 重複レコードセットを削除した | レポート用の管理レコードは削除される。 | 現在有効な重複ルールで重複と判定される状態なら、Lightning ページの候補表示は残る可能性がある。 |
「重複レコード項目」オブジェクトへ下記カスタム項目を作成しておくことで、レポートで活用が可能です。
| 作成先 | 項目種別 | 項目例 | 数式例 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 重複レコード項目 | 数式(数値、小数 0) | 親重複レコードセット内件数 | DuplicateRecordSet.RecordCount | 対象オブジェクト+重複レコード項目のレポートで、親の重複件数を条件に使う。 |
親オブジェクトの DuplicateRecordSet.RecordCount は重複レコードセット側の項目です。対象オブジェクト+重複レコード項目のカスタムレポートタイプでは、そのまま親の RecordCount をフィルターに使えない場合があります。そこで、子オブジェクトである重複レコード項目に親参照の数式項目を作成し、レポート条件に使えるようにします。
上記数式項目を活用し、下記のようにレポートでフィルター指定が可能になります。
| レポート条件例 | 使い道 |
|---|---|
| 親重複レコードセット内件数 > 1 | 実際に複数候補が残っている重複レコードだけを表示する。通常の運用レポート向け。 |
| 親重複レコードセット内件数 = 1 | マージ後などで比較相手がなくなった重複レコードセットを整理対象として抽出する。 |
| 親重複レコードセット内件数 1 | 重複件数 1 のノイズを除外して、確認が必要な重複候補を残す。 |
Lightning レコードページで [潜在的な重複] コンポーネントの表示オプション
自動で作成される重複レコードセットは上述の通り、重複ルール合致してはいるが実際には社内的には重複として扱わなくて良いレコードである可能性はあります。
その場合はレポートで確認後に不要な重複レコードセットを削除可能ですが、
重複レコードセットを削除しても「[潜在的な重複] コンポーネント」では引き続き重複アラートが表示されることがあります。
これは重複レコードセット≠[潜在的な重複] コンポーネントであるためです。
[潜在的な重複] コンポーネントにて重複候補として判定されるのは重複レコードセットが存在するかではなく、
あくまでレコードを開いたそのタイミングで有効化されている重複ルールに合致するかがベースとなるからです。
●重複レコードセットは削除済みのため、レコード上でも重複アラートを表示されたくない場合
「レコードを開いたそのタイミングで有効化されている重複ルールに合致している」場合は、
重複レコードセットは削除済みであっても下記キャプチャのように重複アラートが表示されます。
(=トーストが表示されている状態)

運用的に誤解を招く場合はLightningページで「カードを表示」だけに切り替えておくことで、
重複アラートをカード表示のみとすることも選択肢の1つです。


1 つの重複ルールで複数の一致ルールを使う場合
1 つの重複ルールには複数の一致ルールを設定できます。典型的には、リード作成時に既存リードだけでなく、既存取引先責任者や取引先も確認したい場合に使います。
| 重複ルールの対象 | 比較対象 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| リード | リード | 同じ人が既存リードとして登録されていないか。 |
| リード | 取引先責任者 | すでに顧客担当者として登録されている人を、再度リード登録していないか。 |
| リード | 取引先/個人取引先 | 会社単位または個人顧客として既に存在していないか。 |
同じオブジェクトに対する複数の判定条件は、1 つの一致ルール内の条件ロジックで表現するか、複数の重複ルールに分けて設計します。複数の重複ルールを使う場合は、オブジェクトごとに有効化できる一致ルール数や、重複ルールの実行順序にも注意します。
クロスオブジェクト判定と個人取引先の注意点
異なるオブジェクト間のレコードを比較して重複判定したい、
個人取引先と取引先間で重複判定したい、といった特殊な判定時には注意が必要です。
| テーマ | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| リードと取引先責任者の比較 | リード登録時に既存顧客担当者との重複を検出できる。 | デ項目マッピングが重要。メール、電話、氏名など意味が揃う項目で比較する。 |
| リードと取引先の比較 | 会社名や電話番号を使って既存取引先との重複を検出できる。 | リードの会社名と取引先名は表記ゆれが多く、過検知・検知漏れに注意。 |
| 個人取引先と法人取引先の比較 | 同一人物・同一管理対象が個人取引先と法人取引先に分かれていないか検知できる。 | 重複候補として検出できても、標準のマージ運用にそのまま乗せられるとは限らない。粒度のズレを検知する用途として考える。 |
| カスタム項目の比較 | クロスオブジェクトでも項目マッピングして比較できる。 | カスタム選択リストなど、一部サポートされない項目種別があるため事前確認が必要。 |
一致ルール側、重複ルール側の条件使い分け
重複についての判定条件は一致ルール、重複ルールそれぞれで下記観点にて指定箇所を使い分ける必要があります。
| 設定したいこと | 設定場所 | 例 |
|---|---|---|
| メールアドレスが一致するか比較したい | 一致ルール | メール項目を完全一致で比較する。 |
| 電話番号の表記ゆれを吸収したい | 一致ルール | 電話項目をあいまい一致で比較する。ただし日本環境では検証必須。 |
| 氏名と会社名の両方が近い場合に重複としたい | 一致ルール | 氏名、会社名を一致条件ロジックで組み合わせる。 |
| 特定レコードタイプのレコードだけを重複候補の判定対象範囲としたい | 重複ルール | レコードタイプが「法人」のリードレコードのみを重複候補の判定範囲とする。 |
| 特定プロファイルのユーザーがレコードを作成、編集するタイミングだけを判定対象外にしたい | 重複ルール | システム連携用プロファイルユーザの実行だけは判定対象としない。 |
| 国や都道府県で判定対象を分けたい | 重複ルール | 国が「日本」の場合だけ判定対象とする。 |
| 比較対象オブジェクトを変えたい | 重複ルール内の一致ルール設定 | リードを既存取引先責任者と比較する。 |
実装・運用チェックリスト
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 一致ルール | 比較項目、完全一致/あいまい一致、空白項目の扱い、条件ロジックを確認したか。 |
| 重複ルール | 許可/ブロック、許可時のアラート/レポート、レコードセキュリティ、条件指定を確認したか。 |
| 画面表示 | Lightning ページに [潜在的な重複] コンポーネントを配置し、想定ユーザーで表示確認したか。 |
| データローダ/API | 重複条件に合致するデータを投入し、エラーになるか保存されるかを検証したか。 |
| レポート | カスタムレポートタイプ、重複レコード項目側の RecordCount 参照数式項目、フィルター条件を用意したか。 |
| マージ | マスターレコード、項目値、関連レコード、Chatter、ファイル、権限を確認する運用ルールを決めたか。 |
FAQ
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| レポート ON にすれば Lightning 画面でマージできますか? | それだけでは不十分です。レポート ON は重複レコードセットを作成する設定です。画面で候補表示・マージ運用するには、[潜在的な重複] コンポーネント、ルール、アラート表示、権限の確認が必要です。 |
| 重複レコードセットを削除すれば、潜在的な重複表示も消えますか? | 必ずしも消えません。重複レコードセットと潜在的な重複コンポーネントは別経路で判定されます。現在有効な重複ルールで重複と判定される限り、表示が残る可能性があります。 |
| 重複レコードセットから直接マージできますか? | Lightning Experience では重複レコードセットの [比較およびマージ] アクションから、セット内の重複レコードをマージできます。 ただし対象は取引先・取引先責任者・リードなどの標準のマージ対応オブジェクトが中心です。カスタムオブジェクトでは、重複ジョブを実行できる場合でも [比較およびマージ] ボタンはサポートされません。利用には、重複レコードセット/重複レコード項目へのアクセスと、対象レコードへの編集・削除権限が必要です。 |
| 重複件数 1 の重複レコードセットをレポートから除外するには? | 重複レコード項目側に親の DuplicateRecordSet.RecordCount を参照する数式項目を作り、その項目をレポート条件に使います。 |
まとめ
後編では、Lightning 画面での候補表示、レポート、マージ、権限設計、マージ後の整理を一連の運用として整理しました。重複ルールは作って終わりではなく、誰が候補を確認し、どの入口からマージし、マージ後のレポートをどう整理するかまで設計することで実務に乗せやすくなります。
前編記事はこちらから「Salesforce重複ルール・一致ルール実務ガイド【前編】」
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