Salesforceの拡張ドメインとは?有効化の方法や私のドメインとの違いを解説
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目次
2023年10月15日にリリースされたWinter’24により、Salesforceは常に進化し、標準化された新機能を提供しています。その中でも、特に注目すべき機能の1つが拡張ドメインです。これはSpring ’23から導入されており、現在この機能について調査を行っている企業のSalesforce担当者にとって、貴重な参考情報となるでしょう。Winter’24のリリースを踏まえて、拡張ドメインの導入や活用方法について理解を深めることは、Salesforceを効果的に活用する上で重要です。新機能の追加やアップデートは、Salesforceユーザーにとって常に注目すべきポイントであり、Winter’24における拡張ドメインの導入は、その一環として非常に意義深いものとなります。
私のドメインと拡張ドメインの違い
Salesforceを利用するうえで混在して考えてしまうのが「私のドメイン」と「拡張ドメイン」の違いです。
拡張ドメイン:上記「私のドメイン」の最新バージョンのこと
つまり、拡張ドメインは「私のドメイン」の進化版にあたります。
拡張ドメインについて
では、拡張ドメインは何を目的に使うのでしょうか。拡張ドメインは、ブラウザ要件(最新のブラウザバージョン)を満たし、「私のドメイン」の最新バージョンとして標準化されます。拡張ドメインでできることは、組織で扱うすべてのURLに会社名など独自の「私のドメイン」を含められます。URLを含められる対象は次のとおりです。
- Experience Cloudサイト
- Salesforceサイト
- Visualforceページ
- コンテンツファイルURLなど
拡張ドメインを使うと、Salesforce組織のほぼすべてのURLが変更されます。そのため、URL変更前のテストが必要です。拡張ドメインは、すでに公開されているリンクなどにも影響を及ぼすため、ブラウザ要件について事前チェックが欠かせません。拡張ドメインは、次のステップで導入される予定です。
Winter’24:強制適用 ※リリース済み 2023年10月15日(日本時間)
つまり、テストリリース期間は導入を見送っていても、Winter’24から現時点では強制適用されるため、標準として使用しなければならない機能といえます。
なぜ拡張ドメインを強制適用することにしたのか
Salesforceでは、なぜ拡張ドメインを全ユーザ対象に強制適用することにしたのでしょうか。その背景には、サードパーティCookieのブロックが関係しています。今後のWebブラウザは、サードパーティCookieをブロックする動作環境が基本となります。この仕様は、プライバシー保護の観点からも、規制が厳しくなることが考えられていました。
そのため、現在主要となるWebブラウザのほとんどがサードパーティCookieをブロックする動作に変更する方向です。Cookieがブロックされた場合は、Salesforceにも影響が及びます。Salesforceページ上の外部コンテンツにつながるURLからの読み込みでエラーの発生が考えられるでしょう。
Salesforceは、ブラウザを基盤としてクラウド上で展開する仕組みのため、ブラウザ要件への準拠は当然の対応だと考えられます。この流れが拡張ドメインの標準化、有効化の背景です。
拡張ドメインが完全適用となるまでの流れ
Salesforceでは、リリース段階を経て拡張ドメインの完全適用を進めていく方向です。段階的に変更していく内容は、次のように変更されます。
Summer’23:テストや準備として拡張ドメインを有効化・有効化後の無効化が可能
Winter‘24:テストや準備として拡張ドメインを有効化・有効化後の無効化は不可
Winter‘25:リダイレクトログの確認及び対応の検討
上記の流れで適用が進み、Winter’24以降は、強制適用は無効化できません。このように、いずれ全面的な適用となることが決定しているのであれば、自動適用を待つよりも準備やテストを行って検証することが重要ではないでしょうか。拡張ドメインの動作をテスト段階で評価することも必要な取り組みです。
拡張ドメインの特徴
拡張ドメインの特徴は、「私のドメイン」の後の部分(ドメインサフィックス)が最新のセキュリティ標準を満たせるようになることです。拡張ドメインはインスタンス名が省かれていて覚えやすい特徴もあります。組織が異なるSalesforceインスタンスに移行したとしても変更されない仕組みです。また、Spring‘23ではすべての組織のデフォルト設定となるでしょう。
拡張ドメインを有効にする方法
拡張ドメインを有効化するには、次の手順で設定します。
- 「設定」を開く
- 「クイック検索」に「私のドメイン」を入力
- 候補から「私のドメイン」を選ぶ
- 「『私のドメイン』の詳細」から「編集」を選ぶ
- 「拡張ドメインを使用します」を選ぶ
- 編集を終えたら「保存」を選択
「私のドメイン」編集画面では、組織に「私のドメイン」で使用可能なサフィックスが複数ある場合もあります。その場合は、使用可能なサフィックスがリスト候補で表示されるでしょう。その際、拡張ドメインが有効になるのは標準サフィックス限定となります。
設定で「私のドメイン」が使用開始状態になるまで通常の場合は、数分程度で完了するが24時間ほど要することもあります。確実にテスト使用できる状態になった場合は、通知メールが届くので、通知到達まで待たなければなりません。
拡張ドメインの注意点
拡張ドメインを使う際は、いくつか注意すべき点があります。拡張ドメインがSalesforce組織でリリースされていない場合(Spring‘23前)は、Salesforceで有効化の設定が可能です。もし、リリース前に拡張ドメインをテスト導入しなかった場合は、いくつか問題が発生する可能性あるでしょう。その問題を紹介します。
- Salesforceにアクセスしたユーザの表示に対してエラーが返される
- Salesforceの埋め込みコンテンツの一部が非表示となる
- Salesforceで扱うデータと連携先のサードパーティアプリとのアクセスに不具合が生じる
- SandBoxサインイン(シングルサインオンインテグレーション)の際にエラーとなる
- ドメインサフィックスを使う組織とのサインインに失敗することも考えられる
上記のエラーを回避するには、リリース前のテスト導入は必須です。また、組織全体に事前のアナウンスと確認は必須です。「URLがどのように変更されるのか?」を通達しておかなければ公開中のコンテンツへも影響を及ぼすでしょう。
拡張ドメインの変更点からみえるもの
Spring‘23でテスト導入を実行して、Winter’24から標準機能となる拡張ドメインの変更点は組織にどのような変化をもたらすでしょうか。
ブランド
拡張ドメインが標準化されることにより、組織すべてのURLが「私のドメイン」を含んだアドレスになります。別な見方をすると、「私のドメイン」を含んだURLがブランドとなるかもしれません。
メンテナンス不要の安定性
拡張ドメインは、従来のSalesforce組織で使っていたインスタンス名をURLに使わなくて済みます。URLにインスタンス名を含めることが作業のひとつだった場合は、それら作業を省略できる分、メンテナンス不要の安定性が見込めます。
ブラウザ要件の準拠
拡張ドメインを有効化することで、最新のブラウザ要件への準拠を期待できます。ブラウザ要件を満たしていることは、自社のコンプライアンスを訴求することにもつながるでしょう。
まとめ
2023年10月15日のWinter’24リリースにより、Salesforceの拡張ドメインが強制的に変更され、これが「私のドメイン」の仕組みをより簡素化する変更となります。
Winter’24では、Salesforceは多要素認証に引き続き、全体的な仕様変更の段階を経て、拡張ドメインの導入を推進しています。
これに先たちテスト段階を経て自動有効化を実施し、次の段階で強制変更への移行を進めます。
拡張ドメインは、この強制変更が行われれば無効化できない重要な適用事項となります。
将来的には、拡張ドメインがスタンダードな要素となる見込みです。
そのため、組織内での共通認識を確立するためにも、早めのテスト実行を開始することが重要です。
拡張ドメインの変更が組織全体に影響を与える可能性があるため、事前に十分な準備と共有が必要です。
<Salesforce>
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