工数削減を実現する!Salesforceの制御機能「動的フォーム」の設定手順を紹介
目次
「もっと選択リストにある項目の検索条件を効率よく設定したい」
項目ごとに異なる検索条件の設定を付与することは、顧客管理では重要な役割です。今回は、営業活動のデータを軸にしてシステム化できるSalesforceの機能、項目表示の設定について便利な機能を解説します。制御を実行する際は、Lightningレコードページ上で行います。
それでは、SalesforceのWinter‘21より追加された動的フォームのWinter’23より強化された部分を紹介します。
動的フォーム(Dynamic Forms)の機能をおさらい
Winter’21より導入されたSalesforceの動的フォームは、設定した条件ごとに項目やセクションを表示したり非表示にしたりする機能です。
動的フォームの特徴
動的フォームを活用する場面は、ページレイアウトの項目表示を簡単に設定したい場合です。動的フォームにより、ページレイアウト工数を削減できます。表示制御の設定では、レコードページのカスタムオブジェクトに限り、直感的な操作で変更できます。
過去の処理機能において、表示項目の変更処理の直感的な実装が不可能でした。たとえば、選択リストにある値を条件にして、表示項目を変更する要件処理では標準機能ではなく、オプション機能として実装する必要がありました。この問題点を解決したのが動的フォームの機能です。つまり、カスタマイズ性を向上していることがSalesforceのプロファイル数を増やしても作業負担を増やさない機能として期待できます。
また、制御対象のオブジェクトはカスタムオブジェクトのみ実行できる点が特徴です。
動的フォームの設定(Winter23より)
実際の設定では、動的フォームを機能させるためにいくつかの手順で進める必要があります。まずは、Salesforceにおいて、動的フォームを実行する準備から始めましょう。
- 「設定(歯車マーク)」を開く
- 「ユーザインターフェース」を開く
- 「レコードページの設定」を選択
- 「動的フォーム」の状態をアクティブに変更
- 「保存」する
- 動的フォームを設定する目的のレコードページを選択
- 「設定(歯車マーク)」から「編集ページ」をクリック
- 自動的に起動するLightningアプリケーションビルダーの編集画面上の「詳細」タブを選択
- レコードの「詳細」ページを閉じる
- 画面左カラム上部の「コンポーネント」の右側に「項目」が表示されたら選択
- 「項目」内の「項目セクション」を選択して中央の「詳細」画面にドラッグアンドドロップ
- 右カラムの「表示ラベル」で新しいセクションにセクション名を入力
- 右カラム「表示ラベル」下の項目で「1列」または「2列」をチェックを入れて選択
- 必要に応じて検索条件を追加する
上記の手順で動的フォームの設定が有効化します。つづいて、動的フォームの設定内容を編集する手順です。例として「取引先責任者」のページなど任意のページを開いている状態から画面右上の「設定(歯車マーク)」を選択すると、リストから「編集ページ」を選べます。
編集ページでは、左カラムから条件に設定できる項目のリストが表示されます。そのリストから条件に追加したい項目を選択します。ページレイアウトよりもドラッグアンドドロップによる直感的な操作で設定できます。
たとえば、編集ページ上でできる項目ごとの条件設定では、指定したプロファイルに限定してFAXを送信することが可能です。それぞれの項目に異なる条件を付与できるため、取引先責任者ごとに業務の差別化を自動で実行できます。
項目コンポーネントで編集中のセクションは、必要に応じて追加や削除ができます。セクションの追加や削除も、並べていくイメージで直感的な操作が可能です。
Winter‘21の動的フォームの状況
SalesforceのWinter‘21では、編集ページにおいて以下の動作が必要です。
- 「レコードの詳細」コンポーネントを選択するとプロパティが表示される
- 下部ボックス内の「アップグレードに関するお問い合わせ」のリンクを選択
- 下部にある「次へ」を選ぶ
- 「動的フォームのソースを選択」画面で基本となるページレイアウトを選ぶ
- 右下部の「完了」を選択
「動的フォームのソースを選択」画面では、「レイアウト名」のリストから編集目的の項目を選びます。編集目的の項目を選んだ場合は、レイアウト名の先頭にあるラジオボタンにチェックを入れて選択します。複数のレイアウト選択候補が表示された場合でも、選べるレイアウトはひとつだけです。これらの工程がWinter‘23より省略できれば、より快適に多くの項目の表示設定を進められます。
動的フォームの設定内容を検証する
動的フォームの設定では、設定後の検証を別の角度からもチェックする必要があります。動的フォームの設定で「非表示項目」に付与するアクションです。たとえば、入力規則や実行時エラー(Triggerエラー)などを設定します。すると、「新機動的フォーム検証オブジェクト」では、以下のエラーが表示されて保存できなくなるでしょう。
- 「問題が発生しました」
- 「このページのエラーを確認してください」
- 「次の項目を確認してください」
動的フォーム設定時の注意点
カスタムオブジェクトを使ったレコードページにおける項目の表示・非表示設定ができる動的フォームでは、設定時にいくつかの注意が必要です。
扱う項目数に関しての注意事項
ひとつのセクションに100個以上の項目が存在する場合は、動的フォームの移行上限が100個までとなります。もし100個以上の項目がある場合は、一度移行してから再度配置することで残りの項目を移行できます。
レコードページとページレイアウトの項目配置が違うこと
レコードページの項目配置は、従来のページレイアウトの項目配置と以下の点で違いがあります。
レコードページの項目配置:重複配置が可能(既存項目の配置や未配置の制御がない)
ページレイアウトの項目配置:重複配置が不可能(既配置や未配置の情報がある)
レコードページの編集で扱うLightningアプリケーションビルダーでは、並列で項目の編集を直感的に実行できます。そのため、複数の項目検索条件を編集する作業を軽減できます。
ルックアップ項目からレコードを作成する際の注意事項
ルックアップ項目からレコードを作る場合は、ページレイアウトの設定が優先されます。そのため、項目表示のカスタマイズは、動的フォームだけでは不十分です。ルックアップ検索から作成する場合は、ページレイアウトの設定も必要となります。
動的フォームを使用するページでは表示されるテンプレートが限られる
注意すべき点のひとつは、自動的に動的フォームを設定しているページをバックグラウンドで表示制御している点です。動的フォームを設定したページでは、ページテンプレートの切り替えを実行してもサポートされているページ以外はリスト表示されません。この時点で動的フォームに対応しているテンプレートであるかを判断できます。
まとめ
カスタムオブジェクト限定で項目の表示非表示をカスタマイズできる動的フォームは、ページレイアウトの工数を削減できる便利な機能です。項目ごとに制御の異なる設定をノーコードで実行できることは、少数精鋭の企業にとって導入すべきポイントではないでしょうか。まさに直感的な操作で設定できる点が有効にはたらきます。
具体的な動的フォームのメリットは、「制御対象としたい項目」の表示・非表示など検索条件の設定を効率的に進められる点があげられます。項目の呼び出しが簡単にできるため、条件の異なる項目を増やしても、管理の負担を気にしないで作業できます。
<Salesforce>
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