SalesforceのレコードIDの15桁と18桁の違いとは 数式による変換方法も分かりやすく解説
#Salesforce #カスタム項目 #レコードID #変換
目次
SalesforceのレコードIDには15桁と18桁が存在しています。
本記事では15桁IDと18桁IDの違いや、数式を使った15桁IDと18桁IDの変換方法について解説します。
SalesforceのレコードIDには15桁と18桁が存在する
SalesforceにはすべてのレコードにIDが付与されています。
実はこのレコードIDには15桁のものと18桁のものが存在します。
レコードIDの15桁と18桁の違い
レコードIDの15桁と18桁の違いは下記のとおりです。
■ 15桁ID：大文字・小文字の区別あり
（例：0017F00000okECd）
■ 18桁ID：大文字・小文字の区別なし
（例：0017F00000okECdQAM）
15桁と18桁どちらのIDも同一のレコードを指し示すものになります。
15桁と18桁の違いによる注意点
15桁と18桁、どちらのIDも同一のレコードを指し示すものですが、外部連携やAPIなどでSalesforceのデータを扱う場合、15桁IDでは大文字・小文字の違いを区別できず、正確にレコードを照合できないことがあります。
そのため、外部システムとの連携やデータ分析を行う際は、18桁IDを使用するのが推奨されています。
また、Salesforce外でデータを扱う際にも注意が必要です。たとえば次のようなケースです。
- ExcelでVLOOKUPやXLOOKUPを使って照合したところ、同じはずのレコードが一致しない
- 外部ETLやBIツールに取り込んだ際、ツール側が大文字・小文字を区別しないため、本来は異なるレコードが重複扱いになった
- レポートをCSVとして出力し、Excelで結合した際に15桁IDでは突合できなかった
こうした場面では、18桁IDを使用することで大文字・小文字の影響を受けずに、正確な照合や連携が可能になります。このように、開発やデータ連携を行う際は、どちらの形式が適しているかを意識しておくことが重要です。
数式項目によるIDの変換
数式のカスタム項目を利用することで、15桁IDと18桁ID、どちらも表示できます。
利用するのは数式項目の関数のみで、簡単に設定できます。
ここでは、設定の具体的な手順を説明します。
15桁IDを表示
カスタム項目による表示の例として、「取引先」を例に作成していきます。
はじめに、15桁IDを表示するカスタム項目を作成します。オブジェクトマネージャーで取引先を選択します。
「項目とリレーション」から「新規」をクリックします。
データ型にて「数式」を選択して「次へ」をクリックします。
「項目の表示ラベル」と「項目名」を入力します。「データ型」の『テキスト』を選択して「次へ」をクリックします。
数式の入力欄で「高度な数式」タブを選択し、「項目の挿入」をクリックします。
「取引先」、「取引先ID」をクリックし、「挿入」をクリックします。
「Id」と入力されたことを確認して、「次へ」をクリックします。
項目レベルセキュリティを設定し、「次へ」をクリックします。
項目を追加するページレイアウトを選択し、「保存＆新規」をクリックします。
実際の運用では、レコードIDを画面上に表示する必要はほとんどありません。今回は説明用として、確認しやすいようページレイアウトに追加しています。
18桁IDを表示
次に18桁IDを表示するカスタム項目を作成します。数式の入力までは15桁IDと同じです。
数式の入力欄で、右側の関数から「CASESAFEID」を選択、「選択した関数を挿入」をクリックして、「次へ」をクリックします。
15桁IDと同様に項目レベルセキュリティ、ページレイアウトを設定し、「保存」をクリックします。
取引先のレコードで確認
作成した項目を取引先で確認します。任意の取引先レコードを表示すると、15桁と18桁のIDが表示されています。
まとめ
今回は、Salesforce特有の「15桁と18桁のレコードIDが両方存在する」仕様について紹介しました。
普段の操作では意識する機会は少ないものの、外部システムとの連携やデータ分析の際には、桁数の違いが原因で思わぬ不具合が起こることがあります。
こうしたトラブルを防ぐには、扱っているIDの形式を意識し、必要に応じて18桁IDを利用することが重要です。また、組織内で18桁IDを確認することが多い場合は、数式項目を用意しておくとスムーズに参照できて便利です。
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