Tableau Desktopとは 特徴・出来ることなどをご紹介!
最近「データドリブン経営」や「データ利活用」「ビッグデータ」という言葉を目にするのは当たり前のようになりつつあり、これらを推進する部署に配属されている方も多いのではないかと思っております。
その業務の一環で、BIツールの導入を検討する方は多いのではないでしょうか。
数多くあるBIツールの中でもセルフBIツールとして評判が良いTableau製品のうち、今回はTableau Desktopについて解説していきます。
Tableau Desktopとは?
どんな製品なのか
Tableau DesktopはTableau製品のうちの1つで、データ可視化や分析を行う際に利用するデスクトップアプリケーションです。
手元にデータさえあれば、オフライン環境でも分析を行うことが出来ます。(オフラインだと後述するマッピング機能は上手く動作しない可能性があります)操作はとても簡単で、基本的にドラッグ&ドロップでデータの傾向や全体像が把握でき、気になる箇所へはドリルダウンすることが可能です。
どんな人に向いているのか
オンライン・オフライン問わず、自分のPCからアクセスできるデータを使ってグラフを作成したり、そのグラフをダッシュボードにまとめたり、といったデータ分析作業を自ら行う際はTableau Desktopを利用しましょう。
データ分析は自分でやらない、本部や企画部の誰かが作ったダッシュボードを閲覧するだけ、元からあるダッシュボードを使ってプレゼンテーションするだけ、といったデータ分析は実施しない場合はTableau ServerやTableau Readerを利用する方が良いのでしょう。
Tableau Desktopの特徴・できること
Tableau Desktopの特徴
1ユーザーあたり年間10万円(月額8,500円)から利用できます。
また導入前に14日間の無料トライアルが用意されています。(2021年11月時点)
どのような形で使えるかを実際のデータを投入して試すことも可能です。
次に直感的操作でデータ分析を行うことが出来ることが挙げられます。
従来のBIツールは、あらかじめ決められた定義に従って固定的な帳票しか出力できず、しかもシステム部へ依頼するために何か月も待つ、なんて事が往々にしてありましたが、Tableau Desktopはデータをドラック&ドロップするだけで帳票作成もしくはグラフ作成が可能であり、自分が見たいデータを瞬時に可視化することが出来る製品となっています。
例えば、こちらはグラフ作成前の画面です。
「ここにフィールドをドロップ」と表示されている部分に「金額」項目を持ってきて、
「地域」項目も持ってくると、
地域ごとの金額を表すグラフが自動で作成されます。
Tableau Desktopでできること
1.多種多様なデータソースの取込み
Tableau Desktopでは以下の画像の通り、コードを書かなくても様々なデータソースへのアクセスが可能となっています。
ローカル環境・オンプレミス環境・クラウド環境とおよそデータが存在するであろう箇所はすべて抑えています。
自分のデータを分析できない事態の方が珍しいと思えるぐらい、多いですね。
例えばオンプレ上のOracle DBと、手元のExcelやAccess、AWS上のRedshiftといった3か所に散らばった複数データソースを掛け合わせて分析することも可能です。
ただしDB接続の際はドライバの設定やアクセス制限の確認などを忘れずに行うようにしてくださいね。
2.ビジュアライゼーション
先ほど項目をドラック&ドロップすると自動的に棒グラフ化してくれましたが、それ以外にも画像のように24もの表示形式を選択することが出来ます。
もちろん選択しているデータ項目の内容ごとに利用できるグラフは異なってくるので、データ分析・可視化の目的毎に適切に使い分けることで、分析結果のメッセージ性や説得力をもたらすことができるでしょう。
また、地理情報を与えることでマッピングを行うことも出来ます。地域項目に地理的役割を与えると、
緯度と経度が自動生成されました。
操作は省略しますが日本地図も自動で作成してくれます。地図分析はExcelじゃなかなか厳しいですよね。
都道府県ごとの売上状況や利益率をマッピング形式で色分けすると、日本国内の営業状況が一目で分かるようになります。
このように作成した複数のグラフを1つにまとめるダッシュボード機能もあります。ただ1画面にまとめて表示しているだけでなく、グラフ間で連携して動き、データ分析者以外でもダッシュボードがあれば自分の疑問に対してドリルダウンできるようになっています。
こちらは操作前の各都道府県の産業と人口に関するダッシュボードです。
自分の担当エリアは関西地方であって他地域は見なくてよい、といった要望は実際にデータを利用する方からよく言われます。
関西地方だけ参照したい場合は、画面右上の地域区分フィルタで関西地域を選択します。
そうすると、全てのグラフが関西地方に関するデータに切り替わったのがお分かり頂けるかと思います。ここからさらに産業別に深堀していく、といった形になります。
3.データ分析サポート
ドラック&ドロップで簡単にデータ分析を行えると謳ったところで、データソース間で型が違うとか定義が違うといった理由で、対象データが分析し難い状態であることも多々あるかと思います。TableauではSQLやETLツールで別途データ加工を行わなくても良いように、数値項目には以下のような計算を実行することができます。
ここで選択した処理は実際のデータを上書きすることはないので安心してください。
また、計算フィールドで任意の計算式を与えることも可能です。項目欄が表示されている左ペインで右クリックすると「計算フィールドの作成」と表示されます。
それをクリックすると以下の入力欄が表示されますので、任意の計算項目を作成することが出来ます。
これによってデータソース内の計算で表現できる項目はこちらの機能で可視化することが出来るようになります。
例えば、「1人あたりの営業利益」を可視化したいが、データの中にその項目は存在せず、「売上利益」と「営業マンの数」は存在しているとしましょう。
計算フィールドに「売上利益」÷「営業マンの数」と入力することで、「1人あたりの営業利益」の項目を得ることが出来ます。
ここまでは項目レベルの計算機能でしたが、こちらはアナリティクス機能です。以下の分析情報をグラフ上に1クリックで追加することが出来るようになります。
例えば、散布図を作成したら傾向線を引いて相関係数を確認したくなると思いますが、そんな時にこのアナリティクスから傾向線を選択すると、1クリックで表現可能です。
傾向線にマウスオーバーすると相関係数が表示されます。
4.データ自動更新
ExcelやPowerPointでレポートを作成している際に、参照元データが何かのタイミングで変わってしまい、分析作業が振り出しに戻る経験をしたことがある方はいらっしゃいますでしょうか。
Tableau Desktopでは接続したソースに変更があった場合、それを反映させるライブ接続機能があります。
5.成果物の共有
データを分析したグラフやダッシュボードは色々な方法で共有できます。
まず、パブリッシュという方法です。こちらはTableau ServerやTableau Publicへアップロードすることを指し、サーバでの共有になります。
次に、Tableau専用ファイル形式での出力です。分析データを内包する・しないを選択することができ、それぞれで拡張子が異なります。
最後に、一般的なファイル形式での出力です。PDFや画像ファイル、CSV、PowerPointなど馴染みのある形で出力可能です。
Tableau Desktopを使うには?
Tableau Desktopを使い始めるためにはまずライセンスを購入する必要があります。
こちらが購入画面です。
ライセンスには「Tableau Creator」「Tableau Explorer」「Tableau Viewer」の3つがあり、Tableau DesktopはCreatorライセンスのみで使用可能です。こちらのライセンスは他のすべての製品も使用できるようになります。
なお、Explorerは、Tableau Server上のデータをもとに、データ結合・整理をしつつ新規でダッシュボード作成を実行できますが、Creatorと違ってどの項目を分析に使用するか、を決定することはできません。
ViewerはTableau Server上のデータ閲覧用です。共有されたダッシュボードの内容を確認する方向けです。
【まとめ】
いかがでしたか?Tableau Desktopを使うことでコーディングをしなくとも、複雑で多種多様なデータも綺麗に可視化し、共有まで出来ることを紹介させて頂きました。
Tableauは、Salesforce社の買収もあり、BIツールとして今後も注目を集めていくと考えられます。
皆様のデータ利活用促進のお役に立てれば幸いです。
投稿者プロフィール
- Salesforceの導入を支援するフロッグウェル株式会社のシニアコンサルタント。Salesforce導入前の課題整理や戦略検討から、導入支援、定着化・保守など、多岐にわたるサポートを経験。Salesforce認定SalesCloudコンサルタント、上級アドミニストレーターの資格を保有。