Salesforceを使った売上予測の方法とは 機能や活用例とともに分かりやすく解説
目次
営業活動を行う中で、Salesforceに蓄積されたデータを活用して、従業員の売上目標の達成率を上げることはできないか?自身の感性によらず、客観的で精度の高い売上予測を実現したいけどそのような機能はSalesforceにあるのか?と、思われたご経験はございませんか?
営業活動において、将来の売上を正確に予測することは、ビジネスの成長戦略を立てる上で極めて重要です。本記事では、Salesforceを活用した売上予測の方法、そのメリット、主要な機能、そして活用する上で必要な準備について、具体例を交えながら分かりやすく解説します。
Salesforceの売上予測とは
Salesforceの売上予測とは、営業チームが進行中の商談データや過去の実績に基づいて、特定の期間(月次、四半期、年次など)に達成可能と見込まれる売上金額を見積もる機能およびプロセスのことです。
単なる勘や経験に頼るのではなく、Salesforceに蓄積された客観的なデータを活用することで、企業は目標達成に向けた進捗状況をリアルタイムで把握し、必要に応じて戦略や戦術を修正することが可能になります。
売上予測のメリット
ここでは、主なメリットを3つご紹介します。
営業担当者の業績把握
売上予測機能を用いることで、マネージャーは各営業担当者がどれくらいの売上を達成できそうか、個々の目標に対する進捗状況を容易に把握できます。
Salesforceのダッシュボードやレポート機能を活用すれば、担当者別、チーム別、商品別など、様々な切り口で予測データを可視化することが可能です。個々の担当者の強みや弱み、抱えている課題などを早期に発見し、適切な指導やサポートを行うことができます。
活用事例
ある企業では、毎週の営業会議でSalesforceの売上予測レポートを確認しています。マネージャーは、各担当者の予測金額と実績見込みを比較し、目標達成に向けて順調な担当者には称賛を、遅れが見られる担当者には具体的なアドバイスやサポートを提供します。
課題を顕在化
売上予測は、単に将来の数字を見積もるだけでなく、目標達成を阻害する可能性のある潜在的な課題を早期に発見するための重要なツールとなります。予測と目標との間にギャップがある場合、その原因がどこにあるのかを探るきっかけになります。
活用事例
ある企業では、四半期ごとの売上予測を確認したところ、新規顧客からの売上予測が目標を大幅に下回っていることが判明しました。Salesforceのデータを分析すると、特定の機能に対する顧客のニーズに応えられていないことが原因として浮かび上がりました。この分析結果に基づき、価格戦略の見直しと製品開発ロードマップの修正を行い、次四半期以降の売上回復につなげました。
業務の効率化
精度の高い売上予測は、営業リソースの最適化と業務全体の効率化に貢献します。予測に基づいて、どの商談に注力すべきか、どのリードに対してアプローチを強化すべきかなど、優先順位を明確にすることができます。
活用事例
ある製造業の企業では、Salesforceの売上予測データを活用し、確度が高いと予測される大規模商談に対しては技術サポートチームや製品開発担当者も連携してアプローチする体制を、一方で確度が低い小規模な商談については、インサイドセールスチームが効率的にフォローアップを担当するように役割分担を見直しました。
売上予測の機能
Salesforceには、売上予測を実現するための強力な機能が備わっています。
ここでは、代表的な2つの機能、「コラボレーション売上予測」と「EinsteinによるAI予測」について解説します。
コラボレーション売上予測
Salesforceの標準機能として提供されており、[設定]から手軽に利用することができます。
ここでは売上予測の具体的な条件はシステム管理者が設定し、その設定に基づいて分析された結果が反映されます。
主な特徴は以下の通りです。
階層に基づいた予測
ユーザーを階層に設定することで、営業担当者、マネージャー、役員など、組織の役職階層に応じて売上予測を集計し、表示することができます。
カスタマイズ可能な予測期間
月次、四半期、年次など、企業のビジネスサイクルに合わせて予測期間を自由に設定できます。
調整機能
マネージャーは、部下の予測に対して自身の見込みを加味した調整額を入力できます。これにより、現場の肌感覚やマネージャーの経験に基づいた、より現実的な予測を作成することが可能です。
EinsteinによるAI予測
SalesforceのAI「Einstein」を活用した、より高度な売上予測機能です。過去の商談データや営業活動履歴などをAIが分析し、客観的でデータに基づいた予測値を算出します。
特にデータ量が多い場合や、より客観的で精度の高い予測を求める場合に有効な機能です。
※引用:https://help.salesforce.com/s/articleView?id=data.c360_a_ai_predictive.htm&type=5
特徴は以下の通りです。
AIによる客観的な予測
過去の膨大なデータを分析し、人間の主観やバイアスを排除した客観的な売上予測を行います。これにより、担当者の経験や勘に頼りがちな予測の精度を向上させることができます。
予測スコアリング
個々の商談が受注に至る確率(予測スコア)を算出します。これにより、営業担当者はどの商談に注力すべきか、よりデータに基づいた判断を下せるようになります。
予測トレンドの分析
過去の予測精度やトレンドを分析し、将来の予測に役立つインサイトを提供します。
予測に影響を与える要因の特定
AIが、特定の商談の予測値が高い(または低い)理由となっている要因を提示します。これにより、担当者は具体的なアクションプランを立てやすくなります。
自動的な学習と改善
新しいデータが蓄積されるたびにAIが学習し、予測モデルを継続的に改善していくため、利用するほど予測精度が向上する可能性があります。
活用する上で必要な準備
Salesforceの売上予測機能を効果的に活用し、そのメリットを最大限に引き出すためには、事前の準備が非常に重要です。
データ整備の重要性
売上予測の精度は、その基礎となるデータの質に大きく依存します。不正確、不完全、あるいは古いデータに基づいて予測を行っても、信頼性の低い、もしくは誤った結果しか得られません。
Salesforceに蓄積される商談情報、顧客情報、活動履歴などが、常に正確かつ最新の状態に保たれていることが、精度の高い売上予測を行うための大前提となります。
商談フェーズと確度の定義
もう一つ重要な準備が、自社の営業プロセスに合わせた「商談フェーズ」と、それに対応する「確度」を明確に定義し、組織全体で共通認識を持つことです。
これらは一度設定したら終わりではなく、市場環境の変化や営業プロセスの見直しに合わせて、定期的にレビューし、最適化していくことが望ましいです。
例えば、「提案」というフェーズを明確に定義しなかった場合、担当者によって解釈が異なり、正確な予測を行えなくなる可能性があります。
まとめ
Salesforceの売上予測を活用することで、勘や経験といった曖昧な要素に頼るのではなく、Salesforceに蓄積された自社の客観的なデータに基づいて将来の売上を見通すことが可能になります。
売上予測がもたらすメリットは、業績の可視化や課題の早期発見、業務効率化など多岐にわたる分野でその効果をもたらします。それらの機能を最低限活用するために必要な、データ整理や土台となるフェーズの定義の重要性についても見てきました。
ぜひ、Salesforceの売上予測を活用して、データに強い持続的な成長を目指していきましょう。
<Salesforce>
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