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SalesforceへのTableau埋め込み実装 – 課題意識:データ分析と業務プロセスの統合ニーズ – 技術的ポイント

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日々の営業活動や顧客対応の中で、データに基づく意思決定の重要性が増しています。Salesforceではレポートやダッシュボードを活用できますが、機能においては制限があり細やかな分析には向かないケースもあります。そんな中でSalesforceでCRMデータを管理し、Tableauでデータ分析を行う方法があり、採用している企業も多くあります。しかし、これらのシステムを行き来する作業は、営業担当者やカスタマーサポート担当者の業務効率を下げる原因となっています。

たとえば、商談の状況を確認しながら、その商品カテゴリーの市場動向を分析したい場合、Salesforceの商談画面から別のウィンドウでTableauを開き、必要なダッシュボードを探す必要があります。この往復の手間は、特に顧客との商談中など、スピーディーな判断が求められる場面では大きな負担となります。

この記事では、SalesforceにTableauを埋め込む方法をご紹介します。
Salesforceの画面上で直接Tableauのビューを表示することで、コンテキストスイッチングの負担を減らし、業務の効率化を図ることができます。

Tableau埋め込みの準備と必要な設定

Tableauの埋め込みを始める前に、いくつかの準備作業が必要です。ここでは、設定の手順を詳しく見ていきましょう。
まず、TableauサイトでConnected Appを作成します。これは、SalesforceとTableauの間で安全な通信を確立するために必要な設定です。Tableau Cloud管理者としてログインし、設定メニューからConnected Appsを選択します。

Connected Appの作成画面では、以下の項目を設定します:
アプリケーション名には、用途が分かりやすい名前を付けます。たとえば「Salesforce Integration」のように設定します。認証方式は「OAuth 2.0 Trust」を選択します。これにより、JWTを使用した認証が可能になります。
スコープの設定では、必要最小限の権限を付与することが重要です。通常は以下の権限が必要となります。

  • viewContent:ビューの表示
  • runExploration:分析の実行
  • queryData:データのクエリ

 
設定が完了したら、以下の情報を安全な場所に保管します。

  • クライアントID
  • クライアントシークレット
  • サイトID

次に、Salesforce側での設定に移ります。まず、Tableau組み込みを設定します。ここでTableauの接続情報を保存します。設定画面から「Tableau設定」を開き設定を作成します。

Tableau設定では以下を確認します。

Tableau ホスト対応付けを作成

  • Tableau site URL
  • Tableau site ID
  • Tableau site host type

Tableauビューコンポーネントによる実装

Tableauの埋め込みには、Tableauビューコンポーネントを利用する方法があります。このアプローチにより、開発工数を削減し、迅速な導入が可能になります。

インストールが完了したら、Lightning App Builderでコンポーネントを配置したいページに移動します。コンポーネントリストからTableauビューコンポーネントを選択し、ページ上の任意の場所にドラッグ&ドロップします。
コンポーネントの設定画面で、以下の項目を設定します。

    Tableau ビュー URL: 埋め込みたいTableauビューのURLを指定します。
    その他のオプション: コンポーネントによって異なりますが、タブの表示/非表示、ツールバーの表示/非表示などのオプションが設定できる場合があります。

設定が完了したら、ページを保存して有効化します。これで、Salesforceのページ上でTableauのビューが表示されるようになります。

パフォーマンス最適化のポイント

TableauダッシュボードをSalesforceに埋め込む際、パフォーマンスは重要な考慮事項です。特に、データ量が多い場合や複雑なダッシュボードを表示する場合、パフォーマンスが低下するとユーザーエクスペリエンスに影響を与える可能性があります。

1. データソースの最適化

  • 抽出の利用: Tableauの抽出機能を利用して、必要なデータのみを抽出し、Salesforceから直接データを取得するのではなく、抽出データを使用することで、データ取得のパフォーマンスを向上させます。
  • データのフィルタリング: Tableau側だけでなく、Salesforce側でも可能な限りデータをフィルタリングし、Tableauに渡すデータ量を減らします。
  • 集計済データの利用: Tableau Prepなどのツールで事前にデータを集計し、Tableauには集計済みのデータを渡すことで、Tableau側の処理負荷を軽減します。

2. ダッシュボードの最適化

  • ビューの簡素化: ダッシュボード内のビューの数を減らし、複雑な計算やフィルタを避けることで、レンダリング速度を向上させます。
  • 不要なオブジェクトの削除: ダッシュボード内に不要なオブジェクト(画像、テキストなど)がある場合は削除し、ダッシュボードのサイズを小さくします。
  • パフォーマンス記録の利用: Tableauのパフォーマンス記録機能を利用して、ダッシュボードのボトルネックを特定し、最適化の優先順位を決定します。

3. 埋め込み方法の最適化

  • 非同期読み込み: Tableauダッシュボードを非同期で読み込むことで、Salesforceページの初期表示速度を向上させます。
  • キャッシュの活用: ブラウザキャッシュやTableau Server/Cloudのキャッシュを活用し、ダッシュボードの表示速度を向上させます。
  • コンポーネントの最適化: Salesforce側のコンポーネント(LWCなど)も、必要なデータのみを取得し、効率的な処理を行うように最適化します。

4. サーバーリソースの考慮

  • Tableau Server/Cloud の負荷: Tableau Server/Cloud側のリソースも、埋め込むダッシュボードの利用状況に応じて適切に確保する必要があります。
  • Salesforce側の負荷: Salesforce側の処理負荷も考慮し、Tableauとの連携がSalesforce全体のパフォーマンスに影響を与えないように注意します。

まとめ

SalesforceへのTableauの埋め込みは、データ駆動型の意思決定を促進し、業務効率を向上させる強力な手段です。実装にあたっては、以下の点を意識することが重要です。

  • Connected Appとカスタム設定による適切な連携設定
  • AppExchangeコンポーネントによる柔軟な表示制御
  • Tableauダッシュボードのパフォーマンス最適化

運用開始後は、ユーザーからのフィードバックを収集し、必要に応じて機能の改善や権限設定の見直し、パフォーマンスチューニングを行いましょう。また、TableauやSalesforceのアップデートに合わせて、定期的なメンテナンスを実施することも忘れずに。
このように、適切な計画と実装、そして継続的な改善により、SalesforceとTableauを統合した、高性能かつ効果的なデータ分析環境を構築することができます。

<Salesforce>
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