Salesforceからメールを送信する方法!制限やリストメールなども解説
目次
製品のマーケティングや顧客とのコミュニケーション手段としてメールはよく使われていますが、一般的にターゲットの顧客の数が多くなればなるほど効率的なターゲット選定・コンテンツ作成・配信が難しくなります。
クラウド型の顧客管理(CRM)システムであるSalesforceを使用することで様々な顧客データを管理することができるため、Salesforceからメールを送ることができればメール送信にかかる負荷を軽減することができ、かつ顧客情報漏洩などのセキュリティリスクも軽減することができます。
この記事ではSalesforceから複数の顧客に対して一斉にメールを送信する方法やツールについて解説します。
Salesforceからメールを送信する方法
Salesforceからメール送信する上で必要な方法と注意点を以下に解説します。
- リストメール
- リストメールの制限
リストメール
リストメールとは、事前に定義したリードや取引先責任者のリストに対して一括でメールを送信することができる、Salesforceの標準機能のことです。
リストメールは下記の方法で送信することができます。
①メール送信するユーザのリストを作成
メールを送信するユーザを抽出するために、リストビューの機能を使用します。リストビューの検索条件を使用することで、特定の条件を満たすユーザのみ抽出することも可能です。
例えば下記のサンプルリストビューでは、取引先名に「Grand」が含まれる取引先責任者のみを抽出しています。
②メールテンプレートを作成・選択
このまま抽出したユーザ宛にメールを作成し送信することも可能ですが、事前にメールテンプレートを用意しておくとスムーズかつ同じメールを何度も作成する必要がなくなるため、便利です。
メールテンプレートは、アプリケーションランチャーから「メールテンプレート」と検索をするか、もしくは設定画面から「メールテンプレート」と検索をすることで作成画面に遷移することが可能です。
メールにはオブジェクトの差し込み項目を利用できる他、HTMLやVisualforceを使用して文面を作成することも可能です。
リストビュー上部に表示されている「リストメールの送信」ボタンを押下すると下記のポップアップが表示されるため、挿入するメールテンプレートを選択します。
テンプレートを選択すると、自動でメール件名・本文が入力されます。
③送信(送信をスケジュール)
②のステップで送信ボタンを押下するとメールは送信されますが、今すぐメールを送りたくない場合は、送信をスケジュールすることが可能です。
送信ボタンの横の「後で送信」ボタンを押下すると日時を選択するポップアップが立ち上がるため、ここで日時を設定し、保存することで指定した日時にメールを送ることができます。
リストメールの制限
リストメールはSalesforce標準の機能であるため、カスタムで開発をする必要がなく工数・コストはほとんどかからないですが、制限もあります。以下は代表的な制限です。
文字数制限
リストメールでは、本文に最大で32,000字、件名に最大で3,000字までしか入力することができません。
メールサイズ制限
メールヘッダー・件名・本文・添付ファイルを含んだメールメッセージの最大サイズは35MBです。メールのサイズは、文字セットや文字コードなどによっても変化する場合があります。
レコード数制限
リードもしくは取引先責任者のリストビューから選択できるレコードの数は最大で200件です。
組織のメール送信制限
リストメールは組織の1日のメール送信制限(通常1日当たり5,000人)に含まれます。
App Exchange
Salesforceは、「AppExchange」と呼ばれる専用のアプリケーションストアがあり、アプリケーションをインストールするだけで簡単にSalesforceの機能を拡張することができます。
メール配信機能を要する代表的なAppExchangeはAutobahn for AppExchangeです。
Autobahn for AppExchangeはSalesforceと完全に連動したメール配信アプリケーションであり、他システムに配信リストのダウンロード・アップロードといった面倒な作業を行うことなく、Salesforce内の顧客に対して簡単にメールを配信することが可能です。
Salesforce標準のリストメール機能を使用すると1日に5000件という制限がありますが、Autobahn for AppExchangeでは運営会社のメール配信基盤からメールを配信するため、Salesforceの制限に抵触することなく1日当たりに送信できるメールの数に制限はありません。
また、Salesforce標準のリストメール機能ではメール受信者のリストを作成できる取得元のオブジェクトが標準オブジェクト(リード・取引先責任者・個人取引先)のみ、かつ選択できるレコードの数に制限がありますが、Autobahn for AppExchangeを使用すればカスタムオブジェクトを含む全てのオブジェクトに入っているデータを元にレコード数無制限の受信者のリストを作成することが可能です。
複雑なメール配信の設定を行うのは難しいため高度なメールマーケティングを行いたい場合には向かないというデメリットはありますが、比較的リーズナブルに多数の顧客向けにSalesforceを使用したメール配信を行いたい場合に向いています。
マーケティングオートメーションツールAccount Engagementを利用する
Salesforceが提供しているMA(マーケティングオートメーションツール)、Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot:パードット)を利用するという方法もあります。
マーケティングオートメーションツールを使うことで、顧客リストへのメール一括配信機能だけでなく、より高度なメールマーケティングが可能です。例えば、メールに対する顧客のリアクションを計測することができる「メールの開封/クリック計測機能」や、メールに対する反応やサイト内のアクションを元に顧客の興味・関心度を自動でスコア化するような機能もあります。
単純なメール配信だけでなく、顧客の特定のアクション(会員登録や商品購入、フォームからの問い合わせなど)を起点とし複数回に渡ってメールを自動配信するような複雑なシナリオを設計することも可能です。
シナリオ設計の詳細は以下のブログで解説しているので、参照ください。
◆Engagement Studioのシナリオ作成方法!事例も踏まえ解説
AppExchangeと比較するとマーケティングオートメーションツールを使う方がコストがかかりますが、メール配信に限らず、ランディングページやフォームといったコンテンツの作成やWeb上の顧客行動の可視化などより高度なマーケティング・顧客分析機能を使うことができるため、マーケティング施策を強化したい場合には最適なツールです。
まとめ
今回の記事ではSalesforceから顧客にメールを送信する方法について解説しました。
Salesforceを活用してメールを送信する方法は複数あります、利点と制限があります。
リストメール機能を使用すると、標準機能で簡単にメールを送信できますが、文字数や送信制限が存在します。
App Exchangeを利用すれば、制限を超えることなく多くの顧客にメールを送信できますが、より高いコストがかかる可能性もあります。
また、マーケティングオートメーションツールを導入すれば、高度なマーケティング戦略を展開できますが、それに伴うコストと複雑さも考慮する必要があります。
自社のニーズやコストに合わせて最適なツールを選択することが重要です。
効果的なメールマーケティングを行うためには、顧客のニーズを把握し、適切なタイミングでメールを送信することが鍵となります。
メール送信時の制限や手法を把握し、それを最大限に活用することで、より多くの顧客に対して効果的なコミュニケーションを実現できます。
Salesforceは様々な拡張機能やアプリケーションを提供しており、自社のビジネスニーズに合わせた最適なツールを選択することで、顧客との関係構築やマーケティング活動の向上につながるでしょう。
自社の状況や目標に基づいて最適なメール送信戦略を展開し、Salesforceの機能を最大限に活用してください。
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