Salesforceのオブジェクトにおける参照や主従など関係性を理解しよう!
目次
顧客の情報入手の在り方が多様化されている現代では、迅速な情報連携がビジネスに求められています。インサイドセールスが軸となりつつある現代の営業活動では、組織内の取引先データをシームレスに入手できることが求められるでしょう。
Salesforceでは、組織でつなぐリレーション機能をカスタマイズできます。さまざまな可能性を広げられるリレーション機能には、2つの種類があることを知っていましたか?
オブジェクトをつなぐ2つのリンク概念「参照関係」と「主従関係」です。この記事では、複雑な組織の関係性をカスタマイズできるリレーション項目の設定について説明しましょう。
Salesforceのリンクでつなぐ関係性から見えてくるもの
営業担当者が取引先のデータをチェックする際は、何らかの過去の接点または今後の接点があったことを予測できます。その場合、接点を追跡することで見えてくるものがあるでしょう。つまり、リンクを追いかけることで見えてくる関係性になります。たとえば、次のような関係から見えてくるリンクです。
営業担当のAさんが取引先企業の担当者数名と打ち合わせた経験があったとしましょう。打ち合わせから数日後、Aさんは取引先オブジェクトを確認します。これは自然の流れです。取引先オブジェクトには打ち合わせをした企業の担当者だけが含まれているわけではありません。そこには、企業の経営層や管理者などが紐づいています。このように担当者同士でつながりができれば、さらに関係性を構築していく機能がSalesforceに備わっています。
Salesforceでは、取引先と取引先責任者のリレーション機能です。今回例にあげた取引先の経営層までつながっている状況は、標準で用意されている参照関係があるからです。
オブジェクトとオブジェクトをつなぐリレーションについて
Salesforceでは、組織内のつながりに対して関係性が構築されています。そのため、先ほどのリレーションが予測できます。
ひとつのオブジェクトと別のオブジェクトをレコードでつなぐには、2つのリレーションについて理解が必要となります。オブジェクトとオブジェクトをつなぐ機能は、Salesforceにおいてひんぱんに使われる機能です。2つの異なるオブジェクト同士を関連づける役割があります。
【取引先】
- 取引先名
- 住所
- 電話
上記は、Salesforce組織の取引先オブジェクトの内容です。Salesforceのシステム上、「取引先」は、取引先企業の中で「取引先責任者」と紐づいていることが考えられます。
【取引先責任者】
- 責任者名
- 取引先名←この項目レコードに対して「取引先」がリンクされている
- 連絡先
「取引先責任者」オブジェクトの項目「取引先名」は、「取引先」オブジェクト内のレコードデータを参照しています。
オブジェクトとオブジェクトをつなぐ関係2つの種類
2つの種類は、オブジェクトの項目に対して何らかの関係性を持つ者同士をつなぎます。この項では、2種類の何らかの関係があるリレーションを紹介しましょう。
2つのオブジェクトを参照する「参照関係」
リレーションの基本となる参照関係は、2つのオブジェクトの項目同士をつなぐ関係です。先ほどの例では、「取引先名」と「取引先」オブジェクトをつなぐリレーションが該当します。「取引先」オブジェクトは、「取引先責任者」オブジェクトに含まれる「取引先名」項目のレコードを参照している状態です。
参照関係は、関係性の中でも「参照する」だけの実行になるため、緩やかです。
絶対的な関係でつながる「主従関係」
主従関係になると、オブジェクトとの厳格で密接なリレーションまたはリンク関係となります。主が上位にあり、主から従へ、従から副従へとリレーションを構築します。主従関係は、縦社会の系図のようなイメージを持つと理解しやすいかもしれません。
2つの主従関係をつなぐ多対多関係
Salesforceのオブジェクト関係において、2つの主従関係をつなぐ多対多関係は、複雑なデータモデルを構築するために非常に有用です。この多対多関係は、1つの主従関係を持つオブジェクトと別の主従関係を持つオブジェクトをリンクすることで、データのリレーションを拡大できます。
たとえば、主従関係と別の主従関係は、多対多関係ができるためリレーションの拡大が可能です。具体的には、1つの主従関係ともうひとつの主従関係をレコードでリンクします。リンクするレコードは、複数のレコードに対して実行できます。
多対多関係の基本概念
通常、Salesforceでは1つのオブジェクトが他のオブジェクトに対して1対多または多対1の関係を持ちます。しかし、ビジネス要件によっては、1つのオブジェクトが複数のオブジェクトと多対多の関係を持つ必要があります。例えば、1つのプロジェクトに複数の担当者が関わり、各担当者が複数のプロジェクトに関与する場合が該当します。
中間オブジェクトの役割
多対多関係を実現するためには、中間オブジェクト(または連結オブジェクト)を使用します。この中間オブジェクトは、2つの主従関係を持ち、それぞれの主オブジェクトに対して子オブジェクトとして機能します。これにより、複数のレコード間のリンクを実現します。
主従関係でカスタムオブジェクトを作成
参照関係と同じような設定になりますが、主従関係の作成手順も紹介します。
- 「設定」を開く
- 「オブジェクトマネージャ」を選択
- 任意のオブジェクトを選択
- サイドバーから「項目とリレーション」を選択
- 「新規」アイコンを選択
- 「データ型の選択」ステップから「主従関係」にチェック
- 「次へ」を選択
- 関連先リストから該当の項目を選択して「次へ」を選択
- 「項目の表示ラベル」に該当のユーザを入力
- 「項目名」に該当の項目名を入力
- 「子リレーション名」に該当の項目名を入力
- 「次へ」を2度選択して「関連リストの表示ラベル」に任意の名前を入力
- 「保存」で完了
参照関係でカスタムオブジェクトを作成
参照関係を作るには、次の手順で実行します。
- 「設定」を開く
- 「オブジェクトマネージャ」を選択
- 任意のオブジェクトを選択
- サイドバーから「項目とリレーション」を選択
- 「新規」アイコンを選択
- 「データ型の選択」ステップから「参照関係」にチェック
- 「次へ」を選択
- 関連先リストから「ユーザ」を選択して任意のユーザを設定
- 「項目の表示ラベル」に該当のユーザを入力
- 「項目名」に該当の項目名を入力
- 「子リレーション名」に該当の項目名を入力
- 「次へ」を2度選択して「保存」の選択で完了
主従関係を構築するうえでの注意事項
先ほど解説した主従関係の作り方の際に、関係を持たせるカスタムオブジェクトがデータを持っている場合は関係構築できない仕様になっています。作成できない理由は、カスタムオブジェクトに外部キーとなる新規の項目が追加されるためです。
もし、先述した手順で主従関係が構築できなければ、対策としてオブジェクトが持っているデータを削除する必要があります。ただし、データの削除対象となるオブジェクトにレコードが多く残っている場合は、次の方法をおすすめします。
主従関係の場合は、データを持つカスタムオブジェクトにより作成できませんが、それぞれのデータ項目が空白のままで設定できる参照関係であれば作成が可能です。
まとめ
この記事では、Salesforceのデータ連携機能の概念、オブジェクトとオブジェクトをつなぐ概念を解説してきました。リレーションの関係性についてご理解いただけたでしょうか?
インサイドセールスでは、組織内のデータをいかに効率よく入手できるか?が明暗を分けます。そのために、オブジェクトをつなぐ関係性の構築について、状況をふまえた活用で対応してみましょう。企業の特徴や取引先との関係性にあわせてカスタマイズしてみてください。
Salesforceの醍醐味は、データの連携がシームレスな点です。基本的にビジネスが拡大していく方向性を持った機能が備わっています。一つひとつの特徴を活かした設定を試してみましょう。
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