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飲食店・レストランで覚えておきたいKGI・KPI その①売上と費用と利益の基本

小売業、飲食業、製造業など、どの業態の店舗でも「目標」の設定はとても大事です。目標を設定せずその時々の感覚や判断だけで店舗運営するのはとても危険です。
具体的に目標設定を行い将来的にどのようになりたいのかを明確にすることにより、しっかりと望む結果に導くことができます。
この目標設定に大きな役目を果たすのがKGIやKPIです。

この記事では、飲食店やレストランの経営で覚えておきたい、目標達成のための重要なKGIやKPIを紹介していきます。

KGI・KPIっていったいどんなもの?

まずは簡単にKGIとKPIの言葉の説明を行います。

KGIやKPIに関する詳しい説明は下記のブログで扱っておりますので、あわせてご参照ください。

①KGIとはなにか?

KGIとはKey Goal Indicatorを省略したもので、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。
企業や組織、チーム、個人が目標を目指して活動する際に、企業全体で目指すべき目標をKGIと言います。
飲食店やレストランでは「売上◯◯円を達成し、10年以上の持続的な運営を図っていく」といった目標がKGIとなるでしょう。

②KPIとはなにか?

KPIとはKey Performance Indicatorを省略したもので、日本語では「重要経営指標」「重要業績指標」などと訳されます。
KGIと比較し、設定される目標が現場や日業業務レベルとなり、一般的な社員やスタッフであればことらを用いることが多いでしょう。

飲食店やレストランのKPIの例として「店舗の月間売上高を◯◯円達成する」や「1日の来店人数を××人以上にする」などが挙げられます。

③KGIとKPIの関係性

KGIとKPIにはそれぞれ役割があります。KGIは全社的な目標設定であり、KPIはそれに基づく各目標です。
KGIを基準に、数多くのKPIがツリー状に構築されていると考えるとイメージがしやすいでしょう。
そしてKGIの目標はKPIの各目標が達成されることにより、目標達成されるものでなければなりません。KGIとKPIの目標が乖離してしまうと経営者層と現場スタッフとの間にスキマが生まれてしまうでしょう。

飲食店・レストランで考えるKGI


飲食店やレストランで考えるKGIとしては以下のようなものがなどが挙げられるでしょう。

  • 「全店舗年間売上高をこの先5年間で◯◯億円達成する」
  • 「この先3年間の全店舗数を××件まで到達する」

自社の設定している経営理念やビジョンに即し、設定することにより各店舗で働く社員やスタッフにも、このKGIが共有されやすくなるでしょう。
ただし自社のことばかりに気を取られ内部環境だけを考えて設定してはいけません。社会動向や景気状況などの外部環境をしっかりと把握し、現実味のあるKGIにしてください。
飲食店やレストランは特に景気に左右されやすい業界だと言えます。景気が冷え込んできているにも関わらず強気なKGIを設定してしまうと、地に足がつかず的確に目標達成ができなくなってしまいます。

飲食店・レストランで考えるKPI


飲食店やレストランで用いられるKPIには様々なものがあります。このKPIを的確に設定することにより、店舗としてしっかりと利益を出し、継続的な経営を行っていくことができます。
今回は複数店舗をチェーン展開する飲食店・レストランの各店舗からの視点で紹介していきます。

①店舗売上高

真っ先に考えなければならないのは「売上」です。売上はそのビジネスの販売力を表す数値であり、この売上が下がってしまうとそのビジネスの収益力が下がってしまい、事業を継続することができません。財務諸表の損益計算書でも1番上に書かれることから、非常に大切な数値であることが分かります。

店舗売上高のKPIの設定は、全社的に設定されている全社売上高から落とし込んでいきます。仮に10店舗を展開する全社目標年間売上高を10億円とすると、1店舗あたりの目標年間売上高は1億円となります。そして月間目標売上高は約850万円となります。そして1日目標売上高は約30万円となるのです。

整理すると、各KPIは年間1億円、月間850万円、1日30万円の売上高となります。
ただし毎日必ず同じ売上高で販売することはあり得ません。一般的に飲食店やレストランでは平日に比べ土日に多くのお客さんが来るでしょう。また連休の多い5月や9月なども売上が多くなりやすいでしょう。これに対し2月や8月はなかなか売上が伸びにくいとも言われています。

平均化して売上目標を立てることも目安として大切ですが、お客さんの来店予測を立て日々の売上目標を設定していくことが良いでしょう。

②店舗利益高

売上高も大切ですが利益をしっかりと出すこともどのビジネスにおいても大切です。どんなに大きな売上を出していても、費用がかさみ赤字になっていては元も子もありません。コスト管理も徹底し収益化を図っていくことが大切なのです。

利益の算出方法は当然ながら下記の方法で計算することができます。

利益 = 売上 - 費用

飲食店やレストラン経営での主な費用は、材料費や人件費、店舗費用、水道光熱費、宣伝費用などが挙げられます。
また出店時に発生する初期費用もあります。これらのコストをしっかりと管理することにより、収益性が悪化した時に的確な打ち手を導きやすくなるのです。

費用の種類を分けて考える 変動費と固定費とは?


費用といっても一律に管理をすると、実態を把握することは難しくなります。ここではどの業界でも良く使われる、変動費と固定費に分けて考える方法をご紹介いたします。

変動費と固定費

費用は変動費と固定費に分けることができます。今回は材料費を変動費、人件費、店舗費用、水道光熱費、宣伝費用を固定費と設定します。

変動費は販売に比例して発生する費用のことを指します。仮に売上が0円だとすれば、変動費も0円となります。一般的に飲食店やレストランの食事の材料費の目安は売値に対し30%程度、飲食店の業態により異なりますが、原価率の高いドリンクまで含めると50%程度となります。と言われています。この数値を下回ってしまうと来店客の満足度は下がり客足は落ちてしまい、この数値を上回ると薄利多売になり利益を出しにくくなってしまいます。材料費の目標値はこの比率を目安とすると良いでしょう。

これに対し固定費は売上が0円でも必ず発生する費用です。一般的に人件費、店舗費用、水道光熱費、宣伝費用などがこれにあたります(人件費はアルバイトなど売上予測に基づいて配置する場合は変動費として取り扱うこともあります。)。
飲食店やレストランの経営では、この固定費を賄えるだけの売上を確保する必要があります。これを損益分岐点売上高と呼びます。次にこの損益分岐点について説明していきます。

損益分岐点売上高と固定費の配賦方法

損益分岐点売上高という言葉を聞いたこともある方もいるでしょう。損益分岐点売上高とは固定費をちょうど賄える売上高を損益分岐点と言います。いわゆる利益がトントンの状態です。損益分岐点売上高の算出方法は以下のように計算できます。また材料費と人件費は費用の大部分を占めることになり、簡易的にFL比率で考えることもできます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ { ( 売上高 − 変動費 ) ÷ 売上高 }
FL比率=(食材費+人件費)/売上高

この固定費の各営業日への費用の配布方法は、主に2つに分けられます。その方法として固定費を単純な日割りで計算する方法と、売上予測に基づきその比率で配賦する方法です。この方法には税務や会計の明確なルールはありませんので、自分たちの経営に即して行っていただければと思います。

「日割り」の方法はその文字通り単純な日割り計算となります。仮に年間の固定費が3650万円であれば1日あたりの固定費は10万円になります。ただし飲食店やレストランの売上高は毎日一定ではありませんので、この固定費を賄いやすい土日などの営業日と賄いにくい平日などの営業日が出てしまいます。

このため「売上予測に基づきその比率での配賦」がより経営状況に即していると言えるでしょう。ただし簡便な日割り計算とは異なり、しっかりと日々の売上予測を元に算出しなければなりませんので、時間と手間がかかってしまうでしょう。ただしどちらにおいても固定費額は変わりませんので、この固定費を賄えるだけの売上を確保することが、最低目標値であると言えるでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?今回は飲食店やレストラン経営で覚えておきたいKGIとKPIを売上と費用、利益の観点から紹介しました。
いくら頑張って売上をあげてもなかなか利益が上がらないと悩んでいる方は、まずこの売上・費用・利益の観点から収益構造を確認し、KPIを再設定してみてはいかがでしょうか?

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