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飲食店・レストランで覚えておきたいKGI・KPI その②来店予測から考えるKPI

飲食店やレストランの経営はお客様が来店してくれて成立するビジネスモデルです。
どれだけのお客様が来店し食事をしてくれるかでその店舗の売上高が決まってきます。

その①で紹介した売上と費用と利益を来店予測からどのようにKPIを設定していくのかを紹介していきたいと思います。

売上と費用と利益の基本

こちらではその①で紹介した売上と費用と利益の基本的な考え方をおさらいしていきます。
売上とはその店舗ごとでの販売した金額であり、この売上高が高いほどその店舗の販売力が高いと言えます。ここから日々の営業で必要な費用を差し引いた金額が利益となります。利益の算出方法は「利益=売上-費用」です。

費用には変動費と固定費があり、変動費は売上に比例して発生する費用、固定費は売上が0円でも発生する費用のことを言いました。日々の営業ではこの固定費を賄えるだけの売上を計上する必要があります。固定費をちょうど賄えるだけの金額を損益分岐点売上高と呼び、この売上高を越えると稼いだ分だけ利益とすることができるのです。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。
[blogcard url=”https://frogwell.co.jp/blogs/restaurant1-kpi/”]

来店予測から考えるKPI


飲食店やレストランの来店客数はそのお店の面積数や座席数に関係します。お店の面積数や座席数が大きければ大きいほど、収容できる客数も多くそれだけ大きな売上を上げることが期待できます。しかしながら総じて面積数や立地条件などに比例して賃借料が増加します。もちろんお店を運営するために必要なスタッフも増加します。それは固定費である賃借料や人件費が増加するということになり、毎日の最低目標売上高となる損益分岐点売上高も増加するということになるのです。そしてこの最低目標売上高を下回ってしまえば、赤字となり経営が苦しくなってしまうことになるのです。

①1日の来店客数

11日に何人のお客様が来店してくれるかは、そのお店の売上や利益などの経営状況に大きく影響してくれます。また飲食店やレストランであれば、事前に材料をどれだけ仕入れ仕込みを行うべきかの判断材料になります。

11日の来店客数の上限は「座席数×営業時間/平均滞在時間」で算出できます。あるお店の座席数が50席、営業時間が10時間、平均滞在時間が1時間と仮定すると、11日の来店客数の上限は500人となります。ただしこの人数は、そのお店が常に満席状態で運営されている状態となり、現実はこのようにはいきません。

飲食店やレストランのお客様が来店しやすい時間帯は昼食や夕食の時間です。この時間帯は比較的満席に近い状態で運営を行うことができるでしょう。しかしながら開店時間すぐや閉店時間間際に満席で営業することはなかなか難しいです。もちろん午後の2時から5時の間のアイドルタイムと言われる時間帯も満席にすることは難しいでしょう。一般的にはランチタイムとディナータイムにそれぞれ何人のお客様が来てくれるかを、これまでの営業実績から判断することになるでしょう。

また満席状態でもすべての座席を稼働させることも現実的ではありません。一見すると矛盾したようにも聞こえてしまいます。しかし4人掛けのテーブルを3人で利用した場合には、その座席の稼働率は75%となってしまいます。相席のお店や、すべてカウンター席のお店であればこの問題も解決しやすいでしょう。しかし満席状態を稼働率100%と認識するのは現実的ではないでしょう。理論値で算出するのではなく、営業の実態に即してKPIを設定することがよいでしょう。

②平均客単価

平均客単価は来店し食事をしてくれたお客様が1人あたり平均いくらの飲食をしてくれたのかを表しています。「平均客単価×来店客数」がそのお店の売上高となります。
平均客単価はそのお店の立地条件や食事のグレードなどにより変わってきます。

立地条件としては、駅近のレストランなのか郊外型のレストランなのか、人通りの多い立地なのかそうでないのかなど様々な条件があります。また高級食材を扱ったレストランなのかファーストフードなのか、食事のグレートによっても平均客単価は変わってきます。またゆったりとした座席を提供すれば平均客単価は上がりますし、限られたスペースに多くのお客様を案内すれば平均客単価は下がるでしょう。
この平均客単価の目安は出店地域の周囲のお店を確認してみると良いでしょう。ぐるなび、たべログ、ホットペッパーグルメなどのサイトなどでも調べることができます。どのくらいの客単価をKPIとして設定するのが良いのか悩んだら、周囲のお店の状況と比較してみると良いかもしれません。

予測と結果の比較分析


KGIやKPIはその目標を設定するだけではいけません。その目標と設定していた数値予測と、実際の営業結果との差を分析する必要があります。ここまで行って初めて目標として設定したKGIやKPIに意味が生まれ、その次に設定するKGIやKPIがより具体的になるのです。

①1日の来店客数の予測と結果の比較分析

1日の来店客数の予測方法

1日の来店客数の上限は「座席数×営業時間/平均滞在時間」で算出できます。そしてこれはあくまで理論値であり、一般的にはランチタイムとディナータイムにそれぞれ何人のお客様が来てくれるかを予測することが現実的です。

1日の来店客数の予測と結果の比較分析の第1歩として、このランチタイムとディナータイムでそれぞれ目標人数を達しているかを調べます。目標を達成できなかった時に「1日の目標来店人数」という観点だけで考えてしまうと、具体的にどの時間帯で問題が発生しているのかが見えなくなってしまいます。「1日の目標来店人数を30人下回ってしまった」という結果があったとしたら、「ランチタイムで30人下回り、ディナーでは目標をちょうど達成した」という場合もあれば、「ランチタイムで50人上回り、ディナーでは20人下回った」という可能性もあるのです。

来店客数を時間帯を分けて考える

より細かく分析をするのであれば時間単位で調べてみると、より具体的に問題の解決策が見つかるかもしれません。仮に「ランチタイムで50人上回り、ディナーでは20人下回った」という結果に対し、「ディナーでは20人下回った」という問題を解決したいのであれば、ディナータイムの営業時間帯を細分化して調べることになるでしょう。そこで「19時から20時の間で10人、20時から21時の間で15人下回った」という結果が分かれば、どの時間帯に改善を行っていくのかが見えてくるかもしれません。そして「それ以外の時間帯で5人上回っているのだろう」という仮説も立つのです。

②平均客単価の予測と結果の比較分析

平均客単価の予測方法

平均客単価は来店し食事をしてくれたお客様が1人あたり平均いくらの飲食をしてくれたのかを表しています。この金額には食事はもちろん飲み物代やデザート、サービス料、物販など様々な商品の金額が含まれています。そして平均客単価は常に毎日同じ金額ということはあり得ません。一般的にランチタイムとディナータイムで平均客単価は変わります。この他に休日前には「明日は休日だからお酒を飲んで帰ろう」となり、平均客単価が増加することもあります。この他に給料日前となる月末では来店客の節約志向が高まり、平均客単価は上がりにくくなるでしょう。この他にもボーナス時期の後や入学式や卒業式などのイベントシーズンでは客単価が上がる可能性もあります。

平均客単価の予測と結果の比較

平均客単価の予測と結果の比較分析の第1歩として、食事や飲み物代やデザート、サービス料、物販などどの商品カテゴリーで平均客単価に予測と結果の差が生まれているのかを調べます。休日前にも関わらずアルコール類の飲み物の売上が伸びていないのであれば、飲み物の提供方法を工夫する必要があるかもしれません。家族連れのお客様が増えるイベントシーズンでありながら、デザートが伸びていないのであれば、そのようなお客様に注文してもらえるようなデザートを考える必要があるでしょう。

このように来店してくれるお客様層やニーズを分析し、自然と注文をしてくれるようなサービスを展開すれば、自ずと平均客単価は伸ばすことができるのです。ただしそのお店の展開するサービスによって平均客単価の上限があります。極端な言い方ですが、ファーストフード店で平均客単価1万円を超えることはなかなか無いでしょう。

最後に

いかがでしたか?
来店客数や平均客単価の目標設定をし、それを目指して営業活動を行うことにより、売上予測と売上結果を導き出すことができます。そしてその予測に見合ったコストを支払うことにより、収益性を確保していくこともできるのです。
数字を管理することが手間と感じ、避けたくなってしまうこともあるでしょうが、売上とそれに対する費用を正しく分析することにより、しっかりと利益を出せる経営を行うことができるのです。昨今のPOSシステムでは、上記のようなKPIに関わる数値が、簡単に取り出せるものも増えておりますので、そのような機能も十分に使えば、あまり難しいことではないかと思います。

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