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業務に内包するリスクを明確化!オペレーショナルエクセレンスの流儀

オペレーショナルエクセレンスは、業務を標準化する概念です。オペレーショナルエクセレンスは、単なるオペレーションの標準化ではなく、競合優位性の持続を持った標準化になります。では、オペレーションの標準化で考えられるリスクは、どのような部分になるのでしょうか?

この記事では、オペレーショナルエクセレンスを実行するうえで、改善が必要となる3つのリスクについて解説します。オペレーションの標準化を模索している経営層は、業務に内包するリスク回避のヒントとして、ぜひお役立てください。
オペレーショナルエクセレンスとは

業務に内包するリスクを知る

オペレーショナルエクセレンスの導入は、業務に内包するリスクを知り、的確なリスク回避が必要です。次の3つのリスクが業務の標準化を妨げる要因となります。

  • 業務の肥大化・複雑化
  • 業務の属人化
  • 業務の陳腐化
  • 業務オペレーションには、これら3つのリスクが内包しているだけではありません。常にオペレーションの進化を必須事項にしていなければ、元に戻る危険性もあります。そのため、3つのリスクを自社の状況に置きかえて定期的なチェックが必要です。

    業務の肥大化/複雑化


    業務の肥大化とは、具体的にどのような状態を表現するのでしょうか?業務の肥大化とは、利益につながらない周辺業務が増えている状態のことです。

    規模の小さい企業では、不文律な環境でも円滑な業務になることも少なくありません。ただし、人数が増えるうちに、組織が拡大すれば業務も増え続けていきます。オペレーションが定まっていないと、業務の肥大化や複雑化は進む一方です。業務の肥大化は、次のような要因で弱体化していきます。

  • 仕事をこなすための仕事をしている状況
  • 成果を焦り短期的な施策に出ている状況
  • 仕組みと会社風土を作ろうとしない状況
  • 組織に慢心が起きている状況
  • 業務の階層化が起きている状況
  • 業務の肥大化は、利益につながらない周辺業務を増やします。利益につながらない周辺業務は、次のとおりです。

  • 社内での過剰な根回し(組織内営業)
  • 過剰な社内告知(ルールの増大化)
  • 過剰な稟議プロセス(管理コストの増加)
  • インシデント対応の増加(社員間トラブルの増加)
  • 利益につながらない周辺業務は、過剰な業務となり、顧客に対して価値を生まない業務を増やしてしまいます。企業規模が拡大して、周辺業務が増えることは、基本的に全社共通認識に必要な「報告・連絡・相談」の業務を増やすことです。そのため、必然的に業務は肥大化し、複雑なルールにもなります。

    オペレーショナルエクセレンスの流儀による観点

    業務の肥大化や複雑化をオペレーショナルエクセレンスの流儀で対処するには、徹底したオペレーションの標準化を目指すことが必要です。組織内での根回しやルール、管理コストなどが増える要件をすべてデータにより可視化する必要があります。

    業務の属人化

    業務の属人化は、社内に標準化されたマニュアルのない典型的な状態です。社内で業務の標準化が施されていないと、特定の担当者の知識やスキルに依存することが考えられます。

    属人化は、特定の担当者だけに依存してしまうため、業務効率は著しく低下するでしょう。さらに、専門分野に秀でている特定の担当者は、知識やスキルの社内引継ぎにも大きく影響します。会社の資源を社員個人に委ねなければならない状況です。このような状況が業務の属人化になります。

    業務の属人化は、放置したままにしておくと、担当者の退職によりノウハウが残らなくなることがデメリットです。ポイントは、「人と業務の切り離しができるか?」になります。

    オペレーショナルエクセレンスの流儀による観点

    業務の属人化は、オペレーショナルエクセレンスの流儀の観点から判断すると、持続的競合優位性の重要ポイントとなる「継続」ができなくなります。業務を人と結びつけないことが重要です。そのためには、特定の人ありきの業務マニュアルではなく、徹底した数値化によるオペレーションの構築が必要になります。

    業務の陳腐化

    業務の陳腐化は、外部環境要因によるものです。多様化の進む現代では、顧客の求める成果や価値が変化しています。いままで定番にしていた取引にしても、オンライン上で交わす電子取引が業界のスタンダードとなれば、対応は不可欠です。対応が遅れることがあれば、機会損出にもなります。

    業務の陳腐化は、内部事情ではなく外部環境の影響が大きく占めるリスクです。そのため、常に顧客の求める環境分析を続ける必要があります。

    オペレーショナルエクセレンスの流儀による観点

    業務の陳腐化は、オペレーショナルエクセレンスの流儀で判断すると、標準化のアップデートで対処します。オペレーションは、最新状態を維持するために定期的に更新することをルールにすることです。

    無印良品の良品計画では、「業務基準書」を定期的にアップデートしています。具体的には、3か月に1度の更新がルールです。無印良品の店舗運営マニュアル「MUJI GLAM」は、1カ月に1回の更新がルールになります。良品計画は、あくまでもマニュアルを固定化しない姿勢です。良品計画は、世の中の変化と社員のアイデアを取り入れ、その時点で最適なマニュアルの構築を実行しています。

    オペレーショナルエクセレンスにより変わる業務体系とは?


    オペレーショナルエクセレンスは、今回解説した業務に内包する3つのリスクへの対処になります。いままでの業務体系では、オペレーションを変えることを「定型作業化」や「単純作業化」の観点による変革ではないでしょうか。これからの時代における業務体系は、「自動化」や「自律化」の観点で変革することが大事です。

    業務の属人化や肥大化は、「人」が原因となって起きます。企業規模が大きくなり、社員が増えれば自然に管理業務も増えてきます。特定の担当者でなければ解決できない状態が続けば、担当者とともに会社の成長が止まってしまうでしょう。

    オペレーショナルエクセレンスは、ひとの手による定型化や単純化ではなく、デジタル技術に見える「自動化」や「自律化」を目指す必要があります。その理由は、データ活用やAIの導入が進むDX時代において、競合優位性を維持しなければならないからです。

    オペレーションの見直しは、人の生み出した成果をデータ化して、常にアップデートできる状態を保つことではないでしょうか。オペレーションの標準化を更新可能にするには、経営のデジタル変革は必要不可欠です。自社オペレーションの属人化や陳腐化については、オペレーショナルエクセレンスの概念をもって見直すことをおすすめします。

    まとめ

    今回は、オペレーショナルエクセレンスを阻む企業の業務に内包する3つのリスクについて解説してきました。3つのリスクは、小規模経営において課題とならないことが特徴です。そのため、企業の成長にはオペレーションの見直しが不可欠になるでしょう。

    スタートアップでは、3つのリスクを残したままだと、成長戦略の足手まといになることが考えられます。そのため、自社の状況に置きかえて、「属人化していないか、陳腐化していないか?」など、見きわめることが重要です。

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