ナレッジの一括更新方法 Salesforceのアーカイブ・ドラフト機能とデータローダーを活用した管理方法をわかりやすく解説
目次
ナレッジ記事は、顧客や社内ユーザーに役立つ情報を提供するための重要なツールです。Salesforceナレッジを使用することで、FAQやトラブルシューティングガイドなどを効率的に共有できます。しかし、多数のナレッジ記事を管理していると、更新作業に手間がかかる場合もあるでしょう。
この記事では、Salesforceの標準機能である「アーカイブ機能」と「ドラフト機能」を活用した、公開済みナレッジ記事の一括更新方法を紹介します。
この方法を使えば、複数のナレッジ記事をまとめてドラフト状態にし、効率的に更新作業を行うことができるようになります。
Salesforceナレッジの基本機能
Salesforceのナレッジは、組織内やお客様向けなどに必要な情報を提供するためのとても強力な機能です。記事の作成、バージョン管理、公開、検索など、様々な機能を提供しています。ナレッジ記事は、社内ナレッジベース、顧客向けセルフサービスポータル、パートナーポータルなど、様々なチャネルに向けて公開することができます。
なぜナレッジ記事の一括更新が必要なのか?
企業が成長するにつれて、製品やサービスに関する情報も増加します。顧客からのフィードバックや社内からの改善提案など、時代や状況の変化に対応するために、ナレッジ記事の内容を定期的に更新することが非常に重要です。
しかし、このような状況下で1件ずつナレッジ記事を更新するのは非効率です。ドラフト機能を活用した一括更新は、管理者の負担を軽減し、最新の情報に基づいたナレッジを迅速に提供することを可能にします。
ドラフト機能とは?
ドラフト機能とは、ナレッジ記事を一時的に非公開状態の編集可能な状態にすることができる機能です。ドラフト状態の記事は、編集者や承認者だけが閲覧・編集できます。公開済みの記事を編集する場合は、まずドラフト状態にしてから編集作業を行う必要があります。
公開済みの記事はデータローダーでは更新不可
データローダーはとても便利なツールですが、公開済みのナレッジ記事を直接更新することはできません。これは記事の整合性を保ち、誤った更新を防ぐための制限です。基本的に、更新するには1件ずつドラフトとして編集する必要がありますが、多数の記事を更新する場合、非常に時間のかかる作業となります。
アーカイブ機能とドラフト機能を活用するメリット
アーカイブ機能とドラフト機能を活用した一括更新には、以下のようなメリットがあります。
ミスの削減:一括更新することで、更新漏れや誤った内容を公開してしまうリスクを減らすことができます。
アーカイブ機能とドラフト機能を活用した一括更新方法
アーカイブ機能とドラフト機能を活用することで、複数のナレッジ記事をまとめてドラフト状態に移行し、一括更新することができます。具体的な手順は以下の通りです。
リストビューで公開情報をドラフトへ一括更新する方法
まず、編集したい記事を公開からドラフトに変更する方法をご紹介いたします。
- Salesforceにログインし、「Knowledge」タブを選択します。
- 公開済みの記事のうち、一括で編集したい記事を選択します。
- 右上の「アーカイブ」ボタンをクリックします。
- ポップアップが表示されたら「アーカイブ」ボタンをクリックします。
- 記事のアーカイブが完了したら、リストビューから「アーカイブ記事」のリストを選択します。
- アーカイブ記事のうち、一括で編集したい記事を選択します。
- 右上の「復元」ボタンをクリックします。
- ポップアップが表示されたら「復元」ボタンをクリックします。
- アーカイブ記事の復元が完了したら、リストビューから「ドラフト記事」のリストを選択します。
- 一括で編集したいレコードがドラフトになっているかをリストビューで確認します。

以上で、公開記事を一括でドラフト記事に更新することができました。
上記のような手順を踏むことで、本来であれば1つ1つドラフト記事に手動で変更しなければならないものを、一括でドラフト記事に変更することが可能です。
リストビューで公開情報を一括更新する際の注意事項
- リストビューでは一度に最大 200 件までレコードを選択することができます。一括で編集したい記事が200件以上ある場合は、上記の作業を複数回実施していただく必要があります。
- アーカイブできる記事はドラフトのない公開記事のみです。アーカイブできない場合はドラフト記事を削除した後に再度アーカイブを実行してください。
- アーカイブ機能は公開済みの記事と翻訳が削除されます。これによって、組織の Salesforce ナレッジチャネルや外部の公開サイト上で社内ユーザーおよび顧客に表示されなくなります。アーカイブする記事やタイミングを十分に考慮した上で実行してください。
- ご紹介した記事をドラフト状態に一括で更新する方法は標準でサポートされている方法ではありません。
ドラフト記事をデータローダーで更新
次に、ドラフト記事をデータローダーで一括更新をしていきます。
※データローダーのインストールが完了していない場合は、「データローダーのインストール手順」を参考にご使用になるデバイスにインストールしてください。
記事のエクスポート
まずは記事を一括で編集するために、レコードデータをエクスポートしていきましょう。
- データローダーを開き、「Export」をクリックします。
- OAuthまたはPassword Authenticationを利用してログインします。
- 「Show all Salesforce Object」のチェックボックスをオンにします。
- 検索ボックスに「Knowledge」と入力し、「ナレッジ (Knowledge__kav)」を選択します。
- 「Export to(CSV file)」からナレッジ記事をエクスポートする場所とファイル名を選択します。
- 「Next」ボタンをクリックします。
- 「Choose the query fields below:」セクションからエクスポートする項目を選択します。ID、更新の対象である標準項目またはカスタム項目を選択します。
- 「Create the where clauses to your query below:」セクションから公開状況
- 「Finish」ボタンをクリックしてエクスポートを完了します。

(PublishStatus)がドラフト(Draft)のレコードを条件として選択します。
記事データの編集
- Microsoft ExelやGoogle Spreadsheetなど、任意のアプリケーションで対象の項目を編集します。
- 編集が完了したら、csvファイルとして保存します。
記事の更新
次にデータローダーを用いて記事を更新していきましょう。
- データローダーを開き、「Update」をクリックします。
- OAuthまたはPassword Authenticationを利用してログインします。
- 「Show all Salesforce Object」のチェックボックスをオンにします。
- 検索ボックスに「Knowledge」と入力し、「ナレッジ (Knowledge__kav)」を選択します。
- Import from (CSV file):」から作成したCSVファイルを選択します。
- 「Next」ボタンをクリックします。
- 作成したCSVの項目名(CSV Column Header)とSalesforceの項目名(Salesforce Object Field Name)が一致してることを確認します。
- 「Next」ボタンをクリックします。
- 「Results Folder:」セクションで成功ファイルとエラーファイルの保存場所を選択します。
- 「Finish」ボタンをクリックします。

データローダーで記事を一括更新する際の注意事項
- データローダーは最新バージョンを使用することが推奨されています。動作がうまくいかない場合などは最新バージョンをインストールしてお使いください。
- データローダーを使用して編集できる記事はドラフト記事のみとなります。
- データローダーでは、ドラフト記事を公開記事にするなど、記事の公開状況を更新することはできません。上記でご紹介した通り、Salesforceのリストまたはレコードごとに手動で公開する必要があります。
記事の公開
最後にSalesforceの画面から編集したドラフト記事を公開していきましょう。
- Salesforceにログインし、「Knowledge」タブを選択します。
- 「ドラフト記事」リストから公開する対象の記事を選択します。
- 「公開」ボタンをクリックします。
- 必要に応じて、公開のスケジュールを設定します。
- 「公開」ボタンをクリックします。

以上でナレッジ記事の一括更新が完了しました。アーカイブ機能、ドラフト機能、データローダーを活用することで記事の更新を効率化できることをご理解いただけたのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、Salesforceのアーカイブ機能とドラフト機能を活用したナレッジ記事の一括更新方法を紹介しました。この方法を使えば、管理者は効率的にナレッジ記事を更新し、最新の情報を利用者に提供することができます。ドラフト機能はSalesforceの標準機能であるため、追加費用や複雑な設定なしで利用できます。今すぐこの方法を試して、ナレッジ管理の効率化を図りましょう。
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