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BtoB製品のセールスにおける商談5段階ステージとリード管理手法

BtoB製品をセールスする場合は、顧客視点のセールスプロセスが必要です。顧客視点のセールスプロセスの方法には、リード管理と商談の5段階ステージがあります。

スタートアップは、顧客視点のリード管理により、クロージングを目的とした商談の機会がセールスの重要なポイントです。
今回は、BtoB製品のセールスにおける商談5段階ステージとリード管理手法「SCOTSMANS」を紹介します。BtoB製品のセールスについて、具体的な手法を探しているスタートアップの経営層は、ぜひ参考にしてみてください。

BtoB製品のセールスにおける商談5段階ステージとは

スタートアップでは、BtoB製品のセールスにおいて商談に役立つステージの5段階分けがあります。5段階ステージは、商談においてクロージングまでステップ分けしたものです。

5段階ステージの紹介

商談における5段階のステージは、次のようなステップで分けられます。

ステージ1:見込み客以上で商談前の段階
ステージ2:ビジネス課題を認識している段階
ステージ3:製品に対して評価及び選定している段階
ステージ4:最終的な交渉段階
ステージ5:最終決定者の稟議段階

企業のパフォーマンスを向上させるスループット

企業のパフォーマンスを向上させるには、スループットを最大にすることが重要です。スループットとは、「一定の時間内でどれだけの業務を処理できるか?」の処理能力になります。処理能力が低ければ、業務のパイプライン上で、どこに処理能力を低下させる課題があるか?見つけることが必要です。スループットを最大化することは、企業の生産性を向上させる役割になります。

5段階ステージによりそれぞれの課題を明確化

ステージを5段階に分ける理由は、セールスで対応中の顧客がどの位置にいるか明確にするためです。5段階に分けることにより、対象顧客の課題部分が明確になります。スループットのパイプラインと同じく、どの部分が課題になるのか?明確化できれば営業業務の生産性を高められるでしょう。

ステージごとに振り分けた段階は、それぞれに課題が明確なことが重要です。ここで忘れていけないポイントが、顧客視点になります。決して、スタートアップ視点でプロセスを設定しないことです。

セールスに必要なリード管理手法「SCOTSMANS」


スタートアップには、セールスで必要なリード管理法があります。このリード管理法は、「顧客のこの状態に対して、このような提案やヒントを出して欲しい」というイメージでプロセスの再構築が必要です。

プロセスの再構築を目的にしたリード管理法のフレームワーク「SCOTSMANS」を紹介します。SCOTSMANSは、見込み客の確度を確かめフレームワークです。それぞれの要素は、次のようになります。

SituaitionのS:先方企業担当者の立場
CompetitionのC:競合他社
OpportunityのO:機会
TimeframeのT:導入想定時期
SizeのS:見込める規模
MoneyのM:先方の想定予算
AuthorityのA:決済権限の有無
NeedsのN:必要性
SuccessのS:導入後の未来・成功状態の想定

SituaitionのS:先方企業担当者の立場

見込み客になる企業の担当者は、「どのような立場に置かれているか?」など、具体的な理解が必要です。たとえば、先方企業の担当者は、「どのような課題を抱えている状況か?」を明確にします。

CompetitionのC:競合他社

見込み客になる企業担当者は、自社の提案以外に「どのような類似製品を検討しているのか?」または、「自社製品にはない代替案の検討をしているのか?」など、競合他社に対する顧客状態の明確化です。

OpportunityのO:機会(期待・条件)

商談のステージに対して、Opportunityは見込み客と製品の機会をあらわします。見込み客は、製品に対して「どのような期待を持っているか?」や、「どのような条件ならば導入を検討するか?」などステージごとに要素を視覚化することが可能です。

TimeframeのT:導入想定時期

導入想定時期は、顧客が製品導入を想定する時期を要素に組み込みます。

SizeのS:見込める規模

導入時期と同時に判断するべきなのは、製品導入の規模感です。企業担当者の見込める規模を明確にすることも重要となります。

MoneyのM:先方の想定予算

導入想定時期と見込める規模が明確になれば、自然と先方の予算も明確にすることが大事です。先方の導入時期や規模、予算が商談ステージごとに変化することで顧客企業の状況の変化を把握できます。

AuthorityのA:決済権限の有無

決裁権限の有無は、顧客企業の決裁者を明確にする項目です。見込み客の状態を深掘りするにあたって、「誰が決裁者か?」が重要になります。企業担当者が決裁権を持っているのと、企業担当者が決済を上長に打診するのとでは状況が大きく異なるからです。

NeedsのN:必要性

見込み客となる企業担当者は、製品に対して「どの程度の必要性を持っているか?」についても、商談の段階ごとで理解しておくべき要素となります。必要性は、低いニーズのまま商談を進めても成果につながらないことが考えられるため、大事な見極めになるでしょう。

SuccessのS:導入後の未来・成功状態の想定

導入後の未来は、顧客のベネフィットの部分です。商談の段階において、見込み客は製品導入後の成功を「仮想体験しているか?」や、「イメージできているか?」がポイントとなります。とくに、製品の導入による具体的な成果を数値としてイメージできれば、説得力のある訴求が可能です。

BANTとの違い


見込み客の状態のフレームワーク化は、SCOTSMANSだけではありません。一般的には、BANTという4つの指標で分析するフレームワークがあります。

BANTとは

BANTは、次の4つの指標から形成されるBtoB営業で使われるフレームワークです。

Budget(予算)
Authority(決裁権)
Needs(ニーズ・需要)
Time frame(導入時期)

BANTでは、上記の4つを顧客への質問として設定します。BANTは、顧客ヒアリングで使われる指標が4つに凝縮されているため、より細分化した分析を実行するには、SCOTSMANSが必要です。

SCOTSMANSのメリット

SCOTSMANSの効果は、売り切り型のセールスではなく、購入後の長期的な関係性の維持になります。SCOTSMANSは、商談のステージごとに見込み客の状態の変化を可視化できるフレームワークです。そのため、商談のボトルネック部分も見つけやすくするメリットがあります。

商談の第1ステージ:見込み客だけど商談までたどり着いていない状態の顧客

冒頭で紹介しましたが、SCOTSMANSをあてはめる商談のステージは5段階あり、受注確度は段階が進むにつれて高くなるのが特徴です。

第1ステージは、見込み客だけど商談までたどり着いていない状態の顧客になります。最初の段階となるので、商談してみて確度が低い場合、インサイドセールスの初期設定に問題があることも考えられるでしょう。具体的には、営業担当に送客された見込み客の製品や業界知識など、リテラシーが低いと更なるリード育成のコストが必要になります。商談の初期ステージの顧客状態をSCOTSMANSで表すと次のとおりです。

SituaitionのS:先方企業担当者の状況把握は正しいか
CompetitionのC:強力な代替案が存在していないか
OpportunityのO:企業担当者に期待されているか
TimeframeのT:見込み客にとって緊急性があるのか
SizeのS:今回の案件の規模はどれくらいか
MoneyのM:見込み客は予算を確保できるか
AuthorityのA:意思決定者は誰か
NeedsのN:顧客企業にとってのニーズは何か
SuccessのS:この顧客と契約が成立した場合、成果や価値を生み出せるのか

このように、ステージごとのSCOTSMANSをあてはめて顧客状態を明確にします。

データ参照文献:『起業大全』ダイヤモンド社:著者・田所雅之

まとめ

今回は、スタートアップのセールスについて、具体的な営業手法を解説してきました。顧客視点のセールスプロセスをより具体化する方法は、商談のステージを段階分けして見込み客の状態ごとにあてはめていくことが大事です。

商談の第1段階には、「見込み客だけど商談までたどり着いていない状態の顧客」が該当します。
第1段階のポイントは、「第2段階へ進められる状態か?」を判断することが必要です。

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