Tableauでウォーターフォールチャートを作成する方法を分かりやすく解説
目次
- 1. ウォーターフォールチャートとは?
- 1.1 ウォーターフォールチャートの利用メリット
- 2. ウォーターフォールチャートの完成イメージ
- 3. Tableauでウォーターフォールチャートを作成する手順
- 3.1 【Step1】棒グラフを作成する
- 3.2 【Step2】メジャーフィールドを累計に変更する
- 3.3 【Step3】グラフタイプをガントチャートに変更する
- 3.4 【Step4】マイナスの計算フィールドを作成する
- 3.5 【Step5】マークカードに追加する
- 3.6 【Step6】合計を表示する
- 4. ウォーターフォールチャートのビジネス活用シーン
- 4.1 売上分析:増減要因の分解
- 4.2 利益分析:コスト構造の可視化
- 4.3 予実分析:計画との差分を把握
- 4.4 マーケティング分析:施策ごとの効果測定
- 4.5 人事・組織分析:人員変動の把握
- 5. ウォーターフォールチャートを活用する際のポイント
- 6. まとめ
データを視覚的にわかりやすく表示し、ビジネスのインサイト(洞察)を引き出すためには、適切なツールが不可欠です。その中でもTableauは、非常に直感的で強力なデータ可視化ツールとして広く利用されているBIツールです。
Tableauで利用可能なグラフタイプの中でも、特に「ウォーターフォールチャート」は売上やコストなどの数値の増減を視覚的に表示し、全体の流れを把握するのに非常に役立ちます。
そこでこの記事では、Tableauを使ってウォーターフォールチャートを作成する方法を、初心者にも分かりやすく解説します。
ウォーターフォールチャートを活用することでデータの累積的な変動を一目で理解し、ビジネスデータの詳細な分析を行えるようになるでしょう。
このガイドを参考にすることで、Tableauでのデータ可視化スキルが向上し、より深いインサイトを得るための基礎が築けるようになります。
ビジネス分析を深化させたい方や、Tableauの操作に慣れていない方々にとって、この記事が有用なスタートラインとなることを願っています。
ウォーターフォールチャートを活用してデータドリブンな意思決定を実現し、ビジネスの成功に繋げていきましょう。
ウォーターフォールチャートとは?

ウォーターフォールチャートとは、別名「滝グラフ」とも呼ばれ、特定の期間内で数値の増減を視覚的に表示するためのグラフです。
このグラフは各ステップの数値の変動を一目で把握できるため、売上や利益、コストなどの推移を示す際に非常に便利です。
ウォーターフォールチャートの最大の特徴は、開始値から終了値までの数値の累積的な変化を段階的に示すことです。
各棒グラフは、前の段階からの増減を示しており、全体の流れを視覚的に理解しやすくします。
このため、経営分析やプロジェクトの進捗状況を評価する際によく使われています。
ウォーターフォールチャートの利用メリット
ウォーターフォールチャートを利用することで、以下のようなメリットがあります。
1.視覚的な理解
数値の変動が視覚的に明示されるため、データを容易に理解しやすくなります。
2.詳細な分析
各ステップの増減を詳細に分析できるため、問題点や改善点を迅速に特定できます。
3.コミュニケーションツール
複雑なデータを簡潔に表現できるため、ビジネスにおけるプレゼンテーションでの説明が容易になります。
ウォーターフォールチャートの完成イメージ

ウォーターフォールチャートの完成イメージは下図の通りです。このチャートは、各ステップの数値の増減を視覚的に把握できるため、ビジネスデータの分析に非常に有用です。
この図では、利益の増減を各バーで示しています。バーはプラスとマイナスとで色分けし、変化が分かりやすくなるために設定されています。
Tableauでウォーターフォールチャートを作成する手順
それでは実際に、Tableauでウォーターフォールチャートを作成する手順をご紹介していきます。
以下のステップに従い、「地域別の利益」をウォーターフォールチャートで表現します。
なお、今回使用するデータソースは、Tableauに付属している「サンプルスーパーストア」です。
あらかじめTableauにサンプルスーパーストアの「注文」シートを接続しておきましょう。

【Step1】棒グラフを作成する
基本となる棒グラフを作成します。[地域]を列シェルフに、[利益]を行シェルフに、それぞれドラッグ&ドロップします。
また、視覚的に見やすく整理するために、画面上部にあるアイコンをクリックしてデータを「降順」に並べ替えておきましょう。

【Step2】メジャーフィールドを累計に変更する
メジャーフィールド(今回の場合、[利益])の計算方法を「累計」に変更します。
行シェルフにある[利益]を右クリック>簡易表計算>累計 をクリックします。

この操作により、地域ごとの合計利益が累計で表示されるようになります。
累計に変更することで、データの累積的な変動を視覚的に捉えやすくなり、全体の流れが分かりやすくなります。

なお、今回使用した「簡易表計算」の詳しい機能について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事もぜひ参考にしてみてください
◆Tableauの簡易表計算の機能を理解して、実際に使ってみよう!
【Step3】グラフタイプをガントチャートに変更する
グラフタイプをガントチャートに変更します。
マークカードにある「自動」をクリックし、「ガントチャート」に変更するだけです。

この変更により、各データポイントが累計の変動として視覚化され、ウォーターフォールチャートに適した形式となります。
【Step4】マイナスの計算フィールドを作成する
マイナスの計算フィールドを作成します。新しい計算フィールドを開き、以下のような計算式を作成します。

マイナスの値となる計算式を作成することで、各ステップの減少を明確に示すことができます 。
【Step5】マークカードに追加する
先ほど作成した[利益(マイナス)]を、マークカードの「サイズ」にドラッグ&ドロップします。

これにより、利益がプラスの地域は下に向かって棒グラフが伸び、利益がマイナスの地域(北海道)は上に向かって棒グラフが伸びました。
また、あわせて利益のプラスとマイナスで色分けしておくと良いでしょう。
[利益](※[利益(マイナス)]ではない)をマークカードの「色」にドラッグ&ドロップし、「色の編集」から以下の設定を行います。
・「パレット」のプルダウンメニューをクリックし、「赤ー青の分化」を選択
・「詳細」をクリックし、「中央」に✓を入れたうえで「0」と入力

これにより、利益がプラスの地域ほど濃い青色になり、利益がプラスの地域ほど濃い赤色になりました。

また、必要に応じてマークカードの「ラベル」に[利益]をドラッグ&ドロップし、利益のラベルを表示させておきましょう。

【Step6】合計を表示する
利益の合計(総計)の棒グラフを表示します。
アナリティクスペインの「合計」をドラッグしながらViz上に持っていき、「行 総計」のところでドロップします。

次に、VIz上の「総計」を右クリックし、「行合計(左に表示)」をクリックします。

この設定により、グラフの最初に合計が表示され、全体の累計が一目でわかるようになりました。
以上で、ウォーターフォールチャートの完成です。(下図)

なお、上記を応用して、
・列シェルフに[都道府県]を追加
・アナリティクスペインから「小計」を追加
を行うことで、下図のような「地域・都道府県ごとのウォーターフォールチャート」を作成することもできます。

ウォーターフォールチャートのビジネス活用シーン
ウォーターフォールチャートは、単なる増減の可視化にとどまらず、「どの要因が結果にどれだけ影響したのか」を明確にできる点が大きな特徴です。そのため、ビジネスの現場では意思決定や原因分析のために幅広く活用されています。ここでは、実務で特に活用される代表的なシーンを紹介します。
売上分析:増減要因の分解
最も一般的な活用例が売上分析です。単純に「売上が上がった・下がった」だけではなく、その背景にある要因を分解することが重要になります。
例えば、月次売上の変化を分析する場合、以下のような要因に分解できます。
- 新規顧客の増加
- 既存顧客の購買増減
- 値引き・キャンペーンの影響
- 解約や離脱による減少
ウォーターフォールチャートを使うことで、最初の売上から最終的な売上までの変化を、要因ごとに積み上げて可視化できます。これにより、「どの施策が売上に貢献したのか」「どこに改善の余地があるのか」を一目で把握できます。
特に営業会議や経営会議では、単なる数値報告ではなく「ストーリーとして説明できる」点が評価されやすく、ウォーターフォールチャートは非常に有効です。

利益分析:コスト構造の可視化
利益の変動を分析する際にも、ウォーターフォールチャートは有効です。売上だけでなく、コストや利益の内訳を分解することで、収益構造を理解しやすくなります。
例えば、営業利益の変化を分析する場合は以下のように分解できます。
- 売上増減
- 原価の変動
- 人件費の増減
- 広告費や販促費の影響
- その他の固定費
これらをウォーターフォールチャートで表現すると、「どのコストが利益を圧迫しているのか」「どこを改善すれば利益が伸びるのか」が明確になります。
特に、複数部門が関わるコスト構造では、関係者全員が同じ理解を持つことが重要です。ウォーターフォールチャートを使えば、数字の背景を共通認識として共有しやすくなります。

予実分析:計画との差分を把握
予算と実績の差異分析(予実分析)でも、ウォーターフォールチャートはよく使われます。単に「予算より上振れた・下振れた」という結果だけでなく、その原因を分解して説明することが求められるためです。
例えば、売上の予実差異を以下のように分解できます。
- 想定より顧客数が多かった/少なかった
- 単価が変動した
- 特定商品の売上が想定と異なった
- 市場環境の変化

ウォーターフォールチャートを使うことで、「予算→実績」までの差分を要因別に可視化できるため、改善施策の検討がしやすくなります。
このような分析は、経営層への報告だけでなく、現場の改善活動にも直結します。
マーケティング分析:施策ごとの効果測定
マーケティング領域でも、ウォーターフォールチャートは有効です。特に、複数の施策が同時に実施される場合、それぞれの影響を分解して評価することが重要になります。
例えば、Webサイトのコンバージョン数の変化を分析する場合、
- 広告流入の増加
- SEO施策の効果
- UI改善によるコンバージョン率向上
- 離脱率の変化

といった要因に分解できます。
ウォーターフォールチャートを使うことで、「どの施策が成果に寄与したのか」を定量的に示すことができ、次の施策判断につなげることができます。
特にマーケティングでは仮説検証のスピードが重要になるため、このような可視化は意思決定を大きく支援します。
人事・組織分析:人員変動の把握
人事領域でも、ウォーターフォールチャートは活用できます。例えば、社員数の変化を分析する場合、
- 新規採用
- 中途入社
- 退職
- 異動

といった要因に分解することができます。
これにより、「人員が増減した理由」や「どの部門で変化が大きいか」を可視化できます。特に急成長企業や組織再編の場面では、変化の全体像を把握するために有効です。
ウォーターフォールチャートを活用する際のポイント
ウォーターフォールチャートに限った話ではありませんが、「分析の目的に合った項目」が揃っていることこそが、良い可視化への一番の近道です。
データの型を正しく整えるのはもちろん、必要な粒度で自由に行き来できるよう、まずは土台となるデータ整理から始めていきましょう。「正しいデータ」があってこそ、チャートは初めてビジネスの武器になります。
また、実務でウォーターフォールチャートを活用する際は、いくつか意識すべきポイントがあります。
まず重要なのは、「分解の粒度」です。要因を細かくしすぎると、かえって分かりにくくなります。一方で、大まかすぎると分析の意味が薄れてしまいます。目的に応じて適切な粒度で分解することが重要です。
次に、「ストーリー性」です。ウォーターフォールチャートは、単なるグラフではなく“説明のためのツール”です。どの順番で要因を並べるかによって、伝わり方が大きく変わります。
最後に、「他の可視化との組み合わせ」です。ウォーターフォールチャートだけで全てを説明するのではなく、折れ線グラフや棒グラフと組み合わせることで、より深い分析が可能になります。
まとめ
この記事を通じて、Tableauでウォーターフォールチャートを作成する基本的な手順を詳しくご紹介しました。
ウォーターフォールチャートは、数値の増減を視覚的に表示する強力なツールです。
これにより、メジャー項目(売上や利益、コストなど)の推移を一目で把握でき、経営判断やプロジェクトの進捗管理に非常に役立ちます。
ウォーターフォールチャートを活用することで、月次売上の推移を一目で把握し、問題点や改善点を迅速に特定することも可能になります。
ビジネスデータの詳細な分析が行え、より効果的な戦略を立てることにも繋がるでしょう。
Tableauの導入を検討している方々にとって、この記事がデータ分析に取り組むための一助となることを願っています。
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