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在宅医療にかかる地域別データ集とは オープンデータの特徴や活用方法を解説

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終末期の療養場所について「基本的には自宅で療養し、必要になれば医療機関に入院したい」と考える国民の割合が多いことが分かっています。団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、在宅医療のニーズもさらに高まることが予想されるでしょう。

厚生労働省が公表する「在宅医療にかかる地域別データ集」は、全国の在宅医療に関する統計情報をまとめた資料です。将来的な在宅医療の需要を満たすためには、現状の把握が必要です。

今回は「在宅医療にかかる地域別データ集」について、オープンデータの特徴や活用方法を解説します。

在宅医療にかかる地域別データ集とは

在宅医療に関連する統計調査等のデータについて、1,741の基礎自治体別に再集計し、集約したデータ集です。都道府県別及び市区町村別にデータが収集できますので、あらゆる地方の情報を効率的に収集することができます。

在宅医療にかかる地域別データ集に収録されている調査は次のとおりです。各調査から、在宅医療に関するデータが抽出・集約されています。

調査項目

実施機関

内容調査概要

住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査 総務省 ・住民票に記載されている者の数
・世帯数
・住民票の登録、消除の数
医療施設調査 厚生労働省 ・病院、診療所の分布及び整備の実態
・医療施設の診療機能
厚生局届出施設数 地方厚生局 全国の地方厚生局に届出を行っている施設数
介護サービス施設・事業所調査 厚生労働省 全国の介護サービスの体制、内容
人口動態統計 厚生労働省 全国の人口の日々の増減

 

在宅医療にかかる地域別データ集の主な内容

在宅医療にかかる地域別データ集の主な内容は以下の通りです。(最新の令和3年度データを参照しています)

  • 人口
  • 在宅療養支援病院
  • 在宅療養支援診療所
  • 訪問看護ステーション
  • 訪問看護ステーションの看護職員数
  • 介護療養型医療施設病床数
  • 介護老人保健施設定員
  • 介護老人福祉施設定員
  • 小規模多機能型居宅介護事業所
  • 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)事業所
  • 自宅死の割合
  • 老人ホーム死の割合

 関連記事もぜひ参考にしてみてください
    ◆都道府県別・二次医療圏別データ集とは オープンデータの特徴や活用方法を解説
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在宅医療にかかる地域別データ集の活用方法

在宅医療に関連する統計調査等のデータを集約した「在宅医療にかかる地域別データ集」は、在宅医療に関する実態を多角的に把握するのに有用な情報です。「在宅医療にかかる地域別データ集」の活用方法を紹介します。

営業先のターゲットエリアを選定する

都道府県別及び市区町村別に訪問診療や訪問看護を実施している診療所数が分かりますので、数多くの訪問診療や訪問看護を行っている地方自治体がどこなのかが一目瞭然です。

訪問診療向けや訪問看護ステーション向けの商材を販売しているメーカーであれば、どの地方自治体に向けて販売を強化すべきか、ターゲットエリアを選ぶ際に有効な情報です。

提案する商材の在宅医療形態を選定する

ある地方自治体において、施設数が多い在宅医療の形態に合わせた商材を選定するのに役立ちます。

訪問診療している数の多い地方自治体の場合、訪問診療向けの商材を提案すると良いでしょう。
例えば訪問診療向けのエコーが挙げられます。エコーはあらゆる診療科の診療所で使用されるケースの多い医療機器です。特に現在は、訪問診療時に持ち運びのしやすいエコーが重宝されるケースが多いため、一定の需要があります。

特に腹部の臓器に関する機能を診断するための腹部エコーは訪問診療時に必要なケースが多いため、訪問診療を行っている医師に上手く提案できると、新たな顧客獲得に繋がるでしょう。

訪問看護ステーションが多い地方自治体を中心に、訪問看護ステーション向けの商材を提案すると良いでしょう。
例えば医療介護ネットワークシステムが挙げられます。よく在宅医療施設が抱える問題点に「スタッフや患者のリアルタイム情報が分からない」があります。訪問看護に行っている看護師が現在何をしているか、患者が血圧測定をしたかなど、各人のリアルタイムの情報が分からない場合、チームで連携して効率的に医療を進めることは困難です。

そこで活躍するのが医療介護ネットワークシステムです。患者が血圧などのバイタル情報を収集した段階でリアルタイムにデータがクラウドサーバに飛びます。同時に誰がいつ看護をしたのか、診察したのかが分かるようになっていますので、例えば看護師が訪問診療後に診療所に戻り、看護記録として患者のバイタル情報を転記・報告する必要がなくなります。

これにより、大幅な業務効率改善が見込まれるのです。従来行っていた訪問診療時の「二重転記」がなくなるだけで、スタッフの業務負荷軽減に繋がります。

在宅療養支援病院が多い地方自治体を選定する

訪問診療を行っている診療所は、大元の在宅療養支援病院が母体となって経営しているケースも少なくありません。よって、在宅療養支援病院が多い地方自治体をターゲットに営業を掛けていけば、効率的に大元からアプローチができ、ひいては訪問診療を行っている診療所と取引ができる可能性が出てきます。

特に在宅療養支援病院は、訪問診療を行っている複数の診療所の大元であるケースもあるため、1つの在宅療養支援病院と取引ができるようになれば、場合によっては芋づる式で各診療所まで取引を拡大できる可能性もあるのです。

訪問診療実施数が少ない地方自治体で開業支援に注力する

高齢化が進むと同時に、自宅で看取られたいと願う高齢者が増加傾向にあります。その背景には、高齢者の「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」「家族との交流を多く取りたい」と願うニーズがあります。

自宅で看取られたい高齢者人口の増加に伴い、今後ますます訪問診療の需要は増え続けることが予想されていますが、在宅診療ができる診療所や医師の数が不足している事実もあります。
そのため、今後訪問診療を目的とした診療所の開業要望が増えてくることが考察できます。

従って、開業を考えている医師のための開業支援は一定の需要があるでしょう。また、訪問診療がしたい医師と、訪問診療先をうまくマッチングできるサービスが展開できるとビジネスチャンスがさらに広がります。特に訪問診療実施数が少ない地方自治体においても潜在ニーズは必ずありますので、常にアンテナを張って情報収集し、うまく事業として展開できるような仕組みづくりが大切です。

まとめ

高齢者人口が増え続けている現代において、訪問診療数は軒並み増えてきています。今まで通常診療しかしてこなかった診療所も、時代の流れを読み、在宅診療へシフトしてきているのです。この医療情勢にはビジネスチャンスが多く潜んでいるのも事実です。
在宅医療にかかる地域別データ集では、都道府県別及び市区町村別の在宅医療に関する実態が把握できます。

在宅医療にかかる地域別データ集のオープンデータを活用し、在宅医療の需要を満たしたサービスを提供してみてください。

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