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都道府県別・二次医療圏別データ集とは オープンデータの特徴や活用方法を解説

#オープンデータ #都道府県別・二次医療圏別データ集

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日本では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に少子高齢化が最も深刻化することが予想されています。それまでに、各地域の医療需要に応じた医療提供体制を構築する必要があります。そのために、地域の医療ニーズを把握する手段として活用できるのが、都道府県別・二次医療圏別データ集です。
今回は都道府県別・二次医療圏別データ集に関するオープンデータの特徴や活用方法について、解説します。

都道府県別・二次医療圏別データ集とは

都道府県別・二次医療圏別データ集とは、日本医師会総合政策研究機構が地域医療の向上を目的として作成している資料です。地域ごとに必要な医療資源を検討するための客観的データとして、2012年から作成されています。

都道府県別・二次医療圏別データ集の主な内容は、二次医療圏別の医療施設、医療従事者、介護施設や介護サービス職員の多寡、在宅医療に関わるデータなどです。

上記データを共通の指標を用いて示しています。さらに、直近の医療施設調査や介護サービス情報公表システム、DPC評価分科会などのデータを使用して関連指標の更新を行っています。

二次医療圏データ集を構成する2つの要素

都道府県別にまとめられた二次医療圏データ集は、「概要レポート」と「資料編」で構成されています。概要レポートは、都道府県全体と二次医療圏別に分けて記載されています。
2020年4月に公開された第8版を参考に、「概要レポート」と「資料編」の概要について詳しく見ていきましょう。

概要レポート

概要レポートでは、「地域ならびに医療介護資源の総括」「推移」「医療密度・周産期カバーエリア」という3つのテーマで成り立ちます。

資料編

資料編では、各医療圏の人口あたり医療資源量の相対的な位置づけを知るために「偏差値」を用いて、各項目を図表で示しています。図表では、偏差値の高低をセルの色分けで表示しているため、各都道府県の抱える問題が浮き彫りになります。偏差値の計算式は次の通りです。

A医療圏のB項目の偏差値
=50 + (A医療圏のB値 ー Bの全国平均値)÷ Bの標準偏差 × 10

都道府県別・二次医療圏別データ集のデータ内容


都道府県別・二次医療圏別データ集は、具体的にどのような内容が掲載されているのかを、2020年4月に公開された第8版を参考にご紹介します。地域医療の現状把握に役立つ情報が豊富なので、ぜひ参考にしてみてください。

概要ー地域ならびに医療介護資源の総括
・地域の概要
・医療の現状
・介護施設や在宅ケアの現状
【地域の概要】
人口や面積、人口の将来予測、医療費と介護給付費についての情報が公開されています。

【医療の現状】
入院医療の充実度や医師・看護師の現状、一般病床等の現状や療養病床の現状が記載されています。
他にも、リハビリや精神病床、診療所の現状が記載されています。

【介護施設や在宅ケアの現状】
介護施設の現状や在宅ケアの現状、2025年の介護の需要予測が記載されています。

人口と医療需要 総人口の推移についてこれまでの推移の仕方と、2025年の推移予測の情報が記載されています。
概要ー推移
・病院数、診療所数、総病床数、医師数の推移
・一般病床の推移
・療養病床の推移
【病院数、診療所数、総病床数、医師数の推移】
各医療機関の数や病床数の推移、医師の推移が細かく記載されています。

【一般病床の推移】
一般病床数の推移の変化をグラフ化しています。

【療養病床の推移】
療養病床数の推移の変化をグラフ化しています。

急性期医療密度指数マップ 急性期医療密度指数マップとして、福岡県のマップ上に密度の高い箇所と低い箇所が分かるように色分けして表示されています。
分娩医療機関への所用運転時間 分娩医療基幹への所要運転時間を、所要時間ごとに色分けして表示しています。
地理情報・人口動態 地域ごとの人口動態を、人口増減率の情報と合わせて記載しています。
一人当たり医療密度指数、介護充足度指数 一人当たりの急性期・慢性期医療密度指数を地域別で算出し、75歳以上の介護充足度を表にして表しています。
国保の医療費・地域差指数、全体の介護給付費 地域ごとの医療費や地域差指数、介護給付費を示しています。
後期高齢者の医療費・地域差指数 後期高齢者に絞った医療費・地域差指数を明らかにしています。
病院数、診療所数 各地域ごとの病院数や診療所数を示しています。
診療所数(全体、無床、有床) 特に診療所に関するデータで、無床診療所や有床診療所、全体数を示しています。
病院総病床数、診療所病床数 地域ごとの病院総病床数、診療所病床数を示しています。
病院病床数(一般病床、療養病床、精神病床) 一般病床、療養病床、精神病床に特化したデータです。
回復期リハビリ病棟病床数と地域包括ケア病棟病床数 回復期リハビリ病棟と地域包括ケア病棟の病床数を示しています。
公的病院病床数、民間病院病床数 公的病院病床数や民間病院の病床数を地域ごとに示しています。
全身麻酔件数、分娩件数(年間) 地域ごとにおける年間の全身麻酔件数、分娩件数を示しています。
医師数(総数、病院医師数、診療所医師数) 地域ごとの医師数(総数、病院医師数、診療所医師数)を示しています。
専門医数(総合内科、小児科、産婦人科) 地域ごとの(総合内科、小児科、産婦人科)を示しています。
専門医数(皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科) 地域ごとの専門医数(皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科)を示しています。
専門医数(精神科、外科、整形外科) 地域ごとの専門医数(精神科、外科、整形外科)を示しています。
専門医数(泌尿器科、脳神経外科、放射線科) 地域ごとの専門医数(泌尿器科、脳神経外科、放射線科)を示しています。
専門医数(麻酔科、病理、救急科) 地域ごとの専門医数(麻酔科、病理、救急科)を示しています。
専門医数(形成外科、リハビリテーション科) 地域ごとの専門医数(形成外科、リハビリテーション科)を示しています。
看護師数(総数、病院看護師数、診療所看護師数) 地域ごとの看護師数(総数、病院看護師数、診療所看護師数)を示しています。
総療法士数と薬剤師数 地域ごとの総療法士数と薬剤師数を示しています。
在宅医療施設数(在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、訪問看護ステーション) 地域ごとの在宅医療施設数(在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院、訪問看護ステーション)を示しています。
総高齢者施設・住宅定員数、介護保険施設定員(病床)数、高齢者住宅定員数 地域ごとの総高齢者施設・住宅定員数、介護保険施設定員(病床)数、高齢者住宅定員数を示しています。
老人保健施設(老健)定員数、特別養護老人ホーム(特養)定員数、介護療養病床数 地域ごとの老人保健施設(老健)定員数、特別養護老人ホーム(特養)定員数、介護療養病床数を示しています。
有料老人ホーム定員数、軽費ホーム定員数、グループホーム定員数 地域ごとの有料老人ホーム定員数、軽費ホーム定員数、グループホーム定員数を示しています。
サービス付き高齢者専用賃貸住宅(サ高住)定員数 地域ごとのサービス付き高齢者専用賃貸住宅(サ高住)定員数を示しています。
介護サービス従事看護師数(介護施設、訪問看護)(常勤換算) 地域ごとの介護サービス従事看護師数(介護施設、訪問看護)(常勤換算)を示しています。
介護サービス従事介護職員数(介護施設等、在宅介護)(常勤換算) 地域ごとの介護サービス従事介護職員数(介護施設等、在宅介護)(常勤換算)を示しています。
在宅医療・介護サービス利用者数(月間) 地域ごとの在宅医療・介護サービス利用者数(月間)を示しています。
総人口の推移と医療需要の増減(医療費ベース) 地域ごとの総人口の推移と医療需要の増減(医療費ベース)を示しています。
病院数の推移 地域ごとに病院数の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。
診療所の推移 地域ごとに診療所の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。
医師数の推移 地域ごとに医師数の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。
総病床数の推移 地域ごとに総病床数の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。
一般病床数の推移 地域ごとに一般病床数の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。
療養病床数の推移 地域ごとに療養病床数の推移を、2004年から2018年までのデータを含めて示しています。

都道府県別・二次医療圏別データ集の活用方法


都道府県別・二次医療圏別データ集は、開業時の地域選定や営業リストの作成に活用できます。それぞれの活用方法は次の通りです。

開業地の選定に活用できる

開業する際は、開業予定地において、競合が少ないかを見極める必要があります。その意味で、都道府県別・二次医療圏別データ集は極めて有用です。各診療科の専門医数が明確化されているからです。例えば自身が精神科であれば、このデータを活用し、精神科が少ない地域を割り出し、その地域で開業すれば競合が避けられるというわけです。
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効率的に営業をかけることができる

全身麻酔件数を確認することができます。この情報を活用することによって、購買力のある施設をある程度ターゲティングすることでき、効率的な営業を仕掛けることができるのです。
全身麻酔はその特性上、通常の手術に比べてコストが掛かります。それ故に、全身麻酔をやっている施設=購買力のある施設であると予想することができるのです。
施設がターゲティングできれば、あとは手術室向けの製品を中心に麻酔科医などに提案していくと良いでしょう。

まとめ

都道府県別・二次医療圏別データ集のオープンデータは、日本医師会総合政策研究機構が公開している信憑性の高いデータです。
このオープンデータを活用することで、開業時の参考データとして活用したり、効率的な営業活動をする上での情報として活用できます。

1人でも多くの人々がこのオープンデータを有効活用し、情報共有していくことができれば、地域全体の医療の質の向上が期待できるでしょう。

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