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サブスクリプションビジネスで覚えておきたい経営指標

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はじめに

サブスクリプションビジネスをご存知ですか?デジタル領域で採用する企業が増加していますが、その領域はデジタルのみに止まらず、非デジタル領域の企業でも採用する企業も増加してきています。今回はこのサブスクリプションビジネスの領域で覚えておきたい経営指標を紹介していきます。

サブスクリプションビジネスとは

サブスクリプションビジネスとは、顧客が商品やサービスの利用料金に応じて料金を支払うビジネススタイルのことを言います。従来の小売りや製造業のような商品を仕入販売や製造販売を行う形式とは異なり、商品やサービスの供給者が顧客から料金を受け取ることで、商品やサービスを一定期間利用して頂くことになります。一般的に料金形態は月額や年額で定額となっており、主なサービスとしてAppleミュージックやAmazonプライムなどがあります。しかしながら近年はこのようなデジタルコンテンツに止まらず、カーシェアや洋服レンタルなどのデジタルコンテンツ以外のビジネスでも採用され始めています。

急成長するサブスクリプションビジネス

サブスクリプションビジネスの中でも、「SaaS(Software as a Service)」と呼ばれる市場が急成長しています。SaaSとは「必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェアもしくはその提供形態」のことを言います。このSaaSの世界市場はスマートキャンプ社の調査では9.7兆円に達すると言われ、年間成長率も役20%となっています。
このSaaSという言葉が日本で注目され始めたのは、2008年頃と言われています。IT革命も熟成されオンラインで膨大なデータが集積されるようになったことで実現できるようになったと考えられます。

そして、SaaS ビジネスはここ数年でさらに注目を集めています。毎月のようにSaaS サービスが誕生するだけでなく、大企業も新規事業として果敢に投資しています。
SaaSビジネスはクラウド技術などのテクノロジーを活用し高い収益性を安定して継続的に確保することができます。新たな商品やサービスが登場し続ける市場の中で、企業が淘汰されることなく生き残るためには、サブスクリプションビジネスの特性を理解し、経営指標の活用とKPIへの落とし込みが必要となるのです。

サブスクリプションビジネスで覚えておきたい経営指標

チャーンレート

チャーンレート(顧客の解約率)は、サブスクリプションビジネスで最優先に理解し把握しなければならない指標です。ビジネスが導入期にあるときにはこのチャーンレートを測定する必要はありません。しかしながら会社が成長し成熟期に移行するにつれ、提供するサービスの解約率を把握し最小限に抑えることが重要になってきます。
チャーンレートには以下の2つの計算方法があります。

カスタマーチャーン=当月内に解約したアカウントの数/前月のアカウント総数×100(%)
レベニューチャーン=当月内に解約したアカウントがサービスに支払った金額/当月の収益×100(%)
アカウント数で把握するのか支払金額で把握するのかの違いとなります。

例として10万人の顧客を保有するサービスの月間カスタマーチャーンレートが5%となると、毎月5,000人の顧客を失うことを意味します。1人あたりの契約料金が1,000円とすれば、月間売上が500万円減少してしまうことになります。もしこの問題を解決するためにはチャーンレートと同じアカウント数である5,000人の顧客を新規で獲得しなければならないことが分かります。

ARPAとARPU

この2つの指標はどちらもいわゆる「平均客単価」を表した指標となります。ARPA(Average Revenue per Account)は、1アカウントあたりの平均売り上げを示す指標、ARPA(Average Revenue per Account)は、1アカウントあたりの平均売り上げを示す指標、ARPU(Average Revenue per User)は、1ユーザーあたりの平均売り上げを示す指標です。この2つの違いは平均売上高をアカウントあたりで算出するかユーザーあたりで算出するかです。

ARPAとARPUの算出方法は
ARPA=売り上げ÷アカウント数
ARPU=売り上げ÷ユーザー数
となります。例として月間の売り上げが2億円でユーザー数が4万人であれば、月間のARPUは5,000円です。1ユーザーあたり1アカウントを保有するサービスであればARPAとARPUに差はありませんが、1ユーザーが複数のアカウントを保有するようなサービスであればこの2つに差が生じてきます。

複数の料金プランを設定しているサービスでは、顧客の単価を上げることにより売上高を上昇させることができます。またARPAやARPUが低下傾向にある場合は、低額の料金プランへ顧客が流れていることが予想されます。事業の収益性を維持上昇させるためにも是非捉えていてほしい指標です。

MRRとARR

MRR(Monthly recurring revenue)は1ヵ月間に顧客全員から得た収益、ARR(Annual recurring revenue)は1年間の見込み収益です。

計算方法は
ARR = MRR × 12
となります。

サブスクリプションビジネスでは月額や年額の定額サービスとなっています。このことから1ヶ月間の収益から、年間の収益が容易に予測できます。単純な計算ではMRRに12ヶ月をかければ算出できますが、ここにチャーンレートや新規獲得率を盛り込むとより現実的な数値となるでしょう。またサブスクリプションビジネスの業界は非常に変化が早く、常に新しいサービスが誕生しています。1度契約したらなかなか変更しにくいサービスであるという側面もありますが、より魅力的な競合サービスが登場することにより、自社のサービスが陳腐化してしまう可能性もあります。安易なARRを用いるのではなく、あくまで予測として市場環境に則した考え方を持ちましょう。

コホート分析

「経営指標=数値管理」という考えに偏りがちですが、顧客ユーザーをグループごとに分類しその動向や定着率を分析することも重要です。ちなみにコホートとは「仲間・グループ」という意味です。コホート分析とは、ユーザーの行動をグループ化し、そのグループごとの指標を数値化して分析するというものです。グループの分類方法はそのサービスやビジネススタイル、顧客ターゲットなどで多岐に渡ります。

例として中学1年生から中学3年生までをターゲットとするサブスクリプションビジネスで説明します。2020年の顧客内訳は各学年で10万人ずつ合計30万人いるとします。時間が経つにつれ中学生は成長し、高校生などになっていきます。そうすると新規獲得を行わなかった場合2021年の顧客内訳は進級した中学2年生と3年生の各10万人の合計20万人となり、顧客数が10万人減少してしまいます。ARPUが5,000円としたら5億円の売上高減少となってしまいます。これではビジネスの先行きは大嵐です。このため新しく中学1年生になる小学6年生へのサービス利用のアプローチが必要となるのです。学習塾や勉強アプリなどはこのような流れに近いかもしれません。

この他にも5年以上前に高校生や大学生で流行したスマートフォンのゲームアプリが、現在では20代から30代前後の社会人が利用していることがあります。常に新しいゲームが登場するので、新たな高校生や大学生は新たに流行っているゲームで遊び始めますので、この層へのアプローチは難しいのかもしれません。ただし高校生や大学生が社会人なることにより所得が増加します。顧客数が減少しても追加課金などによってARPAが増加すれば、収益性を確保しサービスの維持継続ができるのです。

最後に


いかがでしたか?サブスクリプションビジネスでは、顧客を増やさずに利益を上げ続けることはできません。

またストック型のサブスクリプションビジネスでは、継続した顧客の確保と維持が必要不可欠になります。常に新たなサービスが登場する市場の中で継続的な成長を達成するためにも、各経営指標に時間的観点を盛り込んでKPIを設定し、事業に役立てていただければと思います。

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