Pardotフォームハンドラーは、拡張性が高いためカスタマイズしたフォームを外部と連携して活用できないか?考えている担当者は少なくないでしょう。Pardotのフォームハンドラーは、外部との連携が可能です。
本記事では、Pardotフォームハンドラーの外部連携について解説します。今回の連携対象は、自社サーバやCMSのWordPressです。リモート中心でビジネスを展開している企業担当者は、ヒントにしてみてください。
目次
フォームハンドラーと自社サーバの連携
Pardotのフォームハンドラーと自社サーバの連携について解説します。自社サーバにデータ送信の必要がある場合とは、次のようなケースです。
たとえば、プロスペクトがフォームに入力したデータをPardotで連携しているユーザの自社サーバへデータ登録が必要なときに必要となります。
外部ベンチャーと連携している場合は、考えられるケースです。このようなケースにおいて、自社サーバとPardotのフォームハンドラーを連携する実装方法があります。
Pardotフォームハンドラーにデータがあることが前提
自社サーバとPardotのフォームハンドラーを連携するには、Pardotフォームハンドラーにデータがあることが前提です。Pardotフォームハンドラーにデータを送信するには、Pardotのフォームハンドラーをカスタムフォームを実行URLに設定する必要があります。
実行URLの設定により、プロスペクトの新規cookieをブラウザから自動取得が可能となります。自動取得により、Pardotで管理するプロスペクト登録として関連付けが可能です。
フォームハンドラーの「データ転送の有効化」を使ったデータ送信
自社サーバにPardotのプロスペクトのデータを送信する場合は、フォームハンドラーの設定となる「データ転送の有効化」をアクティブにします。「データ転送の有効化」によりPardotのデータ転送が可能です。設定では、自社サーバの場所を「フォームハンドラーが成功した場所」として指定する必要があります。
iframeを活用した自社サーバとの連携
iframe要素を活用した自社サーバとの連携について解説しましょう。自社サーバに送信する既存のカスタムフォームがある場合は、フォームアクション属性から自社サーバにデータ送信します。
設定では、自社サーバの場所を「フォームハンドラーが成功した場所」として、iframeを活用した指定が必要です。iframeにより、ユーザが使うブラウザから新規cookieを自動取得できます。設定により、プロスペクトのデータ経由でPardotに登録される連携が可能です。フォームが自社サーバに送信されると、次のような手順が必要になります。
- ユーザが利用するブラウザからPardotのビジターIDを取得
- フォームハンドラーもしくはAPI経由でプロスペクトのデータをPardotに送信
- PardotのAPIを検索して該当するプロスペクトIDを検出
- APIのビジターオブジェクトで「割り当て」を使用
- ビジターIDとプロスペクトIDを関連付け
上記の設定では、フォームハンドラーがキオスクモードになっている必要があります。キオスクモードにする理由は、フォーム登録したすべてのプロスペクトがcookie処理の対象とならないためです。キオスクモードとは、特定の用途のみ利用できる制限の設定を指します。
PardotフォームハンドラーとCMS「WordPress」を連携させるには
PardotフォームハンドラーとCMS「WordPress」を連携させるには、次のような手順が必要です。
WordPressのプラグイン検索から「Pardot」をインストール
WordPress のプラグインには、「Pardot」プラグインがあります。プラグインページの検索フォームに「Pardot」と入力すると見つかります。Salesforce公式より提供されているプラグインです。WordPressのPardotのプラグインをインストールしましょう。
SSO認証設定
2022年2月よりPardotの認証方式がSalesforceに一元化されました。そのため、外部ツールとの連携では、SalesforceのSSO認証用の設定の必要があります。手順は、次のとおりです。
- 「設定」を開く
- 「アプリケーションマネージャ」を選択
- 右上部の「新規接続アプリケーション」を選択
- 作成画面上でアプリケーション名の入力
- API名の入力
- メールアドレスの入力
- 「OAuth設定の有効化」にチェックを入れる
- 「コールバックURL」:「選択したOAuth範囲」を以下のように入力
「https://自分のウェブサイトドメイン名」/wp-admin/options-general.php?page=pardot」 - 「保存」ボタンを選択
- 確認画面が表示されたら「次へ」を選択
- 作成できた接続アプリケーションを開く
- 「コンシューマ鍵」の値と「コンシューマの秘密」の値をメモする
- Pardot の「ビジネスユニットID」をチェック
- 右上の歯車マークから「マーケティング設定」を開く
- 「Pardot アカウントの設定」を開く
- 「コンシューマ鍵」の値と「コンシューマの秘密」の値を手動入力
以上がSalesforce上の設定です。
WordPress上のプラグイン設定
Salesforce上の設定が完了したら、WordPressにインストールした「Pardot」の設定をしましょう。以下のように項目を設定します。
Authentication Type:Salesforce SSOの設定
Consumer Key:設定した「コンシューマ鍵」の値を入力
Consumer Secret:設定した「コンシューマの秘密」の値を入力
Business Unit ID:ビジネスユニットIDを入力
HTTPSの使用の有無:SSL化のため使用するを選択
「設定を保存」を選択
設定に間違いがなければ、「Authenticate with Salesforce」ボタンがアクティブ表示されます。設定が完了すると、Salesforce側で権限要求画面が表示されるため、「許可」をクリックしましょう。許可が完了すると、「Authenticated with Salesforce SSO」が表示されて完了です。フォーム上でコンバージョンしたときのトラッキング用キャンペーンを指定してトラッキングコードを取得します。
Pardotフォームハンドラーで作成したフォームをWordPressで呼び出す
WordPressプラグイン「Pardot」の設定が完了したら、Pardotでフォームハンドラーを作成します。作成したフォームをWordPressで呼び出せれば完了です。
- WordPressダッシュボード上から「投稿」または「固定ページ」項目でクラシックパネルを呼び出す
- クラシックパネルの管理機能上の「P」を選択
- フォーム選択画面が表示されたらフォームを選択
- フォームの「幅」と「高さ」、「class属性」を指定
- 「挿入」アイコンを選択
挿入アクションを実行すると、フォームにショートコードが挿入されます。動作確認は、プレビュー画面からチェック可能です。以上でPardotフォームハンドラーとWordPressの連携が可能となり、接続ができます。
Pardotフォームハンドラーの注意点
Pardotフォームハンドラーを使う場合は、注意すべき点があります。ここでは、エラーを起こしかねない状況を紹介しましょう。
まとめ
今回は、Pardotフォームハンドラーの連携について解説してきました。フォームハンドラーでは、自社サーバとの連携が可能です。また、WordPressとの連携ではWordPressプラグインを使って設定します。ただし、設定の段階で間違えてしまうとエラーを返されることが考えられます。そのため、Pardotフォームハンドラーを使うときの注意点で、エラーの起きる状況を紹介しました。エラーが起きる原因が設定によるものか、リードのフォーム入力によるものか判断基準として役立ててください。詳しい設定内容については、Pardotを扱うベンダーのサポート活用をおすすめします。