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オープンデータの活用事例10選!無料データを活用してビジネスを加速させる

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日本におけるオープンデータの種類は多岐にわたっており、地方が活性化することを目的とした事業や、健康維持・増進を目的とした保健施策等、ビジネスにおいても、コストがかからず、豊富な情報資源として有益です。誰でも二次利用可能なオープンデータは、コストがかからずビジネスに取り入れられる情報資源として有益です。

今回はオープンデータの活用事例10選を紹介します。
オープンデータを活用して会社の利益に役立てたい方は、ぜひ参考にしてください。

オープンデータとは


オープンデータとは、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用できるデータです。
政府が2016年に施行した官民データ活用推進基本法により、国や地方公共団体、事業者が保有する官民データを国民が容易に利用できるよう義務付けられました。これにより、国やその他事業者が管理していた多様かつ大量の情報を、誰もが適正かつ効果的に活用できるようになりました。

そして2017年には、国や地方公共団体、事業者が公共データの公開及び活用に取り組む上での基本指針として「オープンデータ基本指針」が定められました。オープンデータ公開のルールが整備されたことで、国民が入手できるデータの整合性が保証されています。

オープンデータ基本指針で定められた主な内容は、以下のとおりです。

オープンデータの目的 *諸課題の解決・経済活性化
*行政の高度化・効率化
*透明性・信頼の向上
オープンデータの定義 *二次利用可能なルールが適用されたもの
*機械判読に適したもの
*無償で利用できるもの
オープンデータの基本ルール *各府省庁が保有するデータは原則公開する
*公開できないデータは理由を明示する
*二次利用の際は政府標準利用規約が適用される
*社会的ニーズが高いデータは、一括ダウンロードを可能とし、APIを通じた提供を推進する
*機械判読に適した構造及びデータ形式で公開する
*可能な限り迅速に公開し、適宜更新する

 

オープンデータのデータセットの入手方法


オープンデータには、行政機関、地方自治体、民間企業が提供しているデータセットがあります。特に行政機関が公開しているデータセット*は、規模が大きく、活用の需要も高いのが特徴です。

オープンデータの入手先として「e-Govデータポータル」があります。デジタル庁が2023年に公開したサイトで、行政機関が提供するオープンデータの取得や可視化、オープンデータに関わる活用事例の登録・参照などを行うことができます。

「e-Govデータポータル」は、以下のような機能を持ちます。

  • オープンデータの内容まで検索可能な全文検索機能
  • オープンデータを図表やグラフなどで可視化する機能
  • オープンデータに対する意見・要望、データ活用事例の共有が可能なコミュニケーション機能

*データセットとは、ファイルやURLなどの「オープンデータ」が登録された入れ物を指します。

オープンデータ活用事例10選!


デジタル庁が公表した資料によると、2024年8月30日時点でオープンデータの公開に取り組む自治体は、全自治体の84%(1,515/1,788団体)に達しました(※1)。公開されるオープンデータの種類の増加に伴い、民間企業の積極的な活用が広がっています。
それでは、オープンデータの活用事例10選をご紹介します。
※1参考:デジタル庁「オープンデータ取組済自治体資料」

活用事例①|Spotify「MusicBrainz」

Spotifyは、月間アクティブユーザー数が6億人を超える音楽ストリーミングサービスです。
Spotifyでは、音楽のアーティスト名やタイトル、言語、国等の情報をオープンデータ「MusicBrainz」から取得しています。

MusicBrainzとは、非営利団体が提供する音楽界のウィキペディアとも言える音楽データベースサービスです。MusicBrainzに登録された音楽データは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC0で公開されており、著作権による制限を受けずに自由に利用できます。

活用事例②|スマイティ「政府等が提供する統計データ」

スマイティは、日本最大級となる540万物件を取り扱う不動産住宅情報サービスです。
スマイティ内に開設されている「住みやすい街」では、住環境に関する様々な条件を視覚的に表示しています。住みやすい街の情報源は、政府等が提供する以下のオープンデータです。

  • 国勢調査
  • 人口動態調査
  • 市町村税課税状況等の調査
  • 地価公示
  • 住宅・土地統計調査
  • 犯罪統計
  • 交通統計
  • 医療施設調査
  • 社会福祉施設等調査
  • 介護サービス施設・事業所調査

住環境に関する指標ごとに、使用されている行政機関のデータを明示することで情報の信頼性を高めています。さらに、オープンデータ等の情報を元に各自治体・地域の位置付けをランキング形式で提供しており、住みたい街の状況を容易に把握できる工夫がされています。

活用事例③|セーフティマップ「交通事故情報・ゾーン30」

セーフティマップは、自動車メーカー Honda(本田技研工業株式会社)が事故に遭わない社会づくりを目指して提供するサービスです。
「急ブレーキ多発地点」や「事故の多いエリア」、危険箇所に係る住民の声を反映した「みんなが追加した地点」等が地図上に表示されています。

セーフティマップに使用されているオープンデータは、自治体が提供する交通事故情報やゾーン30です。セーフティマップは全国の自治体でも活用されています。

活用事例④|カーリル「図書館蔵書データベース」

カーリルは、全国7,400以上の図書館や、リアルタイムの貸出状況を簡単に検索できる、日本最大の図書館蔵書検索サイトです。本のタイトルから現在地に近い図書館の蔵書・貸出状況が分かるので、図書館の利用促進に繋がります。

カーリルで使用されているオープンデータは、全国の図書館が提供する図書館蔵書データベースです。カーリルは図書館ページの編集・管理権限を図書館に付与することで、イベント情報やニュース等、各図書館ページのさらなる拡充を行っています。

活用事例⑤|アグリノート「農薬データベース」

アグリノートは、農業事業者が、PCやスマートフォンを使用して、農作業を記録・集計・共有できる営農支援サービスです。作物を栽培する田畑やハウス、事務所等、地図上で管理したい土地・建物(圃場)を登録し、作物の種類や栽培期間、作業計画等(作付計画)をデジタルデータ化することで、管理者と従業員の情報共有を効率化し、コストの見える化によって経営改善を実現します。

アグリノートでは、農薬情報をオープンデータから取得しています。農林水産消費安全技術センターが管理する農薬データベースを使用し、農薬の選択、使用を容易にしています。

活用事例⑥|全国避難所ガイド「災害用避難所・避難場所のデータ」

全国避難ガイドは、現在地周辺の避難所・避難場所を自動検索し、ハザードマップを表示するスマートフォン向け防災情報アプリです。気象情報や避難勧告、地震情報等がプッシュ通知される機能や、安否登録・安否確認機能等を備えています。

全国避難ガイドに使用されているオープンデータは、全国の自治体が提供する15万件以上の避難所・避難場所に関するデータです。全国の避難所や避難場所、帰宅困難者一時滞在施設、津波避難施設等のデータが収録されています。

活用事例⑦|除雪車ナビ「市道除雪路線・除雪走行データ」

除雪車ナビは、福島県会津若松市が提供する、除雪車の走行状況を確認できるサービスです。除雪車の運行予定に加えて、20秒ごとに更新されるリアルタイムの走行状況が地図上に公開されます。

除雪車ナビに使用されているオープンデータは、国や県が公開する市道除雪路線データや除雪走行データです。今後は、市道・県道・国道のデータを一元管理し、汎用性が高いAPIの提供を視野に入れています。

活用事例⑧|LIVE JAPAN「避難場所・一時滞在施設」

LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO(以降「LIVE JAPAN」)は、訪日外国人がGoogleMapでは探しきれない設備を探せる観光情報サービスです。WiFiスポットや観光案内所、ATM、免税店、コンビニ等などの外国人観光客に役立つ設備がマップ上に表示されます。

外国人に行われた調査では災害発生時におけるLIVE JAPANの需要が高かったため、東京都が提供するオープンデータ「避難場所」「一時滞在施設」の参照が実現しました。最新情報を随時取り込んで、避難場所・一時滞在施設を多言語で検索できます。

活用事例⑨|Coaido 119「AED設置場所情報」

Coaido 119(コエイドイチイチキュー)は、119番通報をしながら周囲にSOSを発信できる緊急情報共有アプリです。事前に登録している周囲の医療有資格者や救命講習受講者、AED設置者等に助けを求められます。

Coaido119に使用されているオープンデータは、自治体が提供するAED設置場所情報です。発信地点から半径300m以内にあるAED設置施設を検出し、一斉に電話で自動連絡する機能もあります。

活用事例⑩|ママパパマップ「多目的トイレ・子育て関連施設データ」

ママパパマップは、授乳室やオムツ替えがあるかを探せるママパパ向けのサービスです。全国の児童館や駅、多目的トイレ等に設置された授乳室やおむつ交換台を、マップ上から探せます。利用者による投稿で、施設の写真や使い心地が共通されているのも特徴です。

ママパパマップには、行政機関が提供する多目的トイレ・子育て関連施設データ等のオープンデータが使用されています。オープンデータでカバーできない施設の情報に関しては、利用者による投稿で作成されています。

オープンデータの活用事例に関するまとめ


オープンデータは、国や地方公共団体、事業者が提供する、インターネット等を通じて容易に利用できるデータです。誰でも無料で大規模な公共データが入手できるため、コストをかけずにビジネスに活用できる有益な情報源と言えるでしょう。

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