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NDBオープンデータとは?考察・分析・改善策・戦略を考えたい方へ

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厚生労働省は平成20年から、レセプト情報と特定健診等の情報をNDBデータとして蓄積してきました。NDBデータの中から汎用性の高い基礎的な集計表を作成したものが、NDBオープンデータです。

NDBオープンデータは、厚生労働省のホームページで公開されており、誰でも二次利用できます。医療保険に係る全国の膨大な患者データが集約されているので、日本における医療の現状を把握するのに有用な情報源です。

この記事では、数あるオープンデータの中でも、国内の医療の実態に関する網羅性が高い、NDBオープンデータについて解説します。オープンデータを分析し、経営戦略を立案したいという方は、是非参考にしてみて下さい。

そもそもNDBとは?正式名称と意味


NDB(National Database)とは、医療機関が保険者負担分の診療報酬を受け取るために保険者に提出しているレセプト(診療報酬明細書)と特定検診及び保健指導の結果から構成されたデータベースのことです。

厚生労働省が「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、平成21年から運用・構築してきました。平成23年以降は、行政機関や研究者等に向けての提供も始まりました。

保険診療にまつわる様々なデータが含まれており、国民の医療動向を評価するうえで世界でも有数の規模を誇る、信頼性の高い有用なデータであるとされています。NDBの構成要素であるレセプトと特定検診・特定保健指導について、詳しく見ていきましょう。

レセプト(診療報酬明細書)とは

レセプトとは、保険医療機関が診療報酬を保険者に請求するために作成する明細書のことです。日本は「国民皆保険精度」により、全ての国民が医療保険に加入しています。医療保険に加入した証として保険者から患者に保険証が配布され、保健医療機関で保険証を提示すると、患者の医療費の負担額が3割(現役世代)まで減額します。

医療機関は患者の診療や医療費の情報を記載したレセプトを保険者に提出することで、保険者負担分である残りの7割を受け取っているのです。レセプトに記載されている主な項目を紹介します。

項目 内容
医療機関 都道府県、点数表、医療機関名称、電話番号など
患者 氏名、生年月日、男女区分、給付割合、患者の状態など
保険者 被保険者番号、被保険者記号、合計点数など
傷病名 傷病名コード、傷病名称、診療開始日など
診療行為 診療行為コード、回数、点数、コメント、診療日など
医薬品 医薬品コード、使用量、点数、回数、コメントなど

 

特定検診・特定保健指導とは

特定検診とは、年齢とともに増加する生活習慣病を予防するために、40歳から74歳の方を対象に行われる検診です。

特定保健指導は、特定健診の受診者のうち、生活習慣病の発症リスクが高い者に対して保健師や管理栄養士といった専門スタッフが行うサポートを指します。

NDBオープンデータとは?厚生労働省のHPで無料公開

厚生労働省は、NDBの膨大なデータを国民が共有し、様々な場面で有効活用できるよう、平成28年10月12日に『第1回NDBオープンデータ』を公開しました。

NDBオープンデータは、NDBデータから汎用性の高い基礎的な情報が抽出された集計表です。現在では、第8回までのオープンデータが公開されています。内容は回を追うごとに拡充されており、今後も有用性の更なる向上が期待されます。

NDBオープンデータの公開内容


NDBオープンデータは二部構成になっており、集計条件や集計対象がまとめられた「解説編」と集計表を掲載した「データ編」に分かれているのが特徴です。

【解説編】概要・集計対象等を解説

解説編では、データ編で取り上げる集計表に関する項目や留意事項が解説されています。データ編を閲覧する前に解説編の内容を把握しておくことで、データ編の内容をより正確に利用できるようになるでしょう。解説編に掲載されている主な内容は、以下のとおりです。

項目 内容
要約 NDBの運用開始から現在のNDBオープンデータ公開までの経緯
NDBオープンデータの集計対象 ・NDBに蓄積されたレセプト情報及び特定健診・特定保健指導情報の説明
・集計項目ごとのデータの概要
・前回公開分からの変更内容
NDBオープンデータの公表データ ・公開する診療行為、調剤行為、歯科傷病、特定健診、薬剤、特定保険医療材料
・公開する集計表の区分
・グラフの参照先
・補足情報
NDBオープンデータの集計対象項目数 医科診療行為、歯科診療行為、調剤行為、歯科傷病、薬剤、特定保険医療材料ごとの集計対象項目数
最小集計単位の原則 集計表で扱っている単位の原則や例外
NDBオープンデータの集計条件 集計項目ごとの集計条件
NDBオープンデータの抽出レコード 診療識別ごとのレセプト及び特定検診・保健指導の結果から抽出を行ったレコード
DPCレセプトの補足 DPCレセプトの特異点
用語の解説 NDBオープンデータに出てくる用語解説

 

【データ編】汎用的な集計表を掲載

データ編では、診療行為、調剤行為、歯科傷病、特定健診、薬剤、特定保険医療材料ごとに集計表が掲載されています。集計表は、集計方法や項目ごとにExcelファイルが分かれているのが特徴です。集計表では、以下のような内容が性別・年齢・都道府県別等で集計されています。

  • 診療行為や調剤行為の算定回数
  • 歯科傷病の傷病件数
  • 薬剤や特定保険医療材料の数量
  • 特定健診結果の分布

NDBオープンデータのおすすめの活用方法


NDBオープンデータの膨大な患者情報を分析することで、地域や性別、年齢といった区分ごとの医療の実態が把握できます。

健康商材を販売している事業者であれば、特定の条件を満たした患者の健康課題が見つかるかもしれません。健康課題に直接アプローチした商品開発に取り組めます。また、検診事業に取り組んでいる事業者であれば、早期発見が遅れている項目が特定できるでしょう。

さらに、医療機関の開設を検討している開業医は、医療需要が高まっている都道府県を特定することで、開業地の選定に役立ちます。また、算定回数が多い診療行為に紐づく傷病名を特定することで、勤務医が習得すべき知識の優先順位が付けられます。

NDBオープンデータを活用することで、企業や病院の利益向上に貢献できるのです。

まとめ

NDBオープンデータは、レセプト情報と特定健診等の情報が蓄積されたNDBデータを元に、厚生労働省が作成した汎用性の高い集計表です。保険診療に係る全国の膨大な患者情報が含まれています。厚生労働省のホームページで無料公開されているので、誰でも二次利用が可能です。
NDBオープンデータを活用し、経営改善に役立ててみてください。

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