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不動産業界のKPIの特徴と実際に取り組んだときの問題点と打開策

#KPI #不動産業界

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最近では、不動産業界にもIT化への追い風がふく中、企業が経営目標とする指標の具体性が必要となってきました。その理由として、不動産業界の企業があつかうデータ管理では、移動可能なモバイル端末などのデバイスによる情報の共有が主体となっているからです。

そのため、従来の企業がかかげる目標は、より正確であり明確であることが大切になってきました。より正確で明確な目標を設定するには、KPIによる数値目標が欠かせないでしょう。

この記事では、不動産業界におけるKPIの設定について、KPIの特徴や具体的な取り組み方などを紹介します。また不動産業界の中から、「不動産売買仲介業」のKPIを問題点と打開策について取り上げてみました。不動産事業において、営業にかかわる人材育成や定着に頭を抱えている経営者にとって、人材採用のヒントとなることでしょう。

不動産業界のKPIとは

不動産業界だけではなくKPIの設定は、企業のビジネス展開において、重要な数値指標となります。KPIは、企業の数値による目標設定である重要業績評価指標「Key Performance Indicators」の頭文字の略称です。KPIを設定することは、企業規模には関係ありません。

重要業績評価指標(KPI)とは、評価指標を目標として取り組むべきプロセスの可視化と具体化して数値に設定することです。KPIの設定では、主に次の項目があげられます。

  • 売上
  • 日程
  • コスト
  • プロセス

不動産業界「営業部署」でのKPI

不動産事業における営業部署でのKPIについて、見ていきましょう。営業部署で設定されるKPI項目は次の通りです。

  • 電話アポ回数
  • メルマガ登録者数
  • チラシ・パンフレット配布枚数
  • モデルハウス来場者数
  • 飛び込み営業回数
  • 訪問営業件数
  • 商談数
  • 成約率
  • 1人あたりの手数料金額
  • 新規問い合わせ件数
  • 資料請求数

さらに、営業部署内でもKPIを細分化することも可能です。たとえば、Webサイト運営に絞ってKPIを設定した場合、「PV数」や「資料ダウンロード回数」などWebサイト訪問者の行動履歴から抽出される数値データをKPIに設定することもできます。

不動産事業において、昨今のスマートデバイス普及により、インターネット経由で情報を入手するユーザーが多くなってきたため、Webサイト経由の見込み客獲得も重要なKPI設定となるでしょう。

また時代背景の変化により、顧客のニーズも多様化しています。不動産売買においても、より具体的な情報が必要になり、KPI設定も細分化する必要があるのです。

そのため不動産業界の営業部署では、いままでの経験や熟練営業社員の経験にたよることが不安定な数値目標となるでしょう。重要なのは、KPIを設定する場合、データにもとづいた数値でることが大事です。つまり、熟練の営業社員の発言よりも、実現性の高い数値データの追求がKPIの設定のポイントとなります。

実現性の高いKPIを設定するために必要なこととは、「逆算」です。目指す数値目標を逆算して実現性の高い小さなタスクまで具体化することがKPIの特徴となるでしょう。

KPIのメリット

KPIは、実現できる数値目標を実現性の高い数値目標まで落とし込んで逆算して実行することです。そのためKPIは、営業部署において方向性を具体的に共有できます。

  • 行動目標
  • 設定された日数
  • 設定されたリソース

KPIは、定量的に数値設定されているため、明確に取り組みやすい点がメリットです。KPIは、数値による目標のため、フィードバックを社内で共有しやすくなります。とくにKPI未達成の担当者に対して、具体的な改善策や対応を明確にできるでしょう。

不動産業界の営業担当のKPI

たとえば、営業担当者Aが1日の訪問営業を10件と設定した場合、実際には訪問営業が1日6件までが限界だとしましょう。営業担当者Aは、残り4件を増やすために早出残業が必要になってきます。

さらに営業区域を広げないと、重複した訪問となるため営業エリア拡大として移動時間が長くなるのです。結果的には、営業担当者Aの業務負担がふえるだけで解決にはつながりません。

解決策としてのKPI設定

KPIの設定では、1日の訪問営業1件にかかる時間と訪問先での営業内容を明確にすることからはじめます。営業業務にかかわる一連のタスクの中で、ムダな行動はないか?具体的に抽出していくのです。

業務活動を具体的にすることにより、1件にかかる移動時間(とくに遠距離)や営業に要する時間の短縮化も見えてきます。たとえば、紙媒体の資料をタブレット1台で軽量化や訪問先で動画を活用した案内により、営業内容の品質の向上にもなるでしょう。

またテレワークの導入が進む中、営業活動をオンライン商談などリモート対応に切り替えることは、移動時間の削減や営業に要する時間の短縮にもつながります。結果的に、営業機会の拡大や業務時間の短縮になるのです。

KPIは現実的な数値であること

KPIを設定するうえで重要点を案内しましょう。重要点は、現在の会社規模や投資能力、人材リソースなどを念頭においた数値であることです。KPIは、現実的な数値から設定できる目標でなければ実現性にとぼしくなります。つねに数値は定量的であることを重視しましょう。

KPIを構成する要素「SMART」

実現性の高いKPIを設定するための要素として「SMART」があげられます。

S=Specific=明確であること
M=Measurable=計量できること
A=Achievable=現実であること
A=Agree on=社内で合意されること
R=Result-oriented or Relevant=結果思考であり、関連していること
T=Timely=適時的であること

「SMART」をKPIの実現性を確認する要素として活用することは、方向性の修正に効果的です。

不動産業界の集客は継続して正解を求めていく

不動産業界では、集客の数値がKPIとして設定されることが多くなります。とくに営業担当者の場合は、「見込み客を何人獲得できるか」が重要なKPIになるのです。

不動産業界のKPI例:
資料請求数を前月比30%アップさせる
紹介サイト登録率を前月比40%アップさせる
広告経由の登録者確保に必要な広告単価を前月比20%ダウンさせる

例にあげたKPI設定は、変更も必要になる場合もあります。また改善目標にも正解はありません。重要なことは、PDCAを回しながら、到達していない数値部分に対して、改善に向けた新しいKPIを立てて、さらにPDCAをまわしていくことです。

たとえKPIを達成できなくても、逆に達成できない要因が明らかになってきます。明らかになる部分が属人的な要因となることが多く、企業のかかえるボトルネックになることでしょう。

不動産売買仲介業のKPI

不動産業界の中でも不動産売買仲介業のKPIを「課題」から「改善策」まで一連の流れを紹介します。

課題「業績の伸び悩み」

  • 人材採用・育成・定着の問題
  • 集客できない
  • 営業がうまくいかない

不動産売買紹介業では、ビジネスモデル化が必要となり、目標KPIの設定(数値管理)が必要になりました。

不動産売買仲介業のKPI作成ポイント

不動産売買仲介業が年間手数料売上を重要なKPIとして設定した場合には、次の点がポイントとなります。

  • やみくもに「手数料売上」や「売買契約数」を設定しない
  • KPIは逆算して設定する

具体的には、目標数値に近づけるために新規面談数がどの程度必要になるか、集客媒体別に新規案内への訴求がどれだけ必要になるか、数値の設定が必要です。

KPIの重要点

KPIは、月次で進捗を管理することが重要になります。定期的に営業会議などで、予測に対して実績を確認していく行動です。さらに進捗を参考にして、KPIと現実の差分を埋めていくため、自社の課題を改善していきます。

不動産業界におけるKPIの必要性

今後、労働人口の減少や属人的な営業手法により、新規人材の採用・育成・定着がますます難しくなるでしょう。とくに多店舗や全国的に展開している不動産事業の場合は、経営幹部の監視が行き届かなくなるため、KPIの設定は必須となります。

KPI設定による業務の進捗管理は、数字による共通認識となるため、明確な判断指標につながるでしょう。KPIは、社内共通言語として活用できれば、労働人口減少に対しての有益な対策となります。

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