e-Statの活用方法!オープンデータを使用したデータ分析の方法を解説
目次
- 1. オープンデータとは?e-Statとは?
- 1.1 オープンデータとは
- 2. e-Stat(政府統計の総合窓口)とは
- 3. オープンデータの種類
- 3.1 e-Stat
- 3.2 自治体オープンデータ
- 4. e-Statの機能とは
- 4.1 統計データを探す
- 4.2 統計データを活用する
- 4.3 統計データの高度活用
- 5. オープンデータ活用のメリット
- 5.1 経済効果
- 5.2 行政に対する有効性と信頼性の向上
- 5.3 地域の課題を官民協働で解決に導く
- 6. オープンデータを経済に生かす
- 7. ビジネス上のオープンデータ活用術
- 8. オープンデータビジネスの実例
- 8.1 Zaim
- 8.2 GEEO
- 9. ビジネス現場でのオープンデータ活用法
- 10. 当社の医療機関データベースに関する実績
- 11. データ分析を学ぶオンライン講座も
- 12. オープンデータの限界と課題
- 13. データ集計方法の目的が異なり詳細な分析ができない
- 14. データの掛け合わせで個人情報が特定される可能性がある
- 15. e-Statなどのオープンデータをビジネスで活用しよう
e-Statやオープンデータという言葉を聞いたことがありますか?
オープンデータとは、広く公開された無料で二次利用できるデータのことです。
本記事では、これらのデータにどんな種類と機能があり、活用するとどのようなビジネスを展開できるのかをご紹介します。
この記事を読むと、オープンデータがビジネスにおいて何に活用できるのかが理解できます。
ぜひ本記事を読んで、オープンデータの活用法を知ってください。
オープンデータとは?e-Statとは?
オープンデータやe-Statとは何か、どのような機能と特徴があるかをご紹介します。
オープンデータとは
オープンデータとは、公開されているデータのうち、次の条件を満たすものとされています。
- 機械判読ができる
- 二次利用が可能
- 著作権や特許などの利用制限がなく、無償で利用できる
つまり、誰でも自由に複製や加工ができるデータのことです。
例えば、自治体や国が施策のために集めた人口統計や公共施設の場所などのデータを、商用としても利用できるということです。
e-Stat(政府統計の総合窓口)とは
e-Statとは、各府省が公表する統計データを一つにまとめ、統計データの検索などの機能を備えた政府統計のポータルサイトです。
次のようなことが、誰でも簡単にできます。
- 知りたいデータを検索してパソコンにダウンロード
- データベース化されているデータを使ってグラフを作成
- 統計データを地図上に表示
それまで各府省のホームページに散在していたデータが一つのサイトに集約され、誰でも使いやすくなっています。
e-Stat:https://www.stat.go.jp/info/guide/public/kouhou/g6what.html
オープンデータの種類
オープンデータには具体的にどんなデータが含まれるのか、ご紹介します。
e-Stat
e-Statは日本国内のあらゆる統計データを閲覧できるサービスです。
例えば労働力調査、就業構造基本調査、民間給与実態統計調査など「労働や賃金に関する調査」や、人口統計、教育、医療施設調査や患者調査などの医療統計、公園の利用者数にいたるまで、多様なデータが提供されています。
まさに国民生活の縮図というべき統計結果が簡単に検索できます。
自治体オープンデータ
自治体オープンデータとは、各自治体のオープンデータをカタログのように集約したデータサイトです。
複数の地方公共団体が共同利用しているため、データの標準化などの効果が期待できます。
オープンデータの推進や利用者の利便性向上が目的です。
サイト内でデータの活用事例も公表されています。
e-Statの機能とは
e-Statで膨大な種類のデータを閲覧することができます。
実際に役に立つ機能をご紹介します。
統計データを探す
e-Statには膨大な統計が含まれていますが、分野や管轄する組織別に検索することができます。
分野は17、管轄する組織は14府省のカテゴリに分かれています。
どのデータを閲覧したいか選び、Excel、CSV、PDFなどのファイル形式でダウンロード可能です。
統計データを活用する
データをビジネスに活用しようと考えた場合、データベースとしてまとめてダウンロードすることができます。
項目の抽出、グラフの作成などをサイト内で行い、結果をダウンロードする方法です。
ほかにも様々なデータ活用のための機能があります。
統計ダッシュボード | e-Statで提供している統計データをまとめ、グラフ、経年変化、地域による比較ができます。 人口統計、金融情報などが一目瞭然のデータとして提供されています。 |
地図で見る統計 (jSTAT MAP) |
市区町村など地域で提供されているデータを地図上で示し、地理的な分析ができます。 防災、施設整備、市場分析などに役立ちます。 |
都道府県・市区町村のすがた | おもに人口統計に関して、都道府県ランキングのような形式でデータを一覧にしたり、類似する地域を検索したりできます。 |
統計データの高度活用
公益性のある学術研究などに利用するため、集計前の元データ(=ミクロデータ)の利用ができます。
さらにオーダーメイド集計、特定のデータを自動で取得できるAPI機能なども紹介されています。
オープンデータ活用のメリット
オープンデータの活用によるメリットは多岐にわたります。
社会と経済にもたらすことのできるメリットをご紹介します。
経済効果
国や自治体の持つ公共データを民間で活用すれば、さまざまな経済発展に役立てることが可能です。
オープンデータには市民生活を反映したデータが多いという特長があります。
市民生活に即した新規ビジネスを、低コストで迅速に提供できるのがメリットです。
行政に対する有効性と信頼性の向上
オープンデータを活用・分析して、行政の政策をより有効な政策にしたり、実行された政策に対する市民社会の反応を調べたりすることもできます。
これらが民間の誰でもアクセス可能なので、行政に対する信頼性の向上という役割も果たしています。
地域の課題を官民協働で解決に導く
オープンデータは自治体のデータも大きな割合を占めています。
市民の声や市民生活を反映したオープンデータを分析すると、地域それぞれの課題を知ることができます。
これらを解決するような、地元企業と自治体との連携や新ビジネスの創出も期待されているのです。
このように、オープンデータは「市民のニーズをデータから抽出してサービスを提供する」というサイクルを生み出すことに役立つと考えられます。
オープンデータを経済に生かす
オープンデータ活用の最大のメリットが、経済活性化に役立つことです。
人口統計、財政状況、地域別の施設利用など、公的機関ならではのデータを、民間企業は以下のように役立てることができます。
- 顧客ニーズの詳細な把握
- ニーズにマッチしたサービスの提供
- 新たなサービスの創出
- 地域行政への貢献
顧客ニーズの詳細な把握はマーケティングに役立ちます。
マーケティングには一般にコストがかかることが多いですが、オープンデータを効果的に利用すればコストを抑えることができます。
これを発展させることによって実現するのが、それぞれのニーズにマッチしたサービスの提供を打ち出すビジネス戦略の策定です。
新たなサービスの創出として、既に多様で個性的なアプリや情報提供、サービスが誕生しています。
さらには地域特有の課題の解決を民間企業で行い地域行政に貢献している事例もあります。
ビジネス上のオープンデータ活用術
オープンデータをビジネスに活用する方法には、二つの方向性があります。
一つ目はオープンデータ自体を活用したビジネスです。
二つ目はオープンデータによる業務改善や商品開発を行い、もともとの業務を発展させることです。
オープンデータビジネスの実例
オープンデータを活用して新たな価値を生み出したビジネスを2例ご紹介します。
Zaim
Zaimは日本最大級のオンライン家計簿アプリです。
このアプリでは、プレミアム会員を増加させるための戦略で、付加価値としてオープンデータを使用した有料サービスを設定しています。
使用しているオープンデータは自治体による給付金の公式情報です。
居住地域や家族構成、家計簿記録から「もらえる可能性がある給付金」の情報を提供するのです。
このビジネスは既存のアプリにオープンデータによる新たなサービスを付加させた形です。
GEEO
不動産価格を予測するサービスです。
住所を設定すると、その地域の不動産価格の予測値を知ることができます。
GEEOで使用しているオープンデータは路線価、国勢調査、住宅・土地統計調査などです。
これらを利用し、独自のアルゴリズムで不動産販売価格を予測、周辺の不動産関連情報も提供しています。
このビジネスは、膨大な量のオープンデータを利用して独自のアルゴリズムを構築し、新たな価値を生み出した形です。
ビジネス現場でのオープンデータ活用法
ビジネスを運営していく上で、業務目的や業務目標に沿った情報を収集しながら発展させていくことが不可欠です。
業務目的に沿った情報を、コストを抑えて収集できる方法がオープンデータです。
オープンデータをマーケティングとして活用する際、
- 市場分析
- ターゲットユーザの設定
- ユーザへの届け方
- どのように認知してもらうか
といったことを分析します。
目的に応じて必要なデータを集め、これらの分析を行います。
例えばエリアマーケティングを行うのであれば、地域の市場特性として市場規模、人口構成、家族構成などのデータを用いて分析することができます。
当社の医療機関データベースに関する実績
当社では、医療機関データベースの大本であるマスタの提供をおこなっています。
しかも、医療機関(病院・クリニック等)・社会福祉施設・医薬/医療機器のメーカー・医薬/医療機器の販売会社の方限定で無料でご提供します。
厚生労働省のオープンデータを利用し、独自のプログラムで使用しやすい形に変換しているのです。
病院の登録数は98,839件。項目は以下の通り、豊富です。
コード | 医療機関番号 | 医療機関名称 | 郵便番号 | 都道府県 |
医療機関所在地 | 電話番号 | 勤務医数 | 常勤 | 常勤医 |
常勤歯 | 常勤薬 | 非常勤 | 非常勤医 | 非常勤歯 |
非常勤薬 | 開設者氏名 | 管理者氏名 | 指定年月日 | 登録理由 |
指定期間始 | 病床数 | 診療科一覧 | 備考 | 処理日付 |
状況区分 |
これらを顧客情報として活用する方法、ターゲット地域の絞り方などのアドバイスもしています。
さらに、診療科ごとのより詳しい情報を有料で提供しています。項目数はさらに数倍です。
こちらを使用すれば、より精度が高く顧客を抽出できます。
また別に、医療機関別の平均在院日数、疾患別手術件数のデータベースも準備しています。
データ分析を学ぶオンライン講座も
必要なデータを膨大なオープンデータから選択、分析し、さらに加工して生かす技術を習得することは簡単ではありません。
総務省のホームページでは、データサイエンスオンライン講座を公開しています。
国として、オープンデータを活用できる環境を整える一環として、こうした教育ツールも豊富になってきています。
オープンデータの限界と課題
オープンデータにはいくつかの限界と課題があります。
解決の取り組みとともにご紹介します。
データ集計方法の目的が異なり詳細な分析ができない
オープンデータから分析する場合、もともと集計している目的が異なるデータをバラバラの調査から集めることがあります。
すると、その集計時の目的が異なったりデータの細かさが異なるために、分析の解像度に限界が出てきます。
根本的な解決策は、オープンデータ自体の使いやすさを向上することです。
自治体のオープンデータでは、使いやすいオープンデータを提供しようと試行錯誤されています。
データの掛け合わせで個人情報が特定される可能性がある
オープンデータは、もともと公開可能だった情報を広く使えるようにしたものです。
したがって、それ自体の使用で個人情報が広く知れ渡ることになる懸念は低いです。
しかし、ほかのデータをかけ合わせることにより個人情報が特定される可能性はあります。
一定のルールの下でデータが流通するように、データ活用の不安を減らせるよう取り組みが進んでいます。
e-Statなどのオープンデータをビジネスで活用しよう
e-Statをはじめとしたオープンデータの種類や機能、活用法をご紹介しました。ビジネスへの応用で経済効果が狙えるため、大変注目を博しています。
国としても活用を進める取り組みを行っています。
当社でも、オープンデータを活用し、データベース作成のもとになるマスタをご提供しています。
独自のプログラムでビジネスに役立てやすい形に変換して提供しています。
お問い合わせは当社までご連絡ください。
ぜひオープンデータを活用してビジネスを成長させましょう。
<医療系オープンデータ>
弊社では、医療系オープンデータとして
・医療機関マスタ(医科、歯科、薬局)
・DPCデータ
・病床機能報告データ
をご用意しております。
【医療機関マスタ】
厚労省のオープンデータ「コード内容別医療機関一覧表」をもとに作成した医療機関マスタをご提供しています。ご興味のお持ちの方は、お気軽に下記フォームよりお問合せ下さい。
無料版は医療機関(病院・クリニック等)、医薬・医療機器のメーカー・販売会社の方限定です。
>>無料版の詳細はこちら!
有料版は、二次医療圏や経営体情報、緯度経度など詳細情報を付与したデータです。カスタマイズも可能です。
>>有料版の詳細はこちら
【DPCデータ提供サービス】
>>詳しくはこちら
【病床機能報告データ提供サービス】
>>詳しくはこちら
<無料オンラインセミナー開催中!>
弊社ではSalesforceやBIツール、MA、オープンデータなどの活用方法に関する無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら