データドリブンとは?データ駆動で動かす経営戦略!RNE分析で明確化
目次
データドリブンとは、スタートアップ経営に必要なのでしょうか?
データドリブンとは、オンラインでビジネスを展開していくために欠かせない行動です。データドリブンは、データ管理を中心にする考え方でもあります。スタートアップは、ビジネスを拡大していくうえでデータを無視できません。常に成長を続けていくためには、データ活用が競合優位性のポイントになります。
今回の記事では、ビジネス書籍「起業大全」から、「データドリブンでマーケティングの運用」部分を参考にしてデータドリブンの重要性について解説します。企業のインサイドセールスやマーケティングにおける打ち手の発見に役立ててください。
データドリブンとは
データドリブンとは、何でしょうか?データドリブン(Data Driven)とは、企業が経営戦略を立てるためにあらゆる要素を計測したデータ情報を活用することです。データドリブンとは、直訳すると「データ駆動」になります。データ駆動という表現から、経営戦略を動かすためにはデータが必要不可欠と言えるでしょう。
データドリブンは、ビジネスにおける売上データやWebサイトのユーザー行動を解析したデータ、顧客とのやり取りを記録したデータなどあらゆるデータを蓄積して分析します。分析結果をふまえて、ビジネスの課題解決に向けた施策を立てることです。
データドリブンには、属人的な判断はなく、経験による直感や性格的な度胸などを必要としません。あくまでもデータの分析結果による判断で意思決定するため、オペレーショナルエクセレンス(業務プロセスの標準化)と同じく、組織的に標準化できれば、競合優位性になる概念でしょう。
スタートアップにデータドリブンが必要な理由
スタートアップにデータドリブンが必要な理由は、ビジネスの成果や未来予測を迅速に把握して急成長を目指している点ではないでしょうか。スタートアップが資金調達している場合は尚更、成長を急ぐ傾向になります。そのため、データをもとにした着実な戦略を実行して、競合優位に立つことが必要です。
データドリブンが企業経営を加速できるのは、客観的な意思決定ができるからではないでしょうか。客観的な意思決定は、経験や勘ではなく、データという実態をもとに判断できます。そのため、データ分析を活用できれば、1つひとつのビジネス課題を解決して、競合優位に立てるでしょう。
CPAを下げるRNE分析
データドリブン経営では、データ分析が不可欠です。とくにBtoB商材を取り扱うスタートアップ企業では、高額な取引となります。高額な取引では、「いかにCPA(顧客獲得単価)を下げられるか」が重要な課題です。
CPAとは、「Cost Per Action」の略称になります。日本語訳が「顧客獲得単価」となり、1件のビジネス成果に対して「顧客獲得までどのくらいの費用をかけたか?」を表す数値指標です。CPA計測の対象となる成果は、次のようなコンバージョンが考えられます。
また、CPAはWeb広告の費用対効果を表すデータとしても活用されます。広告費の出稿管理には、重要な役割のある指標です。CPAが低ければ、顧客1人を獲得するコストが抑えられていることになります。逆にCPAが高ければ、顧客1人の獲得にコストが掛かり過ぎている判断になるでしょう。
CPAの計算方法
CPAの計測法は、次のような計算式で算出されます。
コスト ÷ コンバージョン数(獲得した成果件数) = CPA(顧客獲得単価)
コンバージョンとして設定するゴールが複数あれば、それぞれのCPAから費用対効果を明確にできるでしょう。
RNE分析とは
RNE分析は、CPAを下げる分析方法として活用します。RNE分析とは、コンバージョンまでのプロセス期間の長いBtoB商材向けの分析手法です。
BtoB商材の場合は、契約が成立すると継続的なサービスの提供となり、なかなか他社への切り替えがないことが特徴になります。契約後、サービス利用を継続してもらうためには、フィールドセールス担当者やカスタマー担当者の力量が大きく影響してきました。
データドリブン経営では、マーケティング段階やインサイドセールス段階で施す施策をプロセス化してCPAを下げることが重要課題です。CPAを下げるには、次の指標が必要になります。
CPAを下げるための分析手法がRNE分析です。RNE分析は、実業家であり書籍『起業大全』(ダイヤモンド社)の著者である田所雅之氏が開発した分析手法になります。RNE分析は、3つの指標をフレームワークにあてはめる分析手法です。
Recognition(認知度):どれくらい認知されるか
Needs(ニーズの顕在度):ニーズの顕在度はどれくらいあるか
Emergency(緊急性):緊急性はどれくらいあるか
これら3つの指標の頭文字を取ってRNE分析と呼びます。
RNE分析の指標:Recognition(認知度)
Recognition(認知度)は、顧客がどれくらい自社のビジネスを認知しているか?を計測する指標です。一般的に認知度とは、企業が「どのようなビジネスの企業か」や「どのようなコンセプトでビジネスを展開しているか」など中身を理解している度合いになります。顧客の認知度が高ければ、企業のブランドイメージを理解している状態になるでしょう。
RNE分析の指標:Needs(ニーズの顕在度)
Needs(ニーズの顕在度)は、顧客が商品やサービスを自ら求めている状態を計測する指標です。ニーズの顕在度は、高ければ高いほど購買プロセスの最終段階の状態になります。ニーズの顕在度が高い状態では、手間や時間の負担がない訴求が有効です。
RNE分析の指標:Emergency(緊急性)
Emergency(緊急性)は、商品やサービスの購入動機に対して「課題をどれだけ早く解決したいか?」の部分と重なる指標となります。緊急性が高ければ、「今すぐ欲しい、すぐに手に入れないと間に合わない」という状態です。
顧客の行動をもとにして持続可能な競合優位性を目指す
RNE分析では、3つの指標をグループ化して、顧客行動を分析します。グループごとの特徴や顧客の状況を理解できるため、適切な施策の訴求が可能です。
RNE分析を活用したCPAを下げる行動は、顧客の行動をもとにしたデータモデルの作成になります。顧客行動をもとにしたデータモデルの作成は、スタートアップ戦略の持続可能な競合優位性になるでしょう。
ディフェンシビリティ・アセット(持続的競合優位性資産)とは
持続可能な競合優位性とは、ディフェンシビリティのことです。スタートアップ戦略では、持続的に競合他社より優位に立つことを重要視します。
スタートアップでは、商品やサービスが顧客の課題解決になる適切な市場で評価された後も成長を止めません。さらにビジネスを成長させるために、スピード感をもって取り組む必要があります。それと同時に、競合他社と差別化をはかれる優位性の構築も欠かせません。具体的には、競合他社が類似ビジネスで参入してこない障壁を作ることです。
その競合優位性を持続的に生み出す資産がディフェンシビリティ・アセット(持続的競合優位性資産)になります。ディフェンシビリティ・アセットは、成長を続けるスタートアップ経営の重要な差別化資産になるでしょう。
まとめ
今回は、スタートアップのデータドリブン経営について解説してきました。データドリブンの活用は、企業のCPAを下げる役割になります。CPAを下げるためのRNE分析により、顧客行動のデータモデルを構築できます。このような経営手法のひとつ1つが競合他社との差別化になる持続的競合優位性資産です。スタートアップは、データ管理の可能性を広げて経営資産の構築に尽力することがカギとなります。