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DPC制度(DPC/PDPS)とは何かをわかりやすくご紹介します!

#医療 #DPC #DPC/PDPS #診断群分類

DPC制度(DPC/PDPS)とは、入院を対象とした医療費の算定方式の一つで、診断群分類に基づく1日当たりの包括払い方式を指します。DPC制度が普及したことにより、増加傾向にあった医療費を抑制することに繋がりました。

この記事では、「DPC制度とは何か分からない」という方に向けて、DPC制度(DPC/PDPS)の概要やオープンデータであるDPCデータについてわかりやすく解説しています。
最後まで読むことで、DPC制度について理解し、ビジネスに活用するためのDPCデータを入手することができますよ。

DPCとは?


DPCとは、「Diagnosis Procedure Combination」の頭文字をとったもので、Diagnosis=(診断)、Procedure=(治療・処置)、Combination=(組合せ)からなる略称です。そのままをとらえると(診断)と(処置)の(組合せ)という意味になります。

つまり、DPCとは、「診断」と「治療・処置」の組み合わせから、様々な状態の患者を分類するための指標ということになり、そして、これを「診断群分類」と呼んでいます。

では、診断群分類をもう少し詳しく見てみましょう。

DPCにおける診断群分類

診断群分類とは、米国で開発された「DRG:Diagnosis Related Group」を応用したものです。

DRGは、病院医療における診療サービスを改善するための取組みのことを指し、診療プロセスを詳細に評価し改善していくという品質管理(Quality Control)の手法を目的として、開発されました。また、臨床的な判断に加えて、人為的資源や物的資源など医療資源の必要度に応じて、各患者を統計上意味のある分野に整理する方法が開発されました。
この考え方を基に、各国がそれぞれの国の実態に即した形で疾患の分類を作成しました。
そして、日本ではDPC/PDPS制度を導入するにあたり、独自の臨床的な類似性と資源消費の均質性に基づいた患者の分類を作成しました。それが「診断群分類」です。

DPC制度の2つの意味

DPCというのはいわゆる上記の「診断群分類」を意味するものであり、「診断群分類に基づく1日あたり定額報酬算定制度」とは意味が違うため、用語を明確にすべきとの指摘がありました。
そこで、平成22年12月に、DPCを「(診断)と(処置)を組合せた分類(診断群分類)」とし、「診断群分類に基づく1日あたり定額報酬算定制度」をDPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)とすることになりました。

現在、公文書では「DPC/PDPS制度」となっていますが、長すぎるため、実際の現場では「DPC制度」と呼んでいることが多いですね。

DPC(DPC/PDPS)制度の内容


DPC制度(DPC/PDPS)は、「医療の標準化による医療費適正化」を目的として、平成15年に導入されました。制度の内容として、急性期入院医療を対象とする診療報酬の算定方式に、包括評価(DPC)方式が新たに加えられています。従来の算定方式である出来高方式と比較して、DPC制度の内容を詳しく見ていきましょう。

日本における診療報酬の算定方式

現在の日本における医療費(診療報酬)の算定方式には、「出来高方式」とDPC制度によって定められた「包括評価(DPC)方式」の2種類があります。これらの算定方式を理解する上で、まずは診療に対する対価である医療費が計算される仕組みを見ていきましょう。

図1:診療報酬の算定の仕組み

病院で診療を受けると、診療行為ごとの点数の合算値が医療費として請求されます。各診療行為には、1点10円として厚生労働大臣が定めた点数が決まっています。

図1の例でみると、「インフルエンザ疑い」という傷病名で診療を受けた場合、次の各診療行為の点数の合算値「512点=5120円」が総医療費となるわけです。この総医療費のうち、6歳〜70歳の方は3割を自己負担額として病院に支払い、差額の7割は健康保険証に記録されている保険者に病院が請求しています。

  • 初診料:288点
  • インフルエンザウイルス抗原定性:149点
  • 処方せん料:75点

このように、各診療行為の単純な合算で医療費を計算する方式が「出来高方式」です。医療費の算定方式は基本的には「出来高方式」ですが、「入院」の場合に限り「包括評価(DPC)方式」での算定方式を取る場合があります。

DPC制度で定められた包括評価(DPC)方式

DPC方式を分かりやすく説明すると、下記を医療費とする方式です。

「傷病名に対応した診療行為の詰め合わせパック(定額)× 入院日数 × 医療機関別係数」

また、詰め合わせパックに入っていない一部の診療行為のみは「出来高方式」として算定します。この診療行為の詰め合わせパックこそが、前述した診断群分類のことです。「出来高方式」と「DPC方式」を表した図は、以下のとおりです(図2)。

図2:出来高方式とDPC方式の違い

DPC方式には次のような特徴があります。

  • DPC制度を導入している医療機関の入院患者にのみ、DPC方式で算定ができる
  • 手術や指導料、リハビリなどの一部は出来高方式で医療費が算定される
  • 自由診療や歯科・口腔外科、精神科の診療は、DPC方式の対象外になる

包括評価部分の範囲は、いわゆるホスピタルフィーと呼ばれる要素を基部としており、入院医療に必要となる基本的費用、つまり施設使用料などが該当します。一方の出来高評価部分の範囲は、ドクターフィー的要素、つまり医師個人の技量に直結する、手術料や指導料などが該当するのが特徴です。

DPC制度導入に至った出来高方式の問題点

DPC制度を導入する前は、入院患者も全て「出来高方式」で医療費が計算されていました。出来高方式では、患者に行った全ての診療行為に対して医療費を請求できます。

そのため、個々の患者に応じた診療ができる一方で、多くの検査・処置を行う程、病院の収益は上がります。したがって、病院や担当医によって診療内容や入院期間にばらつきがあり、日本全体の医療費を押し上げる傾向にありました。

そこで、医療の標準化による医療費適正化を目的に導入されたのが、DPC制度です。傷病名から標準的な診療行為のセット価格(包括点数)を定め、医療費のばらつきを改善しました。患者としては、高額請求されることがなくなり、病院としては、医療の標準化・効率化が可能になり、国としては、全国の医療費の抑制につながるというメリットがあります。

DPC制度が適用される患者は?

DPC制度の対象となる患者は、DPC対象病院(令和4年4月1日時点、1,764病院、約48万床)の一般病床入院患者のうち、「診断群分類点数表」にある診断群区分(令和4年4月1日現在、4726分類)に該当する患者となります。(手術等の内容によっては、一部対象外となる患者もいます)

診療報酬に関わるDPC方式の「医療機関別係数」

DPC方式における診療報酬額の計算要素である医療機関係数は「基礎係数」「機能評価係数I」「機能評価係数II」「激変緩和係数」の和で計算されます。
医療機関別係数が高い病院ほど、1日当たりの診療報酬額は高くなるのが特徴です。

基礎係数

診療機能で3つの医療機関群に分類し、医療機関群毎に評価する係数です。直近の診療実績に基づいて評価されます。

基機能評価係数I

次のような医療機関の設備・体制・特性を評価する係数です。

  • 病院の体制の評価
  • 看護配置の評価
  • 地域特性の評価

機能評価係数II

DPC導入病院の医療機関が担うべき役割や機能を評価する係数です。
機能評価係数IIは、「保険診療係数」「効率性係数」「複雑性係数」「カバー率係数」「救急医療係数」「地域医療係数」の6つの係数から成り立っていて、次のような内容が評価されます。

  • 適切なDPCレセプトが作成できたか
  • 病院情報を公開する取り組みを行ったか
  • 保険診療の質的改善に取り組んでいるか
  • 在院日数短縮の努力をしているか
  • 地域医療に貢献しているか

激変緩和係数

医療費は2年に1度の診療報酬改定で見直しが行われ、診療報酬改定がある年度については、診療報酬改定等に伴う個別医療機関別係数の大幅な変動が起きないようにするための調整用の係数です。

DPC制度に生まれた課題

入院患者に対しても出来高方式が採用されていた頃は、入院中に行った処置を一つ一つ記録していかないと収益が得られないため、その入力業務が医療スタッフの大きな負担となっていました。

DPC制度が導入されたことによって、包括になっている検査や処置は、何回診療を行っても収益にはつながらないため、個別に入力する必要が無くなると考えられたこともありました。

しかし、この制度で厚生労働省への提出が義務付けられているデータの中に「EFファイル」というものがあり、包括になっている検査・処置をどれだけ行ったかを記録する必要があるのです。病院の収益に直結する医療機関別係数を決める基準に、EFファイルのデータも検討項目に入っているため、病院は記録をしないわけにはいきません。

包括で行っている検査・処置が少ないと医療機関別係数も低くなる可能性があり、今までよりも増して、医療スタッフは入力作業が大変になるという課題が生まれています。

DPCコードとは?

DPC制度(DPC/PDPS)の概要は以上となりますが、ここからはデータという観点からDPCを見てみましょう。

診断群分類ごとに14桁で構成されるDPCコードと呼ばれるものがあります。DPC方式における診断群分類ごとの包括点数は、DPCコードごとに3段階の点数が設定されています。具体的には、入院期間Ⅰ、入院期間Ⅱ、入院期間Ⅲの各期間に対して1日当たりの点数が設定されているのが特徴です。

通常、入院期間の短縮を図るため、Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの段階的に点数が下がっていくよう設定されており、平均在院日数より長期になると病院の収益が下がる仕組みになっています。DPCコードのそれぞれの桁の意味について、見ていきましょう。

DPCコードの意味・1~6桁目:基本DPCコード

最初の6桁は「基本DPC」と呼ばれ、ICD-10 (国際疾病分類)に対応している傷病名に基づく分類コードです。そのうち上2桁は、全18種類に分類された疾患名からなる主要診断群(MDC:Major Diagnostic Category)となり、残る4桁が入院期間中にもっとも医療資源を投入した傷病名の細分類コードとなります。

DPCコードの意味・7桁目:入院種別、8桁目:年齢・出生時体重等

7桁目は入院種別となりますが2006年以降廃止となったため、「x」が表示されます。「x」は該当する項目がない場合に使用します。8桁目は、年齢、出産時の体重、JCS等が医療資源の投入量に影響を与える場合などに使用されます。

DPCコードの意味・9、10桁目:手術等サブ分類

9、10桁目が手術についてです。99が手術なし、97が手術あり、01~06が定義テーブルによる手術となります。

DPCコードの意味・11、12桁目:手術・処置1、2

11、12桁目がそれぞれ手術・処置等1、2に該当します。補助手術や化学療法、放射線療法等の有無や種類で分類されます。

DPCコードの意味・13桁目:副傷病の有無、14桁目:重症度等

13桁目が副傷病の有無についてです。入院時、入院後に発症した副傷病を表します。14桁目が重症度等を表し、13桁目までで表現できなかった医療資源投入量に影響を与えるような重症度を表すコードとなります。

「010010xx01x11x」というDPCコードを例にみると、「【1~6桁:基本DPC】010010=脳腫瘍」、「【9、10桁:手術】01=頭蓋内腫瘍摘出術等」、「【12桁:手術・処置等2】1=あり」、「【13桁:副傷病名】1=あり」ということが分かります。7、8、11、14桁は「x」の為、該当なしです。

DPCデータとは


厚生労働省は、「DPC導入の影響評価」と「今後のDPC制度の見直し」を目的として、患者の診療情報が記録されたDPCデータの提出を全国のDPC制度参加病院に求めています。厚生労働省に集約されたDPCデータは、毎年1回データベース化し、ホームページで公開されているため、誰でも二次利用が可能です。

医療提供レベルによって医療機関ごとに値が異なる「医療機関別係数」の判断材料にも、DPCデータは活用されています。

DPCデータの内容

全国のDPC制度参加病院から厚生労働省に提出されるDPCデータは、次のようなファイル構成をしています(図3)。

図3:DPCデータのファイル構成

DPCデータを構成するファイル内で、傷病名に基づいた診断群分類を一意に特定するコードが前述した「DPCコード」です。

フロッグウェルの提供データ

フロッグウェル株式会社は、ユーザが使いやすいように加工したDPCデータを提供しています。そのため、DPCデータの中から実際に欲しい情報のみを抜粋したデータが取得でき、すぐに分析やリストとして活用することが可能です。

図4は、実際に厚生労働省のHPで公開されている令和4年度のDPCデータの資料一覧の一部ですが、データ数が膨大にあり、各データの説明が記載された文書も見当たらないため、目的の情報を探し出すのも一苦労ですよね。


図4:令和4年度のDPCデータ一覧の一部

実際にファイルの中身を見てみると、診断群分類のまとまりごとにファイルが分かれており、医療機関毎の指標もファイルを開かないと分からず、直接分析するのには向いていません。

そこで、フロッグウェルが提供するDPCデータを用いることで、加工の手間が一切不要になります。さらに、フロッグウェルが提供している医療機関マスタを使用すれば、医療機関に関する詳細な情報とDPCデータを紐付けることも可能です。

フロッグウェルは、次の2種類のDPCデータを提供しています。

1.DPC詳細データ※
ID、告示番号、連番、FRGコード、施設名、分類リレーションコード、分類コード、主要診断群コード、分類、手術等サブ分類コード、手術等サブ分類、年間件数、平均在院日数、年度、公開日、更新日、年度サブ、指数リレーションコード

2.機能評価係数
ID、告示番号、コード、都道府県、医療機関名、年度、医療機関群、データ提出係数、保険診療係数、効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、救急医療係数、地域医療係数、体制評価係数、定量評価係数(小児)、定量評価係数(小児以外)、後発医薬品係数、重症度係数、機能評価係数Ⅱ合計

※DPCデータ内で使用されているDPCコードのうち「主要診断群」「分類」「手術」のテーブルデータも提供しています。

DPCデータをご希望の方は、こちらからお問い合わせください。

DPCデータ(有料版)
 データ分析や活用のアドバイスもこちらから受け付けています。 

DPCデータ(無料サンプル)

まずは、どのようなデータか確認したいという方は、こちらからサンプルを取得してみてください。

DPCデータの主な活用方法3選

最後に、DPCデータはどのように活用できるのか、詳しく見ていきましょう。

DPC参加病院をターゲットとした営業リスト作成

DPCデータの「医療圏別MDC患者数」から、自社サービスの需要がありそうな営業リストが作成できます。医療圏別MDC患者数には、主要診断群ごとの患者数が都道府県・二次医療圏・三次医療圏別に集計されています。

自社サービスに関連がある主要診断群の患者数が多い地域に絞って営業をかけることで、高い営業利益が見込めるでしょう。

全国における病院の位置を知る

DPCデータの「平均在院日数」を用いると、自院は全国的に平均在院日数が短いのか、長いのかが分析でき、それによって全国的にどのくらいの順位に位置しているのかが分かります。

また、「MDC別・医療機関別件数」を用いると、自院が得意とする疾患は、全国でどの程度の症例数を診療しているのかが分かります。これらの分析は、地域における自院の戦略の策定や、地域医療の課題の特定に役立つでしょう。

近隣病院との比較を行う

「他院よりの紹介の有無」を用いると、各医療機関の紹介患者数が分かり、医療機関ごとの需要の高さを解析できます。さらに、「医療圏別MDC患者数」を分母に、自院の患者数を分子にすることで、二次医療圏内において自院の疾病のシェアはどれくらいを占めているのかが分かります。

これによって、得意としている疾病のシェアが低い場合には、患者流入の対策を講じるなど、医療機関にとっての経営戦略を立てることが可能です。

DPC制度(DPC/PDPS)に関するまとめ

DPCには、傷病名に基づく診療行為の分類である「診断群分類」という意味と、「診断群分類に基づく11日あたり定額報酬算定制度」という意味があります。この2つを区別するために定額報酬算定制度のことを「DPC/PDPS」と呼びます。

DPC/PDPS制度によって定められたDPC方式では、診断群分類ごとの包括評価部分と出来高評価部分の合算値が診療報酬額です。DPC方式によって算定された患者情報を分析しやすい形に加工したDPCデータは、フロッグウェルから提供されています。

DPCデータを入手し、ぜひ病院の経営改善のための施策策定や企業における営業活動に活用してみてください。

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