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DPC制度とは 概要や仕組み、計算方法を分かりやすく解説

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国は、国民の医療費が年々増加している一因として、患者ごとの入院期間に着目しました。効率的な医療提供を促し、入院期間の適正化を図るために定められた仕組みが「DPC制度」です。

DPCとは、入院中の医療費のうち、投薬や検査などの基本的な診療内容を包括して計算する算定方式のことを指します。2003年に導入されてから、現在では多くの中規模以上の急性期病院で採用されています。集計されたデータは厚生労働省から公表されており、病院の機能分析などに活用されています。

この記事では、「DPC制度・DPCコード・診断群分類・DPCデータ」を詳しく理解したい方に向けてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

DPCとは


DPCは、Diagnosis、Procedure、 Combinationの略であり、患者が診断された傷病名に基づいて分類(診断群分類)し、その診断群分類ごとに厚生労働省が定めた1日当たりの定額で医療費を計算する方式です。

DPC制度とは


DPC制度(DPC/PDPS)とは、診断群分類に基づく1日当たりの包括支払制度を指します。DPC制度が適用される入院患者の診療報酬額は、診断群分類ごとに設定された包括評価部分と診療行為ごとに設定された出来高評価部分の合算値です。

診断群分類とは、18の主要診断群に属する約500種類の基礎疾患を元に重症度、年齢、手術・処置の有無などにより分類された約3,000種類以上の診断群のことです。

DPC制度における診断群分類

診断群分類とは、米国で開発された「DRG:Diagnosis Related Group」を応用したものです。
DRGとは、患者を診断や処置に基づいてグループ分けする手法を指します。DRGの目的は、医療における品質管理や効率化です。診療プロセスを詳細に評価し、改善していくという品質管理(Quality Control)の手法を目的として開発されました。また、臨床的な判断に加えて、人為的資源や物的資源など医療資源の必要度に応じて、各患者を統計上意味のある分野に整理する方法が開発されました。
この考え方を基に、各国がそれぞれの国の実態に即した形で疾患の分類を作成しました。
日本ではDPC/PDPS制度を導入するにあたり、独自の臨床的な類似性と資源消費の均質性に基づいた患者の分類を作成しました。それが「診断群分類」です。

DPC制度導入の背景とは


DPC制度は、急性期入院医療を対象として、2003年に導入されました。DPC制度の導入目的の一つに、医療費の適正化が挙げられます。

DPC制度の導入前は、入院患者に行った全ての診療行為ごとに医療費を請求できました。個々の患者に応じた診療ができる一方で、検査や処置の数(量)が、診療費の増減に関係するため、収益を上げるために過剰な検査や処置を行う病院もありました。

結果として、病院や担当医によって診療内容や入院期間にばらつきが出てしまい、日本全体の医療費を押し上げる傾向にありました。

そこで、政府はDPC制度を導入し、傷病名から標準的な診療行為をひとまとめにした包括点数を定めることで、医療費のばらつきを改善しました。

DPC制度の仕組み


DPC制度では、入院に関する診療報酬の算定方式が追加になりました。従来の出来高方式と追加になった包括評価方式を対比しながら、DPC制度の内容を詳しく見ていきましょう。

日本における診療報酬の算定方式

現在の日本における医療費(診療報酬)の算定方式には、「出来高方式」と「包括評価方式」の2種類があります。これらの算定方式を理解する上で、まずは診療の対価である医療費が計算される仕組みを見ていきましょう。

図1:医療費の算定の仕組み

診療行為ごとに厚生労働大臣の定める点数が決まっています。医療費は、点数の合算値を1点10円で換算して算出される仕組みです。算出された医療費は、患者に請求されます。

図1の例でみると、「インフルエンザ疑い」という傷病名で診療を受けた場合、診療行為ごとの点数の合算値「512点=5120円」が総医療費となるわけです。この総医療費のうち、7歳〜69歳の方は3割を自己負担額として病院に支払い、差額の7割は健康保険証に記録されている保険者に病院が請求しています。

  • 初診料:288点
  • インフルエンザウイルス抗原定性:149点
  • 処方せん料:75点

このように、診療行為ごとの単純な合算で医療費を計算する方式が「出来高方式」です。医療費の算定方式は基本的には「出来高方式」ですが、「入院」の場合に限り「包括評価方式」での算定方式を取る場合があります。

DPC制度で定められた包括評価方式

包括評価方式は、標準的な医療行為の包括分と手術料やリハビリなどの出来高分を合算して医療費を計算する方式です。
「出来高方式」と「包括評価方式」の違いは、以下のとおりです(図2)。

図2:出来高方式と包括評価方式の違い

包括評価方式には次のような特徴があります。

  • DPC対象病院に入院する患者のうち、診断群分類に該当する方が対象
  • 一部の診療行為(手術や指導料、リハビリ等)は出来高分で算定
  • 自由診療や歯科・口腔外科、精神科の診療は対象外
  • 精神病棟や療養病棟など、急性期一般病棟以外への入院は対象外

包括分の範囲は、いわゆるホスピタルフィーと呼ばれる要素を基部としており、入院医療に必要となる基本的費用、つまり施設使用料などが該当します。一方の出来高評価部分の範囲は、ドクターフィー的要素、つまり医師個人の技量に直結する、手術料や指導料などが該当するのが特徴です。

DPC制度が適用される患者は?

DPC制度の対象となる患者は、DPC対象病院(令和7年6月1日時点、1,761病院)の一般病床入院患者のうち、包括対象となる診断群区分(令和6年6月時点、2,348分類)に該当する患者です。(手術等の内容によっては、一部対象外となる患者もいます)

DPC制度を導入するメリット


DPC制度を導入する患者・病院側のメリットについて、見ていきましょう。

患者側のメリット

患者にとっての最も大きなメリットは、過剰な診療による負担増を防げる点です。従来の出来高方式では、病院側が行った診療行為の数だけ医療費は高額になります。

DPC制度の導入により診断群分類ごとの定額制で算定されるため、診療行為の数に比例して医療費は高額になりません。また、病院側の過剰な投薬や入院期間の引き延ばしを避けられるのもメリットの一つです。

病院側のメリット

病院側のメリットとしては、医療の質向上と収入増加が見込める点が挙げられます。DPC制度導入後の診療報酬額には、医療機関別係数という数値が大きく影響します。厚生労働省から高い評価を受けた病院は、医療機関別係数が高くなり、得られる診療報酬額も上がる仕組みです。

これにより、DPC制度を導入している病院は高い報酬を得るために院内の体制を見直し、改善していくため、医療の質が高まります。医療の質が高まれば、来院する患者数も増えるので、収入増加という相乗効果が期待できます。

DPC制度による診療報酬額を決める要素


DPC制度で定められた診療報酬額には、診断群分類(DPCコード)と医療機関別係数が大きく影響します。診療報酬額の算出時に使用するDPCコードと医療機関別係数について、詳しく見ていきましょう。

DPCコードとは

診断群分類ごとに14桁のDPCコードが設定されています。


DPCコードのそれぞれの桁の意味について、見ていきましょう。

1~6桁目:基本DPC

最初の6桁は「基本DPC」と呼ばれ、ICD-10 (国際疾病分類)に対応している傷病名に基づく分類コードです。そのうち上2桁は、全18種類に分類された疾患名からなる主要診断群(MDC:Major Diagnostic Category)となり、残る4桁が入院期間中にもっとも医療資源を投入した傷病名の細分類コードとなります。

7桁目:入院種別、8桁目:年齢・出生時体重等

7桁目は入院種別となりますが、現在は基本的に使用されず『x』と表記されます。8桁目は、年齢、出産時の体重、JCS(意識障害の分類)が医療資源の投入量に影響を与える場合などに使用されます。

9、10桁目:手術等サブ分類

9、10桁目が手術についてです。99が手術なし、97が手術あり、01~06が定義テーブルによる手術となります。

11、12桁目:手術・処置1、2

11、12桁目がそれぞれ手術・処置等1、2に該当します。補助手術や化学療法、放射線療法等の有無や種類で分類されます。

13桁目:副傷病の有無、14桁目:重症度等

13桁目が副傷病の有無についてです。入院時、入院後に発症した副傷病を表します。14桁目が重症度等を表し、13桁目までで表現できなかった医療資源投入量に影響を与えるような重症度を表すコードとなります。

例えば、「010010xx01x11x」というDPCコードからは、以下の情報が読み取れます。

基本DPC「010010」:脳腫瘍
手術等サブ分類「01」:頭蓋内腫瘍摘出術当等
手術・処置2「1」:あり
副傷病の有無「1」:あり

DPCにおける診断群分類とは


診断群分類とは、まず18の主要診断群に分類し、それらに属する505の基礎疾患をもとに重症度、年齢、手術・処置の有無、定義副傷病名などで振り分けし、3000以上の診断群に分類したものです。

元々は、米国で使用されている「DRG:Diagnosis Related Group」に基づいて、日本独自に開発されました。DPCがDRGと明確に異なるのは、分類が「診断」だけに対してではなく、「診断と診療行為の組み合わせ」に対して行われる点です。

令和6年度における18の主要診断群(MDC)は下記のとおりです(※1)。

MDC01:神経系疾患
MDC02:眼科系疾患
MDC03:耳鼻咽喉科系疾患
MDC04:呼吸器系疾患
MDC05:循環器系疾患
MDC06:消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
MDC07:筋骨格系疾患
MDC08:皮膚・皮下組織の疾患
MDC09:乳房の疾患
MDC10:内分泌・栄養・代謝に関する疾患
MDC11:腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
MDC12:女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩
MDC13:血液・造血器・免疫臓器の疾患
MDC14:新生児疾患、先天性奇形
MDC15:小児疾患
MDC16:外傷・熱傷・中毒
MDC17:精神疾患
MDC18:その他

※1参考:厚生労働省「診断群分類(DPC)電子点数表について

医療機関別係数とは

包括評価方式における診療報酬額の計算要素である医療機関係数は「基礎係数」「機能評価係数I」「機能評価係数II」「救急補正係数」「激変緩和係数」の和で計算されます。
同様の診断群分類であっても医療機関別係数が高い病院ほど、1日当たりの診療報酬額は高くなるのが特徴です。

医療機関別係数の構成要素は、以下のとおりです。

基礎係数

診療機能で3つの医療機関群に分類し、医療機関群ごとに評価する係数です。直近の診療実績に基づいて評価されます。

基機能評価係数I

次のような医療機関の設備・体制・特性を評価する係数です。

  • 病院の体制の評価
  • 看護配置の評価
  • 地域特性の評価

機能評価係数II

DPC導入病院の医療機関が担うべき役割や機能を評価する係数です。
機能評価係数IIは、「保険診療係数」「効率性係数」「救急医療係数」「地域医療係数」などの係数から成り立っていて、次のような内容が評価されます。

  • 適切なDPCレセプト(診療報酬の算定情報)が作成できたか
  • 病院情報を公開する取り組みを行ったか
  • 保険診療の質的改善に取り組んでいるか
  • 在院日数短縮の努力をしているか
  • 地域医療に貢献しているか

救急補正係数

救急医療入院における入院初期の医療資源投入の乖離を補正するための係数です。

激変緩和係数

診療報酬改定等に伴う個別医療機関別係数の大幅な変動が起きないように調整する係数です。

DPC制度を評価する「DPCデータ」とは


厚生労働省は、「DPC導入の影響評価」と「今後のDPC制度の見直し」を目的として、患者の診療情報が記録されたDPCデータの提出を全国のDPC参加病院に求めています。厚生労働省に集約されたDPCデータは、毎年1回データベース化し、統計データとして公開されており、誰でも閲覧・活用できます。

医療提供レベルによって医療機関ごとに値が異なる「医療機関別係数」の判断材料にも、DPCデータは活用されています。

DPCデータの内容

全国のDPC参加病院から厚生労働省に提出されるDPCデータは、次のようなファイル構成をしています(図3)。

図3:DPCデータのファイル構成

  • 様式1
  • 通称「DPC版カルテ」「DPC版退院サマリ」
    患者の基本情報、病名、手術、重症度指標など

  • 様式3
  • 医療機関の施設情報
    病床数や算定可能な入院基本料・加算等が月単位で記入

  • 様式4
  • 保険診療以外の各入院の情報

  • 入院EF統合ファイル
  • 入院における診療報酬の算定情報

  • 外来EF統合ファイル
  • 外来における診療報酬の算定情報

  • Dファイル
  • DPCにおける診療報酬の算定情報(DPCレセプト)

  • Hファイル
  • 重症度・看護医療必要度に基づいて作成された日ごとの患者情報

  • Kファイル
  • 生年月日、カナ氏名、性別より決定した共通ID

DPCデータのメリット・デメリット

包括評価方式で算定された入院患者や施設の情報が集約されたDPCデータは、企業や病院にとって経営戦略に繋げるための貴重な資料です。DPCデータのメリット・デメリットを紹介します。

<メリット>

  • 基本的な診療録情報とレセプト情報が長期にわたって時系列で記録されている
  • データ形式が容易であるため、単純から複雑な分析まで幅広く利用できる

<デメリット>

  • DPC対象外病院の情報を含んでいない
  • 血液検査の数値やバイタルサイン(血圧・体温等)、画像診断の詳細な所見までは含まれていない

DPCデータでは、患者が「いつ」「どんな治療を」「どの程度」行ったかを時系列で把握できるため、診療経緯の可視化が可能です。
一方で、詳細な症状の情報を含んでいないため、臨床研究に利用するには、追加情報が必要です。

DPCデータの2つの入手方法


包括評価方式で算定されたDPCデータは、日本の急性期医療の実態を把握するのに有用な情報です。DPCデータの入手方法として2つご紹介します。

厚生労働省の公開データ

全国のDPC参加病院から提出されたDPCデータは、厚生労働省がデータベース化し、毎年1回公開しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128164.html

図4:令和5年度のDPCデータ一覧の一部

図5:(8)疾患別手術別集計_MDC01

各データは、診療群分類ごとに分かれており、医療機関ごとの指標もファイルを開かないと分からず、直接分析するのには向いていません。

フロッグウェルの提供データ

フロッグウェルが提供するDPCデータ(疾患別手術別集計のみ)を用いることで、加工の手間が省けます。さらに、フロッグウェルが提供している医療機関マスタを使用すれば、医療機関に関する詳細な情報とDPCデータを紐付けることも可能です。

フロッグウェルは、次の2種類のDPCデータを提供しています。

1.DPC詳細データ
詳しくはお問合せください。

2.機能評価係数
ID、告示番号、FRGコード、都道府県、医療機関名、年度、医療機関群、データ提出係数、保険診療係数、効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、救急医療係数、地域医療係数、体制評価係数、定量評価係数(小児)、定量評価係数(小児以外)、後発医薬品係数、重症度係数、機能評価係数Ⅱ合計

DPCデータをご希望の方は、こちらからお問い合わせください。

DPCデータ
※データ分析や活用のアドバイスもこちらから受け付けています。 

まずは、どのようなデータか確認したいという方は、こちらからサンプルを取得してみてください。
DPCデータ(無料サンプル)

DPCデータの主な活用方法3選


最後に、DPCデータはどのように活用できるのか、詳しく見ていきましょう。

DPC対象病院をターゲットとした営業リスト作成

DPCデータの「医療圏別MDC患者数」から、自社サービスの売上向上が見込める営業リストが作成できます。医療圏別MDC患者数には、主要診断群ごとの患者数が都道府県・二次医療圏・三次医療圏別に集計されています。

自社サービスに関連がある主要診断群の患者数が多い地域に絞って営業をかけることで、高い営業利益が見込めるでしょう。

自院の強み・弱みの把握

DPCデータの「平均在院日数」を用いると、自院は全国的に平均在院日数が短いのか、長いのかが分析でき、それにより病床の回転率を把握できます。

また、「MDC別・医療機関別件数」を用いると、自院が得意とする疾患は、全国でどの程度の症例数を診療しているのかが分かります。これらの分析は、地域における自院の戦略の策定や、地域医療の課題の特定に役立つでしょう。

全国にはDPCデータ分析ソフトを導入し、ベンチマーク分析(※1)を行う急性期病院が存在します。急性期病院が診療実績を容易に比較できるサービスに「病院情報局」があります。(※2)

病院ごとの実績や特徴を詳細に把握できるので、自院の経営改善に役立ちます。無料会員とプレミアム会員を設けており、プレミアム会員になると、過去年度データや時系列分析チャート、ポジション分析チャートの表示も可能です。

※1:他社の事例を基準として自社の経営戦略や商品を比較・評価し、方針や製品の改善に活用する手法

※2参考:株式会社ケアレビュー「病院情報局」

近隣病院との比較

「他院よりの紹介の有無」を用いると、他院からの紹介状によって入院した患者数が分かり、医療機関ごとの需要の高さを解析できます。さらに、「医療圏別MDC患者数」を分母に、自院の患者数を分子にすることで、二次医療圏内において自院の疾病のシェアはどれくらいを占めているのかが分かります。

これによって、得意としている疾病のシェアが低い場合には、他院からの紹介によって患者が受診してくるための対策を講じるなど、医療機関にとっての経営戦略を立てることが可能です。

DPC制度に関するよくある質問

入院が決まった際、「DPC制度とは何?」「医療費はどう計算されるの?」と不安に感じる方も多いでしょう。DPC制度では、病名や治療内容によって入院医療費が決まりますが、すべての入院が対象になるわけではありません。

最後に、包括評価(DPC)方式の対象・対象外の違いや、出来高方式との比較、高額療養費や公費負担医療の取り扱いなど、特に気になる疑問をQ&A形式で解説します。

全ての入院患者がDPCの対象になる?

全ての入院患者が包括評価(DPC)方式の対象になるわけではありません。包括評価方式は、急性期医療を提供するDPC対象病院に入院している患者が対象です。ただし、以下の条件に該当した場合は、従来どおりの出来高払いとなります。

  • 患者の病状や治療内容を踏まえ、主治医にいずれのDPC診断群分類にも
  • 該当しないと判断された患者
  • 入院期間が厚生労働省で定めた日数を超えた患者
  • 外来診療のみの患者
  • 労災、公災、自賠責保険が適用された患者
  • 自費診療の患者
  • 入院後24時間以内に死亡した患者
  • 治験に参加している患者

同じ病院に入院していても、患者の病状や診療内容によっては出来高算定となるケースがあるので注意しましょう。

出来高方式に比べて包括評価方式の方が医療費は高い?

包括評価方式では、入院中の病名や診療内容に基づいて1日あたりの診療費が設定されるため、出来高払いと比較すると、医療費が高くなる場合もあれば、低くなる場合もあります。

さらに、病院の機能に応じて厚生労働省が定めた係数が適用されることから、同じ傷病で治療を受けた場合でも、医療機関ごとに入院医療費が多少異なることがあります。

DPC制度における高額療養費の取り扱いは?

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。DPC制度が適用されるケースにおいても、高額療養費制度の取り扱いは従来と変わらず、高額療養分(上限額を超えた金額)は支給されます。

入院する際、70歳未満で国民健康保険に加入している方は市町村の担当窓口へ、同じく70歳未満で社会保険に加入している方は勤務先を通じて、事前に高額療養費の申請手続きを行いましょう。

また、70歳以上で低所得者に該当する方は、申請により自己負担限度額がさらに軽減される場合がありますので、市町村窓口へご相談ください。

特定疾患(公費)がある場合の取り扱いは?

DPC制度において、特定疾患などの公費負担医療が適用される場合でも、基本的な取り扱いは従来と変わりません。特定疾患(公費)の病名が入院の主たる治療目的である場合は、包括評価方式になっても公費が適用されます。

医療費の算定自体は包括評価方式で行われますが、公費分は定められた割合で公費から支払われ、残りが保険給付および患者負担となります。特定疾患の種類や制度によって負担割合が異なるため、事前に医療機関や市町村窓口で確認しましょう。

DPC制度の対象病院でも出来高方式で計算できる?

厚生労働省の定めにより、DPCの対象となる傷病に該当する場合は出来高方式で計算できません。一方、DPC制度の対象病院に入院していても、患者の傷病や治療内容が診断群分類のいずれにも該当しない場合は、出来高方式で計算されます。

入院途中で病状や診療科が変わった場合の入院医療費は?

入院中の病状の変化や治療・検査内容により、診断群分類が変更される場合があります。診断群分類は1回の入院につき1つと定められているため、病名が確定した時点で入院初日にさかのぼり、確定した診断群分類に基づいて医療費を再計算します。

なお、入院中に月をまたいで病名が変更となった場合は、前月分の医療費について、次月または退院時に差額の調整を行います。

DPCデータを分析できる手段やツールは?

DPCデータを分析する手段やツールを紹介します。

分析手段・ツール 特徴
データ統計・管理ソフト ・Excel、Accessなど
・手動で統計やグラフ化ができる
BIツール ・ダッシュボードやレポートの形で表示できる
・手作業の分析よりも効率的に分析できる
専門的なデータ分析ツール ・DPCデータに特化した分析ツール
・より簡易的に正確な分析ができる

 

DPC制度(DPC/PDPS)に関するまとめ

DPC制度(DPC/PDPS)とは、診断群分類(DPC)に基づく1日当たりの包括支払制度です。DPC制度によって定められた包括評価方式では、診断群分類ごとの包括評価部分と出来高評価部分の合算値が診療報酬額になります。

DPCデータをぜひ病院の経営改善のための施策策定や企業における営業活動に活用してみてください。

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