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アパレル業界におけるKPIとは? KPIと正しい設定方法を解説します

#アパレル #KPI #設定方法

KPIとは?設定の注意点と利用方法


KPIはここ最近よく聞く単語だと思います。まずはKPIについて解説していきましょう。

KPIとは

KPIとはKey Performance Indicatorsの略です。日本語で言うと、主要業績評価指標となります。横文字で聞くと難しく聞こえますが、日本語に直すとわかりやすくなります。

KPIは業務の評価をするために用いられる、一方で指標を設定することで目標を達成するための道標として用いられます。例えば、売上高を増やすと言う目標を立てた時に、売上高と言うのは大きすぎて何を達成すれば売上高が増えるかはわかりにくくなります。そこで用いられるのがKPIとなります。
あくまで売上高と言う目標に対してどう達成するのかと言う過程に設定するのがKPIとなります。

ここでKPIと近い単語でKGIという単語があります。
KGIはKey Goal Indicatorの略で、ビジネスの最終目標を定量的に評価される指標となります。KGIはビジネスのゴールを定量的に示した指標であるのに対して、KPIはKGI達成までのプロセスの達成度をはかる指標となります。

KPIの設定の注意点

KPIの設定にあたっては以下の点について注意が必要です。

ⅰ.必ず定量化できる指標
ⅱ.KGIと結びつける
ⅲ.施作で改善できるKPI

まず1点目ですが、数値化できなければモニタリングができず、大きな目標に対して達成できるのかがわかりません。数値化することで、プロジェクト内のメンバーなどと意識を共有することができます。

次に、KPIとKGIが結びついてなければ、KPIを達成してもKGI、要は最終目標を達成することができません。KGIから分解を行い、KPIからKGIにつながるように設定を行なっていきましょう。どこまで分解をするかは、次にもある具体的な施作を実施できるレベルまでもっていきましょう。

最後に、定量化されたKPI を設定しても施作により改善ができなければ、モニタリングする意味がなくなります。施作に対して効果がわかる形になることが理想です。

KPIの利用方法

KPIは先述した通り、モニタリングができなければなりません。そのため、KPIは段階的なゴールに設定して検証を行うことで、うまくいってなければ具体的な施作を検討するということになります。
これはいわゆるPDCAサイクルを実施していくということです。
最終ゴールについてはある期間をもって設定することになりますが、その最終ゴールに向けては1年1年繰り返していくことになります。毎年検証を繰り返すことでKPIも精緻化され、最終ゴールであるKGIの達成に向けて進めていくことになります。

アパレル業界におけるKPIの解説

アパレル業界の意識されるポイント

アパレル業界で意識されるのは売上高を意識されてきました。その結果、利益に関係なく、とにかく売るということが意識されました。
一方で、売上高も必要ですが、利益をどう残していくかというところも重要になります。むしろ売上高よりも利益を意識すべきで、どうやって稼いでいくかということの方が重要です。いくら売上高を増やしても利益率が悪ければ、売れば売るほど損をするというケースもあります。
本来的には利益を意識されるべきですが、ファッションというところから売上高が意識されてきたことは事実です。その結果、アパレル企業の営業利益率というのは数%という現状になっています。そして、その数%はちょっとの間違いが起これば吹っ飛んでしまう利益となっています。

アパレル業界におけるKPI

では、アパレル業界においては利益率だけをKPIにしても問題ないのでしょうか。
重視すべきなのは利益率の方であることは事実です。しかし、利益額を積み上げるには売上高も必要になってきます。あくまで利益率と売上高のバランスということが必要になってきます。
アパレル業界においては売上高と利益率に対してKPIを設定すべきなのです。
なお、一言でアパレル業界と言っても、販売している商材により平均的なKPIは異なります。そのため、自社の前年を基に設定して繰り返し検証をかけていくということが進め方となります。

売上に対する分析

分析にあたっては「売上の分解」

まずは売上高に対するKPIをみていきましょう。
売上高を分解していくと、「単価」と「数量」に分解できます。つまり、売上高を増加させたいと考えた時は「単価」を上げるのか、「数量」を増やすのかという施作を入れていきます。ここでアパレル業界では「単価」と「数量」をそれぞれ、「商品単価」と「セット率」、「入店者数」と「購買率」に分解します。ここまで分解すると、それぞれの指標に対して施作を考えることができます。それぞれの要素を見ていきましょう。

購入商品あたりの単価を示す「商品単価」

まずは、単価を構成する要素として「商品単価」です。
「商品単価」はその単語の通り、お客様が購入する商品の単価となります。買う商品がいくらになるのかということがポイントです。
アパレル業界では、販売する服などの商品単価を上げていく、つまりは商品の魅力を上げていくあるいは素材を高級なものを使って価値自体を上げていくという施作を実施することで上げていくことになります。

1人のお客様の購入点数を示す「セット率」(=販売点数÷販売客数)

次に単価を分解してみる指標として「セット率」があります。
単価の構成要素で単価を上げたいと考えた時、先ほどの「商品単価」を上げるより「セット率」を上げることの方が簡単です。なぜなら、商品自体の単価を上げるのはなかなか難しいですが、1人のお客様に1個より2個買ってもらうことで単価を上げる方が一気に単価は上がります。
アパレル業界では、アッパー、パンツ、それに合わせるジャケットなど組み合わせのパターンは多数あります。もちろんバッグや靴も対象です。セット率に関しては、お店で頑張ってお客様に1点ではなく2点、3点と多めに買ってもらうということを進めていけば単価が上がっていきます。

お店に入ったお客様数を示す「入店者数」

数量の構成要素として「入店者数」です。
買ってもらう人を増やしたいと考えるとお店に入ってもらわないと買ってもらえません。「入店者数」はそのための指標となります。「入店者数」はより魅力的な店舗にしてとにかく入ってもらうということが大切です。

入店者がどれだか購入したかを示す「購買率」(=購入者数÷入店者数)

最後に数量の構成要素として「購買率」です。
「購買率」はお店に入ってもらった人がどれだけの人が買ってくれたかという指標になります。「購買率」は「商品単価」と近いところがあって、いかに商品を魅力的にしてお店の滞在時間を増やすかが施策になります。

粗利益率に対する分析

分析にあたっては「粗利益率の分解」

次に粗利益率に対してKPIをみていきましょう。
粗利益率は当たり前ですが「粗利益」÷「売上高」で計算されます。粗利益は売上高から仕入原価で計算されます。つまり、粗利益率は売上高と仕入原価が影響して変動します。
売上高は値引きをせずに売るか、値引きするにしても値引き幅を小さくする、また、仕入原価率を下げることで粗利益率を上げることができます。これらについてのKPIとして「Pシェア」、「販売掛率」、「仕入原価率」があります。

値引きをせずに売った割合を示す「Pシェア」(=P売上÷売上高)

まずは「Pシェア」です。これは、いわゆる値引きせずにプロバー売上(P売上)の割合を指します。一方、値引きをして売った売上高をバーゲン売上(B売上)といいます。
当たり前ですが、値引きをせずに売る割合を高めると利益率は上がります。これは値引きをせずに売りたいということになるので、商品を魅力的にして値引きをせずに売り切るという施策を実施することになります。

値引率を反映する「販売掛率」(=売上÷上代)

次は「販売掛率」です。
まず、上代という単語が聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言えばもともと売りたい値段のことです。上代のまま売れば(=P売上)、100%となります。つまり、値引きをすればするほど販売掛率は下がります。
販売掛率を下げないようにするには、先ほどと同じでいかに魅力的な商品で値引きの幅を小さくするということになります。

安く仕入れることができたかを示す「仕入原価率」(=仕入原価÷上代)

最後に「仕入原価率」です。
これは仕入をした時の原価率となります。よく聞くのは売上原価率かと思いますが、その場合、売上高も影響することになるので、分析するにあたっては仕入原価率の方が優れています。
仕入原価率は、いかに仕入金額を下げるかということになるので、いい商品を仕入れるか同じ商品でも交渉して仕入金額を値引きすることで下げることができます。

まとめ


ここまでアパレル業界におけるKPIをみてきましたがいかがでしたでしょうか。
アパレル業界では売上高を意識されやすいのですが、ちゃんと利益率を意識した販売をしなければ赤字になってしまいます。そのためには適切にKPIを設定して管理して売上を増やしながら利益を稼いでいくというサイクルで回していきましょう。

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