Tableau Cloudとは?主な機能や特徴について分かりやすく解説
目次
ビジネス現場でデータの可視化と分析を行う際、どこからでもアクセスできるクラウド環境はますます注目を集めています。
その中でも「Tableau Cloud」は、Tableauの高機能をそのままに、クラウド上でダッシュボードを作成・共有できる柔軟なBIツールです。
本記事では、Tableau Cloudの基本的な概要から主な機能や特徴、さらには利用メリット・注意点までを分かりやすく解説します。
Tableauのクラウド活用を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
Tableau Cloudとは
Tableau Cloudは、Salesforce社(Tableau社)が提供する完全ホスト型のクラウドベースの分析プラットフォームです。
ここでは、Tableau Cloudの基本的な概要と、オンプレミス製品であるTableau Serverとの違いを中心に解説していきます。
Tableau Cloudの概要
Tableau Cloudは、クラウド環境で提供されるSaaS(Software as a Service)型のBIサービスです。
Tableau Desktopで作成したダッシュボードをTableau Cloud上に公開し、Webブラウザから他のユーザーと共有することができます。
社内のITインフラに依存せず、クラウド環境のみでデータ活用を進められる点が、多くの企業に支持されている理由のひとつです。
オンプレミス製品(Tableau Server)との違い
Tableau CloudとTableau Serverは、提供される機能の多くは共通ですが、
・運用形態
・管理責任の範囲
の2点において明確な違いがあります。
Tableau Serverはオンプレミス(自社サーバー)環境で運用するため、インフラ構築やメンテナンスが必要です。
一方でTableau Cloudは、Salesforce社(Tableau社)がホスティングするクラウド環境上で稼働するため、ユーザー側でのサーバー管理は不要です。
セキュリティパッチの適用やバージョン更新も自動で行われるため、運用の負荷が大幅に軽減されます。
ただし、Tableau Serverではより細かなカスタマイズや、社内ポリシーに即した厳格なセキュリティ設計が可能です。
そのため、自社インフラや社内セキュリティ基準を重視したい企業では、Tableau Serverが適しているケースも多いでしょう。
Tableau CloudとTableau Serverの違いについて詳しく学びたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
◆Tableau CloudとTableau Serverの違いとは 選ぶ際のポイントをご紹介
Tableau Cloudの主な機能・特徴
Tableau Cloudには、業務で使える便利な機能が多数そろっています。
操作は直感的で、専門知識がなくても扱いやすいため、非エンジニアの方にもおすすめです。
ここでは、Tableau Cloudの主な機能や特徴を3つご紹介していきます。
①Web上でのダッシュボード作成・共有
Tableau Cloudにデータソースをパブリッシュ(アップロード)しておくと、Web上でダッシュボードを作成することができます。
さらに、Web上で直接編集・更新することも可能で、プロジェクトメンバー全体での共同作業を円滑に行えます。
ダッシュボードはURLリンクで共有でき、ダッシュボード閲覧者はTableauのライセンスを保有していれば、どこからでも内容を確認可能です。
デスクトップアプリケーションである「Tableau Desktop」と比べると利用できる機能に若干差があるものの、Tableau Cloud上の開発機能は随時アップデートされているため、現在ではTableau Desktopとほぼ変わらない操作性が実現できるようになっています。
Web 作成と Tableau Desktop 機能の比較(Tableau公式)
②アクセス管理・パーミッション設定
Tableau Cloudでは、ユーザー単位でのアクセス管理を細かく設定することが可能です。
各ユーザーに対して、
・どのワークブックを閲覧・編集できるか?
・どこまでデータにアクセス可能か?
といった内容をを制御する「パーミッション設定」が用意されています。
これにより、組織のセキュリティポリシーや業務フローに合わせた可視化運用が実現できます。。
特定の部署だけに分析結果を見せたい場合や、外部ユーザーへの一部公開を行いたいときにも活用しやすい機能といえるでしょう。
③Tableau Pulseの利用
Tableau Pulseとは、「誰もが簡単にデータを利用できるようにする」ことを目的としたサービスで、Tableau Cloud経由でアクセスできます。
Tableau Cloudの画面左側にあるタブで「Tableau Pulse」を選択することでTableau Pulseに移動可能です。(下図)
Tableau Pulseは、メトリクス([注文日]などの時系列データ)に基づきパーソナライズされたデータインサイトを提供します。
特定のKPIや目標値を設定しておくことで、自動的に変動をモニタリングして必要な情報をメールやSlackなどで通知してくれます。
日次の売上結果など重要な数値の変動にすばやく反応できるため、現場判断のスピードが格段に向上するでしょう。
「Tableau Pulse」については以下の記事で詳しく解説しています。
◆Tableau Pulseの特徴と実際の利用手順を丁寧に解説
Tableau Cloudのメリットと注意点
Tableau Cloudには多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点も存在します。利用を始める前に、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが、失敗しない導入の第一歩です。
ここでは、Tableau Cloudを選ぶ際に知っておきたいメリットと注意点について、具体的に整理していきます。
メリット1:インフラ不要で導入可能
Tableau Cloudは、専用のサーバーやインフラ環境が不要で、契約後すぐに利用を開始できます。
これにより、IT部門による物理サーバーの構築や保守作業が不要となるため、導入コストや運用負荷を大幅に抑えられるでしょう。
また、初期費用を抑えてスモールスタートできる点は、PoC(概念実証)や小規模プロジェクトにも適しています。
これまでオンプレミス環境での導入にハードルを感じていた企業にも、クラウド化は非常に有効な選択肢となるでしょう。
メリット2:常に最新版バージョン
Tableau Cloudでは、製品のバージョン管理やアップデートはすべて自動で行われます。
そのため、ユーザー側でアップデート対応を行う必要がなく、常に最新の機能やセキュリティが適用された状態で利用できます。
Tableauの新機能がリリースされるたびに即時反映されるため、最新の分析機能をいち早く業務に取り入れられるでしょう。
これにより、管理の手間を最小限に抑えながら継続的に価値の高いダッシュボード運用が可能になります。
注意点1:セキュリティと公開範囲に要注意
Tableau Cloudはインターネット経由でアクセスする仕組み上、セキュリティ設計には十分な配慮が求められます。
アクセス権限の設定が不十分なままワークブックを公開すると、意図しない情報漏洩につながる可能性もあります。
特に機密性の高いデータを扱う場合は、ユーザーごとの「パーミッション設定」を慎重に設計する必要があるでしょう。
利便性と安全性を両立させるためには、導入時にセキュリティポリシーを明確にしておくことが欠かせません。
注意点2:オンプレミス上のデータソース接続には専用ツールが必要
Tableau Cloudはクラウド型のサービスであるため、社内ネットワーク上(ファイアウォールの内側)のデータベースと直接接続することはできません。
そのため、オンプレミス環境のデータを利用する場合には、「Tableau Bridge」という専用ツールの導入が必要です。
Tableau Bridgeは、中継役としてクラウドと社内データソースをつなぐ役割を果たしますが、設定や運用には一定の知識と管理が求められます。
スケジュール設定やトラブル時の対応など、Tableau Bridgeの稼働を前提とした体制も整えておく必要があります。
社内のデータ資産を最大限に活用したい場合は、Bridgeを含めた接続方法と運用体制を事前に検討しておくことが重要です。
まとめ
この記事では、Tableau Cloudの基本的な概要から主要機能、オンプレミス製品との違い、メリット・注意点までを幅広く解説しました。
Tableau Cloudは、クラウド上でダッシュボードを作成・共有できる利便性に加え、アクセス権限管理やTableau Pulseなど、分析業務を加速させる機能が充実しています。
特に、インフラ不要で即座に利用開始できる点や、自動で常に最新版が適用される点は、オンプレミス環境にはない大きな魅力です。
一方で、公開範囲の管理や社内データへの接続には注意が必要であり、運用ルールを事前に定めることが重要となります。
Tableau Cloudは、これからデータドリブンな意思決定を進めたい企業にとって、有力なクラウド型BIツールの選択肢といえるでしょう。
本記事が、Tableau Cloudの導入や活用を検討されている皆様の参考になれば幸いです。
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