Tableauにおけるユニオンとは?特徴や使い方を分かりやすく解説
目次
データを効率的に管理し、分析をスムーズに進めるためには、複数のデータセットを一つに統合することが重要です。Tableauでは「ユニオン」という機能を使うことで、同じ構造を持つ複数のデータを簡単に結合できます。
ユニオン機能は、業務において複数のデータソースを扱う場面で非常に役立つでしょう。
この記事では、Tableauにおけるユニオンの特徴や使い方を、初心者でも分かりやすく解説します。
ユニオンを活用することで、大量のデータを一元化してビジネスインサイト(洞察)を迅速に得られるようになるでしょう。
業務で効率良くデータを処理して分析力を高めたい方にとって、本記事がTableauのユニオンを使いこなすためのスタートラインとなれば幸いです。
【概要・特徴】Tableauのユニオンについて
Tableauのユニオンは、複数のデータソースを一つにまとめて分析する際に非常に役立つ機能です。
この機能を使うことで、異なるデータセットを効率的に連結し、一括でデータを扱えるようになります。
ここでは、ユニオンの概要、及びユニオンと混同されやすい「結合」との違いについて詳しく解説していきます。
ユニオンとは?
ユニオンとは、同じ構造を持つ複数のデータセットを縦方向に結合する方法です。
例えば、異なる月の売上データを一つにまとめたい場合、ユニオンを使用すると全てのデータを一つのテーブルとして扱えるようになります。
これにより、各月のデータを個別に取り込む手間が省け、一つのビューで全体のデータを分析することが可能です。
Tableauでは、ユニオンを作成する方法がシンプルで、ドラッグ&ドロップで簡単に操作できます。
ユニオンを使うと同じフィールド名を持つデータは自動的に一致し、一致しないフィールド名も簡単な処理で修正が可能なため、データ分析の信頼性が向上します。
特に、同じフォーマットのcsvやExcelなどをまとめて扱う場合に便利な機能といえるでしょう。
結合との違い
ユニオンと結合の違いは、データを縦に連結するか、横に連結するかにあります。
ユニオンは、同じ構造のデータセットを「縦」に結合しますが、結合(ジョイン)は、異なる構造のデータセットを共通のキーを使って「横」に結合する方法です。
例えば、売上データと顧客データを結合する際には、顧客IDなどの共通のキーを使用して横に結合します。
一方、ユニオンは共通のキーを必要とせず、フィールド名が一致する限り縦にデータをつなげることができます。
そのため、データ構造が似ているが、期間や対象が異なるデータセットをまとめたい場合にはユニオンが有効です。
結合が必要な場合は、異なるデータ間の関連性を理解し、適切なキーを使ってデータを結びつけることが求められます。
ユニオンと結合の使い分けを理解することで、データ処理の効率がさらに向上するでしょう。
Tableauでユニオンを作成する方法
それでは実際にTableauでユニオンを作成する方法を、具体的な手順に沿ってご説明していきます。
なお、今回はTableauに付属している「サンプル-スーパーストア」から、オーダー年ごとにシートを「2021年売上」「2022年売上」「2023年売上」「2024年売上」の4つに分けたExcelを使ってユニオンを行いたいと思います。
Tableauにデータを接続する方法がわからないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
◆Tableauにおけるデータ接続と加工方法を手順付きで解説
Tableau Desktopでユニオンを作成する方法は主に3パターンありますので、それぞれに分けてご紹介します。
【方法1】1つのテーブルにユニオンを追加する
まず、Tableauでユニオンを作成する最も基本的な方法は、1つのテーブルに別のテーブルを追加していく手順です。
以下のステップで進めましょう。
手順1
Tableauで対象のデータソースを選択し、複数のテーブルが表示される画面に移動します。
手順2
任意のテーブル(シート)をドラッグ&ドロップします。ここでは、「2021年売上」をドラッグ&ドロップしました。
手順3
次のテーブル(「2022年売上」シート)を、先ほど追加した「2021年売上」シートの下の方にドラッグします。
すると、下図のように「ユニオン」という文字が出てきますので、オレンジ色になっているところでドロップしましょう。
手順4
残りの2テーブル(「2023年売上」「2024年売上」)についても同様に、「ユニオン」にドラッグ&ドロップします。
手順5
ユニオンは、各テーブルが同じフィールド名を持っている必要があります。
今回は「2024年売上」の[売上]フィールドだけ、あえて[売上高]という名称にしているため、フィールドが一致していません。
そのため、一致していないフィールドをマージする必要があります。
画面右下のデータグリッドから[売上]と[売上高]を選択し、右クリック>一致していないフィールドをマージ をクリックしましょう。
マージすると、フィールド名が[売上 と 売上高]となりますので、フィールド名をダブルクリックしてから[売上]に修正しておきましょう。
【方法2】ユニオンの新規作成を使う
次に、ユニオンを新規に作成する方法です。この方法は、あらかじめユニオンをすることが決まっている時に便利です。
手順1
対象のデータソースに接続後、シートの下にある「ユニオンの新規作成」をドラッグ&ドロップします。
手順2
表示されたポップアップ画面で、追加したいテーブルをドラッグ&ドロップします。
今回は、2021年〜2024年の4シートをすべて追加しましょう。
なお、1シートずつ追加することも可能ですが、複数シート選択して一度で追加することもできます。
手順3
「OK」をクリックしたら、ユニオンの完成です。
【方法1】の手順5と同様に、[売上]と[売上高]をマージしておきましょう。
【方法3】ワイルドカードユニオンを使う
最後に、複数のファイルを自動的にユニオンする「ワイルドカードユニオン」について説明します。
この方法は、フォルダ内の複数のファイルを自動的に取り込んでユニオンする際に非常に便利です。
手順1
【方法2】の手順1と同様に、対象のデータソースに接続後、シートの下にある「ユニオンの新規作成」をドラッグ&ドロップします。
手順2
表示されたポップアップ画面で、「ワイルドカード(自動)」を選択します。
ここで、対象のフォルダを指定し、ワイルドカードを設定してファイルやシートを選択します。
例えば、
・ワークブック:「含める」「サンプル – スーパーストア.xlsx」
・シート:「含める」「*年売上」
のように指定すると、
「サンプル – スーパーストア.xlsx」というワークブック(ファイル)内にある、「〜(※任意の文字)年売上」というシート名をすべて取得することができます。
なお「検索をサブフォルダに展開」と「検索を親フォルダに拡大」については、✓を入れることで、それぞれ以下の取り込みが可能です。
・「検索をサブフォルダに展開」に✓:フォルダ内にある、(ファイルではなく)フォルダの中にあるファイル内のシートを取り込める
・「検索を親フォルダに拡大」に✓:フォルダ内の他ファイルにあるシートを取り込める
手順3
「OK」をクリックしたら、ユニオンの完成です。
【方法1】の手順5と同様に、[売上]と[売上高]をマージしておきましょう。
まとめ
この記事では、Tableauにおけるユニオンの特徴や使い方を分かりやすく解説しました。
ユニオンは、同じ構造を持つ複数のデータセットを縦に結合し、一つのデータセットとして統合できる機能です。
この機能を活用すると、大量のデータを効率的に処理してデータ分析のスピードを向上させることができるでしょう。
この記事が、Tableauの導入を検討している方や業務でのデータ活用を進めたい方にとって、ユニオンの理解を深めるための役立つガイドとなれば幸いです。
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