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Tableauにおけるユニオンとは?概要や特徴、主な利用シーンを分かりやすく解説

#Tableau #ユニオン

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複数のデータを効率良くまとめて分析したい場面は、業務の中でよくあります。

Tableauには「ユニオン(UNION)」という機能があり、同じ構造のデータを縦に連結することで、一つのデータとして扱えるようになります。これは、月別売上データや支店ごとの実績ファイルなど、形式が統一された複数のデータを一括で処理したい時にとても便利です。
一見すると似たような「結合(ジョイン)」との違いを理解することも、ユニオンを正しく活用するためには欠かせません。

また、Tableau上での具体的なユニオンの設定方法や、使用時の注意点を知っておくことで、より実践的な分析が可能になります。

この記事では、Tableauにおけるユニオンの基本から、作成手順、活用シーンまでをTableau初心者の方向けに分かりやすく解説しています。

Tableauのデータ準備をスムーズに進めたい方にとって、有益な一歩となれば幸いです。

Tableauにおけるユニオンの概要・特徴


Tableauのユニオンは、構造が同じ複数のデータを縦方向にまとめて分析できる機能です。

ここでは、ユニオンの概要をご紹介したうえで、ユニオンとよく間違われる「結合」との違いについても分かりやすく解説していきます。

ユニオンとは?

ユニオンとは、「列構成が同じ複数のテーブルを縦方向につなげる操作」を指します。
例えば、1月・2月・3月など、月ごとの売上データが個別のファイルに分かれている場合、ユニオンを使えばそれらをひとつの表として扱えるようになります。

Tableauでは、ドラッグ&ドロップで複数のCSVファイルやExcelシートを簡単にユニオンすることが可能です。さらに、フォルダ全体を読み込むと、自動的に対象ファイルを一括ユニオンすることもできます。
ただし、列名や列の数が異なると「NULL列」が発生することがあるため、事前にデータ構造を統一しておくことが重要です。

ユニオンを活用すれば、同じ形式のデータを効率的にまとめ、集計や可視化の手間を大幅に削減できるようになるでしょう。

ユニオンと結合の違い

ユニオンと結合(ジョイン)は、「似て非なる操作」です。
ユニオンは、同じ列構成のデータを”縦方向”に追加して1つのテーブルにまとめる機能です。
一方で結合は、異なるテーブルを“横方向”に連携させる処理で、共通キー(IDなど)を軸に情報を結びつけます。

たとえば、1月・2月・3月の売上表をまとめるには「ユニオン」を、売上表に商品マスタを追加して詳細情報を加えたいときは「結合」を使うのが望ましいでしょう。

ユニオンでは列構成の一致が求められ、結合ではキー項目の存在が必須となります。目的に応じてこの2つを使い分けることで、Tableauでのデータ加工や分析の精度が大きく変わります。

Tableauでユニオンを作成する方法

それでは実際に、Tableauでユニオンを作成する方法について、具体的な手順を交えてご紹介していきます。ユニオンは複数の同じ構造を持つデータをひとつにまとめて扱う際に便利な機能で、効率的なデータ分析には欠かせません。

今回は例として、Tableauに標準で用意されている「サンプル – スーパーストア」のデータを使い、オーダー年ごとに

  • 2021年売上
  • 2022年売上
  • 2023年売上
  • 2024年売上

と4つのシートを分けたExcelファイルを対象に、ユニオン操作を行います。(下図)

なお、Tableauへのデータ接続に不安がある方は、以下の記事で基本的な手順を確認しておくとスムーズに進められます。

 関連記事もぜひ参考にしてみてください
    ◆Tableauにおけるデータ接続と加工方法を手順付きで解説

Tableau Desktopでユニオンを作成するには、大きく分けて3つの方法があります。

このあとのセクションでは、それぞれの手順と使い分けのポイントをわかりやすく解説していきます。

【方法1】1つのテーブルにユニオンを追加する

まず、Tableauでユニオンを作成する最も基本的な方法は、1つのテーブルに別のテーブルを追加していく手順です。

以下のステップで進めましょう。
手順1
Tableauで対象のデータソースを選択し、複数のテーブルが表示される画面に移動します。

手順2
任意のテーブル(シート)をドラッグ&ドロップします。ここでは、「2021年売上」をドラッグ&ドロップしました。

手順3
次のテーブル(「2022年売上」シート)を、先ほど追加した「2021年売上」シートの下の方にドラッグします。

すると、下図のように「ユニオン」という文字が出てきますので、オレンジ色になっているところでドロップしましょう。

手順4
残りの2テーブル(「2023年売上」「2024年売上」)についても同様に、「ユニオン」にドラッグ&ドロップします。

手順5
ユニオンは、各テーブルが同じフィールド名を持っている必要があります。

今回は「2024年売上」の[売上]フィールドだけ、あえて[売上高]という名称にしているため、フィールドが一致していません。

そのため、一致していないフィールドをマージする必要があります。

画面右下のデータグリッドから[売上]と[売上高]を選択し、右クリック>一致していないフィールドをマージをクリックしましょう。

マージすると、フィールド名が[売上 と 売上高]となりますので、フィールド名をダブルクリックしてから[売上]に修正しておきましょう。

【方法2】ユニオンの新規作成を使う

次に、ユニオンを新規に作成する方法です。この方法は、あらかじめユニオンをすることが決まっている時に便利です。

手順1
対象のデータソースに接続後、シートの下にある「ユニオンの新規作成」をドラッグ&ドロップします。

手順2
表示されたポップアップ画面で、追加したいテーブルをドラッグ&ドロップします。

今回は、2021年〜2024年の4シートをすべて追加しましょう。

なお、1シートずつ追加することも可能ですが、複数シート選択して一度で追加することもできます。

手順3
「OK」をクリックしたら、ユニオンの完成です。

【方法1】の手順5と同様に、[売上]と[売上高]をマージしておきましょう。

【方法3】ワイルドカードユニオンを使う

最後に、複数のファイルを自動的にユニオンする「ワイルドカードユニオン」について説明します。

この方法は、フォルダ内の複数のファイルを自動的に取り込んでユニオンする際に非常に便利です。

手順1
【方法2】の手順1と同様に、対象のデータソースに接続後、シートの下にある「ユニオンの新規作成」をドラッグ&ドロップします。

手順2
表示されたポップアップ画面で、「ワイルドカード(自動)」を選択します。

ここで、対象のフォルダを指定し、ワイルドカードを設定してファイルやシートを選択します。

例えば、
・ワークブック:「含める」「サンプル – スーパーストア.xlsx」
・シート:「含める」「*年売上」
のように指定すると、
「サンプル – スーパーストア.xlsx」というワークブック(ファイル)内にある、「〜(※任意の文字)年売上」というシート名をすべて取得することができます。

なお「検索をサブフォルダに展開」と「検索を親フォルダに拡大」については、✓を入れることで、それぞれ以下の取り込みが可能です。

・「検索をサブフォルダに展開」に✓:フォルダ内にある、(ファイルではなく)フォルダの中にあるファイル内のシートを取り込める
・「検索を親フォルダに拡大」に✓:フォルダ内の他ファイルにあるシートを取り込める

手順3
「OK」をクリックしたら、ユニオンの完成です。

【方法1】の手順5と同様に、[売上]と[売上高]をマージしておきましょう。

Tableauにおけるユニオンの主な利用シーン

Tableauのユニオン機能は、同じ形式のデータをまとめたいときに非常に便利です。

ここでは、Tableauにおいてユニオンが特によく行われる利用シーンを3つご紹介します。

①月別や年別のデータをまとめて分析したい時

Tableauでユニオンを活用すれば、異なる時期のデータをひとつのテーブルとして扱えます。

例えば、1月〜12月の売上データが個別ファイルに分かれている場合でも、ユニオンを使えばすべての月のデータを縦方向につなげて集計・可視化することが可能です。
これにより、「月別推移」や「年間合計」などの分析が容易になり、ダッシュボード上でも一貫性のあるグラフを作成できるようになるでしょう。

なお、ユニオン対象のファイルは列構成(カラム名と順序)を統一しておくことが大切です。列構成がきちんと整っていないと、NULLが発生したり不要な列が混在したりすることがあるため注意しましょう。

②同じ形式の複数ファイルを取り込みたい時

定型フォーマットのファイルを毎月・毎週ごとに保存している場合、ユニオンを使えばフォルダ単位で一括取り込みが可能になります。

例えば、「月次売上表_2024年1月.xlsx」「月次売上表_2024年2月.xlsx」などのように構造が同じ複数ファイルを一つのフォルダにまとめれば、Tableauが自動でユニオンを作成してくれるため、手作業の手間を大幅に削減できます。

また、ファイルの数が増えても都度ユニオン操作をやり直す必要はなく、新しいファイルを同じフォルダに追加するだけで分析対象が自動的に拡張されます。
定期レポート業務との相性がとても良い使い方といえるでしょう。

③複数のデータを統合して可視化したい時

ユニオンは、データを集約して1つの軸で俯瞰したいときにも活用できます。

例えば、複数の支店や事業部ごとに記録された同形式のデータをまとめたいときに有効です。

Tableauでは、ユニオン後のテーブルに「Table Name」というテーブル名(シート名)が付与されたフィールドが自動で追加されるため、それぞれの元データがどこから来たのかも識別できます。

この「Table Name」を使えば、「支店別の売上推移」「部門別の実績比較」など、ユニオンによって広がったデータをさらに深く分析することが可能です。

構造が共通していれば複数のファイルでも一体化した分析基盤として活用できる点が、
ユニオンの大きな魅力といえるでしょう。

まとめ


この記事では、Tableauにおけるユニオンの概要から、作成方法、具体的な活用シーンまでを体系的に解説しました。

ユニオン(UNION)は、複数のデータソースを縦方向に結合し、ひとつの表として扱える便利な機能です。結合(ジョイン)との違いや注意点を理解することで、状況に応じたデータ統合ができるようになるでしょう。
特に、月別・年別の売上ファイルのように、列構成が同じデータを一括で可視化したいときに効果を発揮します。

さらに、同一フォーマットのCSVやExcelファイルをまとめて取り込む用途や、支店・部署別の実績データの統合にも活用できます。ユニオンを使いこなすことで、ファイルの整理やグラフ作成が効率化され、日々の業務負荷も軽減できるでしょう。

本記事が、Tableau初心者の方にとって、ユニオンの理解を深めてスムーズな分析環境の構築につながる手助けとなれば幸いです。

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