Tableauの日付関数とは?概要と主な日付関数の使い方を分かりやすく解説
目次
データ分析において、日付情報の操作は非常に重要です。Tableauには、日付データを効果的に処理・分析するための多彩な日付関数が用意されています。これらの関数を活用することで、データの傾向やパターンをより深く理解してビジネスのインサイト(洞察)を的確に得られるようになるでしょう。
そこで本記事では、Tableauの日付関数の概要や主な関数の使い方、そして使用時の注意点までを初心者にも分かりやすく解説します。
日付関数に関する知識を身につけると、Tableauを用いたデータ分析の精度や効率が向上し、より深いインサイトの獲得に繋がります。データ分析を始めたばかりの方々にとって、本記事がTableauにおける日付関数の理解を深める一助となれば幸いです。
【概要】日付関数とは?
Tableauの日付関数は、データ分析において日付や時間を効果的に操作・分析するための重要なツールです。これらの関数を活用することで、データの傾向やパターンをより深く理解できます。
日付関数とは、日付データを操作・変換・抽出するための関数群のことです。
具体的には、特定の日付から年や月を抽出したり、2つの日付の差を計算したり、日付に特定の期間を加算・減算したりすることが可能です。これにより、データの時系列分析や期間比較が容易になります。
例えば、売上データを月別や四半期別に集計したり、特定の期間内のトレンドを分析したりする際に、日付関数は非常に有用です。
また、特定の日付を基準にデータをフィルタリングすると、必要な情報を迅速に抽出することができるでしょう。
Tableauには多彩な日付関数が用意されているため、これらを適切に組み合わせることで複雑な日付操作や高度な時系列分析を効率的に行えるようになります。
Tableauにおける主な日付関数の使い方
Tableauには、データ分析を効率的に行うための多彩な日付関数が用意されています。
これらの関数を活用することで、日付データの操作や計算が容易になり、分析の幅が広がります。
以下に、主な日付関数の使い方を具体的な手順とともに解説します。
DATEADD関数
★DATEADD関数の書き方:DATEADD(日付部分, 間隔, 日付)
DATEADD関数は、特定の日付に対して指定した期間を加算または減算する際に使用します。
例えば、オーダー日から3か月後の日付を求めたい時は下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
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オーダー日の3ヶ月後
DATEADD('month', 3, [オーダー日])
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このフィールドをビューに追加することで、元のオーダー日の3ヶ月後の日付を表示できます。(下図)
DATEDIFF関数
★DATEDIFF関数の書き方:DATEDIFF(日付部分, 開始日, 終了日, [週の始まり])
DATEDIFF関数は、2つの日付の差を特定の単位(年、月、日など)で計算する際に使用します。
例えば、オーダー日と出荷日の間の日数を求めたい時は下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
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オーダー日と出荷日の日数差
DATEDIFF('day', [オーダー日], [出荷日])
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このフィールドをビューに追加することで、各注文(オーダーID)に対して、オーダー日から出荷日までの日数を表示できます。(下図)
DATEPART関数
★DATEPART関数の書き方:DATEPART(日付部分, 日付, [週の始まり])
DATEPART関数は、日付の特定の部分(年、月、日、曜日など)を整数として抽出する際に使用します。
例えば、オーダー日の年や月を取得したい時は下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
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オーダー日(年)
DATEPART('year', [オーダー日])
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オーダー日(月)
DATEPART('month', [オーダー日])
—
デフォルトではメジャーフィールドとして配置されるため、ディメンションフィールドに変更します。
この2つのフィールドをビューに追加することで、各注文のオーダー年・月が表示できます。(下図)
なお、データ型はどちらも「日付型」ではなく「数値型(整数)」になっている点には注意が必要です。
DATETRUNC関数
★DATETRUNC関数の書き方:DATETRUNC(日付部分, 日付, [週の始まり])
DATETRUNC関数は、日付を指定した単位(年、月、日など)で切り捨てる際に使用します。
例えば、日付を月単位で切り捨てて、その月の初日を取得したい時は下記の計算フィールドを新しく作成しましょう。
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オーダー日(年月)
DATETRUNC('month', [オーダー日])
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このフィールドをビューに追加することで、オーダー日を月単位で切り捨て、その月の初日を表示できます。(下図)
MAKEDATE関数
★MAKEDATE関数の書き方:MAKEDATE(年, 月, 日)
MAKEDATE関数は、年、月、日の数値から日付を生成する際に使用します。
例えば、別々のフィールドに格納された年、月、日から日付を作成する場合に便利です。
DATEPART関数で作成した「オーダー日(年)」「オーダー日(月)」に加えて、「オーダー日(日)」を作成しましょう。
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オーダー日(日)
DATEPART('day', [オーダー日])
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そのうえで、下記の計算フィールドを新しく作成します。
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オーダー日(MAKEDATE関数)
MAKEDATE([オーダー日(年)],[オーダー日(月)],[オーダー日(日)])
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このフィールドをビューに追加することで、元々の[オーダー日]と同じデータを表示できます。(下図)
Tableauで日付関数を使う際の注意点
Tableauで日付関数を使用する際には、いくつかの注意点があります。
これらを理解しておくと、データ分析の精度が高まり、予期しないエラーを防ぐことにも繋がります。
①異なるツール間で日付関数の定義が変わる可能性を考慮する
データ分析において、複数のツール(例:ExcelとTableau)を併用することがありますが、各ツールで日付関数の定義や動作が異なる場合があります。
例えば、Excelでは「EOMONTH」関数を使用して月末日を取得できますが、Tableauには直接対応する関数がありません。
そのため、同様の機能を実現するには、Tableauの「DATEADD」や「DATETRUNC」関数を組み合わせて工夫する必要があります。
このように、ツール間の違いを理解し、適切に対応することが重要となるでしょう。
なお、TableauとExcelの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて読んでおきましょう。
関連記事もぜひ参考にしてみてください
◆TableauとExcelの違いとは 機能別にどちらを利用するべきか徹底比較
②関数の結果が整数か文字列かを把握する
Tableauの日付関数は、関数ごとに返すデータ型が異なる点に注意が必要です。
例えばDATEPART関数は、日付の特定の部分(年、月、日など)を「整数(数値型)」として返します。一方でDATETRUNC関数は、日付を指定した単位で切り捨て、「日付型」として返します。
この違いを理解していないと、計算フィールドを作成する際に意図しない結果を招く可能性があるでしょう。
計算フィールドを作成する際には、使用する関数の戻り値のデータ型を確認し、適切に処理することが重要です。
③週の始まり設定がデータソースと一致するか確認する
Tableauでは週の始まりを指定することができますが、データソースや国・地域によって週の始まりが異なる場合があります。
例えば、アメリカでは週の始まりを日曜日とすることが一般的ですが、他の国では月曜日を週の始まりとすることが多いです。
この設定が一致していないと、週単位の集計や分析にズレが生じる可能性があります。
そのため、Tableauの週の始まりの設定が、使用しているデータソースや分析の目的に合致しているかを確認することが重要です。
まとめ
この記事では、Tableauの日付関数について、その概要から主な関数の使い方、さらに使用時の注意点まで詳しく解説しました。
日付関数を適切に活用すると、データ分析の精度と効率が大幅に向上します。特に、DATEADDやDATEDIFFなどの関数を理解することで、日付データの操作や期間の計算が容易になるでしょう。
また、Tableauの日付関数を習得すると、データの時系列分析やトレンドの把握がより直感的かつ効果的になります。
ぜひこれらの関数を活用してデータ分析の幅を広げてください。この記事が、Tableauを用いたデータ分析に取り組む方々の一助となれば幸いです。
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