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スタートアップのセールスでクロージングに失敗する6つの理由を解説

スタートアップのセールスにおける商談には、5段階のステージがあります。5段階のステージは、顧客視点のセールスプロセスとして捉えられるでしょう。今回は、5段階ステージの最終局面となる最終交渉(クロージング)に焦点をあてて解説します。クロージングに到達するまでのプロセスを再確認してみましょう。

  • 見込み客以上の状態から商談を開始
  • 顧客のビジネス課題を明確化
  • 比較検討段階で競合優位性を訴求
  • 上記のプロセスを経て、いよいよクロージングになります。クロージングでは、顧客の意思決定を強固にする企業アピールが必要です。今回の記事では、自社の優位性を明確化するポイントを解説します。最終交渉で失敗しないためのヒントとして、ぜひお役立てください。

    スタートアップのセールスでクロージングに失敗する理由


    スタートアップのセールスにおけるクロージングの失敗は、次のような理由が考えられます。

  • 成果地点や情報の認識ちがい
  • ビジネス課題に対しての認識ちがい
  • 解決策に対しての認識ちがい
  • 取りまく条件に対しての認識ちがい
  • 下手なプレゼンテーション
  • 信頼を得られていない状態
  • 上記の理由は、プロセスを進めていくにつれて認識ちがいによるものがほとんどです。このような認識がズレた状態のままクロージングした場合、失敗する可能性が高くなります。

    理由その1:成果地点や情報の認識ちがい

    クロージングに失敗するそもそもの理由として考えられるのは、戦略自体が間違っていることです。戦略自体がすべての要素と食いちがっていれば、商談を成立させられません。そのため、戦略自体の見直しが必要です。

    具体的には、成果地点(ビジネスの目指すゴール)やビジネスを取りまく情報の認識ちがいを正しい方向への修正です。成果地点や情報の認識ちがいを修正するには、次の情報を見直しましょう。

  • 自社の事実情報(現状)
  • 顧客の現時点の状態
  • 顧客が望む未来の状態
  • 経営者の願望
  • 初期段階のリード管理設定「SCOTSMANS」

    高単価の取引となるBtoB製品の場合は、初期段階のリード管理設定で認識ちがいを起こすことが考えられます。初期段階のリード管理では、フレームワークの「SCOTSMANS」を基準に顧客を見極めてきました。

    SituaitionのS:先方企業担当者の立場
    CompetitionのC:競合他社
    OpportunityのO:機会
    TimeframeのT:導入想定時期
    SizeのS:見込める規模
    MoneyのM:先方の想定予算
    AuthorityのA:決済権限の有無
    NeedsのN:必要性

    SCOTSMANSを基準にして顧客を次の段階へ導ければ、最終的な認識ちがいは発生しにくくなります。ただし、初期段階から全体像に認識ちがいがあるまま進めてしまうと、最終交渉段階で失敗となる可能性が高くなるでしょう。

    成果地点や情報の認識ちがいへの対応策

    初期段階において、成果地点や情報の認識ちがいを起こさない対応策は、次の2つの情報を集めることです。

  • 事実にもとづいた自社や業界、市場の定量的な情報(数値で明らかになっているデータ)
  • 抽象的な経営陣の思惑(定性的で数値化できないコンセプト)
  • 上記にあげた2つの情報をこの章の冒頭で紹介した見直すべき項目に照らし合わせてみると次のようになります。

    自社の事実情報(現状):数値化
    顧客の現時点の状態:数値化
    顧客が望む未来の状態:数値化
    経営者の願望:数値化できない抽象的な思い

    このように、数値化できる部分とできない部分を明確にして、数値化できる部分で抽象的なコンセプトを理由づけられれば認識ちがいを防げるでしょう。

    理由その2:ビジネス課題に対しての認識ちがい

    クロージングに失敗する理由は、ビジネス課題に対しての認識ちがいも考えられます。そもそも顧客が解決したい悩みとズレがあれば、最終的に顧客の満足度を引きだせません。顧客の求めている状態を明確化できなければクロージングできないくらいに捉えておく必要があります。

    ビジネス課題は、顧客が言語化する顕在的な要望だけの判断だと足りません。顧客の潜在的な課題を洗い出すことが重要です。潜在的な課題を洗い出すには、顧客企業の担当者から本音を引きだす必要があります。商談の第2段階で解説したインサイトセールスを実行して、顧客の潜在的な課題を見抜くことが解決策になるでしょう。

    理由その3:解決策の認識ちがい

    顕在的な顧客のビジネス課題だけではなく、潜在的な課題を引きだすことはクロージングのため最も重要な要素です。ただし、潜在的な課題を引きだすことは、容易ではありません。潜在的な課題の洗い出しが不十分であれば、解決策に対して認識ちがいを起こしてしまいます。解決策の認識ちがいは、商談においても資料やプレゼンで的外れな結果を引き起こすでしょう。解決策の認識ちがいを防ぐには、顧客の潜在的な課題と認識が合っているか?具体的な答え合わせが必要です。

    具体的な答え合わせでは、顧客が解決策をイメージできるデモンストレーションが有効になります。または、マーケティング部門から送客される前段階で、間違った期待感を持たせていないかチェックすることも重要です。

    理由その4:条件で折り合いがつかない状態

    認識のズレと違う失敗する要素では、条件で折り合いがつけられなくなることも考えられます。顧客の潜在的な課題を解決できても、製品を利用するための条件に折り合いがつかなければクロージングできないケースです。代表的な条件として製品の生産管理指標のQCDがあげられます。

    QCD

    QCDとは、3つの要素を条件とした製品の生産業務における評価指標です。次の要素を条件とします。

    Quality(品質)
    Cost(費用)
    Delivery(納期)

    QCDが折り合わない場合は、1つひとつの条件を他の要素と調整して代替案が出せるか?因数分解による確認が必要です。

    理由その5:下手なプレゼンテーション

    顧客の課題と解決策が合い、条件も折り合いがついているのにクロージングで失敗した場合は、プレゼンテーションで上手く伝えていないことが考えられます。つまり、製品と顧客のニーズが合っているのに、下手なプレゼンで機会損失してしまうことです。

    下手なプレゼンは、プレゼン相手が明確でない形式だけの内容や、入念な準備がされていないことが要因になります。商談相手が「経営層なのか、事業部の担当者なのか」を明確にして、相手に合わせてプレゼンのトーンを変えることが大事です。

    たとえば、オーナー社長の革新思考であれば、かなり強めのトーンで攻めるプレゼンが刺さりやすくなります。逆に安定志向の雇われ社長であれば、守りの要素も含めておくことが必要です。革新思考の担当者が対象であれば、攻めと守りをバランスよく展開することも効果的でしょう。

    プレゼンの成功基準

    プレゼンの成功基準は、次の3つがポイントになります。

  • 相手が納得するだけではなく行動を起こすこと
  • プレゼン内容を相手が持ち帰り周囲に正しく説明できるほどわかりやすく伝えること
  • プレゼン内容が相手の期待値を高めていること
  • 理由その6:信頼を得られていない状態

    信頼を得られていない状態では、プレゼンが上手くいってもクロージングできません。そもそも営業は、顧客とマンツーマンで進めるため、営業担当者の信用が低ければ成立しないでしょう。商談相手に「この担当者とは付き合いたくない」と思われないことが大事です。基本的な部分ですが、身なりや発言などに注意が必要となります。

    データ参照文献:『起業大全』ダイヤモンド社:著者・田所雅之

    まとめ

    今回は、スタートアップのセールスにおけるクロージングの失敗理由について解説してきました。クロージングの失敗は、紹介した6つの理由で分けて考えることが必要です。分けて考えることにより、失敗要因だけの改善となります。また、クロージングに失敗しなければ、次の商談で活かせません。失敗から、精度を上げられれば、成功へのセールスプロセスの形成になるでしょう。

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