Power BIとは何か?特徴やできること・価格など徹底解説
目次
「Power BIってよく聞くけれど、どのような機能があるの?」
BtoBにおいて、情報データの共有と理解は業務のレスポンスを高めるうえで最も重要になります。とくにオンラインでの打ち合わせや営業が主流となる現状では、データの可視化のクォリティを高める必要があるでしょう。
企業のデータ分析において、Power BIがどのような役割を持つのか?解説いたします。この記事では、Power BIの入門編として、特徴や価格など紹介しましょう。
Power BIとは
Power BIとは、Microsoftが提供する個人・法人向けの統合型データ分析プラットフォームです。正しくは、Microsoft Power BI(ビジネスインテリジェンス)といいます。
BI(ビジネスインテリジェンス)とは?
ビジネスインテリジェンスとは、組織がデータを基準にして意思決定するための施策です。次のようなデータ基準が、項目としてあげられます。
ビジネス分析:事業目標や目的、製品の機能、ビジネスプロセスなど情報データの分析
データマイニング:統計学やAIを駆使して分析されたビッグデータから知識を創出する技術
データビジュアライゼーション:ビッグデータをわかりやすく可視化する技術
データツール:データを扱うツール
インフラストラクチャ:企業のIT関連サービスや運用管理を最適化して構成したもの
ベストプラクティス:データ分析における最善策
上記にあげた項目を要素に持っているデータ分析により、データの統合的な共有ができるのがビジネスインテリジェンスの目的です。
Power BIの役割
それでは、企業にとってのPower BIの役割について説明します。企業の課題は、BtoBにおいてもBtoCにおいても、あふれる蓄積された情報を素早く分析することです。企業にとって、最適な情報をビジネスに展開することが最も重要な部分になることは言うまでもありません。
Power BIは、データ分析において、あらゆる可能性を実現するでしょう。具体的には、社内データベースに蓄積されたデータをあらゆる形式で表現可能にすることがPower BIの役割です。
Power BIの特徴
Power BIは、セルフサービスBI製品という点が特徴です。セルフサービスBIは、データ分析の大半をBIツールで自動化して、残りの重要な判断操作を担当者が実行する仕組みです。Power BIを取り扱う担当者は、一般的なITリテラシーがあれば対応できる内容になります。そのため、非IT系担当者では取り扱えないツールになるでしょう。
Power BIは、Microsoft Office製品との汎用性が高い点が特徴になります。
Power BIの持つ、機能面での特徴を紹介しましょう。
- データの接続環境を選ばない
- データ作成に時間を費やさない
- Excelのデータ分析をさらに高度化して簡単に表示できる
Power BIは、データの接続環境を選びません。そのため、クラウド上のデータでもオンプレミス環境にあるデータでも抽出できます。デスクトップでの作業では、数クリックの操作だけでデータの消去や変換、結合が可能です。
2つの基盤により構成されるPower BI
Power BIの特徴は、2つの基盤により構成されている点ではないでしょうか。
Power BI Desktop
Power BI Desktopは、BIツールに接続可能な各データソースをデスクトップ上で実行するアプリケーションになります。主な機能は次のとおりです。
- データ抽出
- データ変換
- データ結合
- データのレポート化
- データの設計など
Power BI Service
Power BI Serviceは、クラウド上やブラウザ上によりデータ分析を共有するサービスになります。2つの基盤により、デスクトップ上のデータと組織に蓄積されたデータの円滑な分析が可能です。また、Desktopで作成したデータをクラウド環境やブラウザにより共有分析できるようになります。
Power BIでできること
Power BIでできることについて解説します。Power BIでは、次のような実行機能が可能です。
- データの抽出
- データの変換
- データの統合
- 処理されたデータの作成と実行
- 視覚化されたレポートとして作成
- 作成後のレポートを組織内で共有
- 作成後のレポートを定期的に自動更新
上記にあげた機能は、基本的にノーコーディングで実行できます。つまり、直感的な操作によるBIツールとなります。そのため、担当者はプログラミングスキルを必要としません。プログラミング技術を必要としないデータ分析が目的ならば、BIツールの選択では、Power BIが条件にあてはまるでしょう。
また、Power BIはExcelの機能を簡単にできるメリットを持っています。具体的には、Excelの分析方法となるピボットテーブルを活用した場合です。ピボットテーブルのデータ分析よりもPower BIによる分析の方が簡単であり、機能的にも表示内容が増えてきます。
Excelの場合は、データに対して表やグラフをひとつ1つ作成することが必要です。一方、Power BIは、作成にかかる手間が省かれます。そのため、分析表示項目を選択するだけで目的のデータ表示を実行できるでしょう。
Power BIの使いにくい点
Power BIの使いにくい点を紹介します。Power BIの使いにくい点は、機能が豊富な分、用途別に探しにくい点です。データの活用場面や目的は、ますます増えてくることが予想されるため、テンプレートの充実と用途別検索機能の追加が期待されます。
どのようなツールでも最初はどのように使うかを勉強する必要がありますので、レポート作成に必要となる機能を一つ一つ調べていきましょう。
機能を探しにくくしている要因としては、馴染みのないワードが多く出てくることがあります。
一般的な表現ではなく、エンジニアやデータアナリスト向けのワードを使っていることが原因です。
また、Power BIを利用する環境にもよりますが、デスクトップアプリの起動に時間がかかる点が課題です。
Power BIに無料版はあるか?
Power BIには、無料版が用意されています。データ分析の精度を高めようとしてBIツールを探している初心者にとっては、有効な選択ではないでしょうか。その理由は、他社のBIツールの場合、価格が高くて使えなかったり、無料で利用できる期間が限定されていたりするからです。
Power BI Desktopは、無料で利用できます。BIツールの入門として無料で使いこなし、ヘビーユーザーになった時点で有料に切り替えるのも方法の1つです。
無料版でできること
無料版でもPower BIの基本的な機能は全て使用できます。
そもそも無料版は個人で使うことを想定しているため、利用できる機能に大きな差異はありません。
データの取り込みや様々なグラフでの可視化、ドリルダウン、ドリルアップなどの機能に制限はありません。
さらに、Excelへのエクスポート機能も同じ品質で利用できます。
また、無料版はMicrosoftアカウントですぐに利用を開始できるため、すでにアカウントを持っていれば新しく登録することはありません。
一方で有料版はMicrosoft 365アカウントを利用するため、Microsoftアカウントとは別にアカウントの作成が必要になります。
ただし、有料版はチームや組織で使うことを想定されているため、レポートの共有を行う機能が解禁されています。
共有する側、される側のどちらも有料会員であれば、レポートを共有しての作業も可能です。
Power BIの価格
Power BIの利用料金について紹介します。価格設定は、次のようなプランで選ぶことが可能です。
Power BI Pro:月額1,090円/ユーザー(Microsoft365 E5には含まれている)
Power BI Premium:月額2,170円/ユーザー・月額543,030円/容量単位
Power BI Desktop:無料ダウンロード利用可能・クラウドサービス利用不可
Power BI Premiumアドオン:自動スケーリング機能仮想コア9,521円/24時間
参考データ:https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/pricing/
Power BI Proとは
Power BI Proとは、Power BIの有料版になります。無料版との違いは、クラウド上での共有ができる点です。Power BI Proは、クラウドサービスの活用も含まれている点が有料であるかのポイントです。クラウドサービスが利用できれば、特徴の項目で説明した2つの基盤をすべて利用できる環境になります。クラウド環境が加わることにより、BIツールの分析はスマホやタブレットなどを活用した場所を選ばない実効が可能です。
Power BI Premiumとは
Power BI Premiumとは、ユーザー単位での利用となるPro版と違い、企業全体で容量として契約する組織導入のサービスです。Pro版で充実したデータ分析ができれば、Premium導入により、ビジネス規模の拡大を目指せます。
まとめ
今回は、Power BIとはどのようなBIツールになるのか?特徴から機能、価格まで紹介してきました。Power BIは、Microsoft社が提供するだけに、Officeを使っているユーザーにとって、取り組みやすいBIツールになります。また、期間の制限なく無料で利用できるため、じっくり使い方を学べるメリットがあります。
オンラインを介したデータ共有が重要になる状況では、データ分析の迅速さを高められるツールの1つです。ビジネスにWindowsのPCを活用している場合は、Excelに不足しているデータ活用に役立つでしょう。無料のBIツールで業務効率を高めてみてはいかがでしょうか。
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