Power BIの基本的な使い方とは よくある質問と対処法をわかりやすく解説
目次
- 1. Power BIの概要
- 2. Power BIの基本的な使い方
- 2.1 ①データのインポート
- 2.2 ②ダッシュボードとレポートの作成
- 3. Power BIの使い方を深掘り
- 3.1 フィルタリングとスライサー
- 3.2 DAX関数の利用
- 3.3 Power Queryを使ったデータ変換
- 3.4 視覚化のカスタマイズ
- 3.5 レポートの共有と公開
- 4. 初心者によくある質問とその回答
- 4.1 Q1 Power BIで扱えるデータの種類は何ですか?
- 4.2 Q2 Power BIで作成したレポートを他人とどうやって共有しますか?
- 4.3 Q3 Power BIのフィルタリングとスライサーの違いは何ですか?
- 4.4 Q4 DAX関数とは何ですか?
- 5. まとめ
Power BIはMicrosoftが提供するビジネスインテリジェンス(BI)ツールで、大量のデータを視覚的に解析し、意思決定を助けるための強力なソフトウェアです。しかし、その機能の豊富さゆえに、初心者には少々難解に感じられることもあるかもしれません。
本ガイドでは、Power BIを企業で導入予定の初心者や、公式情報が分かりにくいと感じる担当者のために、最初に知っておくべき基本的な使い方を紹介します。
Power BIの概要
Power BIは、Microsoftが提供するビジネスインテリジェンス(BI)ツールで、データの分析、可視化、共有を可能にします。このツールは、大量のデータをリアルタイムで分析し、視覚的に鮮やかなレポートとダッシュボードを作成する能力を持っています。
Power BIの特徴的な要素の一つは、その豊富なデータ視覚化オプションです。チャート、グラフ、マップなどのさまざまな視覚化ツールを使用して、データを見やすく理解しやすい形に表示することが可能です。これにより、複雑なデータセットも一目で理解でき、迅速な意思決定を行うことが可能になります。
また、Power BIには自然言語Q&A機能も含まれています。この機能を使用すると、ユーザーは自然言語で質問を入力し、Power BIがデータから答えを抽出して視覚的な形で表示します。これにより、ユーザーはSQLなどの複雑なクエリ言語を理解する必要なく、データから洞察を引き出すことができます。
さらに、Power BIには強力なデータモデリング機能があります。ユーザーは複数のデータソースからデータを組み合わせ、新たなビジネスロジックや計算を作成できます。これにより、複雑なビジネスシナリオを反映したカスタムビューを作成することが可能となります。
Power BIは、これらの機能を活用して、ビジネスにおける意思決定をデータドリブンに行うことができる優れたツールです。その使いやすさと多機能性により、多くの企業でデータ分析と報告の主要なツールとして使用されています。
ただ、実際にPower BIを企業で導入するとなると、開発以外にもしなければならない事が多く頓挫される企業担当者様も少なくありません。実際に導入を検討するとなると、ユーザーの社員教育はもちろんの事、それまでExcelで作成・報告をしていた作業をBIに移行する為の担当部署との社内調整など、開発作業以外に時間が多く取られてしまいます。
また、ユーザー視点から見れば何年も属人的に実施していたExcel等を使用しての集計作業等が無くなり全く違うグラフィカルなUIになる訳ですから社内カルチャーショックが起きる事もしばしばございます。そうならない為にも開発段階から念密に各部署と意思疎通を図りながら構築していく事が大切です。
Power BI開発はシステム部門単独で実施するものではなく会社全体で取り組んでいくプロジェクトであると認識しましょう。
Power BIの基本的な使い方
①データのインポート
まず、Power BIを使用するためにはデータのインポートが必要です。Power BIは様々なデータソースをサポートしており、エクセルファイルからSQLサーバーまで、幅広い形式のデータを取り込むことができます。データがインポートされたら、それを整理し、視覚化に適した形に変形する作業が続きます。
インポートされたデータはPower Queryでデータそのものを加工・集計する事ができます。初学者の方からすれば「なぜダッシュボード作成の前に加工する必要があるのか?」という疑問が湧いてくるかもしれませんが、それは後述のPower Queryを使ったデータ変換で解説致します。
②ダッシュボードとレポートの作成
次に、ダッシュボードとレポートを作成します。ダッシュボードは一連の関連するレポートを一つのビューにまとめたもので、視覚的な要約を提供します。レポートはデータの具体的な分析を提供し、さまざまな視覚化要素(チャート、グラフ、マップなど)を用いてデータを表示します。
③共有
そして最後に、作成したレポートやダッシュボードを他のユーザーと共有します。これにより、データ分析の結果をチーム全体で共有し、共通の理解を持つことが可能となります。
※Power BIで作成したレポートの共有・公開はPower BI Pro以上のご契約が必要となります。詳しい料金体系については下記Microsoft公式サイトをご確認下さい。
Power BI:料金プラン | Microsoft Power Platform
関連記事もぜひ参考にしてみてください
◆Power BIのライセンス 無料版とPro、Premiumの違いは?ライセンスを選ぶときのポイントを解説!
Power BIの使い方を深掘り
Power BIの機能は基本的なものから高度なものまで幅広く、初心者が理解し使いこなすためには以下の機能について知っておくと良いでしょう。
フィルタリングとスライサー
Power BIにおけるフィルタリングとスライサーは、レポートの特定の部分に焦点を当てるための重要なツールです。フィルタリングはレポート全体のデータ範囲を絞り込むのに対し、スライサーは個々の視覚化に適用することで、特定のデータをより詳細に分析することができます。
DAX関数の利用
DAX(Data Analysis Expressions)は、Power BIでデータを分析するための式言語です。複雑な算術計算、テーブル間の関係の定義、新しい情報の生成などを行うことが可能で、これを利用することで洞察深いレポートを作成することができます。
- データの取得を選択します。
- Power Queryエディター内の Fx関数記載欄に関数を記載し実行します。
※
Power Queryを使ったデータ変換
Power Queryは、データの前処理と変換を行うためのインターフェースです。異なる形式や構造を持つデータを統一的な形式に変換し、必要な情報を抽出したり、不要な情報を削除したりすることが可能です。これはデータのクリーニングや整形に重要な役割を果たします。
不要なカラム(列)やNULL値をPower Queryで事前に削除しておき検索性を上げる事でより早く正確なデータがダッシュボードに反映されます。
- Power Queryエディター内でデータソースの選択やデータ整形などのクエリ操作をします。
視覚化のカスタマイズ
Power BIの視覚化はカスタマイズが可能で、データをさまざまな形で表現することができます。視覚化のタイプ、色、サイズなどを変更することで、データを最も効果的に伝えるレポートを作成することができます。
- Power BI desktop>視覚化タブ内よりビジュアルを選択しカスタマイズします。
※データソースが入っていないとビジュアルが繁栄されませんのでご注意ください。
レポートの共有と公開
Power BIでは作成したレポートを他のユーザーと簡単に共有できます。また、レポートを公開し、Web上で広くアクセス可能にすることもできます。これにより、データ分析の結果を迅速に共有し、チーム全体の意思決定を助けることが可能です。
※共有・公開はPower BI Pro以上のご契約が必要となりますのでご注意ください。
それぞれの機能や操作についての詳細は、Power BIの公式ドキュメンテーションやオンラインチュートリアルで学ぶことができます。始めは複雑に感じるかもしれませんが、基本的な操作を覚えていくことで、徐々にPower BIの強力な機能を使いこなすことができるようになります。
初心者によくある質問とその回答
Q1 Power BIで扱えるデータの種類は何ですか?
Power BIは様々なデータソースをサポートしています。エクセルファイル、CSVファイル、SQLサーバー、SharePointリスト、Azure、SAP、Salesforceなど、さまざまなデータソースからデータを取り込むことができます。
Q2 Power BIで作成したレポートを他人とどうやって共有しますか?
Power BIでは、作成したレポートやダッシュボードをPower BIサービス上で他のユーザーと直接共有することができます。また、公開ウェブページにレポートを埋め込むことも可能です。
Q3 Power BIのフィルタリングとスライサーの違いは何ですか?
フィルタリングとスライサーはいずれもデータの一部を表示するためのツールですが、使い方が異なります。フィルタリングはレポート全体に適用され、スライサーは特定の視覚化にのみ適用されます。
Q4 DAX関数とは何ですか?
DAX(Data Analysis Expressions)はPower BIで使用される数式言語です。これを用いてデータモデル内のデータを計算したり分析したりします。
カレンダーテーブルの作成もDAX関数を使用して作成致します。
それぞれの機能や操作についての詳細は、Power BIの公式ドキュメンテーションやオンラインチュートリアルで学ぶことができます。始めは複雑に感じるかもしれませんが、基本的な操作を覚えていくことで、徐々にPower BIの強力な機能を使いこなすことができるようになります。
まとめ
このガイドでは、Power BI初心者が知っておくべき基本的な使い方を解説しました。データのインポートと整理、視覚化の作成、そして分析結果の共有の基本から、フィルタリングとスライサー、DAX関数の利用、Power Queryでのデータ変換など、より高度な機能についても触れました。初めてPower BIを使用する際は少々難しく感じるかもしれませんが、手順を一つずつ学んでいくことで、Power BIの強力なデータ分析機能を効果的に活用できるようになるでしょう。さらに深く学びたい方は、公式ドキュメンテーションやオンラインチュートリアルを参照してください。
<Power BIハンズオンセミナー>
弊社ではPower BIをはじめとするさまざまな無料オンラインセミナーを実施しています!
>>セミナー一覧はこちら
<Power BIの導入支援>
弊社ではPower BIの導入支援を行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
>>Power BIの導入支援の詳細はこちら
<PowerBIの入門書を発売中!>
弊社ではPower BIの導入から基本的な使い方・活用方法の基礎などをわかりやすく解説した書籍も販売しています。
>>目次も公開中!書籍の詳細はこちら