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今更聞けないPESTの分析方法

ビジネスにおいて自社で保有している商品やサービス、技術やノウハウ、仕入チャネルや販売ルート、長年保有している得意先、従業員や個々のスキルなど内部環境を分析することは非常に大切ですが、日常的に社内で仕事をしていると自身の業務に視点が集まってしまい、なかなか自社の外部の環境に目が向かなくなってしまいます。

もちろん自社の内部環境を考えることはビジネスを行う上で、必ず考えなければならないことです。
しかしながら自社の外の環境、社会環境や人々の生活、世界情勢、技術革新など外部環境もビジネスを行う上で必ず考えなければなりません。

今回はこの外部環境を考える上で外すことのできないフレームワークを紹介していきます。

 

PEST分析とは

 

PEST分析とは、外部環境分析を行うための代表的なマーケティングフレームワークです。
PEST分析のPESTとは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの頭文字を取ったものです。
自社の取り巻く環境や、その業界を取り巻く環境を分析する際に使用します。

 

PEST分析のコツ

 

ただ闇雲にPEST分析を行っても、なかなか上手く用いることはできません。
自社の業界に即した視点で行えているか、時間的観点も含め用いられているか、仮説思考を持てているかの3点が分析のコツとなります。

 

PEST分析のコツ① 自社の業界に即した視点

 

「自社の業界に即した視点で行えているか」についてはその言葉通りです。
分析したい自社の観点でありながら、全く異なる環境を分析してもあまり意味はありません。

例としては、関東圏を中心に展開する飲食チェーン店が、北海道や九州の道路拡張計画を分析する、といったところです。
もちろん九州や北海道に出店計画があるのであれば問題ありません。しかしながら関東圏で行うという前提であれば、自社の業界に即した視点で行えているとは言えないでしょう。

 

PEST分析のコツ② 時間的観点を用いているか

 

次に「時間的観点を用いているか」です。
時間的観点を持つことはビジネスを行う上でとても大切です。

昨今の社会環境は通信技術の革新などにより目まぐるしく変化しています。
現状分析を行う上でも、10年前はどうだったか?、5年前では?、3年前は?、そして今は?とそれぞれの時代で分析することが大切です。
そうすることにより時代の変化で自社の取り巻く外部環境がどのように変化したのかをより具体的に導き出すことができます。

そして将来の外部環境を予測する上でも、3年後はどのように変化するのだろうか?、5年後はどのように変化するのだろうか?と考え時代の変化を時系列で予測することにより、より具体的なシミュレーションを行うことができます。

 

PEST分析のコツ③ 仮説思考を持てているか

 

そして「仮説思考を持てているか」も非常に大切です。
今自分で見えていること知っていることのみで分析するのではなく、その情報があるとどのようなことが考えられるのか・起こりうるのかを考えると思考の抜けや漏れを減らすことができます。

またニュースで報道されていたから、新聞に記載されていたからなどという根拠付けよりも、自分自身の考えを用いることにより相手に納得感を与えることができます。
100%正解である必要もありませんので、一歩踏み込んで「もしこうだったら、こうなるのではないか?」と考えてみると良いでしょう。

 

PESTの分析方法

 

PEST分析では、PESTの各項目の現状やこれまでの環境、将来動向をチェックします。
個々の「政治」「経済」「社会」「技術」を個別に分析することももちろんですが、4項目の関連性を見ることでマクロ環境の全体構造が分かりやすく具体的な分析になります。
また複数のPEST分析を比較検討することで、新たな仮説や視点を導き出すことができるのです。

とは言え、いきなりPEST分析をしろと言われてもなかなか難しいものです。
今回は業界を特定せずPEST分析でピックアップされやすい項目を紹介します。

「P:Politics/Political(政治面)」

・内閣総理大臣が安倍首相から菅首相に変わった。
・法律が改正され、規制緩和が行われた。
・新しい補助金や助成金が策定された。
・外国と条約が結ばれた。

「E:Economy/Economical(経済面)」

・日経平均株価やTOPIXが◯◯円になった。
・外国為替が1ドル当たり××円になった。
・消費者物価指数が△%になった。
・全国民一律の補助金が給付された。

S:Society/Social/Cultural(社会/文化/ライフスタイル面)

・スマートフォンの普及によりSNSを使う人が◯%になった。
・通信販売が普及し、自宅にいながら買い物ができるようになった。
・ラグビー日本代表が好成績を収め、ラグビー人気が高まる
・SNSで話題となり、ある観光地へ人が集まるようになった。

T:Technology/Technological(技術面)

・インターネットの登場により、通信環境が劇的に変化した。
・スマートフォンが普及し、外出先でもネット検索ができるようになった。
・水素エネルギーが活用され、エコカーが販売されだした。
・ZOOMやLINEが用いられ、自宅に固定電話を置かなくなった。

PESTそれぞれの項目について具体的に例をあげてみましたが、いかがでしょうか?
業界を特定せずいくつか項目をピックアップしてみました。もっと具体的に考えなければならない項目もあるでしょう。
そして本当であれば分析すべき前提に基づいてより沢山の項目をピックアップしなければなりません。
1人で考えなければならい時もあるでしょうが、多くの人と意見交換をすることにより、より項目を沢山ピックアップできることでしょう。

 

PEST分析で重要なこと 「一時的トレンド」か「中長期構造変化」かを考えよう

 

前の項目で「時間的観点を用いられているか」について説明しました。
このことをもう少し深掘りすると、「一時的トレンド」なのか「中長期構造変化」なのかを判断することがとても重要になります。

一時的トレンドを中長期構造変化と捉えてしまうと、将来「こんなハズじゃなかった!!」となってしまいます。マクロ環境トレンドがどの程度継続するのかを予測できたら、マーケティング戦略もより具体化し成功に近づきます。

しかしながらある社会変化や事件においては、「一時的トレンド」と「中長期構造変化」との要素が混在して起こってしまいます。
東日本大震災の例では、震災発生時の関東地域では交通網のマヒや通信障害、ガソリン不足による長蛇の列や水や電池の買い占めなどが起こりました。
しかしながらある程度時間が経ち社会機能が回復し始めると少しずつこのような問題は収まりました。
これは「一時的トレンド」と言えるでしょう。

これに対し、福島などの沿岸部では津波被害などにより住環境や社会インフラが破壊され、避難生活を余儀なくされた方々が沢山いらっしゃいます。
また県外に転居し新しい生活を始める方もいらっしゃるでしょう。そして復興活動は今でもまだ続いています。
これは一時的なものではなく「中長期構造変化」と言えるでしょう。

同じ社会変化や事件においても視点や問題とする前提が変わることにより、「一時的トレンド」か「中長期構造変化」か、変化してくるのです。

 

最後に

 

PEST分析はマーケティング活動の外部環境を分析する時に1番最初に行うフレームワークといっても過言ではないでしょう。
日々の業務を行う中で何気なく行っている方もいるでしょうが、職種によってはほとんど使わない方もいらっしゃるでしょう。

いきなりPEST分析を行おうとしても、情報量が少ないとなかなか項目をピックアップできないものです。
日々の生活のなかで新しい情報を手に入れた時に、これは「PESTのうちのどの項目だろう?」と考えることにより、少しずつ引き出しが増えていきPEST分析を行うことができるようになるでしょう。

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