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Power BI 無料版 と Power BI Proの違いとは?

#Power BI #Power BI Pro

Power BIのライセンスには無料版とPro(有料版)がありますが、どちらを使えばよいのでしょうか?

無料版でどこまでできるのか? 有料版を使うメリットは?自分にはどちらがおすすめ?とお悩みのかたへ、今回はPower BI 無料版とProの使いわけをお伝えします。

ひとことでいえば共有方法の違い

「Power BI Proはレポート作成者用で、無料版が閲覧者用ですか?」とよく聞かれますがそうではありません。

レポートを作成するのに無料版と有料版でおおきな違いはなく、ひとことで言えば「Power BI Proのほうが他の人と共有しやすい」という違いがあります。

Power BI無料版とPower BI Proの違い

自分のPCでレポートを作成し、PC上で閲覧できるのは無料版/Proとも同じです。
自分専用のクラウド環境にアップロードし、Webブラウザやスマートフォンから閲覧できるもの同じです。
違うのは「クラウド上で他の人と共有できるか否か」です。

おもに個人利用、自分で作成したレポートを自分ひとりで閲覧することを想定した無料版に対して
Power BI Proであれば誰かが作成したレポートを、他の誰でも・いつでも閲覧することがかんたんです。

 

Power BI Proでレポートを共有するには

Proユーザがクラウド上に発行したレポートは、他のProユーザと共有することができます。
まずはProユーザのよくある利用手順を見ていきましょう。

Power BIの動作環境

“Power BI ○○”という用語がいろいろあって混乱しがちなので、ここで整理しておきます。

“Power BI Desktop”

おもにレポートを「作成」するときに用いる、PCにインストールして使うソフトです。
自分ひとりでレポートを閲覧するときにもよく使われます。
公式サイトから無料でダウンロードできます。

インストール方法はこちらから

“Power BI サービス”

作成したレポートの「置き場」であるクラウドサービスです。この中に無料版とProの違いがあります。
Webブラウザから利用します。PCへのインストールは必要ありません。

“Power BI モバイル”

クラウド上のレポートを「閲覧」するスマートフォンアプリです。レポートを作成することはできませんが、スマートフォンらしい見栄えや操作性が特徴です。
ストアから無料でダウンロードできます。

その他「大勢で」閲覧する際にコストメリットのある”Power BI Premium”、他システムへの「組み込み」に強い”Power BI Embedded”などがありますが今回は割愛します。

Power BI Proでよくある利用手順

(1) まずは分析元のデータを準備します。
csvファイル、Excelファイル、データベースなどさまざまな形でOKです。
置き場もPC内、社内システム上、クラウドサービス上などさまざまでOKですが、他の人と共有するためにクラウドサービス上に置くのが一般的です。

(2) お手元のPCにインストールした”Power BI Desktop”を用いて分析元データを読み込み、見やすい分析レポートを「作成」します。

(3) お手元のPCで作成したレポートをクラウド上の”Power BI サービス”へ「発行」します。
これで手元PCに限らず、他のPCのWebブラウザやスマートフォンの”Power BI モバイル”からも閲覧できるようになります。ただし閲覧できるのは、まだ自分ひとりだけに限定されています。

(4) ここまでは無料版/Proとも変わらず、ここからがProらしい手順です。
クラウド上の”Power BI サービス”にあるレポートを、他のProユーザへ向けて「共有」します。これで自分だけでなく、他の人も同じレポートを閲覧できるようになります。

 

Power BI Proで共有するときの注意事項

自分ひとりで利用するのであれば(1)~(3)の手順でOKです。ここまでは無料版でも変わりません。
さらに1台のPCでしか利用しないのであれば(1)~(2)まででもOKです。

(4)の「共有」のためにPower BI Proライセンスが必要となりますが、レポート作成者だけではなく、共有相手も全員Proライセンスが必要な点にご注意ください。

冒頭に述べた通りPro=作成できる…ではなく「Pro=たがいに共有できる」と考えるとよいでしょう。

Power BI(無料版)では共有できないのか?

無料版でも他の人が作成したレポートを閲覧する方法はあります。
レポートを作成した際にできる定義ファイル(.pbixファイル)を他の人へ配布すれば、そのファイルをそれぞれの手元PCで開くことができます。

Power BI無料版でよくある利用手順

(1) まずは分析元データを準備します。
Proの場合と同様にさまざまな形や置き場でOKです。

(2) PC上の”Power BI Desktop”でレポートを作成します。
ここはProの場合とまったく同じです。この時点でレポート定義ファイル(.pbixファイル)ができあがります。

(2)’ここが無料版ならではの手順です。
共有したい人へレポート定義ファイルを配布します。
Office文書のようにメール、チャット、ファイルサーバなどでファイルを送信すればOKです。
(1)の分析元データを手元PCに置いた場合は一緒に配布してあげましょう。
クラウド上に置いた場合はアドレス・ID・パスワードなど接続情報を教えてあげる必要があります。
定義ファイルを受け取った人が、それぞれ手元PC上の”Power BI Desktop”で開くことで作成した人と同様にレポートを閲覧することができます。それぞれの手元で編集することも可能です。

(3) 必要であればそれぞれがクラウド”Power BI サービス”へ発行できます。
クラウド上での共有はできませんが、それぞれWebブラウザやスマートフォンから閲覧できるようになります。

 

Power BI無料版で共有するときの注意事項

レポート定義ファイルの複製を配布するため、繰り返し修正する場合は要注意です。
いちど配布するだけなら大した手間ではないですが、修正のたびに再配布するのは骨が折れます。
またうっかり配布漏れがあると、最新ではないレポートを見た人が判断ミスをおこすかもしれません。

「無料版=基本ひとりで利用」であり、ひとり×たくさんも不可能ではないと考えるのがよさそうですね。

無料版かProか?業務シーン別の使いわけ

無料版でも大丈夫なのか?有料のProが必要なのか?その決め手は共有人数と変更頻度です。
人気の利用シーンとあわせて使いわけを考えてみましょう。

毎月末の経営見える化

重要なレポートではありますが、見せ方は変わりにくく、共有相手も経営層、拠点、会議体など少なめです。仮に毎月末に見たいのであれば、次の月末までに忘れずに配布すれば問題なく、無料版でも運用できそうです。とはいえこれでは印刷物を配布するのとそう変わりませんね。
BIツールらしい「クイックな意思決定」には少々物足りないでしょう。例えば毎週/毎日見たくなったり、状況に応じて数字の見かたを工夫するようになったら、Power BI Proへの切り替えがおすすめです。

毎日の店舗売上、生産進捗など

各地の店舗、外勤の営業員、生産ラインなど共有相手が多いのが特徴です。そのぶんPC操作に不慣れなかたも多く、ファイル配布は負担になるかもしれません。またスマートフォン/タブレットを利用したい声も多く、PCに限らない共有方法が適します。

面倒な手間をかけず「いつでも・どこでも・だれでも」使えるようになるPower BI Proをおすすめします。

都度の市場動向予測など

高度な分析シーンにおいては、現場やデータに詳しい人が都度の分析観点を加えることは多々あり、そのため分析元データやデータの見かたも都度変わります。
共有する人数は限られているかもしれませんが、クイックな情報共有を求められることが多いためPower BI Proをおすすめします。

おわりに

いかがだったでしょうか?

無料版でもProでも作成できるレポートに違いはありませんが、「Pro=たがいに共有できる」のがポイントです。
BIツールを使いたいと思ったとき、まずは無料版で始めてみて、大勢が毎日使うようになったらProへ切り替えてはいかがでしょうか。
とはいえ、もっと詳しいことを聞いてみたい方もいらっしゃるかと思います。

弊社ではそういったご相談に対しても対応が可能ですので、是非お気軽にお問い合わせください。

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