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福祉に関するオープンデータのご紹介

#福祉 #オープンデータ

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福祉に関するオープンデータが公表されていることを知っていますか。
高齢化、核家族化など社会の課題を解決するため、福祉に関するデータの活用がますます必要になっています。
また同時に、これら社会問題を分析することによりニーズを把握し、ビジネス戦略に役立てることもできます。

本記事では、福祉に関するオープンデータをご紹介します。
ぜひ参考にして、社会や地域ごとのニーズを把握し、ビジネス展開に活用してみましょう。

福祉施設に関するオープンデータ

福祉に関するオープンデータの代表的な例は、福祉施設に関するデータです。
全国各地の福祉施設の位置や機能、設備、運営団体などを知ることができます。
また、位置情報が地図上に示され、施設が集中している地域や少ない地域が視覚的にとらえられるメリットもあります。

福祉施設のオープンデータの例

福祉に関するオープンデータは厚生労働省や各自治体から公開されています。
厚生労働省からは介護サービス事業所データが公表され、自治体標準オープンデータセットにも子育て施設や介護サービス事業所が内容に組み込まれています。

自治体標準オープンデータセットとは、自治体がオープンデータを公開するにあたって推奨されるデータ項目を設定したものです。
したがって、データの内容も標準化され、CSV形式で公表されているデータが豊富です。

さらに、福祉保健医療関連の情報提供を目的としたサイト、WAM NETでも各自治体で登録された障害福祉サービス等事業所データを利用できます。

事業所の種類で細分化されて提供されているため、利用しやすくなっています。
項目は次の通りです。

  1. 訪問系
  2. 日中活動系
  3. 施設系
  4. 居住系
  5. 訓練系・就労系
  6. 障害児通所系
  7. 障害児入所系
  8. 相談系

WAM NETのオープンデータもCSV形式のため、二次利用に適した形で提供されています。

福祉施設に関するオープンデータを活用した分析

待機児童問題や介護福祉施設の不足など、福祉に関して日本が抱える問題を解決するためには、地域ごとの現状を分析する地域分析が重要です。
介護サービス事業所一覧、地域・年齢別人口、子育て施設一覧などのデータと、特定の地域の市区町村境界ポリゴン、駅名、鉄道路線情報を使用し、解析できます。
すると、介護施設と高齢者人口の比較や子育て施設と 4 歳以下の人口との比較を地図上に表示でき、福祉施設が現状どの分布をしているのか一目瞭然です。

こうした分析により、福祉施設の地域差やニーズの分布を分析することができるため、行政の課題解決やビジネスの戦略を立てるために役立ちます。

オープンデータを福祉に活用した例

自治体によって公表されるオープンデータを福祉に役立てた例をご紹介します。
都立文化施設におけるエレベーター、多目的トイレのバリアフリー情報を東京都のオープンデータから取得し、バリアフリーの地図を作成し、提供するアプリです。

障害者や高齢者、ベビーカー利用者、外国人など多様な人々が外出する際、エレベーターの場所がわかりにくかったり、多目的トイレの有無を知りたかったりします。
そのニーズにこたえ、外出の際の障害を出来るだけ取り除くことを目的としています。

このアプリを使用すると、店や施設の快適さを5 段階評価で示したスポットレビューと、車 椅子では大きな障害となる入口の段差の数など、17 種類の情報が得られます。
バリアフリーの設備に関する条件で店を検索することも可能です。

介護保険総合データベースのオープンデータ


2022年より、介護保険総合データベース(介護保険総合DB)介護保険の給付金や要介護認定データの情報が民間の方でも利用できるようになります。
このオープンデータの内容や活用する方法、課題について解説します。

介護保険総合データベースとは

介護保険総合DBとは介護保険給付費明細書(介護レセプト)や要介護認定データの情報を収集して匿名化したものです。
介護保険の事業計画に活かしたり、国民の健康を増進したりするために役立てています。
介護レセプトに格納されている主なデータ は次のとおりです。

事業者情報に関する情報

  • 事業所名、事業所番号
  • 住所
  • サービスの種類
  • 加算の算定状況
  • 事業の開始、休止、廃止、再開年月日

利用者に関する情報

  • 生年月
  • 性別
  • 単位数
  • サービス種類
  • 要介護状態区分
  • 日数
  • 認定有効期間
  • 利用回数
  • 保険分給付率

また、要介護認定データとは、市区町村が要介護認定に用いた調査のデータです。
具体的には次のようなデータが格納されています。

要介護認定一次判定

  • 基本調査74項目
  • 主治医意見書のうち、短期記憶、認知能力、伝達能力、食事行為、認知症高齢者の 日常生活自立度の項目
  • 要介護認定基準時間
  • 一次判定結果

要介護認定二次判定

  • 認定有効期間
  • 二次判定結果

これらの介護保険総合DBは、2022年12月から、オープンデータとして公表されています。
これまで介護保険総合DBに関しては、介護給付費等実態統計として公表されてきました。
しかし、要介護認定の結果などのデータは公表されておらず、オープンデータとして公表する意義は大きいです。
介護サービスの実態を公表する目的もあります。

介護保険総合DBの活用方法と問題点

介護保険総合DBがオープンデータとなったため、すでにオープンデータとなっている医療レセプトデータと組み合わせて活用することができるでしょう。
健康・医療・介護のビッグデータを連結し、医療機関や保険者、研究者、民間等が活用できると期待されています。
実際に、これまで別々に分析されてきた医療費と介護費をクロスさせた分析により、両方多い地域や医療は多く介護は少ない地域など、都道府県ごとの特徴が明らかになりました。
これらはビジネスを展開するうえでも重要な視点です。

また行政では、効果的・効率的な医療介護提供体制や地域包括ケアシステム を構築するための課題分析に役立てています。
保険者ごとの介護給付費や要介護認定率を比較分析するためには最適なデータです。

課題点は、介護保険総合DBは主傷病に関する情報が格納されていないため、脳卒中や大腿骨頸部骨折 といった傷病名の違いによる、介護サービスの提供状況の違い等を分析できない点です。
また、申請からデータ提供までに長時間かかること、介護保険総合DBを活用する方がまだ少ないこと、介護保険総合DBに格納されている情報が限定的なことも課題とされています。

福祉に関するオープンデータを活用しよう


福祉に関するオープンデータの情報として、福祉施設に関するオープンデータ、活用法や活用例、介護保険総合DBのオープンデータについて解説しました。
まだまだ活用されきれていない福祉のオープンデータが多数あります。

社会課題やニーズを把握し、福祉に関するオープンデータを活用してぜひビジネスに役立ててみましょう。

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