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新型コロナウイルスに関するオープンデータとは?ビジネスでの活用事例など紹介

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無料で誰でも二次利用できるよう公開されているオープンデータ。
実は、新型コロナウイルスの流行で日本でも役立てられ、一層有効に使用されるようになっています。
今回はコロナウイルスに関するオープンデータの活用事例と、ビジネスに役立てる方法を解説します。

新型コロナウイルスに関する日本のオープンデータ


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新型コロナウイルスに関するオープンデータが日本国内でどのように役立てられてきたか解説します。

新型コロナウイルス感染症患者数の推移

2019年に発生して以来、新型コロナウイルス感染症の患者数は、増減を繰り返し定着、蔓延しています。
2021年9月までに世界で感染が確認された人は2億2千万人、死亡者は455万人に達し、「Withコロナ」「新型コロナウイルスとの共存・共生」という考え方に移行してきました。
そんな中、自治体ごとの感染者数などデータ収集システムが構築され、感染拡大状況がリアルタイムで公開されるようになりました。

厚生労働省

以下のデータが、CSV形式で提供されています。

  • 新規陽性者数の推移(日別)
  • PCR検査陽性者数
  • PCR検査実施人数
  • 入院治療等を要する者の数
  • 退院又は療養解除となった者の数
  • 死亡者数
  • 発生状況
  • 雇用調整助成金
  • 緊急小口資金等の特例貸付

これらのオープンデータをリアルタイムで都道府県別に収集し、病床数や患者数を時系列にグラフ化したダッシュボードも運営されています。

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室

以下のデータが、JSON形式(※はCSV形式)で提供されています。

  • 累積の陽性者数
  • 入院治療等を要する者
  • 累積の死亡者数
  • 都道府県別累積の陽性者
  • 全国医療機関の医療提供体制の状況(※)
  • 各国別感染者数・死亡者数
  • ワクチン接種状況

    デジタル庁のワクチン接種記録システムは、ワクチン接種状況を可視化する目的でダッシュボードを提供しています。
    都道府県別に、日次推移などが一目見てわかる形で表示されています。

    人出の変化

    緊急事態宣言の発出後、都道府県、区市町村間で人々がどのような移動をしていたのかを分析するニーズがでてきました。
    通信事業者のオープンデータを用いて、年月、平日・休日、男女、年齢、時間帯別に人の移動を解析し、人流を抑える政策の効果を判定したり、どの程度感染拡大を抑制できるかを検討したりするため活用しました。

    現在も、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室からは、

  • 全国主要駅・繁華街における人の流れの推移(15時台、19時台)
  • 全国の人口変動分析
  • 全国主要観光地における人の流れの推移
  • 高速道路の通過台数の推移(対前年比)
  • のデータが公開されています。

    新型コロナウイルスに関する世界のオープンデータ


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    新型コロナウイルスの世界的な流行に際し、各国政府がオープンデータを推進してきました。
    コロナウイルスに関するオープンデータが、世界的にはどのように役立てられてきたか解説します。

    新型コロナウイルス流行の進展に関するオープンデータ

    OECD(「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」)の報告によると、パンデミックの初期(2020年3月から7月)、新型コロナウイルスに関するリアルタイムのオープンデータの需要が世界的に急増しました。
    各国で、流行の状況が地図やチャート上に可視化され、一般市民にオープンデータとして公開されてきました。

    国際人工知能センター(IRCAI)が主導したCorona Virus Media Watchはその一例です。
    流行状況や重症度がほぼリアルタイムで世界地図上に表示され、活動中の症例と終息した症例の数を追跡するシステムです。

    新型コロナウイルスに関するオープンデータ、世界での活用法

    新型コロナウイルスの流行に関するオープンデータを解析した他国での活用例をご紹介します。

    公衆衛生に関するプロジェクト

    公衆衛生に関するプロジェクトには、以下のような例があります。

  • 韓国でのマスク在庫の追跡
  • ブラジルでの集中治療室ベッドのデータ公開
  • 米国での機械判読可能なコロナウイルス科学文献データカタログ、COVID-19 Open Research Dataset Challenge (CORD-19)
  • 医療品などに関するデータを、一般市民だけでなく、地方や地域の政策立案者に提供することを目的としています。
    韓国の例では、マスクの在庫に関するデータセットを作成し、業者ごとに分類して、名称、種類、住所、受領日などの情報を自治体向けに提供しました。

    パンデミックが日常生活に与える影響を分析

    コロンビアでは、パンデミックに対する検疫が交通システムに与える影響など、日常生活への影響を分析する革新的な方法が開発されました。
    病気の流行の情報提供だけでなく、政策や感染自体が市民に与える影響を分析したものです。
    政策の透明化やパンデミックで変化する顧客のニーズの分析に寄与している例といえます。

    財政、経済効果

    新型コロナウイルス感染やその政策による、経済効果を分析するプロジェクトも行われています。
    例えば、米国では、ある州の週間失業保険申請件数と米国労働統計局のオープンデータを用いて、業種ごとの経済的な犠牲者数を推定するなど分析しました。

    カナダでは、経営者に以下のようなアンケート調査を実施し、企業に対するパンデミックの影響を調査しました。

  • 企業の収益が減少したか否か
  • 人員配置や遠隔勤務をどう調整したか
  • 社会的距離がある中で顧客と交流するための新しい方法を見つけたか
  • この結果を週ごと、業種ごと、ビジネスの規模ごとに分析した結果をオープンデータとして公開しています。

    新型コロナウイルスのオープンデータをビジネスにどのように活用するか


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    ここまで、新型コロナウイルスに関するさまざまなオープンデータと世界での活用法を解説しました。
    この章では、このオープンデータを一般市民の手によってどのように活用してきたか、またビジネスでどのように活用するかを解説します。

    新型コロナウイルスの課題を解決するビジネス

    新型コロナウイルスの感染拡大に際して、自治体レベルで解決すべき課題が次々に明らかになってきました。
    そこで、シビックテックという概念が日本でも注目されるようになりました。
    シビックテックとは、地域の課題解決に市民自らIT(情報技術)を用いて取り組むことです。
    日本での先駆けとなったのが、東京都の新型コロナウイルス対策サイト開発の例と言われています。

    東京都の新型コロナウイルス対策サイト

    新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年初め、日々の感染状況を正確で迅速に市民に伝えることが自治体の課題となりました。
    東京都では、新型コロナ対策サイトの開発をオープンソース、つまり市民主導で行うという新たな試みがおこなわれました。

    システムの開発を請け負ったCode for Japanという団体はサイトのソースコードを公開し、サイトに関する変更提案を誰でも投稿できるようにしました。
    これにより、一般の開発者がサイトの改善に参加できるようになりました。
    実際に、公開後3週間で750件の提案が寄せられ、671件の提案を受け入れています。

    このような形式のサイトはほかの自治体にも広がり、多くのの自治体が同じ形式のサイトを公開するに至りました。
    新型コロナウイルス感染という課題に際して、一般市民が情報公開の改善に取り組んだビジネスモデルの例と言えます。

    自社製品を利用した医療提供体制状況サイト

    新型コロナウイルスに関するオープンデータを利用したシビックテックの例を、もう一例ご紹介します。
    厚生労働省のオープンデータを利用し、医療提供体制を地図上に見える化したサイトです。
    自社製品である、誰でも地図を作ることができるサービスを利用しています。

    自社製品を利用しながらオープンデータを活用し、地域の課題解決に役立てた事例です。
    オープンデータとシビックテックの意義を広めた貴重な例といえます。

    コロナウイルスに関する情報を自社ビジネスに反映する

    新型コロナウイルスの感染拡大を経て、経営の在り方も変化しています。
    データ分析により社会の変化に対応する経営が求められているのです。

    グローバル・デジタルトランスフォーメーション調査レポート2021に、新型コロナウイルスのパンデミックによって生まれた経営課題があげられています。
    第一位が変化への対応力(レジリエンス)、第三位がデータ駆動経営(顧客行動の予測)です。
    世界経済を揺るがす大きな変化が起きたことで、変化に対するデータ収集、分析し、スピード感をもって経営に活かせるか否かが重要な課題として浮かび上がったことがわかります。

    「データ駆動経営」とは「データドリブン経営」ともいわれ、客観的データを解析し、経営戦略に役立てる考え方です。
    ここでは、新型コロナウイルス感染症に関するオープンデータをどのように自社ビジネスの経営へ活用するかをご提案します。

    新型コロナウイルス感染症の流行の波を経営に活かす

    新型コロナウイルスのパンデミック以降、感染拡大の流行に呼応して顧客のニーズや購買行動は大きく変動しています。
    これらのデータをオープンデータで収集し、経営に生かすことが重要です。

    具体例として

  • 感染推移から店舗営業の見通しを立てる
  • 不足しそうな物資の予測をたてる
  • 新しい政策に対する各自治体での効果・反応を分析し、ニーズの変化を予測する
  • などという活用法が考えられます。

    新型コロナウイルス流行下の営業方針決定にデータを活用した実例

    コロナ禍のデータドリブン経営の一例をご紹介します。
    あるホームセンターを展開する企業では、新型コロナウイルス流行中に営業方針の決定にオープンデータを活用しました。

    この企業では、新型コロナウイルス流行前より活用していた内部のPOSデータや時間帯別の来客数データのほか、感染者数や人の移動状況に関するオープンデータを分析しました。
    その結果、時短営業がかえって人が密集した状況を招くということを実証し、通常通りの営業時間を継続するという判断ができたのです。

    医療経営に活用する実例

    新型コロナウイルス流行の波にもっとも経営が左右される業種のひとつが医療業界です。
    流行状況を反映して、入院患者数や救急受診患者数、手術件数などが変化し続けています。
    病院からはDPCという会計システムを通して厚生労働省にさまざまなデータを提出しています。
    新型コロナウイルスの流行で大きく変化する経営状況に関するデータも同様に収集されます。

    厚生労働省のオープンデータからは、「在院日数」「病床利用率」「入院経路」「退院先の状況」などのデータを分析することができます。
    データ分析を自院の医療経営に役立てる試みをしている医療関係者もいます。
    医療系のオープンデータを経営の指標に役立てられる一例といえます。

    当社でも、医療系のオープンデータを使用したデータを提供しています。
    当社のサービスで提供するのは、医療機関マスタとして医科マスタ、歯科マスタ、薬局マスタです。
    医療機関コードや医療圏、病床数、感染症科をはじめとする診療科など、新型コロナウイルス感染症により変化する医療状況に重要なデータを提供しています。

    ぜひ、当社のサービスを利用して医療機関の状況をデータ分析し、経営の一助にしませんか?
    お問い合わせの際は、こちらまでご連絡ください。

    新型コロナウイルスに関するオープンデータをビジネスに活用しよう

    新型コロナウイルスに関するオープンデータの種類や今までの活用事例、ビジネスに活用する方法を解説しました。
    今後も新型コロナウイルスをめぐる社会の変化により、経済状況は目まぐるしく変化することが予想されます。
    オープンデータを使って、経済状況に対応した経営の構築にぜひ役立ててみて下さい。

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