マーケティングにおすすめのオープンデータ7選!ビッグデータとの違いも解説
目次
日本政府は2012年に「電子行政オープンデータ戦略」を策定し、本格的にオープンデータ事業に乗り出しました。今では国や地方自治体が数多くのオープンデータを公開しており、企業や病院のマーケティング戦略に活用できます。
本記事では、マーケティングに活用できるおすすめのオープンデータを紹介します。オープンデータから顧客行動を分析して、ビジネスや病院経営に役立てたい方はぜひ参考にしてみてください。
オープンデータを使ったマーケティングとは
オープンデータは、二次利用可能・機械判読可能・無料という条件を満たした政府や地方自治体が公開するデータ群です。そんなオープンデータを使ったマーケティングでは、以下のような方法を実践できます。
オープンデータを使った マーケティング方法 |
内容 |
市場調査とトレンド分析 | 市場の動向やトレンドを把握し、ターゲット市場のニーズや嗜好を分析する |
ターゲットセグメンテーション | 公開されている人口統計データや地域データを使用して、マーケティング対象をさまざまな情報で分け、ニーズの異なる集団として細分化し、ターゲットを絞り込む |
競合分析 | ・競合他社の動向や強み・と弱み、市場シェアを分析し、自社の戦略に反映させる ・自社の市場内でのポジションを明確にし、競合との差別化を図る |
マーケティングで活躍するオープンデータとビッグデータ
オープンデータと同様にマーケティングに向いているデータとして、ビッグデータが挙げられます。ビッグデータを使ったマーケティングで事業を成功に導いた企業として、「メルカリ」「Amazon」「スシロー」が有名です。
ビッグデータは、膨大なデータの量と種類を持ち、データが作られる速度が速く、頻度が高いという特徴があります。マーケティングに気軽に活用するなら、オープンデータが最適です。オープンデータは、誰でも二次利用でき、全国の国民や施設から集計した膨大なデータというビッグデータの特徴も併せ持ちます。
オープンデータをマーケティングに活用する3つのメリット
企業・病院は予算の関係から、独自にデータ収集を行うのが難しい場合もあるでしょう。また、全国シェアがない中小企業であれば、全国規模のデータ収集は不可能です。そこで、政府や地方自治体が公開するオープンデータが活躍します。
オープンデータをマーケティングに活用するメリットは、以下のとおりです。
データ収集にかかるコストを削減できる
オープンデータは、公共機関から無料無償で提供されているため、情報収集に費やすコストを削減できます。
設定したマーケディング目標を実現できるオープンデータを特定し、該当ホームページからデータを取得するのみなので、自社で収集する場合と比較すると、費やすコストは雲泥の差です。
精度の高い分析ができる
オープンデータを使うと精度の高い分析が可能になり、市場を正確に捉えたマーケティングが行えます。国や地方自治体が集計しているため、透明性が高く、信頼できます。また、全国規模で調査を行っているため、データ数も膨大です。
さらに、オープンデータは年単位や月単位で更新されているものが多く、現在の市場を反映したリアルタイムな情報を収集できます。データの集計手法も豊富なので、多角的な分析が可能になるでしょう。
データ分析ツールで効率化できる
オープンデータは機械判読可能なデータで提供されているため、データ分析ツールを用いた効率的な分析が可能です。オープンデータは、主にExcel形式やCSV形式で公開されています。特にCSV形式は以下のような特徴を持つため、データ分析ツールの使用に最適です。
- システムとの互換性が高い
- テキストとカンマだけのシンプルな構造をしている
- ファイルサイズが小さく、保存・転送が容易に行える
マーケティングに最適!おすすめのオープンデータ7選
国や地方自治体は、医療・防災・行政・交通・環境・教育などあらゆるジャンルのオープンデータを公開しています。まずは、どのようなデータが必要なのかを明確にした上で、該当するオープンデータが存在するかを探してみてください。
ここでは、医療分野に焦点を当てて、マーケティングに活用できるおすすめのオープンデータを紹介します。
人口動態統計
人口動態に関するオープンデータが人口動態統計です。人口動態調査では出生、死亡、婚姻、離婚、死産に関する全数を集計しています。
死亡数については死因別の集計もあるため、医療機関開設時に、専門領域に特化した診療科の選定に活用できます。
公開内容 | 出生、死亡、婚姻、離婚、死産などの実数と比率 ー都道府県別の人口動態総覧 ー母の年齢・出生順位別の出生数 ー死因順位別死亡数・死亡率・構成割合 ー日本にいる外国人/外国にいる日本人の人口動態 |
公開頻度 | 年単位 |
ホームページ | 人口動態統計 |
国民生活基礎調査
全国の世帯及び世帯員を対象にした、保健、医療、福祉、年金、所得など国民の生活状況に関するオープンデータです。
家計支出総額や世帯員数、健康管理やその意識、所得の種類別金額など、世帯・健康・介護・所得・貯蓄について集計されています。「児童のいる世帯における母の仕事の状況」は、家事代行サービスの営業や家事を効率化する家電の販売に役立つでしょう。
公開内容 | 世帯数と世帯人員の状況 ー世帯構造及び世帯類型の状況 ー5歳以上の者のいる世帯の状況 ー5歳以上の者の状況 ー児童のいる世帯の状況 各種世帯の所得等の状況 |
公開頻度 | 年単位 |
ホームページ | 国民生活基礎調査 |
患者調査
全国の医療施設(病院・診療所)を利用する患者に関するオープンデータです。全国の入院・外来患者約200万人、退院患者約100万人を対象としています。
性別、生年月日などの属性や傷病名、病床の種別などが集計されています。傷病分類別にみた受療率や推計患者数は、医療商材の需要を分析する上で重要な情報です。
公開内容 | ・推計患者数 ・受療率 ・退院患者の平均在院日数等 ・入院前の場所・退院後の行き先 ・傷病分類別の総患者数 |
公開頻度 | 3年おきに1回 |
ホームページ | 患者調査 |
病床機能報告
地域の医療機関が担っている医療機能に関するオープンデータです。一般病床または療養病床を有する医療機関において、病棟ごとの設備、スタッフの配置、医療行為が確認できます。医療商材がターゲットとしている医療機能を有した医療機関をリストアップし、営業リストが作成できます。
公開内容 | ・病床機能、 ・許可病床数、 ・最大使用病床数、 ・病棟部門の職員数、 ・主とする診療科 ・入院患者数の状況 ・入棟前の場所・退棟先の場所別の入院患者の状況 など |
公開頻度 | 年度単位 |
ホームページ | 病床機能報告 |
医療施設調査
病院及び診療所の診療機能に関するオープンデータです。医療機関単位ではなく、施設の種類や診療科、開設者、都道府県などの単位で、救急医療体制の状況や診療及び検査の状況などが集計されています。病床数が不足している地域を選定するのに役立ちます。
公開内容 | 施設数、病床数 |
公開頻度 | 年単位 |
ホームページ | 医療施設調査 |
NDBオープンデータ
レセプト情報と特定健診情報が集約されたNDBから、汎用性の高い基礎的な情報を抽出したオープンデータです。診療行為の算定回数や薬剤や特定保険医療材料の数量、特定健診結果の分布などが集計されています。都道府県別の算定回数は、医療機関の開設地域を選定するのに役立ちます。
公開内容 | レセプト情報、特定健診情報 |
公開頻度 | 年度単位 |
ホームページ | NDBオープンデータ |
DPCデータ
DPC制度の参加病院から提供されたレセプトや患者情報に関するオープンデータです。在院日数や救急医療入院、MDC構成比などが集計されています。自院が得意とする疾患の症例数や患者からの紹介数が、全国的にどの程度のレベルかを分析するのに役立ちます。
公開内容 | ・在院日数の状況 ・他院よりの紹介の有無 ・退院時転帰の状況 ・再入院の状況 ・MDC構成比 ・診断群分類別在院日数 ・医療圏別MDC患者数 など |
公開頻度 | 年度単位 |
ホームページ | DPCデータ |
まとめ
国や地方自治体が公開するオープンデータは、市場調査やトレンド分析、競合分析といった企業や病院のマーケティングに活用できます。コストをかけずに精度の高い分析が効率的に行えるのが大きな魅力です。
この記事で紹介したオープンデータを参考に、ビジネスや病院経営にぜひ役立ててください。
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