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医療系オープンデータの活用方法いろいろ/営業リストに『病床機能報告』活用

最近では、医療機関が取り扱う膨大な医療データを戦略的な病院運営の根拠資料として活用することが当たり前のようになってきました。たった一つのデータでも見方を変えるだけで様々な用途に活用でき、医療機関のみならず、医療材料や医薬品を取り扱う各メーカーや卸業者にとっても有効な資料として認知され始めています。
ここでは、医療系オープンデータについて簡単に解説し、医療系オープンデータの中でも医療機関の機能を網羅的に把握できる「病床機能報告」に焦点をあて、その情報をもとにした「営業リスト」の活用についてご紹介します。

 

医療系オープンデータとは

各都道府県や厚生労働省等から無料で公開されている医療系オープンデータ。医療機関の患者数や従業員数はもちろん、診療実績や医療機器の台数、医療材料、医薬品のレセプト情報など各医療機関の基本情報がホームページで一般公開されています。標的とする医療機関の分析はもちろん、それを含む、その地域の医療圏の強みや弱みを把握するための資料としても十分活用できます。医療系オープンデータは無数にあり、それぞれに特徴もあります。複数のデータをひも付けし、様々な角度から考察や分析ができるため、とても有益な情報であることに間違いはありません。

 

「病床機能報告」とそこから見えてくること

医療系オープンデータの中でも有益な情報として活用されるている一つに「病床機能報告制度」のデータがあります。
病床機能報告制度は、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能を整備するため、各医療機関が自院の医療機能を年1回報告する制度であり、報告内容は各都道府県や厚生労働省のサイトに一般公開されています。報告項目は医療機関の機能を網羅しており、各医療機関の基礎データとして、その病院の動向を把握できますし、営業活動に必要な情報を得る目的であれば非常に有効なデータといえるでしょう。
報告項目は下記の通りです。

1.病床が担う医療機能

各医療機関において病床が担う医療機能は下記の4つに分類され、まずは、当該医療機関がどこにあたるかを報告します。

〇高度急性期機能
〇急性期機能
〇回復期機能
〇慢性期機能

 

これがわかるその1:急性期機能は医療材料や医薬品が高額に!慢性期機能は介護用品。

急性期の医療機関であれば診療密度が極めて高く、手術や処置材料、薬剤等を多く必要とします。逆に慢性期であれば長期療養が必要な比較的症状が安定した重度障害の患者が多く入院しているため、医療材料はあまり使用せず、消耗品や介護に必要な日用品等の購入が増えることが推測できます。つまり、手術材料等の医療材料を慢性期機能の医療機関に売り込もうとしても購入には至りにくいでしょう。どの程度の医療依存度かを簡単に判断したい時に、その医療機関が保有している病床が急性期なのか慢性期なのか、リハビリを積極的に行う回復期機能なのかといった情報を得ておくことは有効な手段となります。

 

2.その他の具体的な項目_構造設備・人員配置に関する項目

その他の具体的な項目としては、特に「構造設備・人員配置に関する項目」は有効な情報となります。「構造設備・人員配置に関する項目」は以下の通りです。
○許可病床数、稼働病床数
○看護師数、准看護師数、看護補助者数、助産師数等
○主とする診療科
○算定する入院基本料・特定入院料
○高額医療機器の保有状況
○退院調整部門の設置・勤務人数
○新規入棟患者数、在棟患者延べ数、退棟患者等

 

これがわかるその2:高額医療機器の保有状況で機器購入を推測

「許可病床数、稼働病床数」では、病床の規模を把握できます。例えば高額な医療用ベットやマットレスはもちろん、価格が安い医療材料であっても、病院全体で入れ替えや導入となるとその規模の差は、売り上げに大きく影響します。400床規模の病院で、毎日大量に使う単価の安いプラスチックグローブでも1日に数万~数十万の売り上げになります。また、「看護師数等の医療従事者数」については、ユニフォームや聴診器等のメディカルグッツ、「高額医療機器の保有状況」であれば、機器の台数、所有する機器の内容、施設基準のデータを加えることで、画像診断の診療体制の変化(機器の購入のタイミング)も推測できます。

 

3.その他の具体的な項目_医療の内容に関する項目

他にも下記のような具体的な医療の内容に関する項目も報告しています
○幅広い手術の実施
○がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療状況
○重症患者への対応状況
○救急医療の実施状況
○急性期後の支援・在宅復帰への支援の状況
○全身管理の状況
○疾患に応じたリハビリテーション・早期からのリハビリテーションの実施状況
○長期療養患者の受入状況・重度の障害児等の受入状況

 

これがわかるその3:救急医療の受入れ件数、手術件数は処置や検査材料に影響

救急医療を積極的に受入れたり、幅広い手術への対応や重症患者の対応、全身管理を必要とする患者が入院している場合、検体検査や生体検査はもちろん、病理や画像診断等を多く行います。検査や処置、手術、全身管理に関連した医療材料や医薬品は多用され、医療機器の定期点検や保守、頻回なメンテナンスを要する傾向にあります。

 

病院機能報告の情報を営業リストに使う

医療機関から報告されている膨大なデータは、医療機関に出入りする各メーカーや卸業者等の担当者にとっても営業を仕掛けるうえで強い味方になってくれます。とは言ってもCTやMRIのような大型で高額な医療機器から、ステントや人工関節のような医療材料、マスクやグローブといったディスポ製品まで、様々な製品を医療系オープンデータを用いてどのように売り込んだらよいのでしょうか。まず、紹介できるのが医療系オープンデータを「営業リスト」として活用する方法です。効果的かつ効率的に営業活動するためには「営業リスト」が必要になります。営業リストはアプローチすべき見込み客・商品の一覧表であり、医療機関名や所在地、電話番号、URL、担当者等をまとめたものが一般的です。注意が必要なのは、ただまとまっていれば良いというものではありません。各医療機関の要望に合致しているか正確に把握し、ニーズの高そうな医療機関とその場所を洗い出しておくことが重要です。それらの情報を簡単に入手できるのが「病院機能報告」です。情報量が膨大となるため、分析や抽出作業には一定の労力が必要になりますが、他のオープンデータと組み合わせることで必要な時に必要なものを提案でき、医療材料、医薬品等の購入価格のベンチマークや現状分析、選定導入に至るまでを提案することが可能になります。医療機関についての情報をわかりやすくまとめた営業リスト。有効なリストを作成できればそれを参考に各医療機関にアプローチすることができます。

 

まとめ

今回、医療系オープンデータについて簡単に解説し、医療系オープンデータの中でも「病床機能報告」に焦点をあて、病床機能報告の情報をもとにした「営業リスト」の活用についてご紹介しました。成果を上げるための営業リストは、作成の労力と時間がかかります。さらに医療機関となれば、自分たちだけではなかなか見えてこない部分もあります。もし費用を掛けることができるのであれば、有益な情報を有料で販売している会社やそれらの情報の活用方法について相談に乗ってくれる会社もあります。
是非一度検討してみてはいかがでしょうか。

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